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感染戦線  作者: ヘロおやじ
第 四 章  日 本 解 放  編
57/72

57.Pday 263日目  2016年06月10日

 今回は比較的早く仕上がりました。


 しかし今回の作品は特定の宗教を排除する表現が入って居りますが、物語が歴史改変と言う題材を扱うため、一部宗教の方の神経を逆撫でする表現がある可能性があり、その手の表現が許せない方は読まない方が良いと思います。


 歴史改変小説なので宗教をも特別扱いは出来無いので、予め先に注意しておきますが、読んでから不快な思いをする方は敢えて勧めませんし、苦情を言われても物語フィクションですからとしか答えられ無いので、予めお詫びしておきます。

AM10:25 福島県双葉郡浪江町請戸 大平山近辺 旭製薬福島工場

     管理棟 CEO室


 「田中君、その他の世界情勢はどうなって居るか、何か新しい情報は入って居ますか?


 ああ、まずアジア各国から次にA国・ヨーロッパ・R国、そして次に中東・アフリカ方面の情報の順番でお願いします」


「はい、解りました。 少々お待ち下さい」


 そう返事をすると彼女は愛用のタブレットを検索して、最新情報を取り揃えると返答をし出した。


「東南アジア方面ではベトナム・ラオス・ミャンマーの国境付近では、C共軍の残党と難民が反政府組織である少数民族と共謀して、3国を相手に小競り合いを繰り広げて居ます。


 しかしこれは後方の支援組織が無い為、亜細亜(亜細亜通商連合)軍のPKF活動により終息に向かって居り、ゲリラ組織はPKF軍とゾンビに挟撃されて風前の灯火状態です。


 更にパラナオ島のサーブ35ドラケン改の海南島派遣部隊から、支援攻撃を受けて居るのでベトナムの海岸からの平野部でも戦闘は終息し、残るは今まで侵入が少なかった山岳部の戦いが残って居ます。


しかし予定通りベトナム・ラオス・ミャンマーへの国境に続く山岳道を定期的に爆撃封鎖をして、ゲリラの侵入を防いで居ますので補給の続かない敵には、厳しいものがあるでしょう」


「やはり提督の進言通り海南島を保障占領したのが効いて居るようです。


 あの島を押えられるとベトナムの沿岸や、国境沿いの空爆を許す事態に成るし、制空権を握ったのと同じ事に成るから、あの辺の地政学的要衝があの島ですからね。


 まして制海権も制空権も無い現在のC共軍では、いくら悔しがっても取り戻す事は不可能な要衝地だし、自身が行った侵略戦争の手痛いしっぺ返しを喰らったのだから同情など出来無いですしね。


 それ所かあの地域は嘗てC国とは縁もゆかり無い土地で、別の国が有った所をC国人が流入して、奪った占領地なのだからC国の良く使う侵略理論を適用すれば、奪われた土地でありC国から切り離されても問題は無い場所と言う事でしょう。


 あの地方の国々からすると数百年前に、不当にもC国人が侵略した土地を奪還したに過ぎない場所であり、C国人にとやかく言われる覚えも無い場所ですからね」


「そう言えば昨年の始めH.Kに代表と行った時、広州人はC国人では無い別民族だとH.K生まれの社長に聞きましたが、確かにあの地域では普通語プートンホワは通用しない別の国と言う感じでした。


 大体あの地域はC国文化圏ですがそれを言えば、日本だって漢字を使うC国文化圏と強弁できますから、C国人と自称する儒教とC華思想を信望する連中にとって、自身のモノと勝手に主張したいのかも知れないですね。


 その様な異常な主義主張をして居るから現代に残った古代国家と、馬鹿にされて異常視されるのが解らないのでしょう」


「まあ彼等だけに取っては重要な事で、D国人が自身を何の科学的根拠も無いアーリア人の末裔と自称して居るのと同じで、ナチス思想の尻尾以外の何者でも無いでしょうね。


 大体アーリア文化圏と言うのは、言語体系の文化圏であって民族とはまるで関系無い事ですし、アジアで言えば漢字文化圏は別に中国人とは関系無いし、仏教文化圏もインド人とは関系無いですから。


こう言う荒唐無稽な事を考える連中は、過去に滅びた文明の正統なる後継者と自称する誇大妄想家であり、そうでもしないと民族のアイデンティティが保てない可哀想な人達なのでしょう。


しかしこう言う事実と異なる伝説と言うか、俗説を信じる者達は真の自信や誇りとは無縁の人達なのでしょうね」


「まあ誇大妄想の徒はどうなろうと良いですが、報告を続けますね。


 東南アジアに食い込んだI教に対しては、ブラックプロパガンダを流布して今回のゾンビパンデミックは、I教の呪いで発生したと信徒の多い地域では宣伝して居ます。


 変わりにヒンディーやブッティストにはホワイトプロパガンダを行い、彼等を駆逐しようとして居るから地場神が怒って、死体が動き出す魔が蔓延る原因だと噂をながして、離反を促して居ますがかなり上手く行って居るようです。


 元々ヒンディーやブッティストは地場神に近い宗教なので、異国の砂漠の民が信じた得体の知れない邪教を信じたから、アジアの神々である大黒天即ちシバ神が怒り、疫病を発生させたのだと言う噂が自然発生的に広まりましたから。


 原因としてはイスラム国のテロが発端で、あの様な邪教が世界に蔓延ったから正当な神々が怒り、邪教徒の親戚である共産国家で人類滅亡につながる、大疫病が発生したのであると言う論調ですね。


 更にこれは日本が意図して流した噂では有りませんが、日本に神の代理人が生まれこの疫病を終息に導くだろうと言う予言まで立っているので、ある種注意が必要な情報だと言えます」


「それはかなりまずい状況ですね。


 その噂を変更出来無いか戦略研究所の皆に相談しないと、下手を打つと宗教戦争に日本が巻き込まれる可能性もありますらね」


「そうですね、無理に消滅させるのは不可能ですから、上手いこと別の論調に持って行く工作の必要が有りますし、放置しておくと何処かの新興宗教の似非教祖が、我こそはその救世主だと主張するかもしれません。


 ひょっとすると麻原の様な半島系のザパニーズが、またぞろ人を誤魔化して救世主ゴッコを始めて、日本人の信用を貶める活動をしかねませんから要注意ですわ」


「奴等は自民族に対する自信が無いので、憎んでいるはずの日本人に成り済まして平気で詐欺を働く、詐欺民族と謗られても言い訳が出来無い奴等ですから、本当に始末に負えない連中です。


 生粋の日本人からするとこんな非道な行為は出来無いと言う事まで平気でしますから、始めて聞いた日本人はその行動を信じられないですからね。


 振り込め詐欺で年寄りを食物にする連中は、調査して見ると大概半島系のヤクザや詐欺グループだから、始めは日本人も落ちた物だと思いましたが、実情はC鮮系の帰化人や不法入国者が原因だったのです。


 大分国内も除鮮が済んで風通しも良くなり、犯罪率も下がって来ましたが奴等の成り済ましや、背乗り帰化人が未だまだ大勢居残って居る為、油断は出来無い状況だから注意が必要です」


「それが理由で今回の犯罪者検挙の際、DNAサンプルを採取する事に成ったのですね?」


「その通りです、奴等は背乗りと言う極悪殺人を犯して、前の無い日本人に成り済まし犯罪者の帰化を平気でする、ある意味とんでも無い外道ですから、そいつ等を炙り出す為の手なのです。


 背乗りされて戸籍を奪取された人はかなりの数に登って居ますが、血は争えないもので奴等は必ずと言って良い程、放火や強姦殺人等の凶悪犯罪を犯すので、DNA検査から出身国を特定するのですよ。


 そして宿主を殺して成り済ましていた奴等を、根こそぎこの国から根絶やしにする事にしたのが、今回の刑法犯から指紋とDNAを採取して検査する法案を可決した理由なのです」


「そう言えば噂で聞いたのですが東日本大震災の後で、家族や親戚一同が纏めて亡くなった家系に、数年後行き成り本人を名乗る当時未成年の子供が現れて、戸籍を回復したと言う話なのです。


 しかし偶々嫁いだお陰で生き残った姉が居て、その成り済ましが財産を勝手に売り払おうとしたので、弁護士を立てて問い詰めようとした所行方を眩ましてしまったそうですが」


「多分だがそれは事実だと思います、今回の件で知り合った公安の刑事さんが言ってましたが、東日本大震災だけでは無く阪神淡路の時も同じ事例が有ったそうです。


 かくも日本の隣には悪辣な民族が住んでおり、犯罪を簡単にする隣人が居る事に気付くべきだったのでしょうが、今まで売国マスコミが蔓延っていた為に事実を報道しようとすると、報道各社自体が自主規制を行い国民の知る権利を最大限阻害して居たから・・・」


「ハア・・・、何処の国のマスコミか解らない最低の売国奴が、国の根幹たる報道各社を牛耳って来たのですから、日本が戦後70年の公平な総括を出来無い理由が解りまたわ!


 でもこれからは日本人に依る、日本人の為の、公平な報道が戦後70年経った今ようやく実現するのですね」


「その通りですね、如何に今までの報道姿勢が左翼や日本に攻撃的な国により、歪められて情報を知らされて来た事実をようやく国民も知る事が出来る様に成りました。


 しかしこの是正に因り国内を牛耳って来て歪曲報道をして来た連中は、振り子が左に振り切った状態での揺り戻しを経験するから、信用を取り戻すのに果たして何十年掛かるやら。


 因果応報・自業自得・悪因悪果という四文字熟語、3連発がこれ程当て嵌る事例はそうそう無いですし、戦後を飾って来た所謂知識人と言われる連中の真価が問われる時が今来たのでしょう」


「まあ奴等がどうなろうと全て自業自得だから、勝手に地獄へ落ちても私は知りませんわ!


 その他のI教徒が多い国でも、このブラックプロパガンダは事の他効き目が有り、パンデミックの社会不安と共に改宗者が続出して居るそうです。


その為I教徒の指導者やK教の神父もお手上げで、命の危険を感じて閉じこもって居るそうですので、かなりの数の一神教信者がアジアから一掃されそうです」


「信教の自由も良いが浸蝕した地域を汚染して来た一神教徒に、掛ける情けはないですからね。


 歴史を見れば宗教侵略をした国で、一神教徒は必ず他の宗教を物心両面で滅ぼして来た歴史が有りますし、放置すれば必ず総本山から指令が出て地場神を悪魔認定して、滅ぼす行為をして来た前科があります。


 精神文化に対する非常に悪質な侵略者が一神教の本質であり、サタニズムと同質の危険さが有るのが、この一神教的宗教の本質なのに気づかないと、民族のアイデンティティが壊され漂流しますから。


 一番良い例がドイツ人がナチズムに傾倒したのは、本来の民族神であるオーディーンを裏切り、ヘブライの神を信じたのが根源にあるからだと思えて成らないのですよ。


 民族の神を捨てると言うのは神に取っても一大事ですが、それを信じていた民族に取っても長期に渡る呪いを受けたのと同じ事だと、過去や現在の悪魔憑きの事例を調べると浮き彫りに成るのです。


 しかしこれまでは一神教の勢力が強すぎて、この様な論を述べるとK教の法王庁やI教の教団から圧力が掛り、全て封殺されて来たからタチが悪いから嫌になります。


 嘗て○リストがヘブライのラビ達を指して、『白く塗りたる墓』と喝破したが2千年経たずに自身の教えが、その『白く塗りたる墓』に成ってしまったのが笑えない事実です。


 原因は無論一神教と言う基本的に侵略を前程とした、乗っ取り神を信じる事が根本原因だから、一神教的教義を捨てて再度一から神の摂理を読み解く力が無いと無理ですが。


 まあイ○スも自身で本来の神の摂理を読み解く力は無かったと言う、K教徒からすれば許されざる考え方なのでしょうが、私は神道を信ずる者だからこの様な考えも冒涜では無いですからね」


「まあ確かに一神教に狂信すると、他の意見や視点を受け入れる事は不可能な精神構造に、再プログラミングされて異を唱える者は異物として排斥する状態になりますから。


 私の友人もK教系の変な宗教に被れて、それまでのバランスの取れた意見や考えが出来ていた人が、数ヶ月振りで会ったら悪い意味で別人に変わって仕舞いました。


 私は彼女とは小学校以来の古い付合いでしたが、彼女をその宗派から助けようとは思わず、一刻も早く彼女から離れたくてしょうが無く思い、それ以来彼女とは音信不通に成りました。


 彼女の親から子供の頃から可愛がって貰ったのですが、余りにも彼女が様変わりをしたので、非常に恐怖を感じて彼女とその親から離れ、二度と会うまいとおもいましたわ」


「そう言う場合自身の感を大事にして正解だったと思いますね。


 得てしてこの様な場合潜在意識が警報を鳴らし、最大限の注意を貴女に喚起していたから最大戦速で、その友人から田中君は離脱したのだと、今見て思うからその行為は正解だったのです。


 貴女は無意識に自身では解決不能所か、下手をすると自らも精神的に喰らわれる精神捕食者に出会った為、恥も外聞も無く逃げ出したのだしその行為は大正解だったと私には解ります」


「やはりそうですか・・・・。


 後で考えてもまるで近くに虎かライオンが居る様で怖く成って、無理やり彼女から逃げ出したのですが、そんな存在が彼女に憑いていたのですね」


「所謂『魔の戦士』と言う古強者が控えて居たのだと思います、仮に田中君がその警告に従わなければ今頃君は、この世に存在していられなかった所か一番深い世界に引摺り込まれていたでしょうね。


 君の後ろの存在がもう少し弱ければ、君自身も生きながら悪霊化して、多分一族郎党共々全員喰らわれて居ました」


「今までもたまにその時の事を夢に見て、寝汗をかいて飛び起きることが有りましたが、そう言えば代表とお会いしてからあの夢を見る事が無くなりました。


 何かして頂きましたかしら?」


「かなり強烈な奴だったので“縁切り”をして置いたので、奴はもう君の所へは現れられ無い様にしておいたから。


 あのまま放置すると何れ君に害を及ぼす可能性が有ったので、“裏”に頼んで“縁切り”をお願いして置いたから、奴とは最早交わる事は無です。


 何せ君は私の大切なスタッフの一人だから、あの手の奴に好き勝手はさせる気も無いし、もし近づいたなら“消す”ぞと“宣言”して置いたからもう大丈夫です」


「そうですか、有難う御座います!


 そう言えば彼女はどうなったのでしょうか? 音信不通になった為あれ以来どうなったかが解らないのですが」


「・・・・君と会った時点で手遅れだった。


 御霊自体一番深い場所に引摺りこまれてしまったし、彼女の場合前世からの奴らとの“縁”が深いので、私にもどうしようも無い状態ですからね。


 こればかりは本人の持って生まれたカルマで、他人がどうこうしようが無い問題だから、私自身も手出し出来無い側面があるのです。


 後、彼女の一族郎党は残念ながら一蓮托生で引摺り込まれたが、それも又どうしようも無い宿命見たいな物で、彼等自身が解決するしか方法は無いから手出しは出来無いのです」


「・・・・そんな気がして居たのですが、やはりそうですか」


「まあ彼女と知り合ってそう言う運命と出会うのも、君自身の成長に必要な事件だったし、これはもっと上の世界に関わる事なので、私にも手出しは許されない事なのですが・・・・。


 こればかりは自然災害に会ったと思って、諦めた方が良い事だし世の中自身の力ではどうにも成らない事もありますからね」


 俺は思わずため息を吐いて、彼女にそう言うのだった。






「え・・・と、どうも脱線したみたいですが軌道修正して報告を続けます。


 東南アジア一帯の一神教勢力の信徒は概ね、大半を減らす事が可能になりましたから、あの辺りは地場神であるヒンディーと仏教の布教を強める予定です。


 それに古くから有るシャーマンによる地場信仰も、各国の指導者に因り強化して一神教に再帰依する者が出ない様、監視を強めて精神汚染を減らす方向で行きます。


 そして古くからI教徒の多い国に対しては、気の毒ですがワクチンの配布をテロリストを理由に、かなり順位を落としての配布にして、信者の人口を意図的に減らす方向で調整します」


「それは折込済みの計画だからしょうが無い事です。


 今回のパンデミック発生の原因の一つに、一神教的文明の浸蝕が遠因に有るから、彼等には今までの付けを払って貰う意味での措置だから、この辺は匙加減の内ですからね」


「I教やK教に代表される宗教系の国家は、意図的にワクチンの配布を遅らせて人口の削減及び、彼等の宗教文化をメジャーからマイナーに誘導して他者に優しい多神教を復活させるのが良いのでしょうか?


 多神教でも南米のインカ文明にある生贄文化のある宗教を、再度復活させる懸念も払拭出来無いですから」


「ええ、その手の宗教が復活するのが一番まずい事態ですから、戦略研究所の人脈を使い各国の弱小化した、地場宗教で比較的穏当な宗教を神道的思想と融合させる研究は既に終わりました。


そして急進的な要素を取り払い古い神々を、現代に黄泉還らせる準備を既に財団を設立して研究して居り、そこで薫陶を受けた古代神を祀る新たな神官が、各地で布教を始める予定なのです」


「私は神に関しては専門外なのでどの様にすれば良いかは解らないのですが、受けた感じとしては年寄りから聞いた事のある、古き名の神を受け入れる事はその土地に合った祭りなのでしょう。


この新しい波は違和感が無いし、自身の祖先が信じた神を自信を持って取戻す事が出来るので、返ってその土地の民に取っては、アイデンティティ面で良い影響を与えられるのでは無いですか?」


「それが狙い目なのですよ。


 今までの侵略神である一神教の神は地場の神を殺し、自身が持つ宗教観や文化までも侵略して、ある意味文化を食散らし人も食散らした、破壊神であり民を救うより収奪の正当性を補強する存在でした。


 これが為、世界中に軋轢が生まれ更には一神教同士が相争う、他の宗教からすると迷惑で身勝手以外の何者でも無い所か、世界を滅ぼす最大の原因にすら成る巨悪に育って仕舞いましたからね。


 しかし神が原因では無くその神を利用し、金儲けに利用する質の悪い神官に利用され易い側面を、一神教は多神教より多く欠点として持って居ますから、敢えて一神教を心の支えにする文化を破壊します」


「神様の部外者である私からすると、公平に見て一神教って歴史を見るとまるでマフィアの様な、自分さえ良ければと言う考えが、根底にある思想に思えますから、代表の仰る事は納得出来ますね。


 しかし一神教徒から言わせるとこの様な考えは、神を裏切る悪魔の思想と捉えられるでしょうし、口外禁止なのも頷けますが無宗教の私からすると、どちらに儀が有るかは言うまでも無いです。


 他所に喧嘩ばかり吹っ掛けて悪辣な手段で地歩を築く暴力団と、地元の人達の御零れでご飯を食べさせて頂いて居ると言う精神の、地場の為を思う組織である地元の自警団の比喩が解り易いですから。


 一神教って自身の利益優先の広域暴力団と言う、位置付けが相似する組織ですし歴史を見てもそう言う行動を取ってきた、拭い難い過去が有るのでそろそろ年貢を神様に収める時なのかもしれませんね」


「その通ですよ、私も宗教に優劣を付ける気は無いけれど、人類の将来を考えた選択をする場合と言う、括りを付けられた場合一神教は人類の為には危険と謂わざるを得無い結論に達しました。


 これは研究会の出した結論でも有り、彼等の中には宗教研究者は居たが、宗教家は居なかったのは当然ですが、嘗て世界戦争を題材にした討論会を研究所主催で開いた事がありました。


 その時の題材がやはり滅亡の淵に立たされた人類を救う為に、10有る特定の宗教を例に出して、この10の宗教の内二つ以外の宗教しか、生き残れないとした題で投票しました。


 結果絶対多数でまずI教とK教が落選しましたよ、その時出席していた司教と宗教指導者の顔が忘れらませんね、あの顔は正に魔に魅入られた顔と言うべき面相だったですからね。


 彼等もまさか自分達世界宗教が真っ先に落選するとは思わなかったのでしょうが、ああ謂う顔をするから真っ先に落選するとは気付いてないのが、ある意味業が深いと言うのだと思いましたよ。


 何故世界宗教に成ったのかは宗教の勉強をすれば、K教は共に重商主義の白人国家と組んで、辿り着いた土地の宗教を殺し尽くして、武器を突き付け改宗を迫りました。


 片やI教はやはり国の力を利用して征服した国へ、全滅が良いかI教に改宗するかと迫り論に頼らず、刀と血で布教して来た正にマフィアか暴力団と同じメンタリティーの持ち主ですからね。


 歴史を紐解けば誰でも直ぐ解る歴史的事実なのだが、彼等は自身の罪を隠し通せていると思っていたのが、私としては逆に驚き本当にこいつ等は自身がして来た事を、誰も知らないと思って居るのかと呆れましたよ」


「日本でもS学会等は焚書や財産乗っ取りの前科が有りますし、日本の一神教と言える日蓮宗の系譜です、更に言えばI田D作氏は半島出身者でオーム真理教の麻原と同じだそうですね。


 全くあの国の人は本当に日本に迷惑ばかり掛ける事に、生きがいを感じているのは本当なのだと納得してしまいますね」


「まあアジアの一神教は極力縮小させる方向に誘導し、アジアの安定化を図る計画を提督と立てていましたから、無論S学会もその他の一神教の新興宗教漏らさず処置をしますからね。


 次にA国はどの様な状況になったかな?」


「A国はパンデミック当初に起きた、謎の(笑)議会間系者と政府幹部の集団感染が原因で、国内の政情が大変不安定になったまま、現在に至っても混乱の度を増やしています。


 現在東海岸の五大湖を中心に、カナダのオタワ・トロントなどの一部を含めた地方がA国正当政府を名乗り、生き残った上院議員の小物が集まって国を運営して居ますね。


 更に南はアラバマ・サウスカロライナ・ジョージア・フロリダ・ケンタッキー州などが集まった南部A同盟国に。


 後はテキサス・アーカンソー・カンザス・ネブラスカ・コロラド・ルイジアナ・ミシシッピー州が集まった中部A共和国が出来ました。


 西海岸ではカルフォルニア・アリゾナ・ニューメキシコ・ユタ・ネバダ州が集まった太平洋A連邦が出来、北太平洋はワシントン・モンタナ・オレゴン・アイダホ・ワイオミングが集まったUSAですが、それらが主な5つの国に分裂した内訳です。


 アラスカは半独立状態であり、北極圏と言う気温が幸いしてかなりゾンビの活性化して居る期間が短い為、本国の金持ち達が避難先にして人口は少し増えて居る様です。


しかし食料の自給が侭なりませんから、来年の冬を越せるかかなり微妙な所ですし、資源も油田は有りますが地場でプラント処理が出来無いので、まあ大した影響力も有りませんね。


 尚太平洋A連邦にはアジア系が多く集まり、A国正当政府は人種はばらばら、南部A同盟国は白人優先主義者が集まり、中部A共和国にはミシシッピー州とルイジアナ州には黒人が多いですね。


 あー後、テキサスは白人の他にネイティブアメリカンや、プエリコリカン等の有色人種も多いです。


 USAのワシントンは人種の坩堝状態ですが、その他の州は白人の農場や牧場が有りますが、山岳部は山賊が出て街を襲っていると、信じられない報道がされて居ます。


 そして政治の空白が事態をより悪化させ、ゾンビ対策も後手に回りワクチンの開発所では無く、治安も最悪の状態でゾンビの発生も抑止出来無い状態だそうです。


 [おもいかね]の想定値ですが現在のA国人口は、恐らく2億を切って居る状況だと推論して居ますが、衛星の情報や国内の混乱具合を見るとその数字は、ほぼ現実と合って居るだろうとの事です。


 それからA国内の原発は各州連合が優先的に保守管理を行なっている為、当面メルトダウンや事故の心配は無いですが、何れESAM発電に切り替えて行く必要があるでしょう」


「そうか現在2億を切って居るなら、ワクチンを配給する予定はシナリオ通りで問題無いだろうな。


 原発もそうだが廃棄予定の核兵器も、ESAM発電化の原材料にして処分して行く必要があるが、あの国はもう少し国内の通常兵器の弾薬も消費させる必要があるから、暫く放置で行くしか無いだろう。


 南米の方はやはり情報はネットとラジオだけですか?」


「はい、やはりラテン系の性格なのかこの様な事態でも、各自勝手な行動をして国難に当たると言う発想が無い様ですね。


 ここを先度と反政府ゲリラが活動したり、麻薬カルテルが幾つもの都市を制圧して国を名乗ったりで、てんでばらばらな状態でお互いを食合い自滅して行くばかりです。


 それが例えばブラジル一国とかでは無く南米全体で起こって居り、まるでごった煮のスープ状態で手が着けられません。


 一体何人の死者が出て居るか元々人口がハッキリ解らない地域ですので、推定ですがパンデミック前は約3億8750万人でしたが、現在は[おもいかね]のシュミュレーションでは6割減の1億5千万人位ですね。


 多分ワクチン配布を始める頃には1億を切って居るでしょう、人数が減ると土地が広いですし自然も多いので、ゾンビから逃げ切り小さなコミュニティや避難所に篭って居れば、5千万を切る数字ですが生き残る試算です」


「ずいぶん生き残るのだな、ワクチン接種は3千万を切った時点で行いましょう。


 彼らもインカ人を虐殺して土地を乗取った者の末裔だ、其の辺は諦めて貰い数を減じて祖先の罪を償って貰います。


 しかしインデオと呼ばれるインカ人の末裔は優先してワクチン接種を行い、新たな多神教の礎に成って貰いますからね」


「A国の方はどうしますか?」


「A国は扱いが難しいな、彼等の場合も接種は西海岸の太平洋A連邦を優先して行い、同じくネイティブも優先する予定です。


 彼等ネイティブは多神教に馴染み易いから優先するし、西海岸も特亜系以外のアジア人が優先される様接種を行う予定です。


 一神教徒の多い地域は現地人にバレない様に、多神教徒が多い地域から優先して接種を始め、東北アジア人に接種する場合に備えて簡易版だが、DNA検査機を渡してペナルティなので、C国・K国人の接種は他の国が終わった時点で行うと徹底します。


 もし接種が遅れる地域が有り不満をぶつける者がいれば、C国・K国系の人間が多い地域は接種の順位が下がるのだと説明する様に言ってあますから」


「そうすれば不満と恨みは全部C・K国人に行く様仕向けるわけですね、実際彼等の国の対応が不味かった為、世界的なパンデミックが発生したのは世界が知る事実ですから誰も文句を言わないでしょう」


「そうですね、自民族の不手際が招いた世界的大災害だが、明らかに人災であり不満や恨みは全て彼等に被って貰う、彼等を庇うとこの次はアジア人全体が恨まれるから、自身で起こした行動の決着は自身で取って貰います。


 それが民族の自立の在り方だし他人に責任を押し付けて逃げる、巫山戯た真似は大東亜戦争だけで沢山だし、日本人としては謂れの無い罪を着せられた恨みもあるから、利息を付けて今回は払って貰います。


 しかし今回の利息でも実際は不足するし、C・K国の原発の処理費用も踏み倒す気満々の奴等だから、容赦は一切しない積もりだし容赦すればこちらを侮って、更に譲歩を迫る奴等だからね」


「全くですね、あいつ等と付き合って無い人間は信じ無いでしょうが、イギリス人が昔から言っていた「シナ人の後悔」と言う意味をもっと考えろと言いたいです。 ハア!


 次にヨーロッパ方面ですが今の所国として頑張って居るのは、最早GB国とD国にFI国・SU国・S国・R国位ですね、他の国はEU連邦が仇に成って国境がフリーパスだったので平野部の国は全て壊滅状態です。


 パンデミックの拡散が早かった為、I国内にあるB聖教国も亡命に失敗し教会内で籠城しておりましたが、結局ゾンビに呑まれて壊滅したようですね。


 山岳部にある国は崖や峠道を塞ぎ人とゾンビの通行を阻害した為、D国の様に山岳部に逃げ込み助かった所もありますが、小国は山岳国でも備蓄が続かず現在軒並み壊滅状態です。


 流石にS国は山岳国家で昔から国と個人が備蓄をして居た為、現在国自体が籠城していても後1年位籠城出来ますが、パンデミック初頭に暴徒が製薬会社を襲った為、バイオリアクターの殆どが破壊され、研究者も行方不明や暴徒に殺されました。


 この状況はヨーロッパやA国の殆どで発生し、現在マトモな研究設備と人員を確保し開発力がある国は日本だけですが、日本でもC・K国人テロリストの性で、状況は同じと言うデマを流して居ますので世界の研究者の間では絶望的な見方が広まっています。


 政府間でも同じでアジア以外の各国では疑心暗鬼が広がり、もし核兵器が封印されて居なければ、全面核戦争が起こって居た確立は98%と[おもいかね]のシュミュレーションでは出ています。


 次にR国ですがどうもラスプーチン大統領が暗殺された様ですね。


 まだ確定情報では無いですがUR国のテロリストとチェチェン人のテロリストが共謀して、大統領暗殺に成功して国内の強硬派が、政権を取った様です。


しかし現在資源や食料が無い状態で、他国に侵攻も出来ず兵も集められない状況なのにどうする積もりなのかですね。


 我が軍も警戒して新型艦を基軸にした艦隊を、日本海側に置いて警戒を強めて居ますし、F-3先行量産試作機を18機北海道方面に置いて警戒を強めて居ます」


「相変わらずこんなご時世でも権力闘争に明け暮れですか・・・・。


 国民も気の毒になぁ、まあ国民の民意に合った政府しか持てないのが実相だから、今更しょうが無いのは解っていても溜め息しか出ないとはこの事ですね。


 中東とアフリカ方面はどうですか?」


「中東とアフリカの人口はパンデミック前のデータでは、合わせると12億4500万強ですが、現在人口の7割弱が犠牲に成って3億7400万程だと思います。


 この地域も南米と同じく皆ばらばら状態で、カオス化しており中東方面では砂漠でのサバイバル術を持って居る目端の効く者は、皆砂漠へ非難しておりますがゾンビに有効かは不明ですね。


 アフリカでの状況も中東と同じで、政治状態はカオス化して居り同族や他民族同士、戦い合っておりそこへゾンビが参戦するので、どんどん物資は疲弊して行って、かなりの餓死者が出て居りどうにも成らない状況ですね。


 後面白い報告ではゾンビを野生動物は襲わないらしいですね、これは南米でも観測された事ですが、ゾンビも野生動物を襲わないし野生動物も同じだそうです」


「ふーん、ひょっとするとお互い臭いか何かでゾンビは動物には感染出来無い事が解るので襲わないし、動物はゾンビ自体を危険物とか毒と認識して襲わないのかな?


 どちらにしても研究者が喜びそうな題材だが、ゾンビパンデミックがある程度終息したら誰かが解明してくれるだろうね。


 しかし野生動物の居る場所に避難しても、ゾンビに関してはまるで安心出来無いから、アフリカ辺りは大変な事に成るでしょうね」


「そうですね、敵はゾンビだけでは無く野生動物に人間、それに都市生活の慣れた人達は自然界でのサバイバルが、村等に住んで居る人達と比べて格段に落ちるから、生き残るのには大変な状況ですね」


「出来ればアフリカの人達は一神教徒以外は助けたいが、距離の問題と橋頭堡や補給の問題があるから、簡単じゃ無いので優先順位はかなり後に成なりますからね。


 世界秩序が崩壊していなければ援助は簡単だが、現状は遠すぎる距離と優先すべき順序はまず日本の近郊であり、更にパンデミック後の人類生き残りが優先されるし、我々は神じゃ無いですから」


「人の手の長さは有限ですから届かない場所に居る人は、自身の才覚で生き延びて貰うしかないですわ。


 こう言う大災害の場合まず届く所の人を助けるのは当然で、届かない場所に居る方は自身で頑張ってと、エールを送るしか他に方法は神ならぬ人間では当然の事ですから」


「私も神に成り代わる程傲慢ではないし、手の届かない所はいまの国内でも当然あるから、全てを被る積もりも必要もないからね。


 ただ将来私達の友人になれる可能性のある人達に、手を貸せない現実を思うと残念と思うのも人なのだから、当然ある感情だとある意味割り切って居ますよ。


 後、Sライン制の軍に卸すバトルスーツの生産状況や、医療関係者用の防護服の状況はどうなって居ますか?」


「はい、少々お待ちを・・・・・あ、ありました。


 一般軍用のバトルスーツの生産状況は素材も加工も各地の避難所から、優先して人員を確保して北海道や国内の他の要塞工場内にある、関連会社の被服工場で鋭意増産中です。


 又、メガフロートに新設した被服工場でも避難所から雇い入れた工員で、増産に努めて居ますので質・量共十分に納得の行く物が、確保出来る体制になりました。


 Xday以降海外の対ゾンビ戦に従事して居る、各国のPKF部隊向けのモンキー・モデルは来月から量産に入る予定ですから、海外の部隊もゾンビに因る被害を出さず駆除が出来る様に成ります。


 医療従事者用の海外モデルは今の所製造する予定は有りませんが、軍用のモンキー・モデルに赤十字の腕章を付けて、その変わりに当てますので数は充分確保出来ると思います。


 その他の装備として医療用Sライン手袋を用意して、ワクチン接種時とゾンビ汚染地区に行く場合の、手を保護する装備として多目に量産して居ます。


 Sライン手袋があればゾンビ汚染地域に行く場合、防護服が無くてもロングタイプの物なら二の腕の中ほどまで覆るので、ゾンビに襲われた場合一番被害が多い腕を防護出来るから、かなり安全は担保出来ると思えます」


「そうだね、医療従事者はワクチンを接種済みだから、腕を防護出来れば余計な負傷をする確立はかなり減るから、被害も減るのでベテランが保護出来るから無駄も減るのでいい事だ。


 ワクチンの接種方法は例の新たな使い捨ての注射でも、問題無いと言う結論が出たのかな?」


「試験では色々な事態を想定してテストを繰り返しましたが、取り敢えず問題は出て居ないので採用されましたが、あの樹脂制の針には始め驚きましたわ。


 最初は不安でしたがあれなら接種中暴れても、針自身は折れずに変形するだけなので事故が減るし、大量生産にも金型と素材さえ有れば作れるので向いて居ますから、使い捨てでも安心できますしね。


 何より使った後数分で針部分が分解を始めるので、医療廃棄物の事故がだいぶ減るでしょうね」


「そうだね、私もあれを始めて見た時は驚いたが特殊な不活性ガスで封入して置き、被服を破った5~10分後に分解が始まるから、一体型の使い捨て注射器には持って来いの製品だ。


 何よりガスが薬剤に影響を及ぼさないタイプの物だから、常温でも冷凍状態の薬剤でも両方に使えるし、使用後に針部分が即座に分解を始めるのは画期的な発明ですね。


 今まで同じ様な使い捨て注射器は考案されて居たが、使用後の医療事故を考えると実用に踏み切れ無かったですが、あの「安藤型注射バリ」のお陰で緊急医療界もかなり変わるでしょうね」


「あの安藤成型機器の安藤社長が代表の所に直談判に来た時は驚きましたが、まるで企業ドラマの1シーンを見て居る様でしたから、今思い出しても思わず笑ってしまいますね」


「確か一昨年の暮れだったが、行き成りごっつい職人風のオッさんが本社前で土下座した時はびっくりしましたよ。


 鬼山君も別に殺気は出して居なかったから、慌て無かったが門番のガードマンは慌てたな」


「代表のアンテナに引っ掛らなかったので私も驚きましたが、あまり警戒心は湧きませんでしたね、ただ必死さは出ていたので代表がどう対応するのか興味は有りましたが」


「あの時は感に引っかかったので話を聞いて見ようと思ったんだよ。


 安藤社長は厳つい顔をして居たが目は濁りが無かったし、良い光を御霊が発していたからこれは良い物を持って来てくれたかなっと思ったので、話を聞く事にしましたからね。


 案の定画期的な発明品だったし彼の熱意と姿勢が気に入ったから、融資を受け入れたのは大正解だったですよ」


「本当ですね、まさか通常の環境下では数分で分解する樹脂制の針を持ってきたのですから、他所の医療機器メーカーにも数社当って見たが、悉く門前払いで開発に掛けた資金で首が締まった状態でしたから。


 あの時代表が断っていたら首を吊って借金を返済しなくてはと、正に必死に成っていたそうですから、安藤社長にしたら最後の最後で走者一掃の逆転ホームランを打った様なものですから」


「彼の場合正に『天は自ら助くる者を助く』状態で、私の元に来たのだし私もワクチンの効率的接種の方法で行き詰っていたから、正に天の配剤だったとしか言い様が無いですね。


 他所の医療機器メーカーはそんな数分しか持たない針の使い道は無いと言って、門前払いをした様だが僻地医療や戦地の救急医療を経験すれば、これがどんなに画期的な発明か予想もして無かったみたいですね」


「まあお互い求める物が一致した場合のいい例ですわね。


 代表はフィールドでのワクチン接種の効率的方法を求め、且つ接種後の廃棄物の安全で効率的な処理法を求め、安藤社長は医療廃棄物の処理の隙間を狙った製品を開発した。


 そしてお互い求める物が一致して居る者達が会ったと同時に科学反応が起きて、新たな画期的製品が生まれると言う場面に立ち会わせて頂いた私としても儲け物でしたしね。


 その内TV辺りが開発秘話として取り上げそうな、後日談になりそうですわね。


 世界を救ったワクチンを支えた発明秘話とでも題して、1時間の特番でも組めば高視聴率間違い無しだし、日本のホワイトプロパガンダにも成るから、真面目に企画を組めば良いかもしれませんね」


「う~~ん、私が全面に出ない形なら良いかも知れないね、まあ飽く迄も安藤社長が主役に成って貰い、私では無く旭製薬の社長が対応した事にすればいいだろう」


「そう言う形でパンデミック後の秘話として、希望の出る番組を流すのも国民を鼓舞するのにいい事だと思うので、私は是非取り上げるべき話題だと思いますね」


「そして日本はこう言う男達や女達が頑張って居るから、パンデミックに打ち勝つ事が出来たのだと、日本の宣伝を世界中にするのはいい事だと私も思いますからね。


 ただし私は飽く迄も黒子であり表に立つのは、私の部下や関連会社の者達であるべきだと思います」


 私は企業のトップは飽く迄も宣伝以外基本黒子に徹し、業績は部下のお陰であり責任と決断は長たる者の仕事だと思って居る。


 これは前世でのサラリーマン時代に感銘を受けた、とある製造業で長年世界のトップを走って来た、日本のとある会社の創業者一族が長年商家をして来た家伝を聞いた事からだ。


 ワンマンで一代限りの会社を作るのなら私が極力目立つのは良いが、一族経営で持ち株会社を継続して経営する場合、ある種の経営の根本たる柱の家庭教育が無い家は3代で滅びる場合が多い。


 しかし今回の事業の様に下手をすると数世代を掛けても、実現が難しい事業を手がける場合その一族を存続する、『家伝』が無い家は長続きしないで滅びて志半ばで危うく成る。


 しかし『家伝』があり家庭教育を続ける家は何十世代も続き、その事業の業態を変えても存続して繁栄させられて行く事が可能だし、良い実例が日本にはあるのである。


 それの最大の家系は天皇家で有りそこには秘された家伝があり、常に八千代に営々として滅ばず日ノ本を見守る事が出来たのだ。


 この世界歴史の改変は私一代では済まず、孫子どころか最低10世代以上の世代を掛けないと、実現は無理な大事業であるから言い出しっぺの責任として、子孫には済まないが継承させる予定なのでそれに必要な器を現在構築中なのである。


 現代の教育は家の存続をある意味否定して居る所もあるが、本来の大事業は継続したある意思の元に、大きな路線を決めて続ける必要があり、それを実現し方向性の型を付けるには少なくとも、5世代以上の世代で方向性を守る事が肝要であろう。


 その為に私はある種のしゅを自身の一族に掛ける必要があり、敢えて地獄へ落ちる覚悟でその方策を取り、現在の歴史改変作業に取り組まなくては成らないのである。


 この覚悟が無ければ現在人類にかけられた滅びの種を摘む事は、適わないであろうし現在解消しようとして居る種も、嘗て一部の者が己の信じる教えを実現する為に行った呪の、マイナス面が強く出た結果なのはとある筋から得た確かな情報なのだ。

 歴史を扱う上では残念ながら宗教も一つの思想として扱う必要があり、この問題を避けて通ればリアリティが無くなり、伝えたい作者の思いも伝わらなくなる可能性が高いので、敢えて怖いですが掲載させて頂きました。


 色々思う所は有りますが作者の考えや、歴史考察をすると一アジア人である日本人の中の一人として前々から疑問に思い、色んな方に聞き自分なりに出した結論なので、飽く迄もメジャーな意見ではないですので。


 しかし私は宗教と言うか思想は多くが混在し、自分の身に合った教えを信じて他とは優劣を競うものでは無いと思うし、本質的に民主主義をかなり気に入っているなと、思って居るので単一な物の見方や統制された考えは好きではありません。


 だから大らかな人が好きですし、軋轢を伴う不必要な自由を求める必要は無いと思って居ますが、強圧的な思想弾圧や価値観の多様化を認め無い、独裁者も嫌いなのでそれを誘発する思想も危険視して居る方ですね。


 そんなユートピア嫌いの私が書いた、デストピア小説ですがかと言ってアナーキズムも嫌いな、ある程度の秩序を守るための強制は容認しますが、押し付け嫌いな反骨者と矛盾を内包した人間がかいた話なので、其の辺はご理解頂けると幸いです。

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