第64話 レミーの猛反撃
教皇がいる塔の入り口までやってきたバレンア、ミーモ、リキリョウの3人。その前に現れた教皇の側近。さすが教皇のいる塔の入り口というだけあって、門番は相当強いやつを出してきた。
「ならばやろうか。死んでもらうぞ、反逆者ども!」
そう言って目に留まらぬ勢いでバレンアに向かって走ってきた。ジェット機のような速さだった。
そしてそのままバレンアの心臓を貫いた。
「な……」
「嘘でしょ……」
リキリョウとミーモも、信じられないような目で見ていた。戦い開始早々にバレンアが心臓を貫かれてしまった。どんな頑丈なやつでも、心臓に深く剣が刺さったら死ぬだろう。
誰もがバレンアは死んだと思ったが……
「さすがは反逆者。器用だな」
「マジシャンに不可能なことはないのさっ!」
バレンアはすでに側近の後ろに立っていた。
さっきやられたバレンアの体は分身で、戦闘が始まる前からこういった仕掛けをしていたのだ。
それからバレンアは赤い球の爆弾を取り出し、側近に目掛けて投げつけた。
側近のところで大きな爆発音が鳴り響く。とても大きい爆発で、普通の人なら木っ端微塵になるところだが……側近は普通の人じゃなかった。
「そう簡単にやられはせんぞ!」
「やられると思ってないよ!」
バレンアはまた新たなマジック攻撃を用意していた。無数のトランプが側近に襲い掛かる。あまりの数の多さと速さに、さすがの側近もかわせなかった。いくつかの箇所を切ってしまい、血が出てしまった。
「お前、名は?」
「バレンア=ウルビーノ」
「ほう……あの天才マジシャンか。おれは教皇様の側近、ランス=キルエットだ。楽しい戦いが出来そうじゃないか」
ランスは嬉しそうにバレンアを見た。バレンアほど強いやつが久しぶりなのかもしれない。
ちなみにミーモとリキリョウはあまりの格の違いに腰が抜けていた。
*
レミーに炎龍波をモロに当てたロサイル。レミーは相当なダメージを負ったようで、結構苦しそうだった。
ヴァームはこれで勝負が決まったとも思っていた。そしてロサイルの成長ぶりにも驚いていた。
だが、こんなところで簡単に終わるレミーではなかったのだ。ロサイルはそんなこと、百も承知だった。
破壊に取り付かれてしまったやつが、1番破壊した奴を破壊できないで終わるはずがないと。
もちろん終わることはなかったのだが、そこからの攻撃には度肝を抜かれた。
「こうなったら、ここ全てを滅ぼしてやる」
「何!?」
そう言ってから、レミーは空に手をかざし、大声で技名を叫ぶ。
『炎の流星群!』
すると、本当に大きな炎の流星群がロサイルたちに襲い掛かった。その大きさは東京ドームと同じくらいと言っても過言ではなかった。
そしてその大きな流星群がロサイルに襲い掛かった……
次話、ロサイルの結末は……