一話目
今日もありきたりないつも通りの一日だった。
二か月前に高校に入学してから何か特別なことも起こらず毎日同じような日常だ。
部活には入っておらず放課後はたまに数人の友達と遊ぶくらいだ。
後はたまに本やゲームソフトを買いに行くくらいだ。
今日も特に要は無かったので真っすぐ家に帰った。
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俺はこれと言って得意なことは無いし成績もあまりいいわけではない中の下位だ。
運動も好きではないしそこまで良くも悪くもない、高校の体育の授業で十分だ。
恐らくこれからも平凡な人生でつまらなく生きてありきたりな死に方だとは思う。
だが俺はそんな生き方は幸せだと思える。
美味しい物が食べれて自分の好きな本を読んだりゲームが出来てこれはとても恵まれていると思える。
両親も特に変わったところもも無く父さんは本が好きなごく普通のサラリーマンで母さんも少し天然だが唯の専業主婦だ。
お金持ちでもなければ貧乏でもない一般の特に変りも無い家庭だ。
両親はそこまでうるさい人たちではなかったので割と自由だった、だが俺はあまりやる気が有る方ではなかったのでいつも成績は良くなかった。
俺はあんまり感情が動かない人間だ、感情が無いのではないが楽しいという感情以外怒り、悲しみ、喜びという感情は薄い方だとは思う。
そんな俺だったのでこれまでも順調だったという訳じゃない、嫌なこともそれなりに有った。
だが両親が優しかったのと自分の感情の薄さが有り何とか出来た。
恋愛は今まで必要だと感じたことは無い、母はそこまで見た目は悪くないと言ってくれるが誰かを好きになったことは無いし
これからも今まで通りなら必要無いと思う。
そんな風に俺は自分から望んで流されるように生きている。
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今日もすぐに家に帰りパソコンで小説を読んだりする、最近は異世界系の物が多い。
俺は基本的に二次元の物なら大抵の物は好きだ、最近はラノベなんかを読んだりしている。
その日もゲームでレベル上げをした後に夕食を食べデザートを食べてから寝た。
いつも通りベットに入り目を閉じた。
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いつの間にか起きているのに気づいていると俺はイスとテーブルが置かれた全体的に落ち着いた雰囲気の部屋にいた。
「どこだここは?」
一通り見渡すがどこにでもありそうなごく普通の部屋だ。
「なんか嫌な予感がするんだが」
気が付いたら知らない場所にいるなんてことはあまりいいことでは無いだろう。
ともかくはこの部屋でも調べて情報を手に入れておこう。
この部屋をざっと見て回ったところ不自然なところがいくつかあった。
一つはこの部屋が頻繁に使用された形跡が無い事だ、イスなどが使われている痕跡が無い上にどれも置かれている家具が新品だ。
まぁ、俺もそこまで詳しい訳でも無いしマンガなどで手に入れた正しいかもわからない素人同然の考えだがな。
そしてもう一つこの部屋には物が無い、生活用品が極めて無い。
まるで急いで部屋だけを作ったような感じだ、本棚の本も題名が無いし中も全て白紙だ。
とてもじゃないが普通の部屋じゃない。
夢を見ているのかとも思ったがそれにしては意識がはっきりしすぎている。
起きても拘束されてもいないし意識はっきりしてる上に体にも何もないから俺をここに連れてきた存在は俺に害を与える存在では無いのかもしれない。
ともかく情報が無いので判断のしようがないソファーに座って考えながら待つことにしよう。
今ある情報で考えるといくつかの可能性が思い浮かんだ。
一つは誘拐だがそれにしては色々と不自然すぎる、これは無いと思う。
次は何かに巻き込まれて連れ去られたとかだが身に覚えは無いのでこれは可能性が低いかと思う。
そして実は気が付いてからずっと考えていることだがもしかしてファンタジー的な事が起こっているんじゃないだろうか。
今の所の予想では転移か転生が一番で次に召喚じゃないだろうかと考えている。
俺もこれまでさんざんネットのファンタジーを読んできたのでさすがに多少とはいえ現実離れした違和感を感じる現状ではそう考えたくなる。
あれから多少待った、この部屋には時計が無いので時間が分からないがそれなりに待っている気がする。
俺を呼んで待たせているという事はそれなりにえらい存在が来そうな気がする。
まぁ俺の予想はそれなりには当たっていると思う。
その後は特に見る物も無いのでソファに座りながらぼーっとしていた。
それから大体で体感時間で10分位が経った頃だろうと思う、ソファに寝転がろうかどうかを真剣に5分程考えていた所だった。
コンコン
ドアを叩く音が聞こえて来た。
「どうぞ」
俺は部屋に入るよう返事をした。
ガチャ
ドアが開いて一人の男性が入って来た。
見た所金髪で青い目の普通のイケメンの20代半ばほどだと思う、服装はシンプルな布の服という感じだ。
「すいません、お待たしました」
「いえ、たいして待ってないですよ」
「申し訳ありません、こちらも急に用事が出来てしまいお待ちいただくことになりました」
「いえ大丈夫です、それで俺をここに呼んだのはあなたですか?」
「そうでした自己紹介がまだでしたね、私はクエスと言います、純也さんをここに呼んだのは私で高次元的存在いわゆる神という存在です」
「神ですか・・・・・・というか俺の名前知っているんですね」
(まじか、まじで神と来たかある程度は予想していたとはいえこれは本当にそう来るとは・・・・・・強制じゃないといいんだが)
「こちらに来てもらう時にある程度は調べさせていただきました」
「そうですかそれに関してはもうしょうがないからいいですけど、俺を呼んだ理由をこれから説明してもらえるんですか」
「もちろん今から説明します、ですがそれにしても落ち着いていますね」
「待っている間に色々と考えていて予想が当たっただけです」
「そうですかこちらとしてもそれはありがたいです」
「それでどういう訳で俺はここに呼ばれたんですか」
「そうですね、実は純也さんには異世界である私の作った世界に行って貰いたいんです」
「それはつまり俺に今生きている世界から異世界に転移してほしいという事ですか」
「はい、異世界でやってほしい事が有るんです」
「それは俺じゃないとだめなのか、他の人には出来ない事なのか」
「はいそうです、これは純也さんにしかお願いできません」
「・・・・・・俺の事を調べたなら分かっていると思いますけど俺はただの15歳の人間の子供ですよ、頭だってそれほどいい訳じゃない運動が出来る訳でも無い、俺以上の能力の人間ならいくらでもいるともいますが」
「ではそれを含めてもう少し詳しくお話しするとしましょう」
「分かりました、聞きます」
「まずは行ってもらう異世界の事について説明しましょう、世界の名前はソルエスと言います」
「ソルエスには純也さんの世界と違って魔力という物が存在します、これは精神力や体力や生命力などを使って様々な現象を起こす事が出来ます」
(つまり魔法って事だよなこの場合は一先ずはその認識でいいのかな)
「例えば様々な生体エネルギーを体外に放出すれば炎を生み出したり体内で循環させるなどをすれば肉体機能が上昇するなどです」
「それはあちらの生命体ならどんな存在でも使えるという事ですか、知性の有るか無しにかかわらず」
「能力を持っていればどんな生き物でも使えますよ、でも生命エネルギーが少なければ足りなくて使えないという事もあります」
「つまり能力と魔力が揃わないと何かしらの現象は起こせないという事か」
「身体強化などは魔力だけでも出来る事はありますがそういう認識でいいと思います」
「それで魔力という物があってそれによっていろんな事が出来るのは分かりました、でも俺には関係なさそうなんだが」
「それが大いに関係が有るんです、ソルエスには餓獣という存在がいるんです」
(何かすごーくテンプレな感じがしてきたんだが俺は一体何を頼まれるんだ、魔王退治とかじゃないといいんだけど)
「ちなみに魔力を有した知性のない生物は魔獣と言います、でこの餓獣なんですが魔獣などが何かしらの要因によって魔力が急増したことにより魔力を制御できなくなった存在です、これは倒されるまで暴走し続けます」
「その餓獣がどうかしたんですか」
「最近その餓獣がソルエスで増え始めているんです、そして魔獣が餓獣になると戦闘力が格段に上昇するんです」
「まさかと思うが俺にその原因を調べろとかじゃないよな」
「いえどういった事が原因で起きているかは確認しているんです」
「ならさっさと原因を取り除いて解決すれば・・・・・・・・・・・・・・・おいまさかとは思うが」
ここで俺はほぼ的中するであろうすさまじく嫌な予感が起きてくる。
(おいおいおいおいオイ―、俺は一体何をやらされるんだ、神の頼み事なんて絶対ヤバいだろう、ヤバい物と戦うなんてことはしたくないんだけどなぁ)
「理解が早いですね、そうです私の代わりにあなたに元凶を倒してほしいんです」
(チクショウやっぱり討伐系かー、神の代わりに倒すとかそれならドラゴンとかだといいなー・・・・・・そんな物すら倒せそうにないのに多分もっと無理そうなのが来そうだなぁ)
「それで俺は何と戦わされるんだ」
「純也さんにはですね、世界を滅ぼす邪神を倒してきて欲しいです」
「ジャシン?・・・・・・邪神かよーーーー!」
感情が薄いと言ったけどテンションは割と高いかも?




