49.Pday 32日目
今回も戦闘シーンが有りましたので難産でした。
もう少し早く投稿したいのですが、やはり戦闘シーンをリアルに書くのは、結構難しいですね!
漸く仕上がりましたので、お楽しみ下さい。
AM03:05 福島県白河市市庁舎東側800m地点 福島県白河市明戸25 JA倉庫
俺とジュディの居るJA倉庫にいる特殊部隊は、これより目標の建物を制圧する為に出撃する所だ。
俺とジュディは市役所の攻略へ、小学校の女性拉致被害者を救助する、マイケル・ミューラー・林葉 まり の班に分かれて出発する。
我々市役所組は偽装装甲2tトラック2台と、装甲ワゴン2台で出発する事になる。
ミューラー・林葉組は徒歩で出発するが、小学校の近くには昨晩から避難民を浪江町まで送った、装甲観光バスが2台と装甲ワゴン車が1台待機して、被害者の輸送と管制任務に当たる事に成って居る。
我々[ピーチ]班は軍との連携は取れて居ないので、建物外でHQの統括任務と脱出して来るテロリストの、迎撃任務を担当する事に成って居る。
「さてそろそろ出発するがお互い無事任務を達成しよう」
「隊長も気を付けて下さい」
「ああ、じゃあな」
俺達二人は装甲ワゴンに分乗して、市役所に向かう事にした。
その後からは偽装装甲兵員輸送トラック2台が続くが、両車両とも電動アシストのハイブリットカーで、蓄電池はバイオゲルバッテリーに換装されており、電力だけで約500km以上走行が可能だ。
我々の車列は電動走行と[ナイトeye]を使った暗視能力で、夜道を無灯火で音もなく粛粛と進み、市役所近くの所定の場所に車両を隠す様に、停車して兵員を下ろした。
この場所には予め斥候隊が先行して、昨日から安全を確認して居り、役所から50m離れた場所にあり、補給ポイント及び救護所にも成って居る場所である。
そして現場のHQは2台の装甲ワゴンが、それぞれ東側と西側を担当し、小隊を統括する任務を遂行するのである。
ワゴンには1号車が俺を長として護衛兵2名が付き、第一小隊の[ルーク]隊を統括し、2号車にはジュディが第二小隊の[ビショップ]隊を統括する。
上空には[ブッタアイ]1が常時周回して敵人員の動きを、監視して居り漏れが出ない様にしている。
因みに昨日女性拉致者15名が、C鮮系ヤクザの運搬人によって収容所から移送されて行ったが、拉致女性と輸送車に取り付いた[クモ]と、上空五千mにて監視していた[ブッタアイ]によって、移送先は突き止められ別部隊に依って保護された。
移送先は予てより監視されていた、野党幹部の茨城県にある別荘に届けられたのを、党幹部同席の状態で身柄を確保されたので、党の施設自体も共犯の疑いで、公安により強制捜査をされた。
どうやら党幹部達が関わって居たらしく、今後党自体の存続も危うくなる可能性も高いだろう。
パンデミックで浮かれて犯罪を犯したが、今まで政治的に保護されて来た歴史ある左翼政党だった為、今回痛い腹を探られて捜査官に食って掛かったが、今までの別件の余罪をも同時に並べられた様だ。
更に人身売買を狙った婦女誘拐で、非常事態法を適用される事犯であり、罪が罪なので他の野党からの抗議も無い状態なのだが、彼等も逃げが出来ないにも関らず、醜く抗議を続けて居るのが哀れだ。
戦後合法政党に成った万年野党で、一見クリーンなイメージを演出していた左翼政党だが、資金面では他国の共産国家から出ており、裏では日本の国益を侵害する勢力に肩入れして来た、売国では無く売国民主義なのが今回の犯罪で明らかにされた。
戦後かの政党の幹部に成ったのは、内ゲバの勢力争いで同じ共産主義者の幹部を殺害した、殺人者が戦後の恩赦で出獄し、党の要職に居た犯罪者容認政党であるので、それを知っている者からすると違和感がないのが実情だ。
因みに今回特亜3国が侵攻して来た為、立法されたスパイ防止法では事の重要さに鑑み、遡及法の性格を帯びた立法に成っており、承認が取れた物に成って居る。
何故ならスパイと言う反国家的集団は、スリーパーと言う数十年の長期に渡る一族での工作に携わる、特異な工作を行う組織も有るので、それ等を炙り出す為には遡及法でないと対処出来無いからだ。
所謂『草』対策であり立法前に与党内で充分審議され、立案されたものである為に瑕疵が少ない、完成された法律に成って居るために、特措法が解除された後にも雛形の法になるだろう。
俺達は現場に着くと直ぐに其々の持ち場に散って行った。
持ち場の安全はドローンに依って確認されて居り、スムーズに行われ居り今の所アクシデントは起こって居ない。
[ルーク]隊に因るファーストポジションは順調に確保されたので、タイムスケジュール通り計画は進み始めたのを、無線により確認して行った。
そして所定の時間が来た時に、[ルーク]3から拠点制圧の連絡が入った。
「こちら[ルーク3]、無事第1監視拠点を確保」
「こちら[ルーク6]、第2監視拠点を制圧」
「こちら[ルーク8]、第3監視拠点を確保」
順調に敵の監視拠点を制圧した様だ。 敵は主要拠点である市役所に、6箇所の監視豪を設けており、4人の輪番制で敵やゾンビの侵攻に備えて居た様だ。
時間毎の連絡も本来は不定期に設定するのだが、素人が多いせいか定時連絡に成っていた為、プロからは簡単につけ込まれる結果に成ったのだ。
やはり元々の民族性のせいか、本来の決まりを守れず自分等の都合に併せて、敵が攻めて来ると直ぐに思い込む何処か抜けた性格が、此処でも災いしたのだろう。
そしていよいよ実行の時間がやって来た。
まずサプレッサー付きの亜音速狙撃ライフルに因る、狙撃で敵の監視豪に対する攻撃から、幕は切って落とされた。
ズシュ! ズシュ! ズシュ! ズシュ! ズシュ!
7.62mm亜音速弾の鈍い発射音と共に、敵の監視任務にあたっていた、敵の監視兵が次々とヘットショットを決められ、血煙と共に沈んで行ったのを皮切りに、特殊部隊の隊員が次々と地上5階建て、地下2層の市庁舎に突入を開始した。
隣の市民会館は別チームの[カク]隊と、[ケイマ]隊が突入を開始した様だ。
我々が使用する銃器はサブでUZIを、メインでMk14 EBR改を使用するが、メインのMk14 EBR改を使用するのは、部屋の壁抜きをする場合と狙撃時だけで、屋内の通常戦闘ではサプレッサー装備の、UZIがメインの戦闘に成るのだ。
今時UZIかと言うかも知れないが、別に精密射撃戦をする訳でもなく、遭遇戦主体の屋内戦なら弾は多少バラけるが、機構が簡単で生産性が良くタフなUZIの方が、総合戦力で言えばHK社のMP5系統のSMGより、継戦能力は高いと判断して採用されたのだ。
何より国内のそれまで銃器を作った事のない、金属加工業を使い武器を調達する軍の立場からすると、傑作SMGを無理して作るより、安く大量に量産の聞くそれなりの性能のUZIの方を採用したのは、非常に良い判断だったと思う。
そんな訳で今回の作戦でも特殊部隊用に、選ばれたSMGはUZI改に決定されたが、改とある様に銃身事態に初めから、サプレッサーを装備しピカ二ティレールも上下に装備し、コッキングレバーもサイドに改造された日本使用に成って居る。
ピカ二ティレールにはバッテリー込みの、CCDカメラが装着されており、戦闘サポートシステムに組み込まれた、補助電脳に統合された照準システムを介し、ゴーグルのレティクルと連動して照準を決められ、咄嗟の銃撃戦にも威力を発揮する。
『オイ、[ルーク3]、突出し過ぎだ押さえて行け!
こちら[ルーク1]、[ルーク0]へ、1階部分に敵は観測で何人詰めて居るか解るか?』
『こちら[ルーク0]、現在判明して居るのは受付奥の警備室に4名に、仮眠室に6名居るが特に動きは無い。
他の階から降りてきた者はここ1時間では居ないな、オーバー』
『了解[ルーク0]、これより警備室を制圧する』
『幸運を祈る!』
[クモ]に依って監視カメラが偽の映像情報を流して居るとも知らず、監視員は次の見回り時間が来るまでろくに、監視映像も見ず駄弁っている所に突入部隊が、扉が開くまで侵入に気づかなかった。
突入した隊員のグラス型ディスプレイには、監視員の顔を捉えると、エネミーを示す赤丸にバツ印が明滅しテロリストである事を示し、青白のドットで銃口の着弾点が示される。
気付いた時には既に特殊部隊用UZIに、ロックされたテロリストは銃弾の餌食に成っていた。
「え!誰だ……ッ」「フグ!」「なな……ギッ」「ガハ!」
パパ! パパ! パパ! パパ!
サイレントキル用の弱装実包だが、20m以内の至近距離から放たれた、9mmパラベラム弾にも充分な殺傷力が有り、無防備の心臓部分にダブルタップを喰らったテロリスト達は、次々に物言わぬ骸に成って行った。
『[ルーク1]、警備室制圧』
『こちら[ルーク5]、1階仮眠所を制圧』
『[ルーク0]より、1階部分の制圧完了、現在の所他の階からは気づかれた気配は無い。2階からは兵が多く成るので、注意して任務に当たられよ。
現在2階部分の人の出入りは認められず、[ルーク]の担当範囲の右翼塔は6名のテロリストが認められ、階全体では15名だ。各人員の部屋に居る人数は、データでディスプレイに表示される、オーバー』
『[ルーク1]、了解』『[ルーク5]、了解』
『こちら[ビショップ0]、西側1階制圧完了! 損害無し! スケジュール通り次は2階左翼を制圧します』
『こちら[ルーク0]、我が方も損害無し。 時間合せを行い同時に突入する、左右両翼端で制圧を開始するので、フレンドリーファイアに注意!
後15秒後に突入開始する15…………5・4・3・2・1、GO!』
特殊部隊員達は通常のコンバットブーツでは無く、室内でも足音の立ち辛いソールの市街戦用に開発された、コンバットブーツを使用して居るので、音もなく階段を駆け上り2階部分の両翼に、粗同時に姿を現した。
『こちら[ルーク1] [ビショップ]を視認!』
『こちら[ビショップ1]、同じく視認した』
『[ルーク1]より作戦開始』
各隊はグラスディスプレイに表示される部屋に導かれ、第一目標に向かった。
両隊は同時に相手をする人数が少ないので、分散して二部屋ずつ同時に攻撃を開始し制圧した。
仮眠所への攻撃の為、部屋へ音もなく侵入し一人で1~2人を担当して、素早く寝たままあの世へ送られた。
『[ルーク5]クリアー』
『[ルーク1]クリアー』
[ルーク]隊は担当の右翼を制圧し、間も無く[ビショップ]隊も無事制圧を完了した。
両隊共三階までは順調にサイレントキルで制圧が進んだが、4階は指令部が有り24時間活動をして居るので、今までの様には行かないだろうと予想されて居る。
ここで[ルーク0]から8分間の小休止が命ぜられ、気分を入れ替える事にした。
[ルーク]隊・[ビショップ]隊は、三階の階段側の壁に寄りかかって、小休止をする事にした。
皆は各々ドリンクを飲んだり、カロリー補給に飴を舐めたりして、火照った体を休めたが、長時間の休止は帰って体温を低下させ、負傷の原因に成るので簡易マットを敷いて、廊下に体熱を奪われ無い様にこころ掛けて休む。
『此方[ルーク0]、そろそろ時間だ一分後に作戦再開、皆用意をしてくれ』
『此方[ルーク1]了解!』
『こちら[ビショップ1]了解!』
『コレより上の敵は活動中だ、くれぐれも注意してくれ、後20秒で作戦再開する、……10・9・8……3・2・1 GO!』
音もなく階段を駆け上がった隊員達は、階段壁の廊下側から影に成る側に張り付き、先頭のポイントマンが伸縮棒付きの、手鏡で廊下を確認して人の有無を確認した。
ハンドサインで敵人数と、その距離を示して階段壁の影から、CCDカメラ付きのUZIをセミオートで、壁から銃だけ出してカメラ越しの映像で照準して発砲した。
パッ・パッ!
10m以内に居た2人の敵は手前から順に、ヘットショットを受けて座り込む様に崩れ折れた。
エレベーターは隊員が4階に突入する時点で、[クモ]に因って作動不能に陥って居る為、仮に階段を使って脱出しようとしても、各階の階段に仕掛けたトラップ爆弾のせいで、下手に前を移動しても識別電波を発して居ない人が通ると、爆発する様にセットしてあるので、簡単に脱出は出来無い。
館内の警備室が管制して居る機器は、クモを介してハッキングされて、既に部隊のサイバーアタックチームが掌握して居るので、ビル内からでも自由にコントロールは出来無いのだ。
[ルーク]隊の受け持つ右翼は4階の配置からすると、会議室の付属什器室及び給湯室に成って居る為、先程の2人は指令部に詰めていた要員で、休憩の為喫煙とお茶を飲む為廊下に居た様だ。
情報端末からの指示だとこの階の人員は、4階左翼にある会議室に詰めて居る様だが、現在払暁の時間帯の為特に外部から連絡は無いので、早朝の交代時間までの要員として、5人程詰めて居るが特に動きは無い様だ。
他の班も現在テロリストに発見されず、着々と目標を制圧しつつある証拠だ。
[ビショップ]隊から4階制圧の報が入り、両隊が集まり5階攻略の打ち合わせを行う事にした。
「5階は敵の指令部機能が有る場所で、24時間機能して居るので今までの様に、寝込みを襲う事は出来無いので、戦闘に成る公算が大きい。
[ルーク0]の情報でも6人のスタッフが、3交代制で詰めており注意が必要だが、仮に戦闘に成っても[クモ]経由でハッキングして居るので、他のテロリストに本部が攻撃されて居るのを、察知される心配は少ないがな」
「じゃあ吉井大尉、強襲で行きますか?」
[ビショップ]隊の隊長石墨中尉が、[ルーク]隊の隊長吉井大尉に聞いた。
「始めはサイレントキルで出来るだけ人数を削り、戦闘も辞さずで何時でも、強襲に移る覚悟だけはしておいてくれ」
「「「「「「「「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」」」」」」」
[ルーク][ビショップ]共に気合を入れて、戦いに望む事にした。
Pday 32日目
AM03:18 福島県白河市市庁舎東側820m地点 福島県白河市旭町1丁目 福島県立白河旭高等学校
『こちら[クイーン0]、[クイーン1][ナイト1]配置につきましたか?』
拉致された被害者を救出する部隊に当てられた、[ピーチ]隊の隊員 林葉まり と ジョージ・ミウラ は、それぞれ林葉まりは[クイーン0]、ジョージ・ミウラは[ナイト0]の管制業務に付いた。
この両隊の統括は、医療班の大沢結子少佐が統括して居るが、実戦の指揮は[クイーン1]である大林大尉が取って居る。
『こちら[クイーン1]、配置に付いた』
『こちら[ナイト1]、配置に付いた』
『ではコレより作戦を開始します、各自ウェポンフリー! GO!』
[クイーン0]の合図により、拉致被害者奪回作戦は始まった。
[クイーン]・[ナイト]隊のスナイパーが、まず亜音速弾を使った狙撃銃による狙撃で、敵の監視員を次々と狙撃して行き、無力化していった。
7.65mm亜音速弾を使った重量弾の狙撃は強力で、1発で敵テロリストの頭をスイカの様に破裂させて、速やかに次々と無力化して行く。
所詮テロリストと言っても一部幹部が、正式な教練を受けて居るのに過ぎず、殆どが在日の俄テロリストであり、民族性と相まって歩哨の任務もうたた寝をしながらであり、隣の仲間が脳内をぶちまけて絶命したのも知らず、呑気に居眠りをして居る始末だった。
外周部分の監視兵を始末した部隊は、音もなくそれぞれの担当箇所に突入した。
ここでは無線波の妨害と、有線はお馴染みの[クモ]に因るハッキングに因り、各テロリスト間の連絡は寸断され、たとえ発見されて銃撃戦になっても、他の地域からの増援無いので安心して、制圧戦が行われる体制に成って居る。
拉致された女性は3つの教室に分けて監禁されて居るが、監視の都合か同一階の隣り合った教室に、分散されて居るので奪回は楽だった。
男性の拉致被害者は体育館に集められ、手足を鎖で拘束されて居る為、制圧後の解放に手間取るのが予想された。
女性拉致被害者を優先して救助した後、男性被害者を助ける段取りで動いて居たが、運の悪い事に女性を救助した後に男性を救助して居る時、テロリストに気づかれ戦闘に移行してしまった。
幸い体育館には脱走防止の為、各ドアは施錠・溶接されており、出入り口は体育館の入口のみになっていたので、潜入工作の訓練を受けて居ないテロリストは、入口からの攻略しか出来無い事態になった。
『こちら[ナイト5]、只今敵約5名と体育館正門付近で交戦中、援護は可能か?』
『[ナイト0]より、後5分待ってくれ、只今女性被害者保護を優先して居る、そちらの被害者と隊員は無事か』
『[ナイト5]より、被害者隊員ともカスリ傷は有るが、現在深刻な負傷者無しだが、連日の強制労働で被害者の衰弱はかなりな物がある。
早めの安全確保と治療を行いたいので、速やかに制圧を済まし輸送車を横付けで救護が必要だ。
合流場所まで徒歩での避難はかなり厳しいので、其の辺を考慮して作戦を組んで欲しい、以上』
『こちら[クイーン0]了解、予備の弾薬は問題無いか?』
『[クイーン5]より、今の所各自銃弾は1/5も消費していない。
5分位は持つ、以上』
『[クイーン0]、これより狙撃班が援護に入るので、圧力は減るはずなので頑張って欲しい、以上』
『[クイーン5]、了解』
狙撃班の参戦が始まると階上からの、教室から攻撃していたテロリストの攻撃が弱まり、渡り廊下を挟んでの攻防に成って来た。
この時[ルーク0]より市役所突入班が、テロリストと戦闘状態に入った為、今まで爆発音で他のテロリストから察知される為、使用が制限されていた手榴弾とフラッシュパン使用が解禁された。
その報をうけた[クイーン5]は破砕手榴弾の使用を決めた。
『こちら[クイーン5]、これより制圧の為ハンドグレネードを使用する』
『こちら[クイーン0]、了解しました』
[クイーン5]は3名の隊員に1発ずつの、手榴弾を用意させ最初の1個が爆発後、30秒したら後続の手榴弾2個を、時間差で投入する作戦を取った。
「おい、後続は撃発後3秒で投入しろ、上手くすれば空中爆発で、多数を死傷させられる」
そう言うと一投目は平な床を滑らす様に、転がして校舎の出入り口に投げ込んだ。
バァーン!
テロリストは銃撃戦の興奮で、床を転がって来た手榴弾に気付かず、ドアの影に隠れて銃撃して居た隠れ場所諸共、爆発に巻き込まれ4名が死傷した。
銃撃戦の現場に居た8名のテロリストは、注意を怠った為に一撃で半数が戦闘不能に成ってしまった。
戦闘のプロなら通常身を隠す土嚢や、布団等で阻害壁を作り、手榴弾が投げ込まれたら、敷布団やクッションで手榴弾を覆い、爆圧や破片を防いだり、間に合わない場合は足裏を手榴弾に向けて、伏せる等の行動を取り身を守る。
彼等[クイーン]隊も戦闘に入ると同時に、被害者が敷布団代わりに使っていた、体育マットを丸めて阻害壁を作り銃撃戦を行なって居り、いざ手榴弾が投擲された場合マットを被せて、被害を防ぐ手立てをして居た。
一発目の爆発の衝撃が過ぎ、生き残りがそろそろと身を隠して居た場所から身を起こした時に、第二弾の手榴弾2発が投擲された。
それも角度と高さがマチマチな位置に投擲され、尚且つ爆発ギリギリのタイミングで投擲された2発は、空中で炸裂したのでその場で生き残って居た者達も、重症でのた打ち廻るか、破片を急所に受けて死亡するかの被害を受けた。
『こちら[クイーン5]、テロリストの攻撃は下火に成った。
しかしまだ校内には残党が残って居る可能性あり』
『[クイーン0]より、これより5分後装甲パネルトラックで救出に向かう、救出場所は体育館西側扉の南端扉だ。
指向性爆薬で鉄戸を焼き切るので、処理が終わるまで現場から安全距離15m以内に近寄るな、以上』
『[クイーン5]、了解した。 西面の南端の扉付近には近寄らない様注意する、以上』
[クイーン5]は校舎側を監視しながら、拉致被害者と隊員に作戦を説明し、南側には行かない様注意した。
そして5分後学校校門から装甲トラックが屋根から、セントリーガン・システムの[アナコンダ]で警戒しながら、体育館に駆けつけた。
その間2階の窓からライフルで狙撃されたが、Sライン樹脂で強化された装甲に対して、30-06弾程度の銃弾では簡単にはじかれて、運転席の窓を狙われたが悉く失敗した。
それ所か、逆に[アナコンダ]の13mm弾の制圧射撃を受けて、隠れいていた外壁ごとブチ抜かれて無力化した。
Sライン装甲は耐熱性能も優秀なので、RPG-7対戦車ロケットの直撃を受けても、装甲が焼切れるおそれは無いので、救助の隊員も安心して救援に駆けつけられた。
装甲トラックはまず体育館の西側外壁に、運転席を校舎に向けて横付けして、後部ドアから出て来た隊員がチューブ条の、指向性爆薬索を鉄戸へ2m×2m角ほど貼り付けて、起爆装置をセットした。
ジュバン!
爆音は派手では無いが独特の衝撃派をのこして、鉄戸を焼き切り隊員がトビラを蹴ると、自重でドアが倒れて行った。
トビラが破壊されたと同時のもう一台の装甲トラックも参加し、人質救出作戦が敢行されて行く。
後から来た装甲トラックはバックで止め、最初のトラックと丁度L字型に成る様に止め、次々と拉致被害者を救助して、トラックに収容していった。
その間最初に突入したトラックは、パネル上部にセットされたセントリーガン・システムで、教室から攻撃して来るテロリストを、次々と狙撃して沈黙させていった。
その時、救助者を誘導していた[クイーン7]こと、飯塚兵曹は屋上から放たれたライフル銃の銃弾で、背中を狙撃されて衝撃でその場に倒れてしまった。
「グハ!……」
「飯塚兵曹大丈夫か? 『こちら[クイーン9]、[クイーン7]が負傷した模様!』 」
「…………ってぇ~~! ゲホ、ゲホ! 背中にデットボール喰らった見たいだぜ……」
気の抜けた返事が帰ってきて[クイーン9]こと、田中曹長が思わず脱力してしまった。
「オイ! 大丈夫なのか兵曹? 出血や内蔵に来て無いか?」
「ええ、どうやら無事の様です曹長、デットボールと言うか幅広の板で、背中を広範囲に引叩かれたようでしたが、特に骨折や内蔵にダメージは無いようです」
飯塚兵曹は体をクネクネと捻りながらそう答えた。
周りで心配気に見ていた救助者も、元気そうに動き出した飯塚兵曹を見て、一安心して居た。
『こちら[クイーン9]、[クイーン7]は背中を狙撃された様だが、特に負傷は無い模様だ』
『こちら[クイーン0]、本当ですか良かったです! メディック(衛生兵)は特にいりませんか?』
『こちら[クイーン9]、最初の着弾の衝撃で転倒したが、身体自体にダメージは認められ無い、メディックは必要無い』
『[クイーン0]、了解』
『こちら[クイーン7]、心配かけて申し訳有りません。 どうやら新製品のバトルスーツの耐弾性能の御蔭で、無事生きて居られる様ですね。
30-06を喰らった様ですが、特にスーツには破損は無いようですし、体も衝撃で倒れましたが、特にダメージは残りませんでした』
『こちら[クイーン1]、飯塚気を付けて行動しろ! 帰ったら腕立て100回だ! 以上』
『え~~! 隊長それは無いですよ、こっちは死にかけたのにぃ』
『[クイーン1]、生きているから罰も与えられるんだ! もう100回追加な!』
『ウグ! [クイーン7]了解!』
今のやり取りを聞いていた隊員達も、ホットすると同時に自身が着ている、バトルスーツの防弾性能の優秀さに安心感を持った様だ。
今までの防弾装備だと、重量の有る米国NJ規格タイプⅣの物で無いと、AK-47のロシアン7.62mm弾は防げ無いし、急襲が命の特殊部隊だと素早い動きを重視して、タイプⅢAの防弾装備で済ますか、弾薬などの装備を少なくして、重装甲を選ぶしか無かった。
早い話10kg以上あるウエイトを付けて、激しい戦闘を行う為に速度が命の特殊部隊は、かなり防弾装備でデットウェイトを背負って戦って来たが、Sライン製のバトルスーツの出現で、重装甲且つ軽量な防弾装備の御蔭で、より多くの弾と武器を携行出来る様になり、継戦能力が通常の同レベルの兵の数倍に伸びたのだ。
要は1個小隊が3個小隊の火力と、継戦能力を持ったに等しく、更に全身全てをタイプⅣ以上の、防弾装甲で覆った重装甲軽歩兵と言う矛盾した、所謂チート兵に成ったのだ。
その結果戦闘での負傷者や死者が極端に減り、戦えば戦う程ベテランの兵が増えると言う、軍の調達部門に取っては夢の歩兵とも言うべき、軍隊が出来上がったのだった。
つまりコンバットプロープンされた兵隊ばかりの軍が出来、精神的に病まない限り新兵訓練の教育費が、極端に減らせる燃費が良く長持ちする兵で構成された、精強な軍が安く維持出来るのは大きい事である。
更に負傷や死亡に因る医療費や、家族保障費も節約出来るため、軍の装備科も新バトルスーツの導入に、現在の装備の5倍程に成る経費も、ものともせず積極的に成ったのは当然であった。
現場の方でも防弾性能が優秀で、現在の装備より10kg以上の重量軽減と、使用感も好評な新バトルスーツの期待度は、大きかったのも採用の一因だった。
そして何よりも期待されたのは、ゾンビに因る噛み付き攻撃に対する、対ゾンビ防護性にあるのが一番だったろう。
このバトルスーツに使われて居る衝撃吸収ジェルは、0.5mmと非常に薄いものだが、被弾時の衝撃を受けると瞬時に硬化し、広範囲に衝撃を分散し、人体へ対する衝撃を和らげる。
ゾンビの噛み付き攻撃や、掴み掛り攻撃を受けても、硬化が起こり引きちぎる力や、噛み付きの圧力を阻止して仕舞う。
この様な性能の為、パンデミック終息後はライダースーツや、ヘルメット等の安全商品開発への応用が、期待されて居り事実医療間系の、全身防護服に採用され現在増産中だった。
その後[クイーン][ナイト]両隊は、無事被害者の保護を終了させて、テロリストの掃討作戦に移って行き、50分後に全ての任務を終了させたのだった。
Pday 32日目
AM08:30 福島県双葉郡浪江町請戸 大平山近辺 旭製薬福島工場
管理棟 CEO室
俺とスタッフ達は昨晩夜9時位から、翌日午前1まで仮眠を取って、本日払暁から始まる白河市解放作戦、『OINKストライク』作戦を観戦して居た。
今回の作戦には陸軍だけでは無く、[ライジングサン]のスタッフも共同参戦しており、作戦の模様を[ライジングサン]代表として、観戦していたのだ。
今の所我が方には軽傷者は居るが、死者や重症者は出ておらずホットして居る所だが、作戦は帰還が終わるまで息は抜けないので、何時でも後詰の支援が出来る様に、用意だけは怠って居ない。
「代表、今の所主要施設と弾薬集積所は制圧完了して居ます、それとテロリストの首謀者は今だ逃亡中ですが、相手が動きだせば即座に探知出来ます。
主要幹部には例のマーカーが付けて有りますので、地上を移動し始めれば即座に[ブッタアイ]の、センサーでキャッチ出来ますから」
と、田中君が報告して来た。
「多分テロリストのリーダーは、軍が多い段階では地下に潜ってやり過ごすだろうね。
数日程たって地上に軍が少なく成ったら、動き出すと思うから暫らく[ブッタアイ]と、[ピーチ][ジュエル]隊は監視任務に入ってもらうしか無いな」
「両隊の隊長からも同様の意見具申が来ています、どうしますか?別の隊で引き継ぎ彼等を休ませましょうか?」
「……いや、彼等にもプライドが有るだろう、もし疲れが出て居る様子が見られたら、事故が起きる前に交代させれば良いし、彼等もプロだから其の辺の塩梅も調整出来るだろう」
「そうですね、あのチームなら夢中に成って、疲労でミスを冒す心配はまずありえませんか……。
それより作戦終了後は首相から相談の有った、例の案件に取り掛かる事に成りそうですが、そちらに別チームを投入する事になりそうですが、どのチームを使いますか?」
「あの懸案か。 あれは一度手を出したら最後まで結構手間が掛りそうだし、形は捜査に近い物に成るから、専従部隊は米沢の親父さんの部隊しかないだろうな」
「米沢さん……! ああ、あの元捜二の警部さんでしたね、あの方はどうして家に入社したのです?」
「米沢の親父さんは、警部時代に特亜間系の事犯を捜査中に、奴らの息の掛かった政治家と、警視庁幹部の罠に掛って本庁から追放されたのさ。
警察幹部と政治家の癒着に特亜勢力が、捜査対象に成ってしまったので、その秘密を外部に漏らさない為に、脅されても言う事を聞かなかった親父さんの部下が、事故に見せかけて家族毎殺された。
怒った親父さんは更に捜査を続行しようとして、内部にいたスパイに因って横領の濡れ衣を着せられ、それは証拠不十分として無罪に成ったが、小笠原に飛ばされて嫌気がさして辞めたのさ。
それを知った知合いだった『提督』が家にリクルートを勧めて、入社したのが経緯なんだ。
だから親父さんには特亜絡みの事犯を、優先的にお願いしているし、奴らが絡むとハッスルするからね」
「そう言う訳で『特亜科』の専従捜査を任されているのですね」
「ああ、その事件以来自身で日本や世界の近・現代史を調べて、どうして彼等特亜が日本を目の敵にするのかを調べて、完全に戦後史が捏造された事実の上に築かれた物だと気づいたらしい。
そのせいで自身が持っていた特亜に関する罪悪感も消え、騙しやがって太え奴らだと一切容赦しなく成ったからね。
今ではあの連中がどう言う行動を取り、何故嘘を平気でつくか理解して居るので、あの連中のお涙頂戴演技や行動に騙されない、容赦の無い捜査をモットーとして居るからね」
「そうですね、あの民族はかなり特殊な性向を持っていて、日本人の常識で判断すると大火傷を負いますからね。
そう言えば日本人だけでは無くて、他国の人々にも彼等は嫌われていて、つい最近まで日本人も奴らの仲間とおもわれて、ヨーロッパ人にも誤解を受けて居ましたからね。
でもアニメや日本文化の浸透で、特亜と日本は別と少し認識が出て来て、誤解も溶けて来ましたが特亜が広めた、捏造売春婦問題で又誤解が広がってしまいましたから。
でも抗日戦争勝利記念の祝賀パレードで、特亜3国が嘘付き国家だと、A国やヨーロッパにも広まり、更に今回のパンデミック惨禍で決定的に成りましたね」
「ああ、そして生き残った特亜民族には、ホワイトプロパガンダでパンデミック発生の責任は、特亜の良い加減な政治と国民性にあると、宣伝を行いつつ彼等が民族的に、自分を有利にする為なら平気で嘘を付き、他民族を陥れる詐欺民族と広めるのさ。
まあ日本だけでは無く、ASEAN各国や東南アジア各国にインド等が、共同歩調で各種メディアを使い、世界中にかの民族の実態を宣伝するから、彼等の行動と共に汚穢で嘘付きな民族と事実が喧伝されるだろう」
「そうですね、そうしないと奴らは又人の居なくなった古巣に舞い戻り、また無秩序に増殖して自然を食いつくし、汚染を世界中に振り撒くでしょうから」
「彼等はY民族以上にしぶとくシツコいから、油断をすると他国に侵入して、あっと言う間に増殖して、その国を食い物にするからね、常に注意し油断しない事が肝心だ」
「そう言えば戦争で彼等を隔離して居ますが、彼等の処遇はどうなるのでしょうか?」
「戦時特措法で保護した在日特亜の、10箇所ある収容所はパンデミックに飲まれて、全滅して居る見たいだね。
まあ日本人の避難を優先したので、彼等まで手が廻らずに犠牲に成ったが、日本政府は密航者の安全より、日本人の安全に責任が有るので、そこまでの余力が無かったからね。
文句は言うだろうが責任はC・K両国政府に有り、災害で大変な事態に成って居る最中、他国に侵攻する異常民族の安全まで、日本国政府は見る余裕も必要も無い。
もし犠牲者への保障と謝罪を求めるなら、パンデミック禍で我が国や世界で犠牲に成った人々への、保障と謝罪を君達民族が起こした、人災の責任を取ってから言えと、突っぱねれば良いだけだしね」
「奴らなら捏造歴史を作って、日本がゾンビウィルスを作り我が国へ撒き散らし、パンデミックを起こしたとでも言いそうですね」
「ああ、その為ウィルスのデータと映像を、世界中の研究者に送った為ウィルスが、自然由来の物である事は実証されて居るし、此方のホワイトプロパガンダで捏造はさせる気は無いからね。
人工ウィルスはDNA解析技術が確立されて居る現在、簡単にキメラウィルスか自然ウィルスかは判断出来るから、奴らがどんなに喚こうが、では証拠を提示してくれと、容赦無く裁判を起して実証させる。
もし反証出来無い場合、莫大な慰謝料を請求して、同じ犯罪を2度と起させない様に、徹底的に相手を潰す用意はして居るからね」
「その位しないとアイツ等は、執拗に粘着して金銭を要求して来る、日本人では想像を絶する思考を持つ、異民族ですから当然ですね。
逆に侮られると柳の下にドジョウがまだ取れると思い、下手をすると水路を破壊して、自分達の性じゃないと逃げ出す、確信犯なのはこの100年の経験で解りましたから。
そう言えばパンデミック前に起きた、K川の決壊の原因はメガソーラーの設置工事で、手をだしては行け無い場所を、C国人系のパネル業者がC国製のパネルを、設置する為起きた人災らしいですね。
あの事件が起きる2~3ケ月前に、ネットでC国系のソーラー会社が何をするか解らないと、警告して居た女性の学者だか、記者の方が居ましたが、その方が行った通りの事態になりました。
奴らC国系の連中は自国を人の住めない、毒で汚染した大地を作り、それを放り出して逃げ出し、尚且つ他国でも同じ事を平気でする、蝗の様な狂気の民族ですから。
日本人が文句を言うとやれNK大虐殺が~とか、戦争で日本の非道な振舞いについて大声で叫び、平気で責任を取らずに他国へ逃げる、慢性犯罪民族ですから」
「まあ今回の『OINKストライク』作戦が終わったら、K国系の帰化人も含めてC鮮人は国外退去を命じ、K国に強制送還を実施する予定だ、
更に米沢の親父さんが担当する事案は、C国人密航者とC国工作員の炙り出しと、日本人の親派を炙り出して一斉検挙し、密航者は強制送還をして売国民犯罪者は、極刑に処せられる予定だ。
パンデミック中に革命ゴッコをして居る馬鹿に、容赦はせずに検挙して行くから覚悟をして貰おう」
「そうですね、パンデミック災害で皆一丸に成って、対処しなければ成らない時に、それを邪魔する革命ゴッコをする、頭がお花畑な人達に容赦をする程、政府に余裕は有りませんもの。
本来そこへ投入する人材やリソースを、ウィルス対策に投入出来れば、何人の国民が救えるか、考えた事は無いのですかね?」
「そんな深読みが出来る頭が有れば、こんな有事の最中活動をして、国民を敵に回さない有利さ位直ぐ判るさ。
でも安全保障法を改正する時も、日本人や特亜以外のアジア各国の安全を考えず、特亜の利益にしか成らない行動をする、馬鹿な日本人も未だに居たのが笑えるね。
彼等には自身で物を考える力や、想像力がまるで無く平気で無自覚に売国をするから、昔からあの手のお花畑は手に負え無いからね。
1960年代には安保反対のデモを起こし、1970年代には学生運動と言う、テロ活動をした連中がそうだからね。
彼等は1930年後半から1950年前半位に、集中して生まれた「魔の20年生まれ」の、戦後洗脳世代だったが今の世代で騒ぐ、日本人は非常に少なくなり、在日か帰化C鮮人の連中が大半だからね。
今のネット社会に成ってもまだ、自分で物を考えられず他人の言った事を鵜呑みにする、馬鹿な連中が居ると思うと悲しくなるな。
何故大人の言う事を信用して、その話の裏を取って検証しないのか、まるで解らないのだが、何の為のネット環境が有ると思って居るのかね。
まあ宗教に被れて狂信する馬鹿な奴も、結構居るから昔も今も一定数の考え無しは、結構居るのが面白いと言ったら面白いが、多分精神が何時までも、幼いまま生まれた連中なのだろう」
「しかし米沢隊が専従する事案は、C国系の工作員の特定とその親派の動向ですよね。
彼等は戦前からのスリーパーが居るので、結構大変じゃ無いのですか?」
「公安の伝統と捜査力を甘く見ない事だよ、彼等は特高時代から国内のスパイを、営々と探し出し記録を付け続けた、超大なデータの蓄積が有り、歴代の公安の現場トップに受け継がれて来た、貴重な情報の宝庫だからね。
彼らは先輩が営々と築き上げた、情報が漸く日の目を見る事が出来ると、非常に喜んで居るし張り切っても居る。
だから今回は彼等公安と軍の防諜軍に家の隊が参加して行う、一大捕物に成る予定なのだよ。
昨日捕まった人身売買組織もその一端で、そこを突破口にして国内に居るスパイ組織を、壊滅させるのが今回の作戦の骨子なんだ」
「では70年以上掛けた作戦の総仕上げなのですね」
「ああ、日本に取っては戦後レジュームの、完全成る脱却を掛けた不退転の決意で望む、一大プロジェクトなんだよ。
無論特亜だけでは無く他国のスパイを一掃する、最大の機会が巡って来たのだから、日本とアジアの独立を掛けた、一大プロジェクトの第2段階だ。」
第一弾の特亜を滅し、アジアの自由と安定の基礎を固め、第二弾は各国内の他国のスパイを洗い出し、利用出来る者以外は駆除すし情報の流出を防ぎ、第三段階ではアジア通商連合を設立して、アジアの域内経済力を高める。
何故通商連合かと言えば、パンデミック後は地球の全人口が減り、経済のパイが減少する為、当分ブロック経済に移行して、域内の内需を拡大して自力を付けておき、復興後に世界経済の中心にアジアを躍進させる構想だからだ。
ある程度の経済流通が行う為の復興が進むのは、世界的な災害の為最低でも20年以上は掛り、被害がひどく人口が半減や6割・7割減に成った地域は、100年は立ち直るまで掛かるだろうと予想される。
その為21世紀以降はアジアの世紀にするため、この100年の猶予を生かし日本主導の下、アジアの自力を付けて次の、宇宙資源開発の世界を手繰り寄せる為の、一大プロジェクトの始まりと位置付けているからだ。
C国に因る無制限の開発が環境にどの様な、傷跡を残すか今後パンデミック終息後には、ハッキリ判るだろうがこの様な、蛮行を防ぐ為にも資源を宇宙に求め、大地には清浄な土地と水を呼び戻す必要があるのだ。
その想いを胸に俺は世界の枠組を変え、人類の時を先に延す決意をしたのだ。