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感染戦線  作者: ヘロおやじ
第 一 章 調 布 編
28/72

28.Pday 9日目

今回は少し遅くなりましたけれど、お楽しみ下さい。


イジメの件は、有るそちら間系の人に私が聞いた時の、回答を意訳を含めて書いたものですので、本当かどうかは読まれる人因って賛同・不賛同があるかなと思いましたが敢えて書かせて頂きました。


その様な結果に成っても不思議は無い、犯罪だと作者自身も思っていますので。


AM07:00 調布飛行場側 [ひよく寮] リビング


何時もの朝鍛錬を済まし、シャワーを浴びてリビングに降り、コーヒーを淹れて落ち着いた所だ。


今日は崖上の中学へ行き、災害用品備品庫の物資を調達し、ついでにプールの塩素剤と体育マットに、もしあれば消石灰が手に入るといいのだが。


昔はグランドの白線等に利用されていたが、目に入ると失明の危険が高いため、現在は炭酸カルシュウムに変更されて居るが、土壌改良在や漆喰の原材料になるので、もしあれば回収しようと思っている。


その他、教室内を掃討して置き、校庭の門は開放しておけば他の避難民や、DQNが近寄らないであろうから、校内掃討後は建物の施錠は行うが、あえて校門は開放して置く予定である。


しかし避難民を見つけた場合、相手の人となりを視て問題無い場合は町会に勧誘し、危険な場合はそのまま放置か、場合に因っては掃討する可能性も視野に置いて、対応する予定である。


昨日の段階で鬼山君と田所君は、今日は引き続きトラップの講習会の講師をする予定であり、俺と行動を共にするのは[ソーテック]から引き抜き予定の、蒔田君と田辺君にレジオン志願の伊田 浩平君(23才)の3名が来る予定だ。


何時もの様に、田中君と佐田婦人が起きて来て、挨拶を交わすと田中君にコーヒーを淹れ、今日の予定について軽く話し合った後、鬼山・田所組が降りて来た。


「お早う御座います代表、天気は後2~3日は持ちそうですね」


「お早う、明日は晴れてくれないとボート遊びはキツイからね。

そう言えば酔い止めを明日は、飲んでおいた方が良いかも知れないな。

田中君、確か医薬品のストックに入っていたよね?」


「ええ代表、ここは小型機でフライトする方が、宿泊する前提で作られた施設ですので、気流の不安定な時の為に酔い止めは、常備されていますわ、子供用の薬も有りますから心配は無用です」


「じゃあ明日の朝、乗り物酔に成りそうな人は、出がけに飲んで於いた方が良いね。

河原を振られて移動するし、後半はボートに乗っての移動だから、三半規管が弱い人は酔い易い条件が揃っているからね」


「・・・・私は飲んでおきます、佐田さんは大丈夫ですか?」


どうやら田中君は"酔"全般に弱いようだ、今後の為に要チェックだな。


「わたくしは大丈夫ですが、愛美には飲ませておきます。

勇太君も飲ませておいた方が良いですね」


「後で看護師組に頼んでおきましょう、私たち男性陣は大丈夫ですので、田中君と子供二人に後、看護師達に聞いて用意して置いて下さい、田中君」


「ハイ解りました」


「後ゾンビスタンビートの新しい情報は有りますか?」


「どうも地方都市の方が、早めに起きる可能性が高いと、シュミュレーションの結果が出ています。

どうやら地方都市の方が、人口密度が少ない為に、ゾンビ飽和速度が早いく、スタンビートが起こり易い様です」


「もう既に発生して居る場所はあるのかな?」


「近場だと甲府市・富士吉田市・熱海・伊東・沼津・富士市辺ですね。

北の方ですと高崎・前橋・栃木・古川等など、首都圏から離れた中小の都市が、軒並み発生して居る様です」


「だとするとこの辺で起きるとすると、あきる野市や青梅市辺りから、都心部に向かう流れと、都心部からの流れがどの辺りでぶつかるかだな。


玉川以南の地域は、玉川で分断されてまた違った流れに成るだろうし、ここらは富士見市・所沢・小平・府中辺りのラインで、波が増減する可能性が大だな。


後は荒川・利根川の間と利根川より東に因って、分断される流れが出来るだろう」


俺はタブレットで地図を表示して、河川により分断されるスタンビートの流れを、示しながら説明した。


「ええ、[おもいかね]のシュミュレーションでも、河川を堺とした動きが出ています。

川という天然の要害に因って、ゾンビの流れも自ずと決まって来る様ですね」


「この町会も野川を利用した、防衛ラインを構築して行く方が楽だからね。

幸いこの辺は野川と野川公園、調布飛行場と国立天文台と言う道路を作りにくい、施設があるお陰で人見街道と、都道123号からの枝道を潰せばゾンビの侵入を拒み易い立地条件だから、防衛し易い天然の要害に当たる場所だ。


手順さえ間違えなければ、最後まで生き残る確率は高いよ」


「そうですね、地図で見ると分かりますが、道路を9箇所か10箇所塞げば、この地区に入る事は事実上、難しくなる立地条件ですから、確かに守り易い土地ですね」


「まあ最初にこの地を選んだのは、いざと言う時に防衛ラインが築き易い、地形だったからもあるのさ」


「そうですね、この辺で守りを主に土地を選ぶなら、この近辺ではこの場所が理想的ですね。

成る程道理で天然の要害である、川・崖・僻地の三要素を含んだ場所に、寮があるのか。


一見天文台の方が守り易い地形の様ですが、あそこは進入路が多いから、十分な人数が居ないと防衛しづらいですし、最悪道さえ潰せば、人もゾンビも侵入しづらいですからね」


鬼山君が感心しながら言った。


「まあ〝提督"に相談して場所選定をしたから、間違い無いだろうね。

『守りやすく攻めにくい場所に、ゾンビの反攻拠点を作る』

事をコンセプトに場所選定をした結果、この町に寮を築いたのは偶然では無いからね」


「〝提督"推奨の要害地なら、まあ間違えは無いでしょうね。

そう言えば今日は、朝から中学へ物資の調達と、偵察ですよね?

俺か田所が御一緒しなくて、大丈夫ですか」


「[ソーテック]組の蒔田君と田辺君に、将来レジオン入隊希望の変わり種、トラック運転手をしている伊田浩平君が着くから、大丈夫だよ」


「[ソーテック]組が一緒なら大丈夫でしょうが、レジオン入隊希望者ですか? そら又珍しい奴がいたもんだ!

まあ人の事は言えないですが、今時結講対イスラムテロリスト討伐で、駆り出される確率が高いので、なり手が減っているから喜ばれるでしょうけどね」


「人となりを視て、使えそうならヘッドハンティングして来るさ」


「海外で実力を試そうと言うなら、外事課でも入隊させれば喜ぶと思いますよ。

パリは結講いい街ですし、アレジ中将に預ければ、あそこには元レジオネールがごまんと居ますからね」


「まあ今日一日でひととなりを充分に観察して来るさ」


そう言って俺は又ニュースを読み始めた。




Pday 9日目

AM08:15 調布飛行場側 水原町 車両置き場


俺は待ち合わせ先の車両置き場に来て、本日使用するパジェロ改と装甲2t車の点検をしていた。


2t車は旭工機の配送センター行きに使用した、タイプでは無く輸送タイプの防護に重点を置いた、装甲車両である。


下面のアンダーガードとタイヤ防護板、フロントガードにチタン防弾板を要所に付け、後部アルミパネルには5mm厚の、チタン板で補強され7.62mm NATO弾位なら防ぐ仕様である。


助手席の屋根は開閉式にしてあり、戦闘時には前と左右をチタン防護板に囲われた、銃眼として使用出来る改造がしてある。


点検が終わって暫くすると、今日の同行者である蒔田君に田辺君、伊田君が現れた。


「あ、もう見えていたのですか! 十分前なので丁度お見えに成った頃かと思っていたんですけれど」


「少し早めに出て来たので、気にせんでくれ。

明日も使う予定の車両なので、少し早めに点検しておこうと思ってね、調子を見ていたんだが問題無い見たいだったのでね」


「そう言えば明日福島に出発ですね、寂しくなるな~甘莉代表が居なくなると」


「まあ皆がいてくれるから、安心してここを離れられるのだけれども、くれぐれも油断しないでまた会う時は、皆揃って会おうな」


「ハイ、絶対に生き残って無事にお会い出来る様、油断しないで行動します」


「今日も学校が相手だから、油断しないで行動しよう。

そう言えば伊田君とは始めて合いますね、旭グループ代表の甘莉と申します、今日一日宜しくお願いします」


「こちらこそ宜しくお願いします、伊田浩平と言います」


「さあて、では出発しようか、編成はパジェロに蒔田君と田辺君、エルフに私と伊田君で行こうか。

伊田君運転をお願いします、私は無線等のナビをしますので」


「了解しました!」


「そんなに緊張しなくて良いですよ、これから命を預け合うバディになるのですから、歳も3才しか離れて居ませんのでね」


「・・・ハイ、では普通に話します」


「装備の取り扱いは大丈夫ですか、使用方法で解らない所がありましたら、説明しますが?」


「では無線の切り替えが分隊用と個人用の、切り替えがどうするか解らないのですが」


「通常は分隊用を使い情報を共有するのですが、今回の様に2マンセルで分かれる場合、個人用にセットするのです。


我々がA分隊、蒔田君達がB分隊だとすると、Aに合わせると分隊内通話が優先され、全体に通達する場合はハーフプッシュで、ALLを押しながら喋ると全体に伝わります。


全体にしたままにする場合は、完全に押してロックをすれば全体通話のままですし、もう一度ハーフプッシュで分隊内、離して全体通話に成り、またロックすると元の分隊内通話が優先になります。


後、このインカムは骨伝導で音声を拾いますので、周りが騒音で満たされても通話は可能です、解りましたか?」


「ハイ、理解しました」


「後、車に乗った場合は必ずヘルメットの着用と、バイザーは必ず下ろして置いて下さい。


乗車時が一番頭部や顔面に狙撃をされ易いので、今ではどの軍でも乗車の際は必ずヘルメットは必着ですので。


このヘルメットとバイザーは、我社で開発した強力な防弾素材が使用されて居るので、7.62mm弾やスラック弾の直撃でも耐えられますので、必着でお願いします」


「凄い性能ですね! 7.62mmを弾くのですか? 折りたたみのメットなのに」


「同じ素材が戦闘服にも使われて居ますので、対弾・対衝撃性能は充分ですよ、ゾンビに噛み付かれてもまず歯は通りませんので、慌てず対処して下さい」


「伊田君、このスーツ一式を身につけていると、下手な防弾チョッキを着けるより安心だよ。

俺らの業界では[ライジングサン]に入れば、並のギャングが自動小銃で武装して来ても、無傷で迎撃出来るから、転職希望者が殺到して狭き門に成っているのは常識だからね」


「本当に転職出来ない狭き門だからね~。

確か警察のSATや自衛隊の特殊部隊も、同型のスーツを採用するそうだけれど、本当ですか代表?」


「あちこちからオファーは有るよ、でも現在は自衛隊用と医療用で製造ラインは一杯だからね。

さてではそろそろ行こうか、昼食は一応自衛隊・・・今は日本軍か、のレーションⅠ型と同じ編成で持って来たので、好きな種類の缶詰ご飯を食べてくれ。

水を注ぐだけで温まる、温熱剤もパックされて居るから便利だな」


「缶飯か~、日東かな、サンヨーかな? どちらも美味しいんですよね!

赤飯は腹持ちが良いし、全体に飯丼一杯以上は有るからな」


「今回はサンヨーシリーズで、おかずにはハンバーグかすき焼き缶と沢庵漬けだな。

後、お吸い物もインスタントコーヒーも有るよ」


「楽しみだな~、俺もサバゲーの昼飯にその手の昼食を、良くチョイスしますからね。

後カップ麺があれば言う事無しですが」


「有るよ、スープ替わりに持って来たんだ」


「良し、では出発しますか」


俺達は、すぐそこの中学校に向けて出発した。



Pday 9日目

AM08:30 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 校門前


校門前に着き門を見てみると、開放状態で放置されて居る。

校庭を見ると元生徒らしきゾンビが徘徊していたし、元住民らしき人影もちらほら見える。


しかし政府からゾンビの注意情報が、各自治体に廻っていたはずなのに、何故生徒のゾンビが居るのかが解らない。


荒唐無稽な事と思い、生徒に通達が出されなかった為、この様な事態になったのだろうか。


幾ら左翼系の連中がはびこる教育現場でも、生徒の安全が第一だろうに、普段の現場が誰を中心に廻っていたかが、良く解る光景だと思い思わず手を合わせた。


その時防災倉庫を見に行った、蒔田君達から連絡が来た。


『こちらB-1、倉庫は手付かずのようです。

こちらはひとの気配はありません、ゾンビが3体ほど倉庫付近を徘徊して居るだけです』


「こちらA-1、そちらの門は締まっていますか」


『こちらB-1、少々お待ち下さい・・・・・

今、正門前に着きました、正門は開放状態です。

ゾンビが3体程此方に向かってきますので、処理します』


「了解、処理が終わったら正門は閉めて、施錠して下さい。

カギ替わりに石でも車輪に詰めて、ロックしこちらから侵入しましょう」


『了解A-1、直ちにゾンビを処理し、正門を閉鎖後そちらへ向かいます』


「了解B-1。

伊田君では校門から入り、蒔田君達を待ちましょう」


俺達は校庭側の門から侵入し、体育館脇の駐車スペースにバックで止め、何時でも退避出来る状態でトラックで待機し、二人が来るのを待った。

5分後位に二人の乗ったパジェロ改が現れた。


二人が合流すると、俺達は駐車場前の門を閉め、教室塔の方へ車を移動して、正門からの通路を車で塞ぐ様に停めた。


そして外部への通路を閉鎖しながら、教室塔内部へ入ったり、まず一回の事務室を占拠して今後の方針を立てる事にした。


「皆な聞いてくれ、校内は思ったよりゾンビが多い様だ。

事前にネットで調べた情報によると、校内の生徒は268名と教員39名の、計307名が校内に居た人数だと思われる。


その内100体程の気配が校内でするが、駆除には特に問題はないだろう。


まあ4名で1人頭25体のゾンビを処理すれば良いが、スーパーと違い開けて居ない為、少々面倒だが私の気配察知の能力が有るので、残存数は大体解るから、取り零しはないので確実に処理しよう」


「処理方法はいつも通りですか?」


「ああ、バリケードの誘い込み罠を使い、音で釣るいつもの方式でやるが、階段は要注意だな」


「ここは両サイドの階段は外階段で、中央階段だけは内階段になっていますが、一番端の階段をドアで閉鎖して、中央階段の防火ドアを使い、そこに罠を張りますか?」


「そうだな、まず東西両側校舎の外階段ドアを閉鎖して、次いで中央階段の防火ドアを閉鎖し、分断した東西両教室を各階半分ずつ掃討戦を行う方法で行こう」


「解りました、東西に分断すれば各階のゾンビを半分ずつ各個撃破が出来、一度に相手をする個体数が多く無いですから楽ですね」


「ではまず両サイドの外階段のドアを閉め、次に中央階段の防火ドアを全て閉め、各個撃破して行こう!」


「「「了解!」」」


俺達は西側校舎1階の外階段ドアまで行き、西側外階段の各階ドア3階分すべてを締めながらゾンビを掃討して行った。


この学校は東側塔の屋上にプールがあり、東側塔は3階建てになっている。

西側塔はプールが無い為4階建てに成っており、中央階段と西側外階段は4階分有り、東側外階段は3階分有る変則的な作りに成っている。


俺達はまず1階部分を占拠する為、外部通路で東西が分断された西塔1階を占拠することにした。


西塔1階はやはり職員室等学校施設が集中している為、ゾンビの個体数が少なく西塔では廊下に10体程居たが、狙撃で方がついた。

そして各部屋を掃討して全部で15体のゾンビを始末した後、外階段を上り各階のドアを閉めた。


東塔も同じく廊下に8体、特別教室には5体のゾンビがいたので、始末をした。

これで23体のゾンビを始末したので、残り約77体程だ。


次に中央階段2階に上り廊下を確認すると、30体程のゾンビが廊下に確認出来た。

手早く防火シャッター付近に居るゾンビ5体を射殺し、シャッターが降りる間に接近して来たゾンビを、10体程射殺した。


続いて3・4階もこの階段上を伝って防火ドア閉鎖し、次に各階を制圧するよていだが、この階での事を考えると3・4階は、予め東西どちらかのドア付近にPS爆弾でゾンビを誘引し、中央シャッターの閉鎖を楽にする事にした。


その為一旦1階の職員室脇の給湯室に行き、休憩がてら作戦を再度煮詰める事にした。


「思ったよりゾンビが密集していましたね、シャッターを閉める時に密集して来て焦りましたよ」


「防火シャッターって思った以上、締まるのが遅いんですね、本当に焦りましたよ」


インスタントコーヒーを飲みながら、蒔田君がそう言うと、伊田君が答えた。


「そうだね、いくら挟み込み事故を警戒して居ると言っても、煙が迫っている時にあのスピードじゃ恐いな」


「そうですね、やはりどちらかの外階段から、PS弾で釣っておかないと、安心して作業が出来ません」


「では休憩が終わったら、私と伊田君で西階段を使い、3・4階にPS弾を放り込んで来るので、終わったら合流して閉鎖作業を終えよう」


「別行動を取らないで良いのですか? 又わざわざ合流するのも大変でしょう」


「それはしない方が良い、先程の例も有るがある程度の火力が有れば、多少のアクシデントにも対応が出来るが、少ないかギリギリでの行動はリスクが大きいからね」


「兵学の基本、幾ら敵より優った装備が有っても、数の力は警戒しなければいけ無いのですよね?

後兵力の逐次投入は厳に慎むべしですか」


「ほう、さすが伊田君、兵法の基本を確り抑えているね。

レジオンに入隊する為の勉強も、怠っていないのだね」


「へー、伊田君レジオン志願者なんだ、良いなその夢は。

男のロマンだね」


「いえ、作家の柘○先生に憧れて、そうなれたら良いなと思って居るのです」


「○植先生と言うと、柘○久慶先生かな? 私も好きでよく読んで居るが、君もか。

「前○か死か」や「戦争の○間学」・「傭兵」シリーズ・「○魔の摂理」・「死の○の戦士」シリーズ等が好きだね」


「代表もですか? 私も大好きで高校の頃から憧れています。

特に「悪○の摂理」は、相当自分の考え方に影響を与えました」


「そうだね、サヨちゃんでは決して書けない、傑作だと私も思うよ。

彼らからは○植先生は、蛇蝎の様に嫌われて居る様だが、現実を見れば決して目を逸らせない問題だがね。


結局自らの思想に合わないと、一番大事な問題から目を逸していた為、今回のパンデミックと言う大魔王を、自らが召喚してしまったのが結果だと、理解しないのが彼らだからね」


「やはり甘莉さんもそう思いますか、俺もそう思うと悔しくてやってられませんよ」


「まあ、C国の奴らは自身が原因を作ったにも拘らず、自分らだけが助かろうと日本やASEAN各国に侵略戦争を売り、結局壊滅的な打撃を受けて敗退したのだから、救われない結果に成ってお気の毒だがね」


「自業自得と言う奴でしょう? あの国の連中は平気で嘘を着きますから、真面に相手をして居ると馬鹿を見るから、放って置けば良いんですよ。

日本のマスゴミは何故あいつ等政府の言うことに、一喜一憂しているのか解らないですからね」


「まあその手のマスゴミは、今回の首相の英断で軒並み整理されたから、風通しが良くなるだろうね」


「全くですよ、自分らは国の不正を糾す唯一の機関だと豪語しているけれど、逆に国民を傷つけても構わないとでも思って居るのでしょうかね?


じゃあ自分らが国民を裏切り、傷つけた場合誰が奴らを成敗するのか聞きたいですよ。

自浄出来ればいいですが、朝臼新聞の従軍慰安婦嘘報道で、どれだけの報道間系者が責任を取ったか、コチラは良く見てるのに誤魔化して逃げられると思って居るのが、馬鹿なのですよ」


「まあお陰で、今回の首相のマスゴミに対する措置は、国民が支持して居るから何も言えないだろうね」


俺達はそんな事を話合いながら、15分程休み階段へ向かった。



Pday 9日目

AM09:50 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 西外階段4階


俺と伊田君は外階段を昇り、4階扉前まで来た。

俺は扉の向こうへ気配察知の魔力波を飛ばし、近くにゾンビが何体居るか調べた。


「扉の至近に2体、他3m以内に他1体の3体いるね。

ここは引き戸だから、開けた途端押し出して来る可能性があるので、注意してPS弾を放り込もう。


起動して30秒後に鳴る様セットしたから、静かに少し開けて投入すれば、気づかれないだろう。


私が投入するので、押し出て来たら君が落ち着いて処理してくれ、良いね?」


「了解!」


俺はPS弾を持った右手で3秒前を示し、3で親指に有る起動スイッチを押し、10cm程開けた扉からPS弾を投入して、無事扉をしめた。


俺達は30秒待ち、PS弾が起動したのを確認して、蒔田君達に通信を入れ、3階・2階へと降り又同じ行動を繰り返した。


5分後2階中央ドアで蒔田君達と合流した。


「上からゾンビが降りて来なかったかな?」


「いえ、PS弾の音に釣られて西塔の方へ、集まって居るみたいです、幸い此方には来ませんでした。

しかしPS弾は屋内だと響きますね」


俺達は他に音源が無い今の状況で、鳴り響いているPS弾の音に思わず顔を顰めた。


「では3階と4階を閉鎖しに行きますか」


俺達は階段を足音を殺し、ゆっくり3階まで上りゾンビの様子を伺うと、案の定西側校舎の外階段付近に集まっていた。

我々は防火シャッターを閉め、4階と3階の踊り場で2体のゾンビを射殺し、4階でもシャッターを閉め各階を閉鎖した。


「さてこれから、2階から掃討を始めますか。

多分今シャッターを下ろした音で、3階・4階のゾンビはまだ落ち着いて居ないだろうからね。


2階はPS弾で誘引していないから、数が2分されて居るが、3階は西側校舎に集まって居るので、要注意だ」


「どの様な順路で行きますか?」


「東側外階段2階から攻略して行こう、PS弾は西側階段に設置してあるから、防火ドアを通しても音が抜けるからね」


「突入方法は、我々が突入しますので、後詰は甘莉さんのバディでお願いします」


「基本廊下のゾンビを掃討後、各教室のゾンビを各個撃破。

教室の出入り口は後衛の我々で閉鎖する、あまり突出しない様後方に注意をして、掃討して行ってくれ。


ここは引き戸を使って居るので、閉鎖にはベスト右メイン2に10個入っている、ゴム楔を使い閉鎖する事。

尚、生存者を見つけた場合、まず身の安全を確保した後、報告してくれ」


「「「了解!」」」


「後は、東西の2分されて居る校舎を、始めはベータ小隊で攻略の後、西はアルファ小隊が前衛で行く、それを交互に繰り返す」


「「「了解!」」」


俺達は一階まで降りて、東側外階段に出ると、周りを注意しながら2階に上った。


そして所定の位置に着くと俺が扉をゆっくり開け、まず蒔田ペアの2人が突入しハンドサインで安全である事を示し、館内に突入した。


思った通りゾンビ達は大半が、西側校舎のPS弾に引き寄せられ、中央の防火シャッター付近に集まって居た。


俺は突入後、左手に有る教室のドアを閉め、ゴム楔を引き戸に噛ませて戸をロックした。


蒔田君ペアは前方に居るゾンビ11体を狙撃で沈めており、俺と伊田君は左の戸からのゾンビを警戒しながら後を進んだ。


次の教室前方の戸は伊田君が塞ぎ、その間俺が伊田君を援護しながら、交互に進んだ。


廊下に居たゾンビ11体を始末した後、教室前後から別れて静かに突入し、4室合わせて5体のゾンビを始末した後、中央階段で装備を整え一息吐いた。


「やはり誘引作戦は上手く行きましたね、ゾンビが片側に寄って居るので余裕を持って対処出来ます」


「そうだな、ここの階と4階は良いのだが、3階の西側校舎は要注意だ。

8割か9割のゾンビが西側のPS弾付近に集まって、偉い事に成って無ければ良いのだが。


今までのこの校舎で倒したゾンビは56体だ。

残り44体で西側に何体居るかが、上の階のゾンビ残数に関わってくるからね。  さて行くか!」


俺達は、俺が先頭で2階西校舎に入り廊下の状況を確認、ゾンビ約12体が通路奥のPS弾付近に集って居た。


俺と伊田君はドアから5m程進み、防火ドア最寄りの教室の中程でゾンビを狙撃し出した。


ゾンビの数が半分程に成った時点で、廊下右サイドに寄り次の教室の中程に進み、更にゾンビの数を削る。

その間ベータ組は扉の閉鎖と、前方扉から出るゾンビを警戒して居る。


最後の教室の後ろ扉を閉鎖した時点で、廊下のゾンビは全て処理が終わり、次は教室及びトイレの残敵掃討に移り、最終的に19体のゾンビを駆逐した。


「これで残り19体か、しかし上の階に生存者がいる可能性があるな、何だか生きて居る人間の気配がするよ・・・」


「上手く食料を食いつないでいたのかな? 発生から9日目ですからね、アルテミスの子達の様に飲食が出来ないと、厳しい事態になりますからね」


「まあ保護してから聞かないと、解らないだろうから。

しかし車で校内に入った時気付いたのだが、体育館にも生存者の気配が有ったからね」


「まあ子供は柔軟ですから、中には非常事態向きの人間も居る可能性が有りますからね、そう言う奴に率いられた場合、生存する確率は高まるし、今の子はゲームやラノベ等で情報を得ている分、大人より柔軟に対応する可能性がありますから」


「そうだな、バイオ○ザードや学園黙○録を読んでいると、ゾンビに対抗する子達が出ても、不思議では無いな。


さて後一階半で教室塔の制圧は御終だ、締まって行こう」


「「「オー!」」」


俺達は再度東階段に向かい、3階に上がって行った。


先程と同じくドアを開けてベータ組が廊下に入るが、廊下にゾンビは見当たらなく、教室とトイレの掃討に入った。


ここでは2体のゾンビを処理しただけで、西教室には何体位のゾンビが居るか解らないため、注意して隣の塔に行くことにした。


「この建物にいるゾンビは残り23体だ、傾向としてゾンビは上の階に行くほど、数は減って行く傾向にあるので、場合に因っては23体がこの階でまとまっている可能性が有るので、注意してくれ」


「生存者はこの階に居そうですか?」


「感じからすると4階に居る可能性が高いな、注意して行こう」


「「「了解!」」」


俺達は西校舎の防火ドア前に行き、音をたてない様ドアを開け廊下の様子を伺った。

廊下の奥には12体程のゾンビが、PS弾を掴もうと周りに集っており、先程と同じく俺達ペアが狙撃中ベータ組が扉を閉鎖し、処分が終わると教室の残敵を片付け、総数19体を倒し残り4体に成った。


「思ったより固まって居なかったな、この部分に残り全部のゾンビが居ると思ったが」


俺が除染薬で満たしたパックに、防水加工済みのPS弾を沈め、滅菌しながら言った。


「残りは上の階に居て、部屋の前にでも居座っている可能性が有りますね」


「う~・・・ん、生存者らしき人間が3人に、ゾンビが4体か・・・。

どうも屋上のプールのせいで、解り辛い状態になっているな」


「え?水があると、気配がつかみ辛くなるのですか?」


「普通はあまり影響しないのだが、学校のプールの水には子供達の念が篭って居て、解り辛くしているのだよ。

特に屋上にあるせいか、常に子供の念が供給されて居るので、余計に雑念が酷いね。


もしかすると夜など上のプールに行くと、心霊現象が起きる可能性が高いと思う」


「出ますか? やはり嫌な感じはしていたんですよ、この校舎に入ってから」


「思春期の子供達の念は結講パワーが強いですからね、水はそれを記憶媒体の様にエネルギー共々保存する性質がある。

それを利用して悪さをする奴も、結講居るので迷惑な奴ですよ」


「じゃあ水場で霊が目撃されるのも、そのせいですか?」


「ええ、浄化されている場なら、変な物は近寄れないのですが、水は清浄・不浄問わずエネルギーを貯めるので、利用され易い場では有りますね。


蒔田君など仕事で夜ここに来たなら、嫌な目に合う確率は高いですから注意して下さい。

佐々木会長には此処に、霊的に敏感な人を詰めさせ無い様に、言って置きますから、蒔田君も自己申告して置いて下さい」


「解りました。

ハア~、また心霊現象かよ良い加減にして欲しいな」


「呼ばれているのかも知れないですね~。

さしずめ『定めじゃ!』と言っておきますよ」


「どこぞの錯○坊ですか? 出来れば巫女さんの方が私としてはうれしいのですがね~」


「ほ~、蒔田君は逝ける口ですか? 年代に合わず随分古いのもお好きなようで ( ̄▽ ̄)v」


「ええ、無論響子さんも四谷さんもすきですよ? (`∀´)v」


伊田君や田辺君はどうも、付いてこれない話題なようで、蒔田君は感じからすると、再放送か再々放送の世代かな?


そんなアニメ談義でリラックスしながら、4階の特別教室のエリアに着いた。

この階はPC室・音楽室・調理室・プール用更衣室がある、特別教室があるエリアだ。


その他の特別教室は一階に集中している。


「奥の方に4体のゾンビが居ますね、生存者は真ん中の教室に3名とトイレに1名?

あれおかしいな? 何で気配を感じ無かったのかな?!


下では教室の3名は察知できたのに、もう一人トイレに居るが・・・・衰弱して居るみたいだ!

プールのせいで衰弱して居る子の気配が、消されて居たのかも知れないな。


ともかく、早い所片付けてトイレに居る子をまず助けるぞ!」


俺は蒔田君達を促し、防火ドアを開けてゾンビを狙撃し、直ぐに女子トイレに向かい、隠れている個室のドアを叩いて声を掛けた。


ドンドンドン・ドンドンドン


「おい! 助けに来たぞ! ここを開けてくれ」


ドンドンドン・ドンドンドン


「おおい! ここを開けろ!

ダメだな、気を失って居る可能性が高い、伊田君中によじ登って入ってくれないか?

私が背中を貸すから、足場にして登ってくれ」


「解りました、では失礼します!」


俺が屈むと伊田君が背中を足場に、個室の中に入って行った。


「女の子が居ます! かなり衰弱していますが、命には別状ありません。

今開けますので道を開けて下さい」


俺達が退くとドアが開いて、伊田君が少女を抱いて現れた。


「田辺君、向かいの部屋を確保してくれ! カーテンを外して毛布替わりにするぞ、頼む」


俺は田辺君に指示すると、向かいのPC教室らしい部屋へ、少女と伊田君を迎えいれ、田辺君が外してきた厚手の遮光カーテンを、机の上に敷いて彼女を寝かせた。


彼女の額に手を当てて、熱を計る振りをして俺は彼女に、生命力を付与する魔法をかけて、意識を戻させた。


こう言う脱水や、栄養失調の場合は回復魔法だと、逆に相手の余力を使って修復やエネルギー摂取を行うため、帰ってエネルギー不足に拍車をかける結果になるので注意が必要だ。


しかし生命力の付与魔法だと、自然エネルギーや自身のエネルギーを与えるので、患者には負担が架からないのだ。


彼女は薄らと意識を回復すると、俺達の姿を見て酷く怯えた表情をして言った。


「ごめんなさい、ごめんなさい! い・・・言う事を聞くからもうぶたないで! さ・・・騒がないからもう放っておいて!」


俺達は思わず顔を見合わせた。


俺は彼女の頭を優しく撫でながら、落ち着いた声で話かけた。


「大丈夫、大丈夫・・・・私達は君を助けに来たんだ!

ここにいる人は、誰も君をイジメたりしないからね?

大丈夫、大丈夫・・・・お腹が減っただろう? 落ち着いたら甘くて美味し物を上げるからね」


俺は彼女の頭を撫でながら、彼女の心を読んだ。


〝イジメ"・・・・・・・・か。


今の御時世どこにでも有る事件。


誰の身にも起こり得る事件(こと


原因は他人との些細な齟齬。


原因は他人からの侮り。


原因は他人からの妬み・嫉み。


原因は他人からの自己防衛。


原因は他人からのストレス解消。


原因は他人からの無関心。


原因は他人からの優越感を満足する為の行為。


原因は他人からの、全て他人からの、他人以外が原因に成らない、他人からの理不尽な、他人からの、全て他人からの・・・・・


一番質の悪いこの世で最低な〝犯罪"


俺はここ6年間、然程深く考えずに陰陽師になり、お陰で陰惨陰鬱惨憺最悪最恐陰陰滅滅な人の世界の裏を、これでもかと言う程見せ付けられた。


物事を簡単に考えた当時の自分を今更ながら、殴ってやりたいと何篇思った事か。


お陰で今人を殺し、魂を消滅させる事に何の躊躇いも無くなってしまった自分がいる。


あの様な経験をすれば、誰でも何処か壊れてしまい下手をすると、生きながら悪霊化しても不思議は無い、経験をして来たと思う。


あの〝神"が言うように、俺は魂が強いのかと他人事の様に、思う時がある。


正に冥府魔導の刃渡り稜線を、漆黒の闇の中歩いている状態が近いだろう。


そんな経験をして来た俺だからこそ言える、最低最悪の犯罪が世の中で簡単に言われる〝イジメ"である。


俺の陰陽師として経験した事例のほぼ100%に、〝イジメ"が原因でない事は無かったと言っても、過言ではない。


差別も早い話〝イジメ"の一形態であり、全ての陰惨な事件の背景には〝イジメ"が関わって来た。


だから俺に取っては〝イジメ"は最大級の犯罪であり、その原因を表すキーワードである。


であるから〝イジメ"られるのは、〝イジメ"られる方にも原因が有ると宣う識者に対して、俺のスタンスはただ一言、『共犯者』と言う言葉を送る事にして居る。


それは謂れのない差別をされて居る者に対して、差別されるのは貴方にも原因が有るからだ、と言っているのに気付かない馬鹿としか言い様が無いからだ。


俺からすると差別より〝イジメ"の方が更に重罪であり、霊的な審判では死刑より重い判決か下される、重犯罪であるからだ。


言っておくが現世の刑法と、所謂あの世の〝罰"とは因って起つ論拠が違い、この世の法と違い甘くは無いと言えるからだ。


だから現世で〝イジメ"をしてバレないと思っている諸氏よ、その罪はあの世で清算する場合、強盗殺人や幼児誘拐殺人等に比べ、比較出来ない位の、重罪に処せられる事に成るのだから。


俺は彼女の頭を撫でながら、彼女のして来た経験を共有し、且つ又その裏に誰がどの様に関わっていたか、彼女の守りに着いて居る者に聞き、知ることが出来た。


ようやく落ち着いて来た彼女に、背中のザックからスポーツドリンクを500mLと、チョコバー(小)を与え、元気が出てくるのを待った。


「大変だったね! もう大丈夫だよ。

お兄さん達はそこの崖下の川向こうに有る、水野町6丁目町会の自警団の一員だ。


此処に来たのはこの中学校が、暴徒と呼ばれるギャングに占拠されない様に、ゾンビを退治して閉鎖する為に来たんだ。

君の名前を教えてくれるかな」


「私は2年2組の高椋 由依と言います」


ようやく落ち着いたようで、暗い顔だがちゃんと答えてくれた。


「私は甘莉 丈太郎と言います、隣の水原6丁目町会の自警団員の一人です」


「僕は同じ町会の蒔田 総司といいます」


「同じく田辺 洋司だ、宜しくな!」


「俺は伊田 浩平、宜しく」


「あの・・・助けてくれて有難う御座いました」


「ちょっと踏み込んだ事を聞くが、高椋さんがあそこに何故一人でいたか聞いてもいい?」


「・・・・えと、・・・・その~・・・に、逃げ遅れたんです、私トロイので・・・・その・・ええ、ハイ」


「別に私は君の恐い同級生じゃ無いのだから、本当の事を言って良いんだよ?

お兄さんは本当の事を言ったからと言って、その原因は相手だけのせいじゃ無い、そうされる君が悪いとは思わないよ。


そんな無責任な事を言って、問題から逃げるつもりもないしね」


「え・・・と、あ・・あの、2日前にそこの調理室に逃げ込んでいて、でも・・・わ、私が一緒だとウザイって言われて、・・・・だから教室から無理やり追い出されて、と・・・ウェヒック・・トイレに逃げ込んで、今までトイレに居ました・・ウェえええェェェン」


泣き出した彼女を俺は慌てて抱きしめて、背中を撫でながら言った。


「そうか、そうか、良く頑張ったな! もう大丈夫だよ、ここには君をイジメる奴は居ないからね!

そうだ由依ちゃんの親御さんは、どうしているだろう、心配しているだろうね」


「ヒック、ヒック、ェェン・・・・由依のパパ、ママは・・去年二人共事故で・・・死んじゃいました。

お婆ちゃんのいるここの近くに引っ越して、でも友達できなくて、暗いって言われて、臭いって言われて、イジメられて、でも仕事して居るお婆ちゃんには言えなくて、もうどうしたら良いか分からなくて、私死んだほうが良いのかとか思って・・・・」


「死んでも良い事無いからね、由依ちゃんは何も悪くは無いじゃ無いか?

誰でも両親が亡くなれば悲しいし、簡単に立ち直れ無いよ!


悲しんでいる君が悪いと言う人が居れば、そんな人非人は相手をしなければ良いし、イジメ殺されるくらいなら逃げれば良いんだよ?

多勢に無勢と昔から言って、敵が大勢の時逃げるのは、恥ずかしい事では無いんだ」


「でもお婆ちゃんが頑張っているのに、由依我侭言えないよ!

お婆ちゃんを悲しませたくないもん」


「由依ちゃんもし孫の君が死んだ方が、お婆ちゃん悲しむと思うな。

そしてそれがイジメによる自殺だった場合、お婆ちゃんは由依ちゃんの死んだのは自分のせいだと思うよ。


それの方が逆に余計悲しむと思うがな、それより由依ちゃんは本当の事を隠さず、お婆ちゃんに相談した方が、お婆ちゃん喜ぶと思うよ」


「・・・・ハイ、解りました、ちゃんとお婆ちゃんに言って、相談する事にします」


「そう言えば担任の先生には相談したの?」


「高田先生にイジメの事を相談したんですが、イジメられるお前にも原因が有るんだからと言われて・・・・イジメ相談電話で話しても同じ事言われました」


「・・・・・ハア~~~! また大人の責任逃れか!

都合の良い言訳だな~~~! 


由依ちゃん君には悪い所は無いよ、お兄さんがハッキリ言って上げるけど、イジメはした方が100%悪いのであって、された方は一方的な被害者なんだよ。

由依ちゃんも通り魔殺人の被害者が、そこを歩いていた被害者にも問題があると言ったら、言った人の精神を疑うだろう?

それと一緒だからそんな何処かおかしい、頭の変な人が言う事を真面に捉えなくても良いよ」


「・・・・そうなんだ、由依が悪い訳ではないんですね?

結衣が暗くて、ハッキリしないから行け無いのではないんですね?

由依は臭くなんか無いですよね? 由依は居ても良いんですよね?」


「ああ、由依ちゃんはどこも悪く無いし、臭くも無いんだよ?

幸せに成って良いんだから、それを止める権利は誰にも無いんだ!

お兄さんが保障するよ。


そうだ由依ちゃん、お腹が空いたろう? 下に止めてある自動車にお昼ご飯を多めに乗せて来たので、この田辺のお兄さんと一緒に行って、お昼の用意をして置いてくれるかな?

田辺君パジェロ改の荷台に、ダンボール箱が乗って居るから、下ろして給湯室で用意して置いて下さい、俺達は後屋上を見回りにいきますので」


「解りました、じゃあ由依ちゃん一緒にお昼の用意、手伝ってくれるかな? 今日は缶詰のご飯がメインらしいんだが、見てびっくりだよ」


「ハイ解りました、お手伝いします」


どうやら回復魔法が上手く作用したようで、田辺君と元気に一階へ降りて行った由依ちゃんを見て、俺達はホットした。


「さて、二人共これから子供の躾けの時間だ! 行って見ようか!」


俺達は、隣の教室へ悪ガキ共に自身のした事に対する、けじめを着けさせるために逝く事にした。


誤字脱字がありましたら、ご指摘して頂くと有難いです。


一言の欄にでもご指摘下さい、宜しくお願いします。

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