第76話 危険な暴風域
ザメサ扱いやすいっ!
関西出身の僕は、いつか関西弁キャラを使いたいと思っていたのですが、先走ってしまい、無理やり色Iに入れちゃいましたww
頑張って標準語にする必要ないからいいな~。
リラのウィンドトルネードをただの強風としか感じなかった近衛騎士隊長ジーラス。特訓を経てパワーアップしたはずの技が、隊長にとっては痛くもかゆくもない。少し髪が乱れただけだった。
すると今度はジーラスの方から仕掛けてきた。それにすぐ反応できたリラはすぐに構えを取る。
だが、反応できたと思ったのは、オーシャンアイランドの人たちだけだった。近衛騎士たちは安心した表情で見ていた。
そう、リラはもう斬られていたのだ。
「う……うそ……」
リラにはジーラスが地面を一蹴りしかしていないように見えた。そして、これからリラに攻撃を仕掛ける……はずだったのだ。
その光のような速さで斬ってしまった。これからではなくもう攻撃を仕掛けていたのだ。
「そんな……リラ皇女が……」
「あ……ありえない……」
島民の人々も驚きを隠せず、動揺していた。オーシャンアイランドの大将があっさりと斬られてしまったのだ。動揺するのも無理はない。
「あんな速さがこの世に……」
キルトも驚きを隠せず、ただただ言葉を失って見ているだけだった。
「あの人の凄いとこはここなんやな~」
ザメサが嬉しそうに見ていた。地面に座り、元々細い目を更に細くして、豊かな表情で言った。
「あの人の凄いとこはパワーやない。スピードや。あの譲ちゃんもあんまり苦しそうやないやろ? パワーやったら俺やノイキルの方が上や。でもそのパワーも当たらな意味ない。それで知らん間に負けとんや」
キルトにわざわざ説明した。キルトから見たザメサの表情は、ただ観戦を楽しんでいるように見えた。リラがどこまでジーラスに対抗できるか楽しみそうな雰囲気だった。
キルトは体勢を変えずに、またその戦いに目をやった。
ザメサが言ったとおり、リラはそれほどのダメージを受けていなかった。レミーの一撃のほうが重そうだった。
それからリラが反撃をしようとしたとき……
「遅いぞ」
またもや斬られてしまった。まだ全然立っていられるが、これを何回も受けているとダメージが蓄積され、終いには動けなくなってしまうだろう。
そうなる前に、と、リラは体勢を立て直すのではなく、本を開いて呪文を唱えた。
「トルネードキラーガード!」
体勢を立て直していられなくても、パワーのないジーラスならこの壁を破れないと思ったのだ。
見事にその作戦は成功し、体勢を立て直すことに成功した。
「やはりこの程度ではいかないか……」
「あくまでも大将なんでね!」
リラは再び呪文を唱えた。今度はリラから仕掛けていく。
するとリラは技を発動させず、魔法陣を自分の周りに持ちながら、ジーラスのところへと全力ダッシュしていった。そして、ジーラスの目の前で技を発動させる。
「デンジャーストリーム!」
発動と同時に空高く飛び上がったリラ。地面では風の刃がジーラスを囲んで攻撃をしている。そう、この技はただの強風ではなく、色んな物が混じって飛んでいる。台風時の暴風のように。その名のとおり、「デンジャー」な技だ。
出口がないと、どれだけスピードが速くても逃げられはしない。ジーラスはただ暴風が修まるのを待った。
暴風が止むと、体にかなりの傷を負ったジーラスがいた。
「……やはり一筋縄ではいかないようだな」
「一気に攻めてくのが私流だから!」
「見た目に似合わず豪快だな」
そう言うとジーラスは剣をさっきとは違う持ち方にし、リラに言った。
「だったら俺も豪快にいってみるか」
そういって技を発動させた……
次話、ジーラスが最大の技を発動!?