第65話 炎の流星群
レミーが降らせた炎の流星群。それは本当に大きい物で、東京ドーム1個分くらいの大きさはあった。こんな大きさの攻撃がいくつも降るとなると、北デューナどころか、全世界が滅びるかとも思う。
しかし、ロサイルのような何も使ってない人間に、ここまで追い詰められた純金鉱石を使ったレミーの焦りがこの結果だろう。
こうして追い詰められているうちに、脳内はどんどん破壊という考えに侵食されてしまう。終いには、仲間や、教皇までをも傷つけるような行動に出てしまった。
哀れだなとロサイルは思う。
それより今はこの状況をどう切り抜けるかだ。
ロサイルは炎のチャージ状態になって、バレンアの元へと駆けていく。
するとそこで……
「逃がすか! ロサイル=クロウズ!」
レミーがロサイルに指を向けて、魔法を放った。
「移動封印!」
その魔法に気づくのが遅れたロサイルは、魔法を食らってしまった。攻撃魔法ではなく、痛くもかゆくもなかったが、動けなくなってしまった。
この状況で動きを封じられるのは非常にまずい。そのロサイルが動けなくなってしまった場所に、炎の流星群の1つがロサイルの方にやってきていた。
「嘘だろ……」
すごい勢いでこちらにやってくる。もちろん避けれるはずがない。ロサイルはもがいてその魔法を解こうとしたが、解けるはずも無く、ただただ炎の流星群がこちらに来るのを待つだけだった。
そして無残にも、ロサイルは炎の流星群を食らってしまった。
ロサイルの倒れた姿があった。どこにも力が入っていないような、まるで……遺体だった。
それに動揺せずに、バレンアはすぐに1つの炎の流星群に向かって飛んだ。
「ちょっとバレンア! お前死ぬ気か!?」
リキリョウが心配した表情で見ている。けどバレンアは炎の流星群に向かって飛び続ける。
「今は、あれを何とかしないといけないんだ」
そう言って、かぶっていたハットを、炎の流星群に向けて技を発動させる。
「ラージハット!」
するとさっきまでバレンアの頭の大きさだったハットが、みるみる大きくなり、結果的に炎の流星群の1つの大きさにまでなった。
そしてその穴に炎の流星群を入れる。
すごい勢いで、すごい力を持っているため、バレンアは耐えるのに無理があった。
バレンアの考えからすると、これからはじき返さなければいけないらしい。
(やるんだ。世界を救うために!)
バレンアの全ての力をここで出し切ったといってもいいくらいの力で、攻撃に耐えた。
すると、ハットの中から、たくさんの炎の不死鳥が飛び出す。
「行け! 炎の不死鳥!」
不死鳥は流星群に向かって飛び立っていった。
次話、不死鳥が炎の流星群に挑む!






