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色んなIslands  作者: 桜二冬寿
最後の戦い
66/88

第66話 かけた命と危ない命

 バレンアがマジックによって出した無数の不死鳥。それらがレミーの出した炎の流星群に向かって飛び立っていく。

 不死鳥は決して死ぬことのない鳥。どんなに弾かれても、また立ち向かっていく。そうしているうちに、炎の流星群の数が減ってきた。


 終いには全てを消し、炎の流星群からの脅威は逃れた。

 そしてバレンアはランスの方を振り向く。

「さぁ、邪魔も消えた事だし、再開しよう……と、言いたいところだけど、やめにしないか? こっちにはまだ無数の不死鳥を持っている。あんたに勝ち目はないと思うんだけど?」

「はっはっは、本当に面白い奴だな。冗談もいいところにしとけよ。こんなとこでやめて教皇様のところへ行かす側近がどこにいる?」

「それもそうだよね……やっぱ戦うしかないか……」

「ああ、戦うしかない。それと、決して死なない鳥、不死鳥を持っていたら無敵気取りか……笑わせてくれる。不死鳥が死なないなら……」

 喋りながら、ランスは剣を突き出し、目に留まらぬ速さでバレンアの方に向かって走った。

 あまりの速さにバレンアは反応が出来なかった。

 そしてそのまま、肩に剣が刺さってしまう。

「不死鳥を持っている本人を殺すまでだ」

 バレンアはその場で膝をつき、肩を抑える。

 肩からは大量の血が溢れ出していた。肩を押さえている手も、すぐに赤色に染まってしまう勢いで。

 その場で苦しそうにしているバレンアに、ミーモとリキリョウが駆けてくる。

「おい、大丈夫か!?」

「大丈夫だよ……これくらい……」

 再び立ち上がって、バレンアはランスの方に向かって歩いていく。

 リキリョウはそれを見ているだけだった。

「……本当にこれでいいと思う、リキリョウ?」

「ミーモ……」

「だってこれじゃあ、今までの私たちと変わらない! ただ弱くて、見てるだけで……」

「…………」

 ミーモは泣きそうな顔で言った。それと同時に、リキリョウも頭の中で色んなことを考えた。

 ――ロサイルたちは、自分のやるべきことのために、自分の全て、命までをもかけている。俺らはどうだった? 復讐なんて、いいことではもちろんなかったが、命までかけたか? 死んでも成し遂げようと思ったか? 思っていなかった。だって俺たちは弱かったから。人に頼ってばかりいるやつらだから。今だって、ただ怖くてビクビクしているだけ。仲間のヴァームは、命をかけている。仲間のために。だったら……

 リキリョウは、ミーモのほうを見て、力強く言った。

「命……かけてみるか」

「うん!」

 2人はランスの方へ向かって歩き出した……


 *


 一方、炎の流星群の被害を受け、ほぼ生存不可能なロサイルは、何とか生きていた。(ヴァーム調べ)

 本人曰く、炎属性だったから、炎は左手に最大限吸収されたので、威力が落ちた、そう言っていた。

 だが、とても動ける状態ではなく、ただ地面に倒れているだけだった。

 そこに、あいつがやってくる。

「哀れだな。こんな形で最後を迎えるとは」

「…………」

 レミーは剣の先をロサイルに向けている。それを落とされたら、もうロサイルの命はない。

「私はお前を確実に殺す義務がある。お前には引っ込んでもらうぞ。移動封印!」

 すると、ヴァームの動きも封じられてしまった。まさに絶体絶命だ。

「さらばだ、エグレサッタ村の少年……」

 レミーは剣を勢いよく振り下ろした……

次話もバレンア&ロサイルです。

次々話からウィニングウィンゲンツの方をやっていきます。

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