第59話 開戦
旅行に行ってたため更新が遅れました。すいません。
いよいよ開戦です!
ついにこの日がやってきた。世界中が良い朗報を待っている中で始まるファスニード大陸大戦。ロサイルとバレンアはヴァームの家にいて、窓を通して外の様子を見ていた。たくさんの飛行機が南の島へと向かって飛んでいくのが分かる。そしてウィニングウィンゲンツにはたくさんの近衛騎士が戦車で向かっていた。
北デューナに教皇軍以外で残っているのはロサイルたちのみ。その他の住民たちは、1,2日前に違う場所へ避難をした。
「けどさヴァーム。お前たちは避難しなくてよかったのか?」
「当たり前だろ。俺たちは戦うためにしばらくここに住んでいたんだ」
これで教皇軍に反対するのは北デューナで6人となった。だが苦しい状況は変わらない。数々の近衛騎士や僧侶が襲ってくるに違いない。
するとバレンアが「だったら雑魚どもは一掃すればいいじゃん」と恐ろしいことを言ってきた。しかしバレンアは懐に爆弾を持ってるし、ロサイルの炎龍波を使えば難しいことじゃない。とりあえずその作戦を決行することにした。
「よし、行くぞ」
ロサイルたちは家を出て、教皇のいる大教会を目指した。
*
大教会にやってきたロサイルたち。そこの1番奥には教皇の姿があった。ロサイルたちの存在に気づくと教皇はロサイルたちに話しかけた。
「やはり来ましたか、エグレサッタの少年」
「当たり前だろ」
「本当にあなたたちには手を焼かされます。あなたたちがいなければ私の計画は完璧だった。以前、近衛騎士にも聞いたでしょう? あなたたちは死刑囚です。今から執行します。この場でね!」
すると、数え切れない数の僧侶と近衛騎士が襲い掛かってきた。
「さぁ、殺してしまいなさい!」
教皇の一言で全員が剣を構えて突進してくる。すると、近衛騎士たちの所で大きな爆発が起きた。近衛騎士たちは簡単に吹き飛ばされ、たくさんの者が倒れた。そしてその後に、赤い龍が飛んでくる。
「炎龍波!」
ロサイルの左手から出た炎の龍の衝撃波が僧侶達に襲い掛かる。僧侶達も簡単に吹き飛ばしてしまった。
「貴様ら……!」
「おい教皇。なめてかかるなよ。大怪我するぞ!」
ロサイルは剣先を教皇に向けて言った。そして教皇の方へ向かって走っていった……
*
一方ウィニングウィンゲンツでは、どんどん近づいてくる戦車の音が聞こえてきた。戦闘態勢はしっかり整っている。みんなはヒョウルスがこの日のためにつくったバズーカを構えていた。そして戦車が来たときにみんなで一斉に発砲した。
戦車は大きな炎を上げ、もう使い物にはならないほどに焼けてしまった。これで向こう側の大きな戦闘力の1つは免れた。
「ふ~、作戦大成功だな」
ヒョウルスもひとまずは安心した様子。だがこのままではもちろん終わらない。戦車の中からどんどんと出てくる近衛騎士たち。浅い傷を負った者がほとんどだった。そして戦車の中からエリスが1番恨んでいる人物が出てきた。
「お久しぶりです。村長」
「ふん、エリスか」
陰陽の隠れ里の村長だった。あの事件で村長は教皇とグルだった事を知り、エリスは絶対にファスニード大陸大戦に参加してくるだろうと思っていた。自分のところに来てくれるとまでは思っていなかったが、これはこれで好都合だ。
「村長、里のみんなの仇をとらせてもらいます」
「やれるものならやってみな」
こうしてウィニングウィンゲンツも大戦争が始まった……
次話、オーシャンアイランドにもやってきた教皇軍。