最終88話 エピローグ ――あれからの世界
あれからしばらくの時が経ち、ロサイルとバレンアはエグレサッタ村で暮らしていた。
辺りはまだただの焼け野原だが、徐々に復興へと向かっている。現在の村民は4人。1人目はロサイル、2人目はバレンア。その他に2人の人がエグレサッタ村にやってきた。
「はぁ~、懐かしいね~畑仕事~」
「バレンア平和そうな顔をしてるな……」
「いや、実際平和だからね」
「まぁ、そうだが」
2人は畑仕事をしていた。村というだけあって、畑は大量にあるため、まだ焼かれていない場所がいくつかあったのだ。そこで2人は野菜を育てて、自分で食べる分と出荷する分を作って生活していた。
「それにしても、冬のエグレサッタ村はやっぱり寒いな~」
エグレサッタ村には、ファスニード大陸大戦終了後、初めての冬が訪れていた。それにどこか懐かしさを感じる2人だった。
雪は今日降るんじゃないかというラジオで聞いた予報。それを信じて2人は子供のように雪が降るのを待っていた。
「2人とも~ご飯できたよ~」
1人の女性がロサイルたちに声をかけた。そう、この人が3人目の村民だ。
「はいはい、今行く!」
「ナージャさんの料理はおいしいから、いくらでも食べれるよね~!」
その女性はナージャだった。フラージャの町にいたエグレサッタ村の生き残りの人だ。ファスニード大陸大戦終了をきっかけにエグレサッタ村に戻ってきたのだ。
そして、もう1人が……
「お疲れ。手を洗ってから食べなよ」
「あ~、お前が焼きまくったせいで復興作業が大変だ~」
「だから……いつもすまないと言っているだろう」
なんともう1人の村民はショウザン。自ら異端審問官を辞職し、エグレサッタ村の復興作業を手伝っている。主に出荷業者とのやり取りをやっている。
『いただきまーす!』
全員で声を揃えて言う。材料が足りていないので、白米と大根スープが昼食だった。
本当に平和に戻った世界を人々は堪能している。
何と新国王はヒョウルスに抜擢され、平和を第一とした世界が作り上げられている。
◆
昼食を食べ終わったとき、連絡船がエグレサッタ村に止まった。いつもは誰も降りてこないのに、2人の女性が降りてきた。そして、ロサイルたちの家に向かっていく。
「やっほー! 元気にしてる? ロサイル、バレンア君!」
「リ……リラ……」
「何ロサイル。その『うわ、来たよこいつ』といった表情は?」
何とリラがやってきたのだ。その隣にいるのはエリスだった。
ロサイルはリラに向かって突然言い出した。
「うわ、来たよこいつ」
「デンジャーストリー……」
「ちょっと待てぇえ! これ以上破壊されたら復興できないだろうがぁあああああ!」
「まっ、冗談だけどね」
ロサイルは落ち着いてその場に座った。そしてバレンアが聞き出す。
「それよりどうしたの? わざわざエグレサッタ村に」
「はい、ちょっと来てみたくなっただけです」
エリスがそう答えた。それだけで来るなよ、とロサイルはリラに対しては思った。
オーシャンアイランドはあれから変わらず、平和に過ごせているらしい。活発なバザールに、温暖な気候。潮風が気持ちいい南国の楽園。ロサイルはあの気持ちよさを忘れたことはない。
陰陽の隠れ里もエグレサッタ村と同様に復興作業が行われている。今はエリスとファルダンが住んでいるらしい。
どこもかも平和を胸に、進んでいるようだ。
冬、エグレサッタ村。今日も雪は降らず、快晴です。
その方が気持ちが暖かく感じます。
『今日も世界は平和です』
最後まで読んでいただきありがとうございます!
この作品は僕にとって初投稿作品ということで、拙い部分も多数あったと思います。
ですが、とても楽しく書くことが出来ました。
これも、今までに感想をくれた、KINU KAZU君、ライナ・リュート君、麟龍凰先生、ユッキー先生、鍵猫君、紅月 空君といった方のアドバイスや楽しみにしているといったメッセージのおかげです!
ユッキー先生に至ってはレビューまでしていただき、アクセス数、お気に入り登録数が急激にUPしました。
そして、最後に。
色んなIslandsを応援してくれた皆様に感謝をしたいと思います。
ありがとうございました!
また次回作にも来ていただけると嬉しいです!
では皆さん、さようなら!
本当にありがとうございました!