30.Pday 9日目
少々遅れました、済ません。
ではお楽しみ下さい。
PM12:45 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 体育館前
「さてと、おいそこの教師らしき奴、10秒以内に目のまえの扉を開けろ!
2度は言わないぞ、もし開けない場合実力で開け、今回の首謀者を逮捕する!」
「あなたの格好を見れば、どうも警察官では無い様ですね?
警察でもない貴方に逮捕権はないし、例え警察でも学校に対する捜査権は無いのを知らないのですか?」
「ククククク、アッハハハハハハハハ! 貴方は何を言って居るのですか? 法的根拠?
どうも貴方は今の状態を理解して居ないようですね、10日前安部首相がパンデミックによる、非常事態宣言を発令した後、翌日にパンデミックが発生したのは、馬鹿な貴方でもご存知でしょう?
パンデミック発生4日後に首相は、非常事態の特例法を発表したのは、ちゃんとニュースをチェックしていれば、解るはずですよねえ?
この臨時法は、他人に対して意味なく死につながる行為をした場合、その行為をした者は、死刑が適用される事に成っているからね。
早い話、6歳児が腹を減らして老夫婦から食料を奪った場合、その子を殴り殺しても罪に問わない事になるのだよ。
何故なら老人が食料を盗難されると言う事は、老人がゾンビを駆除しながら、新たな食料を得る事を強要する事であり、餓死か感染して死ねと言うのと一緒だ。
だから例え子供の行った行為でも、非常事態なので少年法は適用されず、罪を犯しても逮捕拘留して居る、物資も人手も無いので簡単に死刑が適用出来るのさ。
今回君達が行った行為は、これに該当する非常に悪質なケースでね、イジメの延長で彼をゾンビの大量に居る、校庭に突き落とした時点で明らかに、彼の殺害を目的とした残酷な殺人事件と断定出来る。
君達は非常事態下で、証拠が残らず残酷に殺人が行えると思っていた様だが、実は非常事態では犯罪者の人権や少年法に学校への優遇措置は、一切無視され簡単に死刑に出来るのさ。
早い話、非常事態になったら犯罪者は即死刑にしても、国が認めると言う犯罪者に取っては厳しい事態になるのだよ、解ったかね? 解ったらサッサと扉を開けてくれませんか?」
すると体育館の扉の内側で、数名の男女が争う音がすると、鉄扉がいきなり開いて、8名程の男女が走り出て来た。
その後を追い危害を加え様とした4名の男子生徒を、[バイパー]のストック部分で、殴り倒して蒔田君と田辺君が体育館に突入した。
その間車から降りて俺の近くに来ていた、永井少年が6人の男女と合流して皆と抱き合って喜びあっていた。
俺は殴り倒された4人のヤンキー系の男子を、体育館に追い込みながら、永井少年グループと由依ちゃん7人を連れ、体育館に入り扉を閉めた。
そして[パイパー]を構え、2階の廻り廊下に居る7人へ向けて言った。
「君達10秒以内にそこから降りて、ここへ集合なさい。
命令に従わない場合は、即座に撃ちますよ!」
俺は威嚇のため壁面に向かって、フルオートで[バイパー]を発射した。
パパパパパパパパ
壁には綺麗な弾痕が並び、[バイパー]の威力を示した。
「ま、待て! 今降りるから待ってくれ!」
高田と呼ばれた教師は、顔を引き攣らせ二階から降りて来たが、少年の一人が反抗して来た。
「ザケンじゃねえよ! 何で俺がテメエの言う事聞かなきゃナンネンダヨ!
言う事聞かせたかったら、素手で来いよこの卑怯モンが。
俺の兄貴は族の幹部なんだからな! テメエの面忘れねえから後で二眼と見れねえ顔にしてやるぞ! 覚悟しろよ」
俺はこの典型的なヤンキー予備軍の、厨房を見てタメ息を付きながら、永井少年に聞いた。
「あそこでいきがっている馬鹿な、中二病発症者は誰ですか?」
「奴は由依をイジメていた中心グループの一人で、さっき俺を突き落とした連中の一人でも有ります。
名前は谷部 慶太と言って兄は〝臥羅武″(ガラム)と言う族の幹部で、兄の威光で学校でもチーマー見たいな事をしている、ヤクザ予備軍見たいな奴です」
「ハア~、事こんな事態になっても、まだ現実が解らんバカが居るのか?」
俺は一人いきがっている現実を読めない、不良、正に不良人間を見て呆れ果ててしまった。
そしてやおら[バイパー]を構え、一人粋がって居る馬鹿に向けて、まず両腕を撃ち、次に両足を撃って転がした。
行き成り撃たれると思って居なかった馬鹿は、撃たれた痛みに廊下を転げ回った。
「さて!これ以上撃って欲しい者が居れば、そこに居る馬鹿の様に四肢を撃ち抜いて転がしてあげますがどうします?
下に降りて真ん中に固まり、俯せになり手は頭の後ろで組みなさい! 足は1m位ひらいてね。
永井君の友人以外は全員同じ格好で、伏せていてください」
おれは永井少年の仲間以外は、全員伏せる様命じた。
そしてDQN不良人間の所へ行った。
「テ、てめ~、良くもヤリヤガッタな! もうユルさねえからな~!
後で兄貴に言ってぶっ殺してやるゾ!
二目と見られね~顔にして、山に埋めてやる! 苦しんで死なせるから覚えてやがれ!」
「何時までも騒いで居るのですか? あまり騒がしいと騒いでも迷惑に成らない、世界に逝きますかね?」
「やれるもんならやって見ろヤ、この半チクもんが!
糞が漏れるほどぶちのめしてから、ぶっ殺してやるからな!」
「本当に弁えてないお馬鹿ですね、先程も言いましたが今は少年法も、犯罪者の人権も君らを守っていた法律の一切が、執行停止されて居る状態なのですよ?
有るのは凶悪犯に対する重刑主義です。
早い話、悪事をした馬鹿な犯罪者は、懲役刑等執行して居る余裕が社会に無いので、行える刑は余裕がある場所では、重労働を課す位ですが、実質有るのは追放刑か死刑ですよ。
しかし凶悪犯罪者は追放刑にはならず、100%死刑でしょうね。
何故なら馬鹿を世の中に放てば、逆恨みをして復讐して来るか、余所で又悪事を働き迷惑をかけるので、仕様が有りませんから」
「やって見ろ! 殺してみろよ! そしたら毎晩貴様の枕元に立って、祟り殺してやるからな!」
「ほう、面白い! 祟り殺してくれるのですか?
愉快な君に、今から面白い〝見世物″を見せてあげましょうか」
俺はそう言うと、ベストのポケットから〝符″を取り出し、〝呪″を唱えて彼の方へ〝符″を飛ばした。
すると、彼の背中に落ちた〝符″からいきなり、赤黒く逞しい二の腕が突き出すと、ズボンのベルトをムンズと掴み、彼を中釣りにすると1階の床1m位の高さから、ポイと投げ出した。
中釣りになっている間喚いて居たDQNは、投げ出されると打ち所が悪かったのか、しばらく悶絶していたが、ようやく大人しく成った。
他の生徒や教師、永井君の友人に蒔田君達までも、今のパフォーマンスを見て呆然としていた。
「そこの厨二病患者でDQN君、どうだね陰陽師が使う式神が何れ程の力を持って居るか、実際に経験してみて解ったろう。
例え、君が処刑されて私の枕元に立っても、私に取っては鴨がネギを背負ってスープ付きで現れたのと変らないのさ。
何故なら式神用の材料である、活きのいい奴霊がそちらから、やって来てくれるのだからね」
俺が黒い笑みを向けると奴らが全員、顔色を無くし視線を逸した。
「永井君、大体は把握して居るが、再度何が有ったか説明してくれるかね」
「ハイ、説明させて貰います。
9日前の月曜日、朝10時半くらいに偶々開いていた、校庭側の門から奴らが5・6体校内に入って来たらしいです。
始め体育の先生が止めようと、刺叉で取り押さえ様としていたらしいですが、押し切られて校内に侵入して来て、どんどん仲間を増やしたちまち校内に溢れて来てしまったのです。」・・・・・・・・・・・・・・・
Pday 1日目(回想)
AM10:35 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 4階2年1組教室
永井 桂治 視点
僕が教室で奴らに気づいたのは、校長の校内放送を聞いた時だ。
『ピィ~~~~~ガガガ、・・プン、皆さん落ち着いて聞いて下さい。
只今校内に不審者が入り込んだ模様です。 危険ですので教室の戸締りをして、妄に廊下へ出ないで下さい。
只今警察に連絡をしておりますので、不審者が逮捕されるまで戸締りをして、廊下に出ないで・・・・・『校長先生!警察に連絡つきません、電話がお話中で、ひょっとすると政府が言っていたパンデミックかも』ま、待ちなさい! 今放送中よ迂闊な事は言わないで。
ともかく皆さん、今警察に連絡中ですので負って連絡します。
それまで教室の扉を閉めて、お待ち下さい・・・ブツ!」・・・・
それからが全校中がパニックになった。
3時間目と4時間目の間の休み時間と言う、時間帯に有ったせいか教室には教師が居ず、籠城しようとする生徒と逃げようとする生徒が、バラバラに動き一貫した行動が取れず、被害が拡大してしまった要因がある。
僕も教室に居るには危険を感じ、取り敢えずカバンに教科書以外の、必要な物や震災用の防災頭巾を持ち、避難を開始しようと教室を出た時、階段から悲鳴が聞こえてきた。
見ると3年生だろうか、男子生徒と女生徒5人程が、降りようとしていた級友達を捕まえて、首や手足に噛み付き、血が吹き出し壁や廊下・階段を染め、悲鳴が随所で上りまるで、地獄の様な光景を作り出して居た。
僕は恐怖に突き動かされ、東校舎に戻ると外階段を使い、一気に2階と1階の間の踊り場まで降りたが、階段下に奴らが待ち構えており、やはり数人の生徒が噛まれ、横たわるか襲われていた。
僕は咄嗟に踊り場から校庭に飛び降り、すぐ近くの体育館の入口に入り、カギを掛けて館内に立て篭った。
暫くして一息付くと入口に数人の生徒が駆け込んできて、扉を叩くので廻りを見回し、安全を確認してから彼らを招き入れた。
「オイ!永井じゃないか無事だったか!良かったな」
「湊か! お前も無事に逃げられたか」
奴は同じ2年1組でクラブも同じ軟式テニス部の湊 浩史だった
「お~い永井俺も無事だよ!」
「俺もな!」
同じ1組の戸津川 毅と2組の的場 翔も無事だったようだ。
二人共同じ軟式テニス部で、性格もいいやつらだ。
「君達は?」
僕は一緒に入って来た女生徒3人に聞いた。
「私は1年2組の柿崎 佳世野です」
「あ、あたし同じく1年2組の佐渡 みそらと言います」
「私は3年1組の東塔見 紗江よ、3人共天文部で一緒に居たの」
俺は自己紹介をする前に、全員に聞いた。
「自己紹介する前に先に聞きたいんだけれど、皆んなここに入る前におかしく成った人に、噛まれたり引っ掻かれたりしていない?
昨日のお昼に放送された、政府のニュースで感染症の事を報道していたのは覚えて居ると思うけど、C国発症の伝染病で感染すると死体が動く、バイオハザード状態になる奴だ。
総理の発表からすると、感染経路はあのゲームと同じ、唾液や爪先にウィルスが多く集まって、噛み付きや引っ掻き傷から感染するらしい。
そして致死率が97%あるそうだから、少しでも奴らに傷を直接付けられたら、まず感染してしまうので、ここで感染して居る人が居ると何れゾンビに成って、感染者が増えてしまうから感染者をここに置くわけには行かない、理解して欲しい」
僕は感染して居ない証拠を示す為、皆に見える様に手足や服を捲ってお腹と背中を見せて、何処も噛み跡や爪跡が無いのを見せた。
「僕は2年1組、永井 桂治です」
次に同じ様に体を皆に見せた、湊が言った。
「俺は同じく2年1組、湊 浩史ね」
他の2人も体を見せて、次々自己紹介した。
「僕は同じく2年1組、戸津川 毅です宜しく」
「俺は2年2組の的場 翔です」
「私達も見せて置くわ、皆もどうせスカートの下は見せ用のスパッツでしょう? 後でトラブら無い様ハッキリみせて!良いね!!」
東塔見先輩は統率力がある人と見え、他の二人も素直に従った。
「「ハーイ先輩」」
まずスカートをめくり1周して、上着を脱ぎブラウスを捲り上げて、
手の殆んどを見せた後、髪をかき上げうなじをさらして、最後にブラウスを捲りお腹と背中に傷が無いかを見せた。
他の二人もそれに習い、同じ様に傷や噛み跡がないかを見せた。
「さて、之からどうするかですよね?」
「まず入口に2人位人を置いて、避難して来る人が居ないかを確認して、他の5人は館内が安全か確認しないと、ですね」
「後何か武器が居るんじゃないかな? 確かゾンビを倒すのには頭を潰すしか無いと、ニュースでやっていたわ」
「じゃあ俺ともう一人残って、ドア番をするから皆で安全確認と武器の調達お願い」
湊が門番に立候補した。
「じゃあ後私も残ります」
とボーイッシュな髪型の、佐渡 みそらちゃんが言い、二人が残る事になった。
「じゃあ二人共門番お願いします、避難民が居たら噛み跡確認は絶対必要だから、強く言って置いて下さい。
従わない場合皆の安全のため、俺達を呼んでくれ、実力で追い出すから」
「ああ、任しとけって」
「武器が有ったら直ぐに届けるから、頑張ってな!」
俺達は講堂に入って行く前に、まず用具室を漁り、武器に成りそうな物が無いかを物色する事にした。
「確か新体操用の用具に、崑棒があったよね?」
「あれ少し短く無いですか?先輩」
「バット発見! 野球のバットは、いい打撃武器になるぞ。
2・・5・・12本有ったな、金属バットだから壊れにくいし、これはいい武器になるよ。 これ2本玄関に届けて来るわ!」
「ちょっと待ち、ここに120cmのポールがある。これならリーチがあるし、槍替わりになるから、女の子には持って来いの武器だ。
これで奴らの足を掬って、コケた所をバットで止めで逝こう」
「・・・・そうだな! 女子じゃあバットで頭を、1擊って訳にいかねーよな!」
「だから今言ったコンボで、かたを着ける様に湊に言ってくれ。
もし止めを刺せなきゃ、4倍の手間かかるが、手足を潰せと言っておけ」
「・・・・そうだな・・・いくら死体だと解って居ても、頭を磆割るのは抵抗あり過ぎだな」
「・・・・・・その内慣れるさ! 慣れなきゃ何れ奴らの餌食だからな・・・・」
「ハ~ア、じゃあ湊の所へ行って来る、すぐ戻るから」
そう言うと的場はバット2本に、ベージュ色の120cmポール(イレクターとか言う奴)を携えて、玄関に向かった。
「お~い女子、皆な集まってくれ!
ここに120cmあるポールと金属バットを、武器に使ってくれ。
使い方はポールでゾンビを転ばして、倒れた所で頭を磆割るか、手足を潰してイモムシにするかの、手段でやっつけてくれ」
「う~ん自信がないな、頭を潰すのが一番確実でしょうが、あいつらの体液は恐いわね」
「体液か~! そこまで考えて居なかったな、もし相手をする時に使い捨てのカッパや、ゴム手袋がないと危険か・・・・
飛道具か防護服が手に入らない内は、極力奴らの相手をしない方が無難だな」
「そうね、建物から追い出す時も、紐で縛って気を付けて放り出すか、音や臭いで誘導して追い出すしかないわね」
「先輩すごいっスね! 冷静だし的確に要点を指摘出来るんだから」
「お兄が軍ヲタで自衛隊、ついでにレンジャーよ、嫌でも感化されるわ。
所でこのロープも確保しておいた方が良いわ、罠作ったりゾンビを捕獲して置くのに便利よ」
東塔見先輩は、倉庫に置いてあった資材の中から、細めのロープを見つけ引っ張り出して来た。
その他工具箱大を見つけ、カッター大・100円ライター・針金5種類50m・ペンチ・軍手10双・金槌大中小・ドライバー+・-各種6本・モンキーレンチ大小・ボックスレンチセット・パイプレンチ大小・バール大中小・タッピングネジ各種50個セット20個・釘セット・電気コード30m・コードレスインパクトドライバー・コードレスドライバー・コードレス鋸etcを見つけた。
その他に用具置き場奥のロッカーから、非常食と飲料水を100人10日分と、毛布に保温シートとウレタン銀マット10mmを100人分、見つけたのはラッキーだった。
外には非常用品の倉庫が有ったが、そこに行くまでにゾンビの奴らと交戦しなければならず、最悪有志で食料確保をしなければ成らないかと思い、ビビッていたのも事実だ。
頑張って頭を潰したのは良いが、血や脳漿・肉片を被って感染したら、折角生き残ったのに馬鹿みたいだ。
奴らと戦うのは最後の手段にして、極力戦わない方針で行く事に皆で決めた。
どおしても戦わなければ成らない場合、カーテンやブルーシート・毛布を被せて、体液や肉片が飛ばない様に工夫をして、頭を潰して殺す事に決めた。
やはり皆ないくら死人だと言って、動いて居る人だった物の頭を潰すのに、躊躇してしまい怖かったのだと思う。
幸い体育館内にはゾンビは居らず、俺達7人は扉番をして居る2人も呼び、外扉が見える位置に集まって話合いを始めた。
女子達が非常食の中にある、カップ麺とカセットガスに鍋を見つけて来て、水はまだ出る洗面所から汲んだ水で、昼飯を作った。
「女生徒の皆さん有難う、お陰で暖かい食事が出来るよ。
それじゃあこれからの事を決めようか、まず状況を整理すると、
1、この現象は昨日政府が発表したC国発の伝染病で、感染するとほぼ100%死亡し、その後にゾンビ化して生者を襲い、感染者を増やす事。
2、地震や普通の自然災害と違い、地球規模でのバイオハザード状態になり、簡単に終息しない所か下手をすると、文明が崩壊する可能性が大きく、早期の救助は望みが薄い事。
理由は原因がパンデミックであり、まず医療機関がゾンビの発生により崩壊し、ゾンビを駆除する為に警察や自衛隊が出動するだろうが、日本は左翼系の政治団体の所為で、充分な予算が無い為銃弾の備蓄が少なく、すぐ弾切れに成ってゾンビに飲まれて壊滅する可能性が大きい事。
3、下手に自宅へ戻れない、何故なら自宅に移動するには俺達は車を運転出来る者が居ないし、ゾンビが徘徊する中徒歩での移動は自殺行為であり、戦うには銃器等の飛道具が無いと、体液を被り感染の危険があるため。
以上が大体の状況だが、疑問のある人はいますか?」
「誰かさあ、無免で車の運転出来る奴居ないか? じゃないとここの食料を食べ尽くしたら御終いだし、そうなる前に手を打たんと不味いからな」
戸津川がそう言うと皆を見廻した。
すると東塔見先輩が手を上げた。
「見様見真似だけど前にお兄と冬の湖に行った時、空き地で運転を習った事あるよ。
もう1年近く前の事だけど、AT車なら運転出来ると思う」
「おお、流石東塔見先輩頼りになります、他に誰か居ないかな?
まあ居ないか。
後車は駐車場に置いてある英語の八代先生のフィットか、教頭の
ヴォクシー・社会の遠藤先生のパジェロイオがあるけどどれが良いですか」
「いえ、車は良いけど永井君カギはどうするの?」
「自動車のカギは、職員室奥の指導室前にある棚の中に有るんですよ。
去年掃除当番で職員室のゴミ捨てに駆り出された時に、誰かを迎えに行く為に、教頭がカギを取り出しているのを見ましたから、まだ同じ場所にあるはずです。
問題はどうやって職員室まで行くかでしょうね」
「汁が飛び散らない倒し方が有れば良いんだろ? 布だとカーテンかな、あとゴミ袋を被せて撲殺すればどうだろう」
「数が少ない時は良いけど、群れていた場合は難しいわね。
犬の捕獲器みたいな物を作って、縛って置けば良いかもね。そうすれば飛び散る破片で感染が起こらないでしょう」
「今の食料の備蓄量なら、後20日経っても埒が明ない場合、外へ調達を考えよう。
少なくとも1ヶ月は持つから、今の人数ならその間に色々考えれば良いんじゃ無いか」
「そうね、そうすれば良い考えも浮かぶでしょうし・・・・?
誰か来た見たいよ、永井君、湊君! 門を開けるから入って来たら身体検査をお願い、戸津川と的場君もお願いね」
ガラスドアを叩く音が聞こえ、数人の気配が扉の外からしていた。
それは厄介事を知らせるゴングだと、その時俺達は全く気が付かなかったのだった。
Pday 1日目(回想)
AM11:55 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 体育館正門前
永井 桂治 視点
ドアの外を見ると12・3人位の人影が見えた、ゾンビが寄って来ないか気にしながら扉を叩いて居る様だった。
俺達が扉を開けると皆が駆け込み、中の一人が怒声を浴びせて来た。
「テメエら、何モタモタしてるんだ! 奴らが寄って来たらどうしてクレルンダ、アア!」
こいつは確か2年2組の 谷部 慶太 と言う、確か兄貴が臥羅武とか言うやたら画数の多い名の、族の幹部をしてるので、校内で幅を聞かせている不良だった。
公団で知り合った 高椋 由依 に対して、非道いイジメをして居るグループの一人でも在る奴だ。
「しょうがないだろ、カギを開けとけば奴らが、入って来てしまうんだ。
それより君らが奴らに噛まれたり、引っ掻かれたりした傷がないかが重要だ、俺達はここに逃げ込んだ時に皆で確認済みだ。
ここの館内の安全確保は最重要事項だから、確認に協力して貰わなければ、此処から出て行って貰うからな!」
「んだと! テメーいい度胸じゃねえか。 やれるもんならやって見ろ、しかしタダじゃ済まねえからな!」
案の定、谷部の馬鹿が突っかかって来た、その時集団の中に居て我関せぬと言った、態度だった教師が初めて口を聞いた。
確か2年2組の担任高田とか言う、無責任教師の代表格であり、殆どの生徒に嫌われている、無機質な嫌味ったらしい数学の教師だ。
「オイ谷部、そいつの言うとおりにしておけ。
もしこの中に感染した奴が居たら、俺達まで奴らの仲間入りだぞ?
そうなったら面倒だ、今の内感染者が居ないか、確認して置いた方が楽だからな」
そう言われると谷部は俺を睨み、黙り込んだので俺は実際に自分でやって見せて、感染の跡が無いか確認する方法を示した。
そして男女で別れて感染の傷跡が無いか、確認し体育館内に入り俺が提案して、備品庫にある長テーブルと折り畳み椅子で仮のダイニングを作り、体育マットを8枚ずつ床に敷詰めて、毛布を一人3枚にウレタンマットを1枚ずつ用意し寝床とした。
又、物陰に仕舞ってあった、身体検査の時使う仕切りも取り出して、男女のスペースもある程度プライバシーが、確保出来る様に配慮し、大型の古ダンボール箱が2束ほど、有ったので後で更なるプライバシーゾーンを作る事にした。
「所で的場君よ! 2組のあの6名プラス担任は、噂通りの奴らなのかい?」
「・・・・・噂より多分もっと悪いな、あのままだと高椋は放置して置けば、後1月持たないだろうな。
だが止めると今度は、止めた奴をイジメ出すから始末に負えないよ!
お前高椋と同じ都営に住んで親しいだろ? だからお前から高椋に言って貰おうと思っていたんだが、イジメ殺されるくらいなら学校に来るなってな」
「そんなに非道いのか! イジメ110番に相談させたけど、イジメられる方にも問題があるって言われて、門前払いを食ったし。
アイツらイジメの本当の酷さをまるで解って無い!
そんなんじゃ無くて、奴らは自殺させるのを目的にしたゲーム感覚でイジメを楽しむ犯罪者なのに、イジメられる方に原因が有ると逃げるんだからな。
結局仕事をするのが嫌なんだと解ったが、由依の婆ちゃんには取り敢えず訳を話して、証拠を取る様に説得したから、後2~3日学校に来てから休む様に言ってあるよ」
「しかし高椋も運が無いよな、せっかく証拠を取り出した初日にこれだもの」
「もし学校に訴えても相手にしなかったり、もみ消そうとしたならば、どうしようと思ってチャトで知り合った、吉岡さんて言う近所に住む人に相談したんだ。
吉岡さんも過去学校で、悪質なイジメに合って居るので、知恵を色々出して貰った。
そしてレコーダーでイジメの証拠を取って置いて、イジメ110番や学校の対応も録音を取り、それらをネットで大々的に公開して逃げられない様に手を打って置けば、言い逃れが出来なくなるからね。
法律的には名誉毀損で訴えられる可能性があるが、イジメ殺される事を考えれば、実名入で公開して社会問題にしてしまえば、人権屋の弁護士がタダで弁護してくれる可能性が大になり、自治体とイジメをしていた連中の親相手に、訴訟を起してくれるからそしたら、こっちの物だそうだ」
「うえ~、こえ~よ永井のやり方、お前と喧嘩はしない様にしよう。
冗談はこの辺でいいが、谷部の奴も要注意だが最も注意するのは、吉田 優樹と前川 皐月に担任の高田だ。
奴らは頭が良くてずる賢くてな、馬鹿を使って自分らに罪が来ない様、上手に立ち回るまるでプロの詐欺師見たいな奴らだ。
奴らのやる事を観察して居ると、本当に巧妙で汚いやり方をして、高椋が自殺でもしていざイジメがバレても、自分らが泥を被らない様に巧妙に立ち回っているのさ」
「そんなに悪質なやり方をして居るのか! じゃあ滅多な事で尻尾は出さないな。
後で皆に言って置こう、最初に集まったメンバーは信用出来る人達だからな」
「そうだな、自己防衛をする為にも危険人物の情報は、詳しく親しい者に公開しておけば、いざ何時もの調子で奴らがイジメ犯罪をしても、こちらが纏まって居れば被害が少なくて済むからね」
「なあ的場、奴らのイジメの手口を後で皆んなに教えてくれよ、手口を知っていれば奴らに騙されて、奴らに取り込まれ無くて済むから」
「ああ、任せてくれ! 奴らの手口はこの半年の間によっく見ていたからね。
奴らがどれ程巧妙に人を騙し、人間関係を引き裂いて人を孤立させて、それから一人に成った者に何れ程非道い、イジメをするかキチッとレクチャーしてやるぜ」
その後で僕たち最初に集まった者達に、的場からイジメグループの存在と担任も加担して居る実情を話、奴らの危険性を教えた。
その時に東塔見先輩からの、担任教師の高田に関する俺達の知らない情報も出され、それを聞いていた6人全員が奴らに対し、非常な危機感を持って対処する事と成った。
奴らは、初めの2日位は大人しく過ごして居たが、3日目からまず最初に谷部が僕に対して絡み始め、それを影に廻った吉田優樹と前川皐月が煽り出した。
どうやら奴らは僕がこの集団の中心と見て、攻撃を集中し出した様だ。
5日目には2年2組のイジメグループに、後から来た1年から3年の混成グループの半分が取り込まれ、僕に対する風当たりが強くなって来ていた。
しかし3年生は東塔見先輩の知合いだった為と、高田の悪い噂を知っていた為に、その3年生の 京極 雅史 先輩と後輩に当たる1年生の部活の後輩で 飯山 聡一 君とその幼馴染の 槙山 優香 さんは、彼らに対して違和感を持って居た為、彼らのグループに入る事は無かった。
そして7日目になると、彼らイジメグループの実質リーダーである高田教師が、食料を自分らが管理すると言い出し、俺達が猛反発して対立が激化して来たため、一計を案じた東塔見先輩と京極先輩は、食料の半分を隠しておき、いつ彼らが食料庫を奪っても良い様に手を打った。
そして今日奴らはとうとう実力行使をして、物資を自分らで確保した後体育館を実行支配する為に、手を打ってきたのだった。
まず奴らは見知らぬ自動車がやって来たのを利用して、僕だけを中二階の廻り廊下に誘き出した。
普段はあまり口を聞かない 刈谷 恵 が行き成り騒いだ。
「あ、なによあれ! ちょっと誰か、知らない車とトラックが、校舎の前に停まって居るよ。 誰か来てくれない?」
僕一人が丁度階段の前に差し掛かったタイミングで彼女が騒いだ。
僕自身も彼女が一人で居り、近くにイジメグループが見えなかった為、迂闊に彼女の傍に近寄ってしまった。
窓を開けた刈谷恵は、止まっている車とトラックを、窓を開けて指差し仕切りに人を呼んだ。
そして窓から顔を覗かせトラックと自動車を一目見て、再度もっと良く観察する為に乗り出して見ていると、後ろで東塔見先輩の注意する声が聞こえると同時に、背中を押された。
僕は東塔見先輩の声が聞こえたと同時に、手すりの棒を力一杯掴んだお陰で、押されて頭から落下せずに鉄棒の大車輪の様な感じで、一回転した状態で窓の下に落ちた為、少し足首を捻った状態で着地したので命に別状は無かった。
そして窓を見上げると刈谷と谷部が、僕が落ちた窓から顔を覗かせてニヤニヤ笑って居り、他の窓から高田と吉田に前川達が冷笑しながら、ゾンビが迫って来る様子を観察していた。
僕は足首を抑えながら後ずさり、何か武器に成る物がないかとさがして居ると、大きな怒声と共に銃の発射音? がして周りのゾンビが次々と倒されて行くのを呆然と見ていた。
すると由依ちゃんの声がいきなりした。
「な、永井君! 大丈夫?」
― 永井side end ―
Pday 9日目
PM13:35 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 体育館
永井君の話を聞いた後体育館は、シンと静まり返った。
そんな中俺は馬鹿共に質問する事にした。
「さて今聴いた彼の話は、間違えなく実際に起こった事に、違いないね!
ああ、言っておくが嘘は通用しないよ、私が陰陽師だと言う事は先程証明したが、通常あの手の力技より人や霊の考えや、行動を読む方が楽に出来るのだよ。
所謂守護霊とか指導霊のお話は、君らの行いの追体験をする様な、際限ドラマを見るような感じで、マルチタスクの様に同時進行で検証出来るので、便利な力なのだよ。
後、この様な非常事態下での取り調べは、基本物証より証言が重要視されるのであり、捜査段階で被疑者への拷問も特に珍しい捜査方法ではないのだよ」
「フザケるな、そんな人権蹂躙が認められる物か! そんな事をすれば貴様ら後で極刑になるぞ。
今直ぐ俺達に謝罪して、此処から退去しろ!
さもないと貴様ら後で訴えてやるからな。
俺の親は国会議員の高田公明だ! 貴様らの様な一般市民がどんなに逆らっても、警察を動かして必ず犯罪者にしてやるやらな」
「アッハハハハハハ~! お前の親父が国会議員?
其れがどうしたのだ、お前自身が努力して議員に成ったのなら、お前の実力や人脈に警戒するが、お前の親が議員なだけだろう?
それともお前の親父が、総理や幹事長・各省庁の大臣を動かす政治力でも有るのかね?
しかし現政権内でお前の親父の名前を聞いた事は無いな。
それなりに力が有れば、幹事長の横田先生か浅生の親父辺から、紹介されて然るべきなのだが、一度も紹介が無かったな。
何処の陣笠代議士だお前の親は?」
「キ、貴様ハッタリは通用せんぞ!
俺の親父は参議院議員の高田公明だ! 昔から俺に逆らう奴は親父の力で、全員犯罪者にしてやって来たんだ。
お前らも同じにしてやるからな! 甘く見るなよこの賤民供め」
「フン! だから貴様の親父なんか、その他大勢の陣笠代議士だろうが?
先程から言っている様に、ある程度の役職がある国会議員なら、私と知遇があるし現政権内の大臣クラスなら、交友関係はあるのだよ陣笠の息子よ!
貴様の親父如きが我が甘莉家の前で、面と向かって逆らえるとでも思っているのかね? 甘莉家代21代現当主の前で。
私の前で貴様の親父など、何れ程の権力が奮えるのか試して見るが良い!
実力の差を思い知らせてやるので、覚悟を決めておくのだな」
俺は陣笠の息子に侮蔑の笑いを向けると、容赦無く両肘に[バイパー]から弾丸をプレゼントした。
すると陣笠息子は断末魔の様な悲鳴を上げ、のたうち回り股間から湯気まで立てだした。
「オイオイ、他人には苦痛と屈辱を与えて越に逝って居る癖に、自分が被害者になると悲鳴とお漏らしかい、同情の余地なしだな」
そのほかのイジメに加担した、中心人物に目を遣ると途端に身を縮めて、目を逸した連中に向かい俺はいった。
「今更後悔しても追いつかないだろう君らは?
後は罪を償う行為が残って居るが、例え被害者が弁護しても最早減刑は不可能だ。
何故なら通常君らの後ろに居るはずの者が、君らが招き入れた魔界の者に追い出されて、不在に成っている状態だからな。
この状態は職業犯罪者や連続凶悪犯に見られる特徴だから、君らの厚生は最早不可能だと結論付けられる。
因って私甘莉丈太郎は水原6丁目町会の臨時代表として高田 翔・吉田優樹・斎藤 誠・谷部慶太・前川皐月・越谷沙織・刈谷 恵の以上7名の刑を言い渡す、罪状はイジメという名の凶悪犯罪による他人への死に勝る精神的暴力及び殺人教唆と殺人未遂による罪で死刑に処す。
その他の3人真島 由紀夫・江藤 充・江田島 美琴の3名は追放刑に処す。
次に町会のパトロールに発見された場合、即座に射殺する事になるので出来るだけ東へ向かって、遠くへ行った方が身のためだと言っておく。
尚死刑の者はその処遇をゾンビに委ねるので、場合に因っては生き残る可能性もある、以上!」
喚き出して起き上がり出口へ向かい駆け出そうと、殆どの死刑予定者がした為に俺は皆に命じ、格逃亡者の片足を狙い発砲を命じた。
「各員逃亡者の片足を撃て!」
俺が撃ち始めると、皆も容赦無く発砲を始め、10秒程で5人が片足を負傷した状態に成った。
「まあ犯罪者の為に皆さんが、直接手を汚す必要も無いでしょう。
こいつ等はいくら13・4才でも、既に悪霊化人間の仲間入りして居るので、最早どの様な矯正プログラムでも厚生不可能な段階まで、悪霊化してしまっているのです。
取り合えず肉体を奪い所謂地獄と言われる、霊世界の教育施設へ送り5000年程軽く再教育を受けてもらいますので、気にしなくても大丈夫です」
俺は町会の皆を促し、倒れて呻いている7人を校庭側の鉄戸脇まで集め、戸を開けると次々と校庭に放り出した。
「ぎゃー止めて! ださないで~! やだよぉ~~~!」
「許して、もうしません!お願いよ~」
「怖いよ、ママ~、パパ~!」
「う、嘘だろ~! この人殺し~!ヤメろ~」
「エへへへへへ あハハハハハハ・・・」
「ウグ~~~~・・・・・・・」
「お、親父に言いつけてやる! 覚えてろ~~」
ギィ~~~~バタン!
「ふ~~~! 助命するならイジメられてる由依ちゃんの、嘆願を聞き入れる心が有れば、私も聞き入れる事が出来たがね。
さて! 次は後から合流して、永井君殺害に加担した3人!
幸い今は外の7人がゾンビの注意を集めている、この隙に追放するのはある意味減刑と同じ意味を持つ事を言っておく。
君らを追放したと同時に、町会に無線で連絡して君らが町会に侵入した場合、容赦なくその場で処刑する様命じておくので、東に向かってとっとと逃げたまえ。
後これを持って行け、せめてもの慈悲だ」
俺は500mlの水と乾パン1缶、エマージェンシーシートと手回しLEDライト・ラジオの入った、ザック3つを彼らに渡し体育館の正門側から、外の通りまで蒔田君と二人で連れて行った。
「此処から左方向が東だ、西側には来ない事を奨めるよ。
何故ならこのCCDカメラで、君らの写真は撮ってあり手配写真と罪状が印刷されて、町会と近隣の自治体に配布される。
見つかり次第近隣の自治体でも、処刑されている可能性が高いからな。
さあ逝きなさい!」
始めに処刑された連中の末路を見たせいか、彼らは青い顔をして東へ向かって足早に立ち去った。
「・・・・・・・・ハア!」
「蒔田君厳しい様だが彼らのした事は、許されないれっきとした犯罪だ。
彼らに対して厳しい措置だが、ここで許した場合彼らはこちらの態度を甘く見、次はもっと巧妙にバレない様に、罪を犯す可能性が非常に高い連中だから、一罰百悔の意味合いで追放刑にしたのだ。
今回の追放刑に懲りて、2度と犯罪者の口車に乗り、犯罪の幇助者に成ればどうなるか、思い知る必要が有ったのでこうしたんだがね」
「やはりダメですか彼らは」
「残念だが再犯する確率がかなり高いから、他の暴徒と組んでここを将来襲う可能性も高いね」
「イジメグループはまず改心しないでしょうね。
しかしこんな状態に成って、助け合えない連中と言うのはどんな育ちをしたのだか?」
「確かに育ちも関係するだろうが、遺伝も関係するのだと思うよ。
前も話した様に犯罪者になり易い、遺伝子は犬や馬のブリーダーに言わせれば当然あるそうだ。
一部法曹関係者が狂信している、社会環境に因って犯罪者になると言う説は説得力が無いからね。
それを言い出したらスラム育ちの人全てが、犯罪者に成らなければおかしいだろう?
更に貧困に因って犯罪に関わるのもあるが、全ての人がそうではないにも拘らず、一葎に犯罪をそのせいだとして、凶悪犯罪者を減刑して社会に無責任に放つ馬鹿な行為をする者達は、まともに考えると犯罪幇助者とどう違うのか話をしてみたいし、そいつらが起こした再犯被害者に対して、私財を投げ打って償っている者はあまり居ないからね」
「その点代表は、ある程度彼らの将来が見通す力があるので、他の弁護士や裁判官の様に、甘くは無いので信用が出来ます。
弁護士は目先の金の為に働くのであり、社会の安定を守る気概も必要もないですから。
裁判官は自身の考えや、減刑して社会に与える害毒より、先例があるか無いかが一番の判断基準に成り、10年1日の判決しか認めない、可笑しな連中と一般社会から嘲笑の対象として、見られているのに気が付かない、裸の王様状態なのが現状です。
裁判員制度も、せっかくの一般人の参加する意味も判らずに、過去の判例を持ち出して、一般人の意見を潰すのが仕事のようですしね」
「子供達は私が簡単に彼らを死刑にしたと思っているでしょうね!
本当はあの場にいたのは彼らだけではなく、大勢の精霊や神霊に人霊が集い判決を下したのですがね。
彼らが解るかどうかは彼ら次第ですが、帰ったらどの様な状態で彼らが裁かれたか、子供に言って聴かせるのも大人の役目でしょうからね。
それは彼らの今後の人としての〝生″に、大きく関わって来る事でしょうから非常に重要な事だと、私は思っていますから」
おれは彼らにどう話せば、彼らイジメ集団の刑が決まったかを教える為の方法を考えながら、体育館に戻っていった。
予定より遥かに長く成っているのですが、作中人物が言う事を聞く気は無いようです。
こうなると作者自身でも、どうにも成らない事態なので、気の済むまで付き合う事にしました。
本来の予定であらば、とっくに福島工場に居るはずなのですがね。
どうしてこうなった? と私自身が困惑しています、済ません。




