第77話 飛んだ刃と八つ裂きの場所
ラッキーセブン! ……どうでもいいか。
だらだらやり続けてとうとう77話まできちゃいました。
もうすぐ80話だな~。ちょうどそれくらいでオーシャンアイランド終わりそうです。
完結まであと少し!
こんな作品をいつも読んでくださってありがとうございます。
ジーラスはさっきと違った構えをとり、リラだけを見て、技を放った。
剣を縦に持ち、剣先を自分の方に向けている。左手でしっかりと柄を握っている。そして空いている右手を剣先に添える。そして一気に右手をおろした。普通は右手に穴が開いて血だらけになるところだが、ジーラスは何の怪我も負わずただ平然と立っている。
リラにも一体何が起こったのか分からなかった。ただ、「豪快にいく」とジーラスは言った。だから絶対的に大きな技なんだ、と、リラは考えていた。
そう、その攻撃は半端なく大きな技だったのだ。
リラの目の前に広がったのは、たくさんの数の刃が飛んでいる情景だった。
「行け!」
ジーラスがそう言うと、刃たちはリラに襲い掛かる。よく見るとジーラスは剣を持っていなかった。あの剣の刃の部分を小さな刃に変え、空中に飛ばした。しかもその刃はジーラスの命令どおりに動く。絶体絶命といっていいほどのピンチに陥ったのだ。
リラは襲い掛かった刃をかわしていくが、すぐに違う刃が襲い掛かってきているため、完全に全部避けることができなかった。
こうなったら、とリラが本からまた呪文を唱える。
「トルネードキラーガード!」
リラの周りを風の刃が包み込み、ジーラスが出した刃を弾いていく。もちろん何度も襲い掛かってくるが、その度に跳ね返す。もちろんあの刃の威力も落ちてくる。かなり好条件な状況へと一変した。
――――と、思ったのは、またもやオーシャンアイランド側の人々だけだった。
「嘘でしょ!?」
何と、そのトルネードキラーガードの中にジーラスが入ってきていた。剣を持っていないから戦えないとはいえ、あの瞬間にいつのまにかこの中に入ってきていたことに驚きだった。
「ん~、譲ちゃん、ちょっと危ないよな~」
ザメサがまたもやキルトに説明しだす。
「ちゃんと理解してるんやろか? こっちは国の護衛任されとるんやで? 剣がなくたって戦えるわ」
ザメサが言ったとおり、剣がなくたってジーラスは戦える。
ジーラスは、思いっきりリラのお腹を蹴った。
とても重い一撃で、リラはお腹を押さえてその場に膝をついてしまった。
「ぐっ……!」
「もはやここまでだな。普段ならここでやめるが、息の根を止める必要がある。死んでもらうぞ」
そう言って、ジーラスはリラの襟部分を掴み、トルネードキラーガードの風の刃の方へ投げた。
あのガードは全てが刃で出来ている。どんな人間も、どんなダイアモンドも、いずれは粉々になる。
そんな場所へ向かって放り投げられたリラ。
――――どうやっても、助かる方法はなかった……
次話、リラの運命は……!?