第70話 誓いが果たせず……
70話達成~!
みんな褒めて褒めて~♪
すいません。調子に乗りました。
これからもよろしくお願いします。
ファルダンはすぐさま村長に銃を向ける。そして迷うことなく発砲。
村長にはもちろん当たるはずなく、あっさりかわされてしまう。
「おーおー、容赦ないね~。ならこっちも本気で行くか」
そう言って村長は札を取り出した。それは新型の札、伏せ札だった。
「出でよ! 刃龍!」
その札から全身が刃物で覆われた龍が召喚された。普通の剣よりは切れ味がよさそうだ。
「伏せ札の……召喚獣!?」
それに驚いたのはエリスだった。正直ファルダンには何がすごかったのか分からなかった。
昔からある札、切り札は獣を召喚する物が多い。普通の陰陽師が使うようなものだ。
一方で新しい伏せ札は、武器や身体能力を上げる物が多い。
その伏せ札での獣を召喚するものは極めて少なく、『伝説の伏せ札』といわれるほどだ。
その獣が目の前にいる。力は計り知れない。
「どんなものであれ、僕が撃ち抜いてみせる」
ファルダンは銃口を刃龍に向け、すぐに発砲する。その弾は刃龍にしっかり当たった。だが、全身が刃物で覆われている刃龍にとっては、痛くもかゆくもない。
そして、雄叫びを上げながら、ファルダンに向かってやってくる。
ファルダンは必死でかわすしかなかった。近戦は全くといっていいほど出来ないので、ただただかわし続けるだけ。
――くそっ! このままじゃ……勝てない!
心の中でそう思った。時間稼ぎなんていうせこいことはもうしないと誓った。正々堂々と戦うことを誓った。だからこんなところで負けるわけにはいかない。
ファルダンはポケットから小さなハンドガンを取り出し、刃龍に向けて連射した。
でも、やはり全てを弾き返してしまう。
ただただ迫ってくる刃龍。少しでも触れたら即大怪我。そんなサバイバルの中で、ファルダンは必死に食らいついていた。
「おいおい……こいつ弱点とかないのかよ!?」
不意にそんな独り言まで言ってしまう。
すると、それに対して後ろから返事がきた。
「ないよ。弱点は。それと、逃げ道も」
そう、村長だった。
すでに小刀をファルダンに向けている。かわせる余地はない。
そして、村長はその小刀で一気に刺した。
大量の血が溢れ出した。
「すいません……エリスさん……」
そう言って倒れた。
真っ白な雪が、エリスの時と同様に赤く染まっていく。
「充分です、ファルダンさん」
エリスはすでに立ち上がり、戦闘態勢に入っていた。
回復妖精を2体召喚して、回復スピードを高めていたのだ。
「しぶといな、お前も」
「このまま死ぬわけにはいかないんで」
そしてエリスと村長の戦いが再び始まる……
次話、再戦!
ウィニングウィンゲンツもクライマックス!