表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編

作者: RK

 高い場所に憧れていた。


 世界はキラキラ輝いていて、はやく上ろうと躍起になっていた。


 だが、それは段々と薄れて行く。


 いつの間にか日々に追われ、見えていたものは、輝いていたものは雲に覆われる。


 時は過ぎ去り、登ることをやめる。


 雲の下に降りてくれば、昔見た光景とは違うものにみえる。


 自分は変わってしまった。


 社会の雲に覆われて、目に見えるものがくすんで見える。


 いつしか、体にガタがきた。


 高く高く上ろうとした体は疲れを蓄積している。


 思い出が薄れ、過去を取りこぼす。


 そうして、体はそのまま、意識は昔に帰って行く。


 蓄積のない世界へと。


 知らない人が自分のことで争っていた。


 お金がどうの、介護がどうの。


 難しい話をしていた。


 よくわからないけど、大きな人は目が曇ってる。


 小さい子は私とあそぶ。


「おばあちゃん、一緒にあそぼ」


 私はおばあちゃんじゃないけど、子供の目に曇りは無い。


 ああ、高いところに雲がある。


 雲に覆われて見えなくないのか、心配だ。


 キミもあの雲に覆われないといいな。


 あれ、なにを考えてたっけ?


 そうそう、この子とあそばないと。


 なにしてあそぼっか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もう数年前に亡くなった祖母を思い出しました。 まさにこんな感じだったんだろうなって思います。
2013/05/14 14:20 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ