16.Pday 2日目
済みません1話づつの字数を多めに取って居ますのでペースが落ち気味です
PM17:40 調布飛行場側 調布[ひよく寮] リビング
俺達は1時間程前に戻り、先ほどまで町会長の佐々木の爺さんに報告をしていた。
飛田給のマンション、アルテミスの自治会長との話合いの結果を、報告するととても喜んでいた。
やはり自治組織一つでは、この難局は乗り越えるのは難しく、心細かったのだろうと思う。
俺自身もいずれ近い将来、福島に移動するのは承知しており、相談出来る曽根氏の様な元警察幹部経験者が居ると、心強いのだろう。
是非早めに曽根氏を訪問して、互恵関係を築きたいと、積極的に話していた。
その他周辺の自治組織3箇所位と、連携を取りながらある程度広域な範囲で、自警団を作ったらどうかと提案した。
しかしあまり規模を大きくすると、各組織の思惑が絡みすぎ派閥が出来、纏まりが就かない組織に成るので、3つの町会位が適当な数ではないかと提案した。
又町会で集まり、今後の町会としてこの一年をどう生き残るかを、話合いある程度意志を統一しないと、生き残る事が出来ない事を住民に徹底する事にした。
そうしないと蟻の一穴で、思わぬ所で瓦解する危険があると、アピールする必要が有ると伝えた。
そして帰宅し今、[ひよく寮]のリビングで寛ぎながら、皆に結果を話していた。
「じゃあその曽根氏と言う、元機動隊指令官の方がマンション・アルテミスの自治会長を勤めていて、確りした方なんですね」
「そうだね田中君、ああ言う漢を武士と言うんだなと思ったよ、実戦の指揮官出で見識もあり所謂兵隊将軍と言うタイプの、叩き上げの指揮官だから優秀な人だな。
彼がこの町会と連携を取って貰えれば、この地域も安心して離れられるからね」
「その為にはやはり、恩を売って置く必要があるという訳ですね」
「ああ、だからこの町会とアルテミスの自治会に、それぞれ[バイパー]を20丁ずつと、[ライジングサン]の装備を20セットずつ提供しようと思うんだ」
「それだけの戦備があれば、油断しなければ大抵の暴徒には、対向出来るでしょうね」
「此処の地区を、将来の足掛かりにする場合かなりの楽が出来るし、ここ以外の首都圏への足掛かりとしては、荒川沿いにもう一箇所程欲しいしね。
出来ればC-130の離着陸が出来て、東京湾からそれなりの船で遡上出来る、河川と言えば荒川の河川敷が有力だからね」
「やはり秋ヶ瀬公園辺りですか?
まあ用地を無理なく確保出来て、海まで途中に堰が無い場所で、23区内の一番奥まで無理なく行ける河川と言ったら、其れ位しかないですね。
玉川は湾から入って十数キロで堰があるし、利根川は都心とは離れていってしまうからね。
その点荒川は30キロ近く遡上出来るのが、大量輸送と言う点を考えると有利だね」
「そうですね、他の河川や湾岸部は都心部に近すぎて、安全を確保出来ないですしね。
そう言えば代表、首都圏を脱出する候補地としては、玉川の丸子緑地か荒川の支流新河岸川へするか、どうしましょうか」
鬼山君が聞いて来た。
「田中君、今日のニュースでは都心部はどんな様子だった」
「やはり中心部はかなりゾンビの密度が上がって来て、最早ゴーストタウンに成っている様です。
今日辺りだと都心部の郊外は、未だ被害は出てない様ですが、幹線路は放置車両が多く、車での脱出は無理みたいですね」
「う~ん、我々にはウニモグ改とパジェロ改が有るから、玉川の河川敷を移動して丸子緑地に移動し、其処からゴムボートで東京湾へ脱出した方が早いかも知れないな」
「此処から東京横断はやはり厳しいですよね、まあウニモグ改とパジェロ改の機動力が有れば、無茶なチャレンジじゃ無いですけど。
でも代表、玉川の河川敷にヘリを呼んだ方が早くないですか」
「まだ非常事態宣言が、発令されて時が経って居ないし、警察も今だ機能しているから、出来るだけ目立ちたくないんだよ。
出来れば隠密に行動して、商船で脱出した方が、後々面倒がなくて良いのさ」
「判りました代表、では出発は何時ぐらいが宜しいでしょうか」
「後5日後を目処に用意をしよう、それまでにこの町会とアルテミスの自治会の、同盟を結び武器や装備を渡して協議して置こう。
それから旭工業の八王子倉庫にある、ソーラーユニットの在庫数は調べてくれたかな」
「はい、一般家庭用が約10000セット分有ります、その他マンションユニット小が2000セット・中が1600セット・大が1600セット有ります」
「確かマンションユニットが1セットの発電規模は、小で10世帯分・中で20世帯分・大40で世帯分だから、アルテミスは大が3セット有れば問題ないな。
水原町には隣接した公園に、マンション用大を10セット程設置して、蓄電・インバータ装置は小屋掛けしておき、そこから町内に給電すれば問題ないな」
「ええ、でもどうやって運びますか、何処かで4t車位を調達しないと大変ですからね」
「明日今日のメンバーで、2t車3台と4t車2台位とユンボとミキサー車を調達して来ます。
後何処かスタンドで、給油車を調達しようと思います。
だけれどもガソリンの他に、ディーゼル用の軽油も要るから、2台は欲しい所ですね。
その次に調達した車両を、装甲車両に改造して、物資を運ばなければならないので、ホームセンターで工具と材料を、調達しなければ成らないのでやる事は多いですよ」
「しかし結局仕事が増えたみたいですね!
後、本日の各部署からの連絡は、特に重要事項はありませんでした。
南の島でも今の所嵐の前の静けさだそうです」
そこへ佐田婦人が、夕飯の支度が出来たと呼びに来た。
「皆さんお話がひと段落着いたら、夕飯にしますので何時でも良いですよ」
「あ、今行きます。
じゃあ夕飯でも食べて、落ち着いたら話そうか」
「ハイ」
本日の夕飯は、カレイの煮付けに金平牛蒡、ほうれん草のお浸しにお吸い物、大根のとブリの煮付けに混ぜご飯と、独身男には堪らんメニューだ!
きっと佐田氏は、胃袋を攻略されて結婚したに違いない、絶対に胃袋を落とされたな!
大事な事だから敢えて、アエテ二度言いました!!
我々独身男組は、黙々と飯を掻き込んだ、田所などは涙ぐんでいる程だ。
分かるぞ同志! 結婚するなら飯の上手い女性に限るな、やはり容姿など二の次だ!
佐田婦人の様に両立してれば尚宜しいが、・・・・・オノレ佐田氏!
気がつくと飯を3杯おかわりしていた、恐るべし上手いメシ!
他の二人もようやく我に帰った様だ。
鬼山君などまだ目が逝っている。
食後のお茶を飲んだ時、ようやく佐田婦人にお礼を言った程だ。
「いや~久しぶりに夢中でご飯を掻っ込みました、やはり結婚するなら貴方の様な料理上手な女性が良いですね。
やはりお母さんのお仕込みですか?
福島工場のご飯もとても楽みですな、早く行ってご馳走になりたいですよ」
「いえまだまだ実家の母には、敵いませんですわ。
カレイの煮付けの味付けも、金平もどうしても敵いませんし、母曰く精進あるのみだそうです」
「うわ~! これ以上の料理が福島工場では食べられるんですか?
早く行きたいですよ、しかし愛美ちゃんも幸せだな~こんなに料理上手なお母さんが居て、毎日美味しいご飯を食べられるんだから」
「うん鬼山のオジちゃん! 大きくなったらわたしも、おかあさんやおばあちゃんみたいに、おりょうりうまくなって、こどもができたらイッパイつくってあげるんだ」
「おおがんばれ!愛美ちゃん。
所で出来ればオジちゃんじゃなくて、お兄さんと呼んでくれるとうれしいんだけどな、お兄さんは」
「おにいさん?」
「そうそう! だって代表と2才しか違わないのに、オジさんはちょっとな~」
「2さいとしうえなの? じゃあおにいさんだね!」
「そうだ! いい子だね~、まあ田所は性格がアレだから、オジさんでもいいけどね」
「だったらお前もオジさんだ! 歳は変らないんだからな」
珍しく田所が米神に血管を浮き立たせ、殺気を乗せて鬼山を睨んだ。
「ハ~イじゃあふたりとも、おにいちゃんとよびます」
空気を読んだ愛美ちゃんが、二人を取りなした。
お前ら子供に、気を遣わせるなよな~みっともない。
「こら二人共いい加減にしなさいな、小学生低学年に気を遣わせるんじゃないわよ?
一服盛られたい?」
いい笑顔で田中君に見られた二人は、思わず頭を下げた。
「「スンマセン」」
「私ではなくて愛美ちゃんにあやまりなさいね?」
「「ゴメンなさい愛美ちゃん」」
二人は素直に謝った、やはり田中君は怒らすと怖い。
ニッコリ笑顔で睨まれるのは、本当に背筋が寒くなり、冷や汗が止まらなくなるので、出来ればやめて欲しいんだが・・・・。
「愛美ちゃん、おねいちゃんの真似だけは止めようね、良い旦那さんが見つからなく成る可能性が高いんで」
「え~なんで? お母さんもお父さんにああするよ?」
「・・・・・・・(^_^;)」
「代表、(^-^)」
「スミマセン」
触らぬ神に祟りなしを忘れて居たヨ 俺・・・・・。
「え~~~と、そうそう明日我々は2tのパネルトラックを2台と、4tのパネルとオープントラックを2台に、ハイ○ースバンとウオーク○ルーバンを2台ずつ調達して来ます。
後何処かのスタンドで、小型の給油車をガソリンと、軽油用の2台も調達します。
無ければガソリンは大型でも構いません。
それとは別に、オープンの4tトラックを手に入れたら、中型のユンボも今日一緒に行った、田嶋氏と逆髪氏に調達してもらいます」
「何に使うんでしょうか?」
と佐田婦人。
「タイヤそして燃料タンク周りに装甲板を付けて、運転席周りとガラスに金網と装甲を付けて、フロントに頑丈なガードを鉄パイプで付けて、装甲車モドキを作り物資の調達に使います。
工事用重機は、町内会の周りにバリケードを作り、ゾンビと暴徒の侵入を防ぎます」
「そう言えば隣の公園も、囲えば畑に成るんじゃないでしょうか」
「隣の公園は無論囲いますが、太陽発電ユニットを設置して、町内の電気を賄う発電所にする予定です。
余った敷地を畑にするのは良いアイデアですね」
「じゃあ明日の朝は、私が皆さんのお昼のお弁当を用意しますわ」
「宜しくお願いします、田中君は今日と同じく無線を使った、司令塔をお願いします」
「解りました」
「奥さん、出来たら混ぜご飯のオニギリをメインにお願いします」
「あ、俺もそれが良いな」
鬼山君と田所君が、弁当のリクエストを申し込んでいた。
確かに翌日の冷えた混ぜご飯は、一晩置いたカレーと並んで、寝かすと上手い料理の上位に入るな!
「あ、佐田婦人! 私も同じ物でお願いします!」
無論俺も、頼みましたとも!
Pday 3日目
AM05:00 調布飛行場側 調布[ひよく寮] 前庭
今朝も朝の鍛錬が終わり、シャワーを浴びに部屋へ戻り、20分後に着替えてリビングへ降りて、コーヒーを入れながらタブレットで昨日の報告を読んで居ると、田中君と佐田婦人が降りて来た。
「お早う、二人共早いですね」
「もう直ぐ6時ですから、そんな早くはありませんわ。
代表こそいつも朝は早いんですね」
「私は昔からの修行のせいか、朝早く起きるのが日課に成ってしまっているんでね、別に苦にはならないんだよ」
「修行と言うと滝に打たれたり、山の中を歩いたりする行ですか」
「いや其れは修験道の行者のする行ですね、所謂霊能を開化するためや強化する為にする行ですから。
私の場合既に霊能は充分備わっていたので、どちらかと言うとそれを精密に運用する為の、行を中心に行なっていたし、同じ事を続ける事で精神の鍛錬を行う事を中心に、修行していましたからね。
滝行は禊という意味ではしますが、慣れると結講気持ち良いですよ?」
「どっちにしても、大変そうだなとしか思えませんね、私達一般人にとっては」
「修行だと大げさに考えるからですよ、アスリートや学者さん達がする、訓練や勉強に通じるものがあると思いますね」
「所で甘莉さん嫌いな食べ物はありますか? これから朝食をつくるのですが、それを聞き忘れていたのを思い出しまして」
「基本何でも美味しく頂きますよ私は、アレルギーも無いですしね。
肉も魚もどちらも好きですし、奇抜な食材でも意外と平気で食べますよ」
「まさか蜂の子とか、ザザムシとかイナゴは有りませんので、お出ししませんよ」
「そう言えば蜂の子とか、イナゴの佃煮はこの所食べていませんね。
その内食材さえ取れれば又食べたいな・・・・・」
「・・・・・・・」
なんだろうこの気まずい間は?
変なことを言ったか俺は、どれも意外とポピュラーな食材ではないか?
何もGの素揚げを食べたいとか、ゲンゴロウの炒め物を食べたいとかは、言って居ないがな。
そう言えば以前伊那地方で食べた、ザザムシの佃煮は結講逝けたな。
「「・・・・・・」」
何だろう視線が更に冷たく成った気が、何か不味い事でも考えたかな??
Pday 3日目
AM06:30 調布飛行場側 調布[ひよく寮] リビング
あれから女性二人から無視された俺は、仕方なくリビングでTVニュースを聞きながら、タブレットでその他の情報を漁っていると、護衛二人組と愛美ちゃんが降りて来たので、朝飯にする事にした。
今朝は男性陣用には大振りの、フランクフルトをじっくり焼いた物を2本ずつと、目玉焼きにザワークラウト、女性はウインナーを同じくじっくり焼いた物を3本ずつに片目焼き。
夕べからセットしておいたらしい、ホームベーカリー3台で焼いた熱々の食パンをスライスした物。
クラムチャウダーとトマトのサラダに、チーズの盛り合わせ。
飲み物は、ミルクとコーヒー・紅茶・緑茶の内、好きなものとジュースだった。
本日も幸せの朝だった、こんな贅沢ばかりしていると後が怖いな。
「さて今日の予定としては、昨晩も言った様に町会用に、2tのパネルトラック2台とオープンを1台、4tのパネルトラックとオープンを1台ずつ、ハイエー○のバンを2台に○テップスルーバンを2台とそれらを強化する資材と工具を調達する事だ。
後、時間が有ればユンボと、必要なアタッチメントに、給油車を2台は欲しいな。
強化パーツと工具は、田所君に任せてあるので、彼にリストをもらって行くようにして下さい。
そう言えば田所君、その他の整備はどうなっていたか、聞きそびれていたので教えて下さい」
「ゴムボートの整備は、昨日で全て終わりましたが問題は無いです。
ウニモグ改とジムニー改の整備も完璧です。
後は、町会やアルテミスの自治会に渡す、装備のメンテナンスも完了していますので、今日は私の手は空いています」
「では今日は、車両の調達の指揮を取ってくれると助かる。
後改造用の資材調達の指揮も、合わせてお願いするので宜しく」
「解りました、鬼山昨日一緒だった元自衛官は、今日も宛に出来るのか?」
「ああ待機して居る様に、頼んでおいたから大丈夫だろう」
「じゃあ彼らも使って二手に別れて行動しよう。
私と彼等でパジェロ改にて、トラックと重機とミキサー車の調達を担当します。
代表と鬼山で、ジムニー改を使ってバンと、給油車の調達をお願いします」
「解りました、ではその様なシフトで行きましょう。
田中君は昨日と同じ、無線で司令塔をお願いしますし、佐田さんも昨日と同じく家事の方をお願いします」
「「はい解りました」」
「じゃあ安全を心掛けて、無理はせずに作業に取り掛かって下さい」
Pday 3日目
AM08:30 調布飛行場側 調布[ひよく寮] 玄関前
又昨日と同じく、田嶋工務店の二人を呼んで、0830に玄関前で待ち合わせた。
昨日とは違い、朝0730に無線機のスイッチを入れておいて貰ったので、鬼山君が一々出向かなくても、連絡を取れる体制になっているので、地味に便利だ。
やはり携帯世代のせいか、直ぐ連絡が取れないのは違和感があるな。
二人には今日の予定は、昨日大体話してあるので、集合時間と変更内容を伝えただけで済んだ。
「やあお早う、今日もご苦労さまですね」
「お早う御座います、代表の方こそ此方が大変お世話になっているのに、早朝から有難う御座います」
「いえ気にしないで下さい。
今日は先ほど無線でお話した様に、内のメカニックであり護衛でもある、田所副隊長と一緒にトラック関係と、重機関係の調達に行って貰いますので宜しくお願いします」
「その件なんですが、助っ人を後で連れて行っても良いですか?
一応3人なんですが、3人共大型と大型特殊の免許を持っていますので、現場で車が決まって用意が出来たら、呼び寄せて運転して返したいと思っているんです」
「う~ん・・・・・、 じゃあ我々と同じ装備をして貰います。
何か有ってからじゃ遅いですからね。
後、彼らは戦闘の素人でしょうから、今の面子から独りずつバディを組んでもらって、行動して下さい」
「解りました、田所さんには素直な奴を付けるので、安心して下さい」
「彼も戦車等の特殊車両から、ヘリに飛行機、船舶の一級免許と整備士の資格を持っている技能者ですから、話は合うでしょう」
「スゲエや! 内の会社に欲しい位だな」
「おやおや、引き抜きは止めて下さい、内の特殊部隊の副隊長さんですからね。
しかし昼飯はどうしようかな、人数分しか頼んで無いので、今から追加するしか無いか・・・・」
「あ、其れは大丈夫です、内の女房が奴らの弁当は用意しましたので」
「それは助かります、では後は武器と装備を3セット用意しますので、装着後に取説を読んで置いてもらいますか」
「宜しくお願いします」
「じゃあ田所君、武器と装備の用意は宜しく頼む、我々は先に出発してバンと給油車を調達して来るよ」
「了解」
Pday 3日目
AM08:40 東八道路 多磨霊園前
「代表、これからどう行きます」
「取敢えずこのまま、武蔵野線まで行って折り返すか。
幹線路だし、ここは意外と事故車も無いし、空いているからね」
「そうですね、武蔵野線まで突っ走って折り返しで、ゆっくり見て行きます」
「そうして下さい」
俺達は15分程走って、あまり周りを気にせず、武蔵野線の陸橋までたどり着いた。
「じゃあ方向転換して、ゆっくり流しますんで、周りの車を注意して見て下さい。
駐車場に意外と状態の良い車がある場合があるんで」
「解りました」
暫らく時速30km程で流しているが、駐車場は乗用車ばかりでなかなか、商用のハイエー○やスッテプ○ルーバンは無い。
そうすると行きでチラッと見た、セルフスタンドに1500ccのトラックに、石油の給油タンクを乗せた給油車を発見した。
「お、止めてくれ鬼山君、隣車線のセルフに給油車発見」
「あ本当だ、代表やりましたね!
早速頂きましょうか、幸いスタンドには従業員は居ないようですし、出来ればこの車も満タンにしておきたいですから」
「よし向かってくれ」
俺達はセルフスタンドにむかって、次の交差点をUターンした。
スタンドに到着して、タンクローリーを見てみると
トヨエース 2.5klタンクローリー軽油専用で1室 満タンだった。
マニュアルミッションだが、私もマニュアル免許は持っているので、問題は無いだろう。
「これ良いですね、ディーゼル用には持って来いでは無いですか?
早速町会の駐車場に持って行きましょう」
「ああ、運転は鬼山君がするかね」
「ええ運転した事のない、燃料車を代表に運転させたとなったら、田中女史になんと言われるか・・・・・」
「解ったよ、昨日の事で懲りました、じゃあジムニーで先導するから着いて来てな」
「了解」
俺達は無線を町会の詰所に入れて、給油車を陸送していった。
途中で見かけたセイヨーM2は、バリケードも無く店内にはゾンビが徘徊して居るのが見えたので、鬼山君に無線を入れて駐車場に車で乗り入れて偵察して見た所、ゾンビに制圧されていたので鬼山君に連絡を入れた。
「コチラK-1、K-2どうぞ」
『コチラK-2店内はどうでしたか』
「シッカリZに制圧されている、後で奪還すれば良い資材基地になるぞ」
『了解Kー1、車両が集まったら制圧しに来ましょう。
それまでしっかり此処を、死霊に守って頂きましょう』
「了解K-2これより離脱する」
『了解K-1』
やはり食料が無いDIY専門店だから、誰も立て篭らなかったのだろう、昨日の偵察では此処には来ていなかったので、ラッキーだった。
「コチラK-1、スーパービクトリー前だが此処もゾンビに制圧されているが暴徒に襲われた形跡は無い。
後で物資を調達出来る可能性大なので、ナビに記憶させる」
『了解K-1へ、今日は本命以外大漁ですね』
「全くだ、しかし気を引き締めて行こうK-2」
『了解K-1』
「お、K-2反対車線の工務店にハイエー○を発見、隣の資材置き場に足場用パイプも見つけた」
『え、・・・ああアソコかこの辺は入れ食い状態ですねK-1』
「全くだ、後が楽みだ」
暫らく走ると右車線のスタンドに、タンクローリーが止まっているのが見えた。
「K-2右スタンドに大型タンクローリー発見、人は居ない様だな。
ドアは解放状態で放置されている」
『ほんとだ、K-1これで後はハイエー○1台と、ステップス○ーバン2台です』
「K-2へ、後で大型の免許持ちに取りに来て貰うか」
『そうですねK-1、あの大きさじゃ流石に、気軽に転がす訳には行かないですからね』
「じゃあ無線で吉田君に、中継して貰うから少し待ってくれ」
『了解K-1へ』
暫らく走ると右側の住宅建材関係の倉庫に、ハイエー○のトラックタイプがあった。
「K-2右側の住宅建材の倉庫に、ハイエー○のトラック発見」
『お、有った後で頂きだ』
そして暫らく走り霊園を過ぎて、少し街中に入った時に引越し業者のターミナルを見つけた。
中は閉鎖されておらず、ゾンビが徘徊していたが2t、4t車のパネルトラックとハイエー○のトラックが有った。
「右車線の引越し業者のターミナルに、パネルトラックとハイエー○のトラックを発見」
『了解K-1、後はハイエー○バン1台とウオーク○ルーバン2台だけか』
「であるな」
暫らく走ると、中古車屋を左車線に見つけ、良く見るとハイエー○バンを見つけた。
「おお左にあるT-○pにハイエー○バンを発見」
『K-1、あと本日のノルマは、ウオーク○ルーバン2台だけにナリマシタ』
「頑張ろうK-2、多分宅配便の集配所に行けば、結講あるだろうな」
取敢えずこれ以上道草は止めて、一旦水原町に帰る事にした。
途中で吉田君から連絡が入り、大型タンクローリーを、田所君のチームが回収する事になった。
それから15分後俺達は、一旦水原町に帰り軽油タンクローリーを置き、又ハイエー○を回収に行きで、午前中一杯で回収が終わった。
午後からは昼食を終え、近場の飛田給にある宅急便の、配送センターに行くことにした。
「良しと、此処が配送センターか。
おおアルアル、ステップ○ルーバンが1、2、3・・・・8台あるな後鍵が着いていると良いんだがな」
「代表、取敢えず中に入って見ますか? バリケードも無いしスッキリしてゾンビも隠れ難いので、楽に探索出来るでしょう」
「良し、じゃあ行くか、出来るだけ状態の良い車を選ぼう」
俺達は配送センターに、ジムニー改を乗り入れ車から降りた。
そしてポーチからPS(時限音響)弾を出し、配送センターの駐車スペースの中央に置きスイッチを押して離れた。
10秒する、とピピピピピピとけたたましい音が鳴り出すと、奥から宅配便の制服を着た男3体のゾンビと、普段着の女性ゾンビ1体が現れた。
「鬼山君、私が始末するよ」
「代表まかせました」
俺は1体1発の割で仕留めていった。
暫らく待つと道路の方から、2体現れたので同じく始末し、PS弾のスイッチを切った。
「未だ、事務所内は点検していないから、判らないし間に引っ掛かって来られないやつが、いる恐れもあるので慎重に行こう」
「了解」
まず俺達は車の方を調べるとにした。
幸いゾンビは居ず、ステッ○スルーバンには鍵が着いた状態で、停めて有ったのでカギをわざわざ探す手間が省けた。
取敢えず状態の良い、走行距離の少ない車を4台ほど選び、運転席側のドアに割れ物注意のシールを貼っておいた。
そして一人が周りを注意している間に、一人が荷物の仕分け棚を確認し始めた。
「あ!代表、 缶詰それも自衛隊で食べている、サ○ヨー堂のご飯の缶詰が5種類50カートンずつありましたよ、これ旨いんですよ。
確か賞味期限が製造から3年ですが、膨らまない限り食べられるので嬉しい一品ですよ。
一箱12個で、3000食分有りますね、何処かの団体名が書いてある所を見ると、非常食用に宅配して貰う途中見たいですね、ラッキー!頂いておこう」
鬼山君が嬉々として台車に缶詰を積んだ。
因みに種類は赤飯・五目めし・とりめし・牛めし・ドライカレーの5種類だが、昨今は各社が色々売り出して価格競争になって、ラインナップから外されたが昔は白米も有ったそうだ。
やはり同じ送り先に、牛肉の大和煮の缶詰と鯖の水煮缶・すき焼缶・レトルトカレーのカートンに、各種レトルト食品の詰め合わせ100食カートンが、30セットに長期保存水の2Lペット8本入カートン×30が置かれていた。
「これは何処かの災害用の非常食だな、運がいいぞこんな場所でみつけられて」
「じゃあこれをステップバンに乗せて、持って行きましょうか」
「ああ他にも色々有りそうだが、今日は此れくらいにしておこう」
俺達は一番状態の良いステップバンを、集配施設に止めるとバンの中の食料品以外の荷物を外に出し、て早く先ほどの荷物を積むと今回は俺がバンを運転して町に帰った。
町会の公民館には、鬼山君が連絡をしてくれてバンの中の食品を、公民館に集まった町会の人達が皆で下ろした。
そしてもう一度集配所に戻り、残っていた食料品を積んでいた所、荷運びの助っ人で来た町会の2人の内一人が、偶然留め金の外れていた2.5t車のパネルのドアを開けた所、荷物が先ほどの物資の届け先と同じ非常食を発見し、更に食品を入手出来たのは僥倖以外の何者でもないだろう。
我々は2.5tトラックと、後2台のステップバンを持って町会に凱旋した。
今回の成果は、500人が2ヶ月食べられる食料が、入手出来たので大いに盛り上がった。
帰ると田所チームも、トラックと重機にアタッチメントを入手出来て、更に軽油の8tタンクローリーに、8割軽油の入った車を手に入れてご満悦出迎えてくれた。
Pday 3日目
PM13:40 水原町6丁目 公民館前
「調達班の皆んな集まってくれ」
おれは調達班を呼び集め、午前中発見したゾンビに制圧されたセイヨーM2の事を話し、工具や建築資材が手付かずの状態で入手出来る事を話し、今回は工具とトラックやバン関係の強化をする為の、資機材を調達するのを目的に向かう事を伝えた。
「戦闘は我々プロと元自衛隊が行うので、訓練を受けて居ない人達は自身以外に味方を撃ってしまう、フレンドリーファイアの事故が起き易いので、今回は車内で待機して欲しい。
私自身も軍事訓練を受けており、実戦も経験しているから問題はないが、戦闘経験の無い訓練も受けて居ない者が、いきなり戦場に立つと狼狽えてしまい、想定外のミスを犯すからね」
「皆さん代表の言うとおり、新兵がトンデモないミスを犯し、味方どころか自分を撃ってしまう事など、戦場では日常茶飯事に起きる。
自分は大丈夫出来ると思っていても、いざ戦場に出ると当前の事が過呼吸になり、低酸素状態になって判断が出来ないのが普通であり、今回新たに加わった3名は、戦闘訓練も受けていないので、咄嗟に銃も構えられないし、安全装置の掛かった銃で戦うのが目に見えているので、見学だけにして欲しい。
それが全員の安全の為だし、戦いはこれから否応無くやってもらうので、今回はプロがどう戦うのか見て学んでくれ」
「では先ほどと同じく、私と鬼山君のペアで2tのパネルトラックで、もう1台の2t車には逆髪ペアがのり、もう一台の4tパネルトラックには田嶋ペアが、田所君のペアはパジェロ改で露払いをお願いする」
「「「「「「了解!」」」」」」
俺達はセイヨーM2に向けて出発した。
主人公は女性に対してヘタレです、ニッコリ笑って睨まれると嫌な汗が滴るタイプですので
しかし男に対して基本突き放す方向で対処しますし、死刑容認論者です
特にサイコパスの人権は認めません、子共だろうと大人だろうと他人をイジメ殺し責め殺す存在は認めていません
基本同害原理の信望者ですので殺す者は殺される覚悟が無いなら何もするなと思っております
つまり「目には目を、刃には刃を、友愛には友愛を、恩には恩を」であり「情けは他人の為ならず」です
誤字脱字がありまたなら「一言」で良いですので
ご指摘下さい、直ぐに手直しします




