8.Pday2日前
第3弾投稿します
今回は3話同時投稿します
AM10:33 東京品川 旭グループ本社
いよいよ明後日が全世界に、ゾンビウィルスが正式に発表される日になるのか。
[ライジングサン]を通じて、ゾンビウィルスの感染者の遺体は、国内福島の研究所に運び込まれ早速解析が始まった。
もっと速くに入手したかったんだがC国政府の嫌がらせで、献体の搬入に手間取ってしまった。
俺は福島研究所に電話をかけ、間違いなく新型ウィルスによる死者かを確認する事にした。
「もしもし、片桐司令官ですか? 甘莉です、手は空いていますか」
「あ、代表!今は大丈夫です、ご用件は何でしょう?」
「昨日搬入された献体は間違いなく、例のウィルスによる犠牲者でしょうか」
「蹈鞴博士によれば99%間違いの無いとの事です、
しかし後5~6体は献体が欲しいそうです」
「明後日になれば発症者は、双曲線を書く様に増えて来ますよ。
全くあの国は事態がこうなるのは読めている筈なのに・・・・・。
何十億犠牲者を作るつもりなのかね! ハァ~」
「まあ落ち着いて下さい、あの国の奴らは他国人の命より、自分らだけの面子さえ立てば良いとしか考えん奴らです」
「後でタップリ利子付で、精算させてやるから覚悟して貰うか!」
「あ~怖! 代表を怒らせたく無いですよ私は」
「まあ奴らのことはこちらに、実害が無ければ監視だけに止めておこう。
それより国内・外の島の方への、奴らのチョッカイの様子はどうかな」
「今の所代表が仕掛けた例のウィルスはバレてませんね、私は奴らの立場に同じ軍人として立ちたくないですな、ま馬鹿にはいい薬でしょうがね」
「ハハ、あなたでも嫌ですか? ま、されて一番嫌な事を相手にするのが良い戦略ですからね」
「南海の連中は今の所代表が立てた、計画通り動いていますよ。
罠とも知らずノコノコと、虎の子の空母まで用意して出張って来る予定ですね」
「今回の作戦でC国海軍の主要戦艦の、9割以上を食えれば再建は事実上不可能でしょ? 後は国内の感染対策の不備で、自壊していくだろうしね。
横山提督には頑張ってもらわないと」
「そうですね・・・・まあ代表と提督が立てた、計画道理にほぼ推移するでしょうからまず、予想通りの結果になるでしょうね」
「R国やA国はどう出そうかな? 予定通りこちらに手を出す余裕は持たせない様にしておいたが・・・・・」
「私の伝手でも代表の読み通り、あの2国は手を出せないでしょうね。
A国は南米のテロリストと、アルカイダ系テロリストの動きが活発化して、R国はウクライナとチェチェン問題で、極東問題まで手は出せないでしょうな。
両国共資金の提供先が、アラブとお互いの国同士だと思わせた所は、中々良い目の付け所ですね。
O国もC国のお手並み拝見とゆう態度でしょうしね」
「このまま何事も起きなければ10日後位には結果は出るか」
「ええ我々の勝利は9割方確実でしょうね、しかし戦場では何が起きるか読めない所がありますからね。
其れを補正するのが、良将と呼ばれる指揮官の腕と運ですよ」
「そうだな、今から考えてもしょうが無い!
後は横山提督に一任したんだから、結果の責任は俺が取るよ! ハハ」
「最高司令官がそう言う覚悟があれば、部下も120%の力を出して運を引き込み易くなりますよ」
「そうだと良いな・・・・。
後献体だが明後日以降は、国内でも簡単に入手出来る様になるから、そちらで捕獲部隊を募って捕まえてくれないか」
「わかりました、其の辺は上手くやりますので任せて下さい」
「物資で足りない物はないかな?」
「今の所生活・工場共に不足して居るものは有りません。
備蓄も予定通り済んでいます、地下水汲上のポンプの故障は無事解決しました、調査の結果配電盤にネズミが入り込みショートした模様です。
配電ボックスには忌避剤と、箱の強化をして対処したので大丈夫でしょう」
「わかった引き続き問題や不足品が出そうなら、連絡をくれ直ぐに送るので」
「はいお任せ下さい」
俺は電話を終えると、今後の予定を調べるために秘書の田中君に予定を確認する。
「田中君、今日の予定はどうなっている?」
「はい代表、本日は午前中は特に予定は入っておりません。
午後1時より3時まで、総理と昼食を兼ねた明日の事に関して、最終調整の会合があります」
「そうか・・・・その後は?」
「3時半より同じく、経団連の協力会社との会合が5時まであり、その後は社内TVの収録が、5時半から6時半までありまして本日の予定は終了です」
「ずいぶん余裕がある予定だね」
「最早どこで感染者が、出ても不思議はない状況になっていますので、代表はあまり出歩くのは好ましく無いと、片桐司令官の言ですので」
「片桐さんも過保護過ぎだよ、滅多な事で俺は怪我とか殺される事は無いのにね」
「月並みですがこの組織は、代表は要ですので皆が心配するのは当然だと・・」
「俺が居なくても回る様に、作って来たつもりだがな~?」
「いえやはり代表が居ると居ないでは、組織内の意識が違いますよ」
「そんなもんかね? 田中君もどうする・・・今日マンションに帰ると、明日辺り通勤がまずく成りそうだが、ここの宿泊施設を使うかね」
「ええ、昨日から実質此方で暮らし始めていますので」
「それなら安心だ、もう下手に外出するとどんな事態に、巻き込まれるか判らない状態だからな」
「こうしてここから街を眺めると、今まで通りの日常なのですが」
「正に嵐の前の静けさだね・・・・自分で予知しておいても信じられないですよ」
「でも全てのデータを見ると、オールネガティブしか算出出来ませんから」
「起きなきゃ良いのにな!・・・・ 日本でも何人死ぬのやら。
君の親御さんの避難は済んだのかい?」
「ええ御蔭さまで福島の物流センターに収容されましたわ。
高校生の妹は文句を言っていましたが、父と母に説得されて渋々とですがね」
「フッ! 俺だっていきなりこんな事言われて、はいそうですかとは行かないよ、妹さんの気持ちも良く分かるな」
「まあ2~3日すれば嫌でも解るでしょうね」
「嫌な世界に成りそうだね、昨日までの現実を返せってか・・・・・」
「本当に、此れからが本番ですので確りやりましょう!」
Pday2日前
PM7:30 東京 赤坂
「代表けっこう時間が押しましたね」
「Pdayを2日後に控えて皆不安なんだろうな」
「そうですわね、誰も経験した事がない事態ですもの、不安になるなって言う方が無理ですよね」
「我々は良い方さ、用意する時間が十分あったし装備も整っている。
しかし何の備えも無い、一般の人の事を考えると気が重くなるよ」
「でも何度もシュミュレーションを繰り返しても、事前に発表した場合の被害はしないで手を打った場合の、被害に比べると数倍も変ってしまいます。
大体大概のシュミュレーションでは、いつもマスコミの対応が酷くて被害を拡大してしまう結果でしょ? どう仕様も無いですよ」
「まあそうなのだけど、理屈では解っても現実はね・・・・。
しかし事が起きれば、私情は持ち込むつもりは無いよ、大勢の命が掛っている事だしね」
「まあそんな風に人間らしく悩む代表だから、皆ついていくのでしょうけど」
「まあなる様になる・・・・危ない!!」
キャーキャキャキー ガンガガギギギ~~~
話し込んでいると突然対向車線から、車が突っ込んで来たので驚いた。
咄嗟に運転手兼護衛の田所が、ハンドルを切って回避した御蔭で、右側を擦りながら相手の車は止まった。
「皆さん出ないで下さい! テロの可能性があります」
「フン、又C国外事部かスペッズナッズ辺りかな・・・・?
毎度ご苦労さんだ」
「代表大丈夫ですか? お怪我はありませんか?」
「ああ大丈夫だ、田中君・田所君・鬼山君、皆は怪我はないか?」
「ええ我々は大丈夫です」
「私も平気です」
「所で田中君其方の窓から、相手の運転席は見えるかい。
様子を伺って欲しいんだが」
「ええ、相手の車には、運転者一人しか乗ってない様ですね。
ハンドルに突っ伏して顔は見えませんけど、意識を失って居るようです」
「う~ん、鬼山君・田所君、[バイパー]と捕獲用ネット弾を準備!
田所君はKモードにて車内に待機、鬼山君はご苦労だが相手の運転手の安否を確認してくれ、助手席がわの窓からアプローチしてな。
時期的に感染者の疑いも有るので、もしもの場合は初手でネット弾で拘束を、次手で膝を狙い行動不能に。
それで仕留められなければ田所が頭部を破壊」
「「了解!」」
護衛の鬼山・田所組に指令を出し、俺と田中も念の為[バイパー]を準備して待機した。
既に廻りには事故見物の野次馬の人垣が出来かけている。
早々に事を済ませなければ、面倒な事に成りそうなので、鬼山も素早く車から降り、[バイパー]を構えた。
それを見た、こちらに近寄り欠けた野次馬の、何人かはたじろいで止まった。
鬼山も[ライジングサン]在籍の、元自衛隊の柏葉(レンジャー章)持ちの傭兵で、海外の参戦経験も多い腕っこきの兵隊だ。
ボディガードの訓練も、元米SP出の教官に訓練を受けた頼れる男である。
訓練された動きで事故車の助手席側に廻り、窓を叩き運転手の応答を確認する。
勿論田所は車内から運転手に対し、狙撃体制で待機して居る。
コンコン・・・・コンコン
「大丈夫ですか? もしも~~~し 大丈夫ですか?」
応答なしだ・・・・。
鬼山は特殊グローブを嵌めて運転席側に廻り、再度窓を叩き応答を待った。
ドンドン・ドンドン
「おい、大丈夫か? おい!」
鬼山は応答が無いのを確認後、後腰に収めた特殊警棒を取り出し窓を破壊する旨ジェスチャーで伝えて来た。
俺はOKと手で返した。
鬼山は短く鋭いスイングで、運転席側の窓を叩き割った
そして暫く様子を確認した後、ドライバーの首筋に手を触れた後首を振った。
こちらの車に近づき顔は相手に向けたまま、窓を開ける様手話で伝えた。
「ダメだったか?」
「はい、既に死亡していますね」
「鬼山君は離れて警戒、田所君も現状維持で待機、田中君は警察へ連絡頼む」
「「「はい了解」」」
「感染して居る可能性がある、警戒を解くなよ」
「分かりました、動き出したら処置しますのでお任せを」
「ああ、気をつけていな・・・空気感染はほぼ無い、だが噛まれたら100%感染るからな、出来れば体液も被らない様注意」
「確か知能はほぼ無いんですよね? ではドアを開けたり安全ベルトを外さなければ、取敢えず安全は確保出来ますね」
「我々だけならな、救急や警察が来た時が一番危ないな」
「逆に速く明後日が来て欲しいですよ、このままじゃ味方が感染を助長する動きをするんですからね・・・・」
「全くだ、だが今死体の頭を潰したら、我々が警察の厄介になってしまうし、一番大事な時にそんな事で時間を取られる訳には行かないからな」
「代表は警察が来る前に先にお帰りになりますか? 後は我々で処理しておきますので」
「いや今田中君が警察の上の方へ、話を通しているからそれからだな」
「あ、チャリで警官が来てしまった様ですね・・・面倒な!」
見ると二人組の巡査が、歩道に自転車を止めながら此方に向かって来た。
鬼山が応対して事故状況を説明して居るが、何かごねられて居る様だな。
鬼山が済まなそうに此方に来たので応対した。
「鬼山君どうした?」
「この警官が代表に事情を聞きたいと煩くて」
「まあ構わないがね」
どうも粘着質的性格の20代後半の巡査のようだ。
「え~~~と、事故当時の状況をお聞きしたいんですが構いませんか?」
下から睨め上げる様な視線で事情聴取して来た。
俺は車から降りて対応する事にした。
「ええ構いませんが? 但し私にも予定がありますから15分程しかお付き合い出来ませんが」
「人一人亡くなっているのにその態度は何なんだね、場合に因っては警察署に同行して貰うよ」
どうも自分と年格好が近い俺が、運転手付の車を乗り回して良い気になっているのが気に入らないらしい。
もう一人の30代中半の上司らしき警官は、田所から事情を聞いていて此方を無視して居る様だ。
態度から仕様がないなと思いつつ、問題が起きない限り関わる意志は無い様だが、もう一人は札付きの人物の様だ。
更に絡もうと言掛りを付けようと、俺に何かを言いかけた時、田中君が携帯を差し出した。
「代表、お電話です」
「誰からかな?」
「先ほど会談なされた高綱様ですが」
「おいお前ら、人が話しているのに失礼だろうが! そんな態度を取っていると、署に来て貰うからな」
何か喚いているのを無視して、俺が電話にでると脅して来た。
「高綱さん、先程はどうも・・・・ええ現在例の感染者と思われる者が運転していた、自動車が此方に突っ込んで来て警官と、トラブルが起きていましてね・・・・ええこちらの車には、ドライブレコーダーが付いて居ますし、問題は無いはずですが・・・・・・ええ分かりました・・・・はい!」
俺は電話を警官に渡した。
「な、なんだ! 弁護士に言われようが、此方は職務を遂行中だ・・・何だこちらは赤坂署勤務の林田巡査長だが、あんたは誰だね・・・・・!!!!」
お~~~お顔色が赤から真青にイキナリ変化したぞ、血管大丈夫か? どうでもいいけど。
「ハ、ハイ ワカリマシタ、シツレイノナイヒョウ、チュウイイタシマス」
あ、噛んだ。
スマホを押し抱いて捧げ渡して来た。
そりゃ、そ〜だよな、現警察庁長官からの電話を、いきなり廻されたら腰抜かすわ。
「高綱さんどうも・・・・・・ええ気にしないで下さい、職務熱心のあまりでしょう。
それより既にこんな街中でも発生している様で気がかりです・・・・ええ予想より1日位早まる可能性がやはり先ほどのシュミュレーションからすると、起きる可能性が・・・・・ええ・・・・ええそちらも繰り上げて対処して下さい、私も首相に連絡しておきますので・・・・・・はいでは」
電話が終わると俺は絡んで来た警官に言った。
「君は確か林田巡査長とか言ったね、悪いが予定変更だ我々は此れから首相官邸に直行する事になる。
悪いが聴取は田所君には残って応じてもらう、ドライブレコーダーのSDカードは置いていくので証拠に使ってくれ。
後鬼山君ガード用品をフル装備と、[バイパー]の予備弾を倍持って行くので用意をしてくれ。
田所君は聴取後車で本社に帰ってくれ、此方は予備の車を官邸から呼ぶので」
「は、代表分かりました、聴取後私は本社にて待機しております」
「じゃあ林田巡査長、緊急事態だからこれで失礼する、聞きたい事があれば有れば後日本社に来てくれ」
俺は名刺を渡した。
「ハ,ハイ! どうも失礼いたしました」
最敬礼された、権力病に罹る奴はより大きい権力を見せ付けられると直ぐ折れるものだ。
俺と田中君、鬼山君で各自装備バックを持ってタクシーを拾い首相官邸まで行き、総理と官房長と3人で繰り上がった場合の対策を協議した後で、本社からの迎えの車で帰社したのだった。
しかし既に感染者は国内に現れ初めており、何時パンデミックの様相を表しても不思議では無い状態に成っている。
取り敢えず発表は予定通りに行う事に成ったが、予断を許さない状況は変わりが無いのは、官邸側と同意見だった。
ここまで来ると、事態の推移を見守り手を打って行くしか、最早方法は無くなって居るのだが。