第85話 吸収
皆様のおかげで、色んなIslands、PV10000達成しました!
超今更ですけどね(苦笑)
あと3話くらいで完結です。
それまでお付き合いください!
では85話どうぞ!
炎の不死鳥、炎龍波SPで、とうとう勝利を手にしたロサイルたち――
――と、話はうまくいくはずもなく、教皇は必死で立っていた。ボロボロになった体を、ボロボロになった自分で支えている。
「……ここまで追い詰められるとは……これは、予想外でした」
教皇もまさかの反撃に驚いた様子。炎の不死鳥は想像以上に教皇の体に響いていた。
しかし、教皇も諦めるはずもなく、虹色球を発射し、ロサイルたちを再び壁に叩きつけた。
「ちくしょう……またこれかよ!」
「大丈夫だロサイル! この技は戦いの主導権を向こうに渡すだけで、致命傷にはならない!」
「それはどうかな……?」
バレンアたちの考えに対し、教皇は少しニヤッと笑いながら見ている。何かとっておきのものでも隠しているような……
それに気づいたときはもう遅かった。元々この球はあれだったことを。
「爆弾か!」
「ご名答」
虹色球は大きな爆発を巻き起こし、塔一面を包み込んだ。赤く染まった景色がバレンアたちの目の前に広がる。爆弾の一番近くにいる彼らが、一番大きなダメージを受ける。そんなのは誰にでも分かった。この爆発の大きさは尋常ではないことも見れば分かる。それから導き出せる答えも、誰でも分かる。
――――2人は死ぬ。
塔の屋根も貫き、壁も破壊され、頂上はとても殺風景になった。冷たい風の音しか今はしない。
教皇は空を見上げながら、手を広げ、叫んだ。
「私は勝った! 反逆者を殺し、世界を手に入れた!」
誰もが「そんな……」といった言葉を漏らさざるを得なかった。ウィニングウィンゲンツも、オーシャンアイランドも勝利したというのに、肝心のここで反逆組は敗れてしまった。
「私が新世界の王だ!」
誰もが肩を落としたそのとき……
「――と、話はうまくいくはずもなく……」
誰もが一瞬目を疑った。なんとあの爆風の中、ロサイルたちは生き残っていた。教皇も目を何回も擦りながらこちらを見てくる。
「どうして……生きている!?」
「炎の手の原点に戻っただけだ」
ロサイルの手の炎は、今までの10000倍といってもおかしくないくらいに燃え盛っていた。もともと炎の手は、炎の量を多く吸収することでパワーアップをする。バレンアも無事なのは、咄嗟にバレンアのところに左手を持っていき、その炎をも吸ってしまったからだ。その炎は肩まで、いや、自分の体を超えてしまうくらいの高さがあった。
ロサイルはその手でグーパーを2回くらいし、何か決心がついたかのような表情を浮かべてからバレンアに話しかけた。
「この状態で炎龍波を放っても、多分教皇は倒れない。そこまで甘い敵じゃないってことは俺達が一番分かってる。だから……」
それを聞いたとき、バレンアは少し涙を浮かべ、また、慌てて聞いた。
「まさか……!!」
「あぁ、放つしかねぇんだ……」
ロサイルは目を瞑りながら言った。
『体内炎龍波』
次話、決心を決めたロサイル! 激闘の行方は……?