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感染戦線  作者: ヘロおやじ
第 四 章  日 本 解 放  編
60/72

60.Pday 273日目  2016年06月20日

PM2:20 福島県双葉郡浪江町請戸 大平山近辺 旭製薬福島工場

     管理棟 CEO室


 俺達は藤堂部長とのすり合わせ会議を終えて部屋に戻って来た。


 やはり出来る人物との話合いは話が早くて楽なもので、一々相手が何を言って居るのか忖度そんたくせずに忌憚なく話せるし、こう言うとこう取られるのではないかと気を回さなくても、一を言えば十を知るタイプの人とは話易い。




「思った以上に軍への志願者は頑張っているみたいですね」


「ええ、今時の若い奴等はと言いますがやはり日本人ですね、やる時はやるしやはり自分達が頑張らないと、日本からゾンビを駆逐する者は他に居ないし流行語の様に、『働いたら負け』の様に言っていますが自覚すればやはり日本人ですからね。


 自身が身内や親しい者を亡くした人も多いですが、事ここに至って誰も自分達を助けてくれないし、己がしなければ何も始まらないと気づいたのでしょう、そうなると後は自覚した者が率先して動くのが日本人の特性ですからね」


「その通りですね、藤堂部長の話を聞いていると元気が出ますし、今時の若い者はと良く昔から言いますが結局、どの世代でも自覚して行動した者が勝ちなのでだと思いますね。


 でもまさか軍にあれ程の十代後半の若者が志願するとは予想外でしたし、士気旺盛で訓練に励んでいるのを聞くと思わず嬉しく成ってしまいますわ。


 逆に現在居る年寄りの世代、特に60代以降の世代は文句ばかり言って他に依存するタイプが多い感じですね。彼等は戦後直ぐに10代中盤からの世代でWGIPの戦後教育を受けた世代なので仕様が無いですが」


「男女問わず一時に約6万人の志願者が出たそうですし、開放地域が増えて来れば志願者も更に増える様ですし、海外の派兵にも積極的に志願する者が多いそうですから。


 現在は戦後世代がお荷物に成って社会の雰囲気を悪くする元凶ですが、数は少ないですが同世代でも目覚めた真面な方々も、3割~4割はいるのが救いですが彼等は実際のビジネスや生活で、特亜や左翼の異常性に気付けた考え深い人々ですから貴重な人達ですね。


 今回の東北開放作戦では新兵の訓練が間に合わないようですが、後の関東開放作戦では新たな志願者の訓練も終わって、参加出来るので陸軍も掃討戦ではかなり楽に作戦を行えるし、これで開放が早まりますからね」


「今回は青森・秋田・岩手・宮城と山形県の一部を開放するので、自衛隊時代からの軍人が主体に成って部隊運用をするので、かなり効率が良く作戦が遂行出来るでしょうし、新装備のプルーフも確り出来ますから今後が楽になります。


 それに今回は結構な過疎地域が多いしゾンビほいほいの設置も順調ですので、割合作戦は上手く行くと思いますし、合わせてワクチンの接種も行うので感染経路の遮断も出来ますから、かなり順調に行きそうですわ」


「そうですね、しかし山間部では撃ち漏らしがかなり出るので、開放後の間引きが結構大変ですし、今後暫くは日本の民間人が武装して駆除するので銃社会になるのは仕方無いし、其の辺の対応が警察は大変に成りそうです。


 まあこれだけの大災害の後ですから社会も否応なく変化をするのは、ある程度仕方の無いことですが銃を使った犯罪が増えるのは、あまりいい事では無いですが・・・」


「戦後の洗脳世代と実利の伴わない左翼脳の方々が整理されたので、今後罪を犯した場合の罰則は強化されるし、人権屋も実質上壊滅したので犯罪に対する抑止力は返って増したと思います。


 犯罪者を際限なく甘やかして真面な生活者を追いやった、戦後教育の反省を基に今回の法改正を行った効果が、今後必ず出て来ると思いますから逆に犯罪は減るのでは無いでしょうか?


 現在国内の犯罪率を異常に押し上げている特定民族の帰化人が、スパイ行為に手を染めていたのでだいぶ数を減らしましたから、国内の凶悪犯罪や衝動犯罪の発生率も下がると思います。


 パンデミック前の大都市近郊の刑務所は、日本語以外の母国語を話す者達で飽和していましたし、それが解消したので刑務所の利用率もかなり下がり社会保障費も安くなるでしょうね」


「確かに刑務所の利用者の内訳は災害前のマスコミは、報道しない自由とやらを行使して実情を国民に知らせなかったし、知ったら在日違法外国人を排斥する一大キャンペーンが起こったでしょうね。


 これからは逆に日本人に混じった者のDNAの所為で、異常犯罪が多発する可能性は否定出来無いし、彼等半島民はDNAの先天性欠損で6万個以上のDNA異常が、A国の医療機関の調査で判明して居るのです。


 それもK国首都圏と言うK国の全ての地域の人種が混ざっている地域での調査で、全体の47%がその欠損を持ちそれが原因で、火病と言う人格障害が起こっていると言う調査結果がありますからね。


 この事実も日本のマスメディアは国民に伝えて居ないし、それを知らずに彼の国の民族と結婚した者も少なく無い現実があります。


 結婚という言わばDNAを混ぜる行為が前提の契約で、先天性の欠陥を持った者との結婚がお互いの同意無しに結ばれるのは、ある意味質たちの悪い詐欺行為ですし、倫理面からも明らかな犯罪と等質な行為です。


 それを踏まえて結婚するなら本人同士の自由ですから、誰かが文句を言う筋合いもないですが、一方がその事実を知らないで生まれた子供がその障害を負うのは、明らかにマスコミぐるみの犯罪ですよ。


 あの民族が遺伝病持ちと知っていて敢えて報道しないのは、悪質なテロ行為と同等ですし、これからマスコミから追いやられた社主一族は、この責任も取らされるが司法は彼等の味方には成らないですから」


「マスコミが中立を保った報道姿勢を堅持して居れば、全く問題は無かったでしょうがまず主義主張で一方に加担した、報道をして居たのは既に明らかにされていましたから、今後彼等は訴訟の大津波に呑まれてしまうでしょう。


 折角戦後営々と国民を騙して築き上げた資産も、既に凍結されて居ますし今更海外に逃亡すれば、自ら死刑になりに行く様なものですし、生き残れる可能性も全くありませんから」


「まあタックスヘイブンの国に資産を隠していたでしょうが、その国自体も現在有るかどうか非常に微妙ですし、いまさら海外の資産も価値はほぼゼロ査定ですからね。


 後は企業相手の広告詐欺部数捏造で入手した日本の大都市の土地家屋も、今後の集団訴訟で120%持って行かれるでしょうし、彼等を助ける為に飼っていた知識人と言う使用人も、軒並み捉えられて権力構造は瓦解していますから惨めなものですわ」


「日本のマスコミは戦前は国粋主義に傾倒し、帝国臣民を意識誘導してまだ戦うのに時期尚早の、対A戦に駆り立てて結局は大日本帝国を滅ぼした最大最悪の戦犯企業です。


 しかし戦後はその罪を大日本帝国政府と帝国軍に擦り付けて、自身は戦勝国に擦り寄り知らん顔で無罪の様に振る舞い、贖罪も殆どしていない為に体質は変わって居ない状態でした。


 そしてパンデミック前までは、思想の左右は戦前と入れ替わりましたが、その性格自体は一切変わらずに来ましたから、平気で捏造歪曲報道を社内で許して日本を売国した犯罪業界でした」


「そうですね、そもそも国民に対する犯罪の贖罪しょくざいをせず、イケシャアシャアと生き延びて無罪の様な顔をして、自身の犯罪を社や業界を挙げて隠蔽した結果、自身の戦後再出発を捏造歪曲体質からの再出発でしたわ」


「戦後彼等マスコミは国に対する監視機関としての資格は本来は無く、自身が国や国民からの監視される対象の組織のはずですが、戦勝国の手前勝手なWGIP洗脳政策の片棒を担いで罪を逃れました。


 結果半島国家と同じく再出発自体に捏造歪曲体質が染み付き、更に自身が罪の精算をせず小狡く立ち回った為、その胡散臭さが体に染み付いた所為で毅然とした態度を取れず、詐欺体質に落魄れた集団に成ってしまった。


 こうして分析してみるとC鮮半島の2つの国家やC共と同じ経緯で生まれた、よく似た存在が日本のマスコミや左翼間系団体だし、そのためこれ等の集団は本当によく似た体質を持っていますからね」


「ククク! そう言えば特亜とマスコミや左翼の言動行動って、まるで同じ鋳型で生まれた様な、本当によく似た主張方法ですし捏造体質や、白を黒と言う時の論拠が丸で同じですわね。


 正に同じ親から生まれた兄弟と言うか血を同じくした、一族郎党と謂うべき似た者同士が彼等マスコミと、左翼主義者に半島出身者なのは言われて見れば一目瞭然です」


「まあ出だしがいい加減だと真の自信やプライドとは無縁な存在でいますから、言う事も胡散臭いですし行動も堂々とした所も無く、何処か小物臭のする口先だけの詐欺師じみて居るので、軽く見られるのが当然でそれがコンプレックスに成りますからね。


 そうなると彼等自身も自ずと行動もそれに合わさり、「魔やかしい」物に成って世の中斜に構えて見る様になるから、それと接した者達からは真面な人や組織とは思われ無いですからね」


「左翼もやはり似た様な感じを受けますし、自身の主義主張が論破されそうに成ると必ず理論や証拠では無く、感情に訴える言動をして来るのが彼等ですわね」


「自身の言う事をくさされると定番の行動が『ネトウヨ』と言うレッテルを貼り、自己満足に陥って自分の殻に閉じこもる異常者の臭団で、彼等は狂信者が『神への不敬者』と同じ意味で『ネトウヨ』を使いますから」


「彼等左翼の者達が、そう言う本当の事を言う人は『マルクス神』への不敬者であり、『ネトウヨ』と『神への裏切り者』や『悪魔』と言った、正にヘイトレッテルを他者には平気で貼る狂信者ですから」


「60′年代生まれの人に聞くと昔は50′年代生まれの人は、60′年以降の人を『ノンポリ』(NON POLICY)と言うヘイトレッテルを貼り、馬鹿にして差別したと聞いた事があります。


 まあ彼等は質の悪い差別主義者で、自身とは主義主張が違う者は皆ヘイトレッテルを貼り、悉く差別して自己満足に耽る狂信者だし、狂信者と論争しても虚しいだけで時間の無駄意外何者でも無いですしね」


「確かに左翼の思想に被れて居る人って、質の悪い差別主義者で『ネトウヨ』とか言うヘイトレッテルを作るのが得意な、根っからの選民思想主義者ばかりですわね。


 いくらヘイトレッテルを貼っても、左翼政権に成った殆どの国は100%中の99.9%は、国が疲弊して貧しく成り今時国民が飢えて、餓死する異常な国家運用をする思想なのに気付か無いですから。


 どんなに取り繕っても事実は変わり無いし、この高度情報化時代にマスメディアに因る情報操作が可能だと、儚い夢想に耽る変わり者の集団としか言え無いですからどうしようも無いですわ」


「まあこれからの世の中少なくとも亜細亜通商連合内では、共産主義の如き弱者である民衆を収奪する悪質貴族社会モドキは、一切蔓延る余地を作る気は無いですよ。


 これからは共産主義や民を騙す悪質宗教等は芽の内に毒草は積むのが肝要だと思いますし、其の辺の法整備も亜細亜通商連合の域内ではキチッと整備していきますから」


「ええ、オウムの如き悪質宗教や共産主義の様な収奪思想の元は、健全な発展を阻害する要因だから宗教や思想は、全体の利益の為にはある程度制限し政教分離は徹底して行くそうですね」


「本当に思想系は形には現れ辛いから、本当に扱いが大変ですし場合に因っては工作員が取り込まれる可能性もありますから、とても難しい事案だし干渉の仕方も大変です。


 中にはバックに地獄の勢力がいて病気をマッチポンプで、呪いで病を作り同じ側の術師が治療した振りをして、呪いを止めさせる行為をしますから判定が難しいのです。


 陰陽師はその点道教系と言ってもほぼ神道系で宗教的には中立で、其の辺の取締などでは大変な力に成るでしょうから、今後通商連合内の思想治安維持局で中心になり活躍するでしょうね」


「面白い物ですね、本来陰陽寮の陰陽師達は天皇家の霊的防御を司る部局でしたが、現代は亜細亜の民の霊的防御を司る事に成るとは思いも依りませんでしたでしょう」


「全くですね、まあ私の師匠が初代捜査部の長に成りそうですが、各国の導師や宗教間系の協力者など、亜細亜のサイキックが一堂に会して運営方針を決めるそうですね。


 私も誘われたのですが今の所他の仕事で身動きが取れないので、いざ危険な事案でどう仕様も無くなった時に、助人に出る事で折合いを付けましたがね」


「代表はソッチ方面では有名ですから仕方無いですが、秘書の私としては社員の一人として、そう言う危険な事は為さらないで欲しいのですが、通商連合の引きではあまり止だても出来ませんのですが・・・」


「今後の亜細亜と世界の安定の為ですから仕様が無いですけれど、まあ本業に支障が出ない様にして行く積もりですが、亜細亜の危機なら我社の危機でもあるのでその時は覚悟して下さい」


「判りましたけれどあまり納得はしていませんので程々になさって下さいね。


 次に先程総理から新たな憲法の草案を頂きましたのでこのチップに入っていますから後に一読下さい、お願いします」


「ほう、やっと出来ましたか? 無論田中君も閲覧の許可が下りていますので原文は読みました? 感想はどうでした」


「感想はと言うと『普通の国日本』と言う事を短的に述べた憲法だと思いますね。


 和戦どちらをも自身の意思で決定出来る今までの様に、一方的に殴られて場合に因っては死んでも良いと言う、日本人に対して非人道的な憲法では無いのが特徴です。


 戦後戦勝国に押し付けられ、日本人の日本人に因る日本人の為では無い日本が一方的に殺される、何の価値も無い憲法でしたのでそれを後生大事に守った者達は、明らかに日本を他国に売った者ですから」


「確かにその通りですし、そんな法律を誇る人間は人間知の無い所謂書生論者か、日本と日本人を滅ぼすのが目的だと言うのが良く解る、国の基本法である憲法が現在の憲法の中身ですからね。


 大体憲法改正をするのに議員の2/3の同意が無ければ改憲出来無いとは、明らかに民主主義の根幹である多数決の原則をねじまげた、悪意ある者が作ったと考えられる法ですから。


 それの批判をする事すら悪と断じた左翼政党は明らかに売国政党であり、今回の一斉検挙で彼等の金の流れを[おもいかね]で追った結果、ソ連時代はソ連からそれ以降今世紀に入っては中共やK国から資金が振り込まれて来ましたから」


「もう公安から上がって来た資料の分析は終わったのですね。やはり彼等は他国の利益の為日本の富をソ連と特亜に流していたのですか、でも与党からもK国に便宜を計って居た大物議員もいましたが、あの帰化人の子孫はどうしたのでしょう?」


「無論与党にもK国所か北にも与していた者やC共に加担した者も居ましたが、総理は彼等売国議員を徹底的に洗い出し、この機会に一掃する意思で政財界・法曹界・官界の大掃除をしました。


 幸い現在はパンデミック下の非常事態であり、特亜の宣戦布告無しの開戦によりスパイ防止法の特別立法を制定する、大義名分が出来ましたから立法と同時に動き現在の大掃除に繋がったのです」


「スパイ防止法で検挙されたら言い訳は効かないですし、現在はパンデミック下の非常事態ですから、犯罪者の人権は最下層に位置づけられて、平時とは違い悠長に飼っている食料も余分な人手も無いですから。


 まあ、正に因果応報で国家反逆罪は即座に死刑が適用ですから、粛々と刑は執行されて無駄飯喰は処分され、世は事もなしで良い事ずくめですからね」


「その通り、政治家だからこそこの非常時に国民の生命と安全を優先しないで、他国の利益の為に働いた者は最悪の裏切り者ですから、率先して罪を償って貰いますからね。


 まあ売国奴の事はこれくらいにして、第一次奪回作戦の要諦は決まりましたし、装備や補給・法的な条件もクリアできましたから、後は作戦通り実行して行くだけですので。


 今回の憲法改正で海外派兵も解禁されたので、漸く亜細亜の平和と安定に寄与出来る国になりましたし、ゾンビの駆除の為に他国へのPKO活動も武力支援が可能になりました。


 そして我社の協力体制も略98%方整いましたし、前倒しに成っても然程影響も出ないですから本当にホッとしましたよ。


 あとは次回の作戦の下準備も同時に行っていますから、遅延はこの間のR国との戦闘の様な事が無ければ、問題無く済むでしょうからね」


「そう言えば代表、例の極秘作戦の為の物資の集積は7割方済んでいますが、今回の東北奪回作戦での事後処理に於いてで、避難誘導の人数が変わりますが、其の辺はやはりメガフロートで吸収しますか?」


「この間の九州での地震では被害予想地区の避難民を、優先してメガフロートに避難してもらった結果、被害は最低限で済ましたし今の所復旧はゾンビのせいで不可能ですから、当分フロートで過ごして貰います。


 そして希望があればフロートに住んで貰い、生産工場で勤務して経済活動に参加して頂き、将来的には何割かはフロートに定住する住民も確保出来ますから。


 今後太平洋沿岸を開放する場合避難民をメガフロートに移住してもらい、プレート型地震が発生するXdayには避難を済ませて、最低限の人員しか該当地には残しません。


 まあ将来プレート型の大地震で津波被害に合う場所に敢えて住むより、人工島ですが核攻撃でも受けない限り大概の災害に強い場所に住むかですが、本人の考え方一つでしょうから。


 少なくともフロート島に住むなら例え台風が来ても、地下部分に街を築けば風水害の被害は起きませんし、地震で津波が起きても津波自体はフロートの水面下を通り過ぎるので問題は無いですから」


「やはりメタ情報の三連動プレート型大地震は後三年後に起きるのでしょうか?」


「100%起きるでしょうね、私に今回のパンデミックを予言した存在からの話ですから、信じて行動する事を勧めますし三連動地震が起きた後は必ず富士山が一年以内に噴きますから要注意です」


「確か宝永地震(1707年)が起きた49日後に富士山が噴火して、火山灰が江戸の街まで降ったのですよね。


 宝永地震は南海トラフ全域が揺れた大震災でしたので、津波被害と相まって広域で地震が起きた後、富士山の噴火が重なり酒匂川では降灰と灰捨て場のせいで川に大量の灰が溜り、水嵩を上げて水害の原因にも成ったそうです」


「今回の富士山の噴火は宝永程ひどくは無く、火山口も樹海の中からの噴火であり降灰の被害も然程では無いようですが、地震の方は日本の太平洋沿いの関東から四国までの広域で発生します。


 だからそれまでに、東北とメガフロートの整備をして避難所を確保するのが急務なので、今の所メガフロートの増産を急いでいますから、Xdayまでに避難民をゾンビ討伐を理由に急ぎ避難させます」


「太平洋沿岸の原発はほぼESAM処理が済ましたので、残るは日本海側にある原発が現在処理中です。


 海外にある原発はK国と北C鮮・C共にある危険な原発を、現在鋭意処理中ですが何せ作りがいい加減で苦労して居ますが、三連動地震が発生する前までには処理が終わり、災害に強いESAM発電に切り替わる予定です


 無論ESAM発電で作られた電力はゾンビほいほいの動力とバイオ燃料製造所と、大陸沿岸の亜細亜通商連合海軍の基地で使用するので、現地のインフラには一切廻す予定は有りません」


「そうですか、地震には間に合いそうですか! これで懸念事項が一つ減りましたので安心して他の事案に力を注げますね」


「無論そこで発電された電気は通商連合の物です。

原発を維持管理出来無い国に所有権は一切有りませんし、放置すればメルトダウンを起こし周辺地域を汚染するので、彼等が所有権を主張しても処理費とESAM建造費にパテント料を払えば応じると突っぱねますよ。


 そう言えば深海でのメタンハイドレートの掘削方法を、他国へ開示する予定は依然延期と決まりましたが、間系部局の合意の取り付けは大丈夫でしょうか」


「はい、色々調整中ですが次世代エネルギーの中核に成る資源ですから、亜細亜各国の突き上げが結構厳しいですが、掘削方法のエキスパートを養成する体制が整うまで待ってくれと現在折衝中です。


 ものが物だけにもし掘削中に漏出事故が起きたら、スーパーブルーム湧出時の二の前に成り又恐竜の天下に成りかねない、巨大災害の引き金になりますから各国には自制を求めていきます」


「二酸化炭素濃度が濃く成れば温暖化所か、呼吸困難に成り陸上で活動出来るのは恐竜の子孫である鳥と、両生類などだけですから人間は真っ先に死滅するでしょうからね。


 我社の様に注意深く掘削が出来て尚且なおかつ[おもいかね]のサポートが有ったればこそ採掘が可能ですが、暫くは[おもいかね]の情報はトップシークレットで、パンデミック終息後に初めて公表する予定ですから。


 暫くは他国には自制を求めるし日本の安全保障に掛かる事案だと、亜細亜通商連合の幹部には言い含めてありますが、やはりハブった華僑系の華人がうるさく突き上げて来ますからね」


「奴等も良くまだ騒ぐ元気が有りますね、東南亜細亜各地で地元民にリンチに合って居るのに、目立つ事をすれば現地の有力者に目を付けられ軍の特殊部隊が出動するでしょうに」


「あの辺りは官民の癒着が結構酷いので、其の辺の伝で保護されて居る化物の様な華人も居ると言う話ですが、余り目立った事をすれば更なる大物が派閥ごと彼等を潰す可能性を考えて無いようです。


 まあ、利に聡いT民族らしいと言っては何ですが、今回の事態をかなり甘く考えて居る所があるので、これ以上政治工作をするのなら通商連合のPKOから「火消」部隊が派兵されますよ。


 彼等は域内外の敵対勢力に対して今なら絶大な強権が振るえますし、何せトップが提督なので下手な権力者がチョッカイを掛けられる相手では無いですからね」


「身の程を弁えない者は居るし提督の鼻を空かせれば、裏表の世界でそれなりの発言力を得られるので、無謀なチャレンジャーは後を断たないでしょうが、あまり執拗しつこいと本気を出されて瞬殺されるのは目に見えていますが。


 一罰百戒のことわざを知らしめる為にここらで提督も、容赦無く馬鹿を処断して今後中途半端な者が出ない様、キツイお仕置きをするそうですが精々苦しまない様に逝く事を祈りましょう」


 俺達はお互い苦笑し合うのだった。





Pday 280日目  2016年06月27日

AM10:20 北海道 函館市広野町 函館駐屯地 第三会議室




 俺は 大沢 吉継 日本国陸軍 北部方面隊 第28普通科連隊の中隊長であり元一等陸尉、現在は大尉を拝命して居る陸自からの一応幹部と呼ばれる階級に居る。


 まあ一応防衛大学校卒の尉官なので一般官僚で言うと、エリートらしいが現場主義の強い陸軍ではペーパーだけでは睨みが効かないので、防大出では珍しく柏葉の徽章を持って居る変わり者だ。


 柏葉(レンジャー徽章)持ちだが一般では無く幹部レンジャー課程卒業者及び教官「適任証保有者」の金バッチ持ちである。


 そのせいかA国のデルタフォースに研修に行かされたり、B国のSASに行かされたりで海外主張が結構多いが、現場好きな俺にとっては嬉しいのだが、他の幹部より出世が早いのが痛し痒しだ。


 今回のパンデミックを機に軍に昇格した日本陸軍で、本来の新生特殊部隊であるレンジャー部隊の初代中隊長を拝命したのだが、初の任務は売国奴の一斉検挙で北C鮮に関わった野党の幹部を検挙したのが初仕事だった。


 ターゲットの護衛に発砲されて銃撃戦に成ったが、幸い此方は新装備のSライン製バトルスーツを着用していた為、隊員に怪我は無かったがSMGの9mm弾を被弾した隊員も2名程出た。


 後で聞いた話では被弾時にはプラスチック製の玩具のバットで、数回思いっきりぶたれた位の衝撃ですみ、痣にもならず直ぐに痛みも感じ無い程度のダメージだったそうだ。


 もしAK-74やM-4辺りで撃たれても痣位で済みそうだと、被弾した当事者に証言を得て非常に頼もしく思ったが、無論撃たれた迂闊者にはグランド完全装備で10周の刑をいいわたしたが。


 しかし漸く装備が対ゾンビ用に一新されて全隊員に行き渡り、本土奪還作戦が始まると言う事で我がレンジャー隊の隊員も、戦意がうなぎ登り状態で士気は最高潮に達している。


 そう言えば一般人は知らないが自衛隊のレンジャー隊員は一つの部隊を作って居る訳では無く、今までは各隊員は各師団に分散して居り、一番レンジャー徽章持ちの多いのは練馬の空挺だった。


 しかし今回自衛隊から軍への編成替えでレンジャーは特殊部隊として、適格者の中から一定成績の者が志願して『レンジャー部隊』として、A国のデルタの様な特殊部隊として発足したのだ。


 レンジャー部隊の任務は日本や亜細亜通商連合に敵対するテロ組織や、敵対国家に対するカウンターテロの為に組織された部隊であり、国内の日本の国益を毀損きそんする勢力にも適用される。


 今回の我々の任務は事前に部隊が展開する基地の制圧及び整備が主任務に成り、事前に本体より先んじて基地予定地の制圧とゾンビの一掃が主任務で、本隊の露払いと言う一番槍を任されたのだ。


 先程の幹部会義で最終問題を詰めたのだが、先駆けで元の自衛隊の基地を奪回して基地内に居るゾンビを一掃し、破られた擁壁を補修して本隊と工兵隊が到着するのを待つのが主任務だ。


 第一任務として三沢空港の奪還を皮切りにする予定であり、今の所の先遣偵察部隊からの偵察の結果、同施設内には生存者は認められずゾンビのみが跳梁ちょうりょうして居る状態である。


 我々の任務は空港の完全閉鎖・空港内のターミナル部分の確保・空軍施設の確保・先遣隊の工兵がゾンビほいほいを空港一部を使い設置する場合の護衛が主任務に成る。


 このゾンビほいほいは基地の廻りのゾンビを減らし、基地へのゾンビの圧力を減じる意味があるので設置は急務だし、設置後は基地近郊に数箇所更に増設してその遺体からバイオ燃料を作り、兵器類の燃料を確保する意味もある。


 作戦としては6機編隊のC-2に依り高機動車LAV8両と装備を満載し、護衛のコブラ2機とブラックバード3機から成る部隊編成になる予定であり、その他の車両は現地の空軍の車両を徴発する予定である。


 武装は対ゾンビ戦用を基本としてその他対暴徒用に対物ロケット砲の84式無反動砲に、拠点防護用にMINIMIを10丁と96式40mm自動てき弾銃5丁に、各自M26手榴弾5発とM-161音響弾10個を用意した。


 そして我々の通常装備として自動小銃はAK-74式を使って居り、理由としては簡単でいざとなってジャムったり、面倒な専用メンテナンス道具を使って整備をする精密機械の様な銃は要らないからだ。


 特殊部隊は場合に因っては味方の支援なしで、かなりの期間敵中に留まり執拗に抵抗する必要があり、無駄な装備を持ち込むなら弾丸を一発でも多く必要である。


 その時必要なのは少しでも継戦能力が高い、壊れにくいメインウェポンが求められそれを満たすのがAK-74シリーズの突撃銃であり、他国の精度はいいが同じ状況で少しでも長く使える武器をえらんだ結果だ。


 A国製のM-4等は確かに精度は良いが1万発位で、ガスポートの清掃を専用の圧搾ガスを使って行わないと、作動不良を起こして撃てなく成り支援を受けられ無い状況に成り易い我々の様な部隊には、あまり向かない銃である。


 自衛隊で採用された89式も似た様な欠点があり、補給が中々受けられ無い特殊部隊ではやはり通常のメンテナンスで、しぶとく作動するAKシリーズは持って来いのメインウェポンなのだ。


 それにAK-74シリーズだと樹脂を多用した軽量モデルもあり、ピカ二ティレールを設けたモデルも有るので、サイトやグレネーダー等のオプションも豊富につけられるのも良い。


 AK-74シリーズは銃弾も5.56mmNATO弾を使用しているモデルもあり、現在の我が軍の弾薬も共用出来るので調達の事務方も許可をしたし、部品等は16式自動ライフルと共通なので更に採用し易かった。


 その他の対ゾンビ用阻害装備もPMCの[ライジングサン]から、色々と提供されて居るので、結構面白い戦いが出来ると隊員も非常に期待して居るのだ。


 しかし今回の作戦では屋内の駆除戦ではドローン薬剤散布機を使った、対ゾンビアポトーシス剤を使用した戦闘もあるのであるが、何せ初めて使う兵装なので今一戸惑いがある。


 ドローン自体はまあラジコンのヘリにTVカメラ受像機が着いた感じで、ゲーム機のパット状のコントローラーで動かすからいいのだが、アポトーシス剤の効果が今一把握出来て居ないのが困り物だ。


 いったいどの位散布するとどの程度の時間で効き出すのかも不明だし、散布位置からどの程度の範囲が有効圏内なのかも感覚的に判らないので、実戦で使用して色々データー取りをしなくては成らないから面倒だ。


 まあケミカル兵器の毒ガスを使った戦闘と思えば良いのだろうが、その手の兵器のノウハウは我が軍には無いし、通常の毒ガス兵器と違い一種のバイオロジカル兵器に近い性質の物だからな。


 その点アポトーシス弾は事前に効果の程は実証されて居るので、そう戸惑いは無いし事前に試供弾が配られて実証試験をしたのは、我々の部隊だから特に問題は無いのだが。


 作戦実行は後10日後の7月7日の七夕に当たるが、国民には丁度いいプレゼントに成るだろうし、東北の七夕は旧暦の7月7日だが細かい事は後回しで我々は開放の足がかりを付けるだけだ。


 我々が三沢基地を開放したら海から三沢港と八戸港へ上陸した本隊が、街の確保と基地への物資輸送の補給路と基地整備の人員を下して、部隊の橋頭堡を確保しつつ生き残った住民にワクチンを接種して行く予定だ。


 ワクチンも画期的な注射針の開発に依り、効率的に投与が出来るし投与時にはアレルギーに因るアナフィラキシーショックのリスクを説明して、接種するが多分殆どの住民はその場での接種を希望するだろうとの試算が出て居る。


 俺が救助される立場でもいつ感染するか判らないウィルスの脅威から開放する薬と、1/3000の格率でアレルギーでの死亡を考えるとリスクを承知で投与を受けるだろう。


 法的には装備に取り付けられたメモリービデオで口頭での承諾での録画でも、接種の同意を受ける事が出来るので嘗ての承諾書の煩雑さが減って、非常に同意が楽になったので効率的に接種出来るのでいいのだが。


 我々の部隊には医療の専門家で医師免許を取得した左官も居るが、人数が部隊1000名に2名しか居ないのでいざアレルギーショックを起こした場合、即座に対処する事は実質上不可能だからな。


 後は運を任せて注射をするか怖い者は予めパッチテストを30分と48時間の二回行い、アレルギーの有無を調べてからの投与になるし、現在研究所でアレルギー保持者用のワクチンも開発して居るそうだ。


 まあこの様な開放作戦は物事が単純で良いが、部隊創設後の初作戦である『黎明れいめい』作戦は相手が売国奴であり、あまり気分の良い作戦では無かったのが参った。


 相手は筋金入りの売国奴で中には自身の行為は正義であり、日本の為に自身は行動して居ると信じて疑わない、ある種の狂信者相手の作戦で我々が国賊呼ばわりされる為体ていたらくだ。


 部隊員の中には自身が悪者ではないかと疑問に思う者もいて、この手の狂信者相手には結構士気を保つには苦労させられるから、本当に面倒だが隊員の精神ケアーは隊長の仕事だからな。


 私としては敢えて我々は正義の味方では無い、悪の天敵であり悪を喰らう更なる巨悪であれと言って隊員を鼓舞しているのだ。


 我々は自身の行為が決して正義では無い事を自覚して事に当り、罪の無い人々や真面目に働く人を人知れず助けるのが隊の役目であり、誰にも名も知られ無い「無名戦士」なのだと教えて居る。


 我々は地獄に落ちるだろうが、乳も出ない母親の為に戦うのであり、幼子が路頭に迷わない世の中にする為に敢えて、武器を取り彼等の幸せを破壊する諸々から、母や子を守る為敢えて戦う巨悪であらねば成らないのだと。


 しかし我々は自身が悪に手を染める事を自覚して事に当たらなければ成らない、正義の為に悪を自己正当化したならばテロリストと同等の、魔物の軍団に落ちぶれるのが関の山である。


 自身は悪である事を自覚しその悪の力で、悪の力を削ぎ落とし多くの何の瑕疵も無い人々の安寧の為に戦う戦士であれ、何故なら我々は「名も無き英霊」たる決意でこの仕事に付いたのだから。


 その為に地獄に落ちようと本望であり地獄に逝くならば、獄卒に苦しめられる人々を救うために徒手空拳で、地獄の鬼相手に戦えば良いのだと。


 我々はその為に冥府魔導の刃渡り稜線を逝くものであり、自身の罪を決して忘れず虐げられる者の為に戦う事を誓えと、先行きに迷いを持つ兵に対して俺の思う所を話している。


 正義の為に暴力を振るうのは最早正義足りえずだが、悪を行う者には同じく暴力を持って当たらなければ、自身の守るべき家族や友人知人に類が及ぶ時、悪と知りつつ自衛の為に銃を取る事を厭わない。


 この世は所詮人が作る世であり絶対矛盾が基本の世界であり、絶対悪である殺人を成さねば欲に駆られた、魔に落ちた自称『正義の味方』に自身の命に変えて守る存在が、蹂躙される事は歴史を見れば数え切れない程ある。


 最近では共産革命の為に彼等が勝手に悪と定めた、資本家が一把一絡げに虐殺された事等は幾らでも事例があった。


C国では文化大革命なる一個の思想だけで悪とされた者達が、瑕疵も無いのに只商売をして居た会社を経営して居たと言うだけで、魔女狩り同然に虐殺されたのだ。


 その事に関して日本の共産主義者に聞けば、只共産主義は絶対善の思想だと言うのみでその理論の正当性の、理論的な意味を百数十年前に表された経済論文の仮説を免罪譜にして正当だという。


 しかし資本家でも日本の経営者に多い社員を家族と見做し、使用人の福利厚生に心を砕く経営者は果たして悪なのか、思想に忠実で多くの人に慕われる経営者を殺す教条主義者と比べれば、どちらが悪か比べる必要は全く無い事は一目瞭然だろう。


 こう言う矛盾が起きる事は共産論と言う仮説は穴だらけの不完全な思想であり、平気で無実の愛他的な人物を殺す様な悪の思想だと言え無いかと、疑問に思わない事自体既に狂信に陥った証左なのだ。


 よく共産主義者が自身の思想を科学的共産主義と言うが、矛盾が起きる事自体既にこの仮説は破綻して居り、人を幸せにする思想では無いと言う事は共産化した国家が悉く民が飢えたのが実相だ。


 そして95%の民が5%のノーメンクラトゥラと呼ばれる、共産党幹部と言う新貴族に仕える農奴になる事実が、共産主義の全てを言い表して居るのだと思う。


 そして共産主義から脱却するのに要する努力は嘗ての絶対王政国家から、民主制国家に移行すると同じ位の多量の血で贖わないと、その悪夢から覚める事は適わない酷さである。


 なぜなら彼等は共に絶対の価値基準(!)を持つが故に、自身の価値を誰にも渡さないのが信条の、破綻してはいけ無い無謬の思想と血筋の違いはあれど、価値観は共有する独裁的な政治体制だからだ。


 結局俺は独裁主義が嫌いなのだろうと思うし、思想は左右どちらも一長一短で場合によって使い分ける単なる『物』に過ぎず、別に神から与えられた唯一正しい思想はこの世に存在しないと思っているからだ。


 それとも誰でも良いが完璧な思想や理論を示して欲しいが、未だに思想や宗教・科学で完璧で遺漏の無い思想を、俺は見た事も聞いた事も無いから安易に思想や宗教に気触れる者は危険だと思って居る。


 今回の様に心が振れて安定を失った場合に付込む宗教や、思想を持ち込む者は人に取って最大の敵では無いかと、俺は隊員に事ある事に話して居るしそう言う時に折伏する奴は疑えと教えて居る。


 所謂心が弱った場合に付込むのは99.9%は、悪霊の類だし危険な詐欺師であるから個人の責任であるが、下手な宗教家や思想家には相談せずに俺に言えと言って居る。


 正に善意の悪と言う物がありとある思想を勧める者は善意かもしれないが、その思想を塁振した存在は果たして善意だけの存在なのだろうか?


 ひょっとするとオウムの如き悪夢の宗教に傾倒する、善悪の価値基準が倒錯した者かもしれない可能性が高いのだから、その思想を受け入れるには正気の時にすべきだと俺は疑わない。


 なぜこの様な事をくどく言うかというと、俺の親戚が道を見失った時にある宗教の勧誘員が近づき、心の隙を突いて叔父に当たる人を勧誘して、結果一家離散の憂き目に合ったのを実際見てきたからだ。


 その時思ったのは宗教とは思想の一種であり、嘗てマルクスが言ったが宗教は麻薬だと喝破したが、実際は思想やイズムも同じく麻薬では無いかと俺は思ったのだ。


 高校時代の友人で共産主義に被れた奴も、結局は我が叔父と同じ様な道を辿り社会不適応者になったのを見て、結局マルクス自身も自身が産んだ共産主義が宗教と同等の麻薬と化す事に気付か無い、極めて間抜けな学者だったと結論したのだがね。


 結果俺はイズムは麻薬であり思想は所詮道具以外の何物でもなく、それ以上であればそれに傾倒した者は悪鬼の世界にはまり込み、身動きが出来なくなる危険性が内在して居るのだと気づいた。


 所詮思想などは人が幸せになる為の道具にしか過ぎず、本来シュチュエーションに因って使い分けるべきツールであり、一つの道具に拘るのは異常な行為以外の何物でもないのだと言う事だ。


 私の中隊はトップがこの様な考え方なので、自然幹部も似た様な連中が集まっているので、思想的な窮屈さは無いし狂信者はお断りと言う気風があるので、変な宗教関係者も居づらい見たいだ。


 結果結構風通しが良い組織のようで、リベラル系のノンポリ気質の隊員が多く居り、中には実家が寺の坊主も居るけれど「俺は破戒僧だからええんじゃ」と、非番には般若湯を聞し召して居る奴も居るから笑えるがな。


 何にしても一つの思想に雁字搦めに成る様なバカは居ないので、我が隊は精神的には非常に健全な集団だと自負もあるし、そんな隊だから上も安心していられるのだろうと思う。


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