etc4.睡眠的なエトセトラ
かなり時間が空いてしまいましたがようやく出来ました
しばらく時間あるから投稿ペースあげらる……のか?
ところで受け入れられるだろうか?
ゴブリンと戦う日々の中、現れた少女を
順調に逞しい戦闘マシーン育ててしまう、
そんな危惧も美味しそうに食べる彼女の笑顔で晴れ
彼女を一人にしないと勢いで誓っちゃった事実を。
こっちに来てから初めてのマトモな食事を終えた俺達は
次は装備の中にあったテントを張ることにした。
早速アミに警戒を代わってもらい、
早速自分の背嚢からテントを取り出す。
「アミ、そっちの背嚢からも取り出すけど良いかな?」
「はい、大丈夫でありますっ!」
そう元気に即答されると逆に罪悪感がなぁ……
いや、疚しいことする気は決して無いんだけど
女の子の荷物を漁るってこう何というか……ねぇ?
まぁ結局見えた範囲じゃ俺のと同じ物しか無かったけどな。
べっ、別に残念とか思ってないんだからな!?……ほんの少ししか
何でこんなにも一人でテンパりながら
下ろしてあったアミの背嚢からもテントを取り出したかというと
それは俺の二等兵時代的なエトセトラまで遡る。
一応、この頃エネルギー補給については
(食べた気はしないにしても)
何とかなっていたとはいえ睡眠の方は問題だった。ゲーム的なエトセトラとはいえHPみたいなものは
少なくとも視覚的には確認出来ないこの世界。
疲労は普通に襲って来るし眠くもなる。
でもゴブリンはそんな事お構い無しに現れる。
それこそ休んでる暇もないって程に。
寝るにはせめて横になって、そうした強烈な固定観念があった。
そして出来ることなら雨風は凌ぎたかった。
死んでも生き返る都合の良い世界、
だから甘えがあったというか油断してたんだろうな。俺は普通にテントを組み立てようとした。
今考えれば一人でそんな事をするなんて
襲って下さい、といっているようなもんだ。
でも眠かった。そんな事どうでも良いくらいに眠かった。十分警戒しつつ組み立てて、ちゃんと眠れてしまえば
どうせ生き返るんだし、その間に殺されても良い位に思っていた。
だが、結果は組み立て中に襲われるのでも
寝込みを襲われるのでもなかった。
足りなかった。明らかに足りなかった。テントの部品が。
どう考えても片側半分しか出来ない。
あまりの事態に茫然自失になった。そこにゴブリンが現れる。
その時は抵抗する気力も起きなかった。結局殺された。
生き返ると眠気は無くなっていたが
そのときの無様さが悔しくて、
その後は木に寄りかかって目を瞑り、
しかし耳には全神経を集中させて警戒は絶やさない。
それを睡眠的なエトセトラとしてた。
勿論最初からそんな事出来ないし疲れも取れたもんじゃなかったが、
そこは慣れれば意外に何とかなるものだ。
そんな事を長々思い返しながら二組のセットの組み立てていく。
そう、半分しかないということは二つ組み合わせれば良いということ。
実際やってみなきゃ分からなかったが
二セット使えば問題無くテントは組上がった。
「出来たでありますか?」
「うん。今丁度ね。」
「入っても良いでありますか?」
「あぁ、どうぞ。」
「わぁ!結構な広さでありますねぇ!」
「まぁ二人分の装備で出来る一応二人用なのかな?」
「じゃあ一緒に寝られるであります!」
「!?……そ、それは……やめた方が……」
「えっ!上官殿はアミと寝るのが嫌なのでありますか!?」
「そ、そうじゃなく……そ、そう!警戒!警戒は交代でやらないと……ね?」
「そうですか……残念であります……」
「う、うん。そうだね……ハハハ……」
落ち着け!落ち着くんだ、俺!
アミの事だから他意は無い!他意は無いんだ!……多分。
「取り敢えず俺が警戒しとくから、まずはアミから寝なよ。」
「そ、そんな!アミからだなんて!ここは上官殿から!」
「いや、さっきは食事作ってもらった上に俺から戴いたからね。」
「じゃ、じゃあ、お言葉甘えさせていただくであります。」
「あぁ、敷き布は無いみたいだかから寝袋使った方が良いぞ。4時間位したら交代な。」
「はい!」
申し訳なさそうにしてテントに入っていくアミも可愛い。
さて、彼女の安眠を守るとしますかな。
ところで受け入れられるだろうか?
こんなときに限ってゴブリンが一向に現れない、という事実を。
うん、まぁゴブリンも夜位は寝て……
って今まで散々昼夜問わず襲って来ただろうがっ!
何?空気読んでるつもりか?
全然読めてないぞ!ここは現れて戦ってくれて
何かこう……色々と紛らわさせてくれるのがスジだろ!
コレは何か?これで俺がテントに突撃したところを
狙って襲ってくるっていうドッキリか?
ドッキリ的なエトセトラなのか?
行かないよ?例えドッキリじゃなくても
俺が襲ったら結局守れてないし。
だけど、いや、だからこそ。
戦ってくれなかったら、この沸き上がるものは
何処にぶつければ良いんだよ、
このゴブがっっっっっ!!!!!
そんな俺の内なる叫びも虚しく
結局4時間ゴブ共は現れる事は無かった。
見てる!奴等絶対この状況見て笑ってる!
俺のソワソワしてる様をみてニヨニヨと笑ってやがる!!!
…はぁ、何か戦ってないのにどっと疲れた。
早くアミと交代して初めてマトモに寝よう。
あんな事、内心叫んでたから何か行きづらいが
純粋に、そうあくまでも純粋、何の他意も無く
アミを起こして交代を告げる、本当に、本当の本当に
ただそれだけの為にテントに入る。
幸い、ここでゴブが襲ってくることは無かった。
まぁ言ってみれば女の子の寝室的なエトセトラなわけで
これからやろうとしてる事を考えると
寝起きドッキリ的なエトセトラと言えなくも無いわけで
多少罪悪感を感じないでもないが
こちらも寝たい。今すぐ寝たい。(文字通りの意味で)
なので、そこから全力で目を逸らして
アサルトライフルに装着するタイプのライトを点ける。
浮かび上がるアミの寝顔はやはり可愛い。
それに茶色っぽいセミロングの髪が掛かると
とても何というか……うんこれ以上はやめよう。
「おはようこざいまーす。(小声)」
……ってオイ!何自ら寝起きドッキリ的なエトセトラにしてんだ、俺!!
「うみゅ……ハッ!おはようございます、上官殿!」
うみゅって!うみゅって!!うみゅって!!!
「??どうしたのでありますか、上官殿?」
「い、いや何でもないよ。あ、そろそろ4時間経ったからね、交代だ。」
「はい!」
喜び勇んでアミは出ていった。
ところで受け入れられるだろうか?
寝姿や寝起きの姿や地面にほんのり残るアミの体温で
悶々として結局一睡も出来なかった、という事実を。
はい、結局睡眠してませんよ。