3rd お茶会とお遊戯
お茶に含まれる、とある成分がリラックスに有効であるという話を聞いたことがある。
「結構なお手前で」
ーそれはどうも。淹れたかいがあったというものだよ。ー
気が付いてから10分後、ようやく思考が動き始めた。
「なごんでるところ悪いんですけど、えっと・・・神様?」
ー何でしょう?質問があるならいくらでもどうぞ。ー
いくらでもというならいくらでも出てくるのだが、その中で重要度が高いものをピックアップする。
「それじゃ、遠慮なく。さっきの3つの道っていうやつ…神様の仕事って何?転生ってどんなところに?その場合記憶は?地球と違う………」
と延々とピックアップし続けて小一時間質問攻めをしたが省略。
簡単にまとめよう。
神様の仕事は所謂お役所仕事で、人の生まれと死を司っているらしい。お給料がちゃんとあるらしく、残業もない。お金は娯楽に使用するそうだ。
転生先は未だ戦乱の真っただ中で大荒れに荒れている日本の戦国時代によく似た場所。
ただ、建築様式は西洋。木材と煉瓦を使用するのが一般的らしい。
そして一番違うところは”魔法”があること。
生まれた血筋によってその力は増減するけれど一般生活に使用されるほど庶民的なものらしい。
転生するとしたらある程度位のある貴族に生まれさせてくれるらしいので魔法は使えるだろうとのこと。
また、記憶も今のままだそうだ。ただの高校生がチートな知識持ってるはずもないし妥当な決断と思える・・・ 普通なら。
食生活は”貴族であるなら”とりあえず大丈夫と言質をもらったが少々心配が残る物言いであった。
ーさて、ただ転生させるだけでは面白みがない、といって先代様が始めたものがあるんだが、興味はないかい?ー
質問が一通り終わったところで神様からの提案があった。
ーその名も”ボーナスゲーム”ー
ー君が勝てば好きな能力を1つと再戦権が与えられる。私が勝ったらそこでゲーム終了。どうだい?ー
・・・ノーリスクハイリターンと言われてやらない人間がいるだろうか。いやいるまい。
「こっちのリスクはなしですか?」
といっても後でなにかいわれるのも怖いので先に聞いておく。
ー特にないよ、ただこちら側が送り出すのもつまらないからと始めたものだしね。いわば道楽に付き合ってもらった駄賃というわけだ。ー
「お茶を出してもらった恩もある。分かりました、受けてたちます。それでゲームの内容は?」
言霊というぐらいだ。神様が嘘はつかないだろう。
怖いものがなくなったので即答した。勝てば勝つほどもらえるということは一回勝てるかどうか、という勝負であろう。異世界に手ぶらで行くのはとても、とても心もとないのでこれは勝つしかない。
ーでは説明しよう。ルールは簡単、交互に一から十までの数を足していって、二百を超えた数字を言った人の負け。どうだ?簡単だろう?ー
あー、あれか、よく小学生くらいの子供たちがやってる。
「理解しました。先攻はどちらに?」
ー君が選んでいいよ。ゲームはこちらで設定したんだからね、そのくらいのハンデは必要だろう。ー
「了解しました。では…」
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