第83話 頂上決戦の幕開け
塔の頂上にやってきたロサイルとバレンア。バレンアが不意に投げた爆弾が宣戦布告となり、頂上決戦が幕を開けた。
ロサイルは炎のチャージ状態のまま教皇の方へと走り、いきなり後ろをとった。
「チャージングキック!」
教皇の首元をしっかりと蹴る。見事にクリーンヒットだ。
しかし教皇はびくともせず、平然とその場に立っている。
そしてロサイルの方に手をかざし、呪文を唱え、魔法を発動させた。
「バーストボム」
教皇の手のひらから大きな爆発が起こり、その爆発はロサイルを巻き込む。かなりの大きさの物なので、食らったら大きな傷を負うに違いない。
いきなりロサイルは大怪我を負ってしまい、地面に倒れた。
しかしその隙にバレンアは攻撃態勢に入っていた。自分の周りに多くのトランプカードを纏わせ、それを教皇に向かって発射する。
52枚のトランプが教皇に襲い掛かり、教皇の服を破った。
「……想像以上だな。本当に純金鉱石を取り込んでいる奴と戦えるとは」
教皇が破れた服の部分を見ながらそう言った。
「そこそこの力を出さなければすぐ終わらないそうだな」
教皇は球を取り出し、魔法を発動させる。
「コントロールジャグリング」
すると教皇の手の周りで球が浮き、自由に動き回っていた。
教皇はバレンアに攻撃するように命令し、球は命令どおりに動き、バレンアに襲い掛かる。
しかしかわせないほどの速さではなく、バレンアはあっさりとかわしてしまった。だが、その場で球が光だし、その光はバレンアを包み込んだ。
「バーストボム」
気づくと教皇がバレンアの側にいて、ロサイルを倒してしまった爆発をバレンアにも食らわせてしまった。
バレンアもその大きな威力に耐え切ることは出来ず、地面に倒れてしまった。
その様子を見て教皇はポツリとつぶやいた。
「そう簡単には死んでくれないみたいだな」
「当たり前だろ」
ロサイルが後ろにいつの間にかいて、手をしっかり開いて教皇に向けている。
「炎龍波!」
レミーに大きな怪我を負わせた大技を教皇に思いっきり食らわせた。これもクリーンヒットだ。
さすがにこの技には耐え切れなかったのか教皇もかなり傷つき、地面に膝をついた。
「……やはりここまで来たことはあるな」
教皇の手は更に光だし、今までとは比べ物にならない技を発動させようとしていた。
「私も本気を出すとしよう。あなたたちを確実に殺すために」
そう言って教皇は大きな技を発動させた。
次話、教皇の最強技に立ち向かえるか!?