第57話 帰還
準備の様子って本当に書きづらいです。
オーシャンアイランドでの話ですが、めっちゃ短いです。
ご了承ください。
長い船旅の末、やっと故郷オーシャンアイランドに帰ってきたリラ。生温かい風、港に飛び交うかもめ。にぎやかな市場。何も変わっていなかった。
オーシャンアイランドで起きた海賊事件。あれからもう数ヶ月がたっている。そんな風に全く感じなかった。あの後ロサイルと一緒に旅立ったのだ。それが昨日の事のように感じてくる。
海賊に壊された市場も普通に再開している。リラはただホッとした。にぎやかな市場を通り抜けてオーシャンアイランドの城へと向かっていった。
リラの目の前に聳え立つ大きな城。半年振りに帰って来た。城に入ろうとしたとき、警備員の人に止められそうになったが、リラの顔を見て「失礼しました!」と深く頭を下げて入れてくれた。
海賊に荒らされてしまった城も、半年が過ぎると以前と変わらない様子になっていた。作りも何にも変わっていない。リラは王室へと直行した。
王室の前へとやってきたリラ。早速ドアを開けてみると懐かしい顔がいっぱいあった。皆が驚いた顔でリラの姿を見ている。
「リラ……皇女……?」
1番最初に声を出したのはユガだった。リラの側近でとっても優しいおばあちゃん。
「久しぶり。ユガおばあちゃん」
リラも笑顔で声をかける。
その後、リラの部屋でユガと話し合いをすることに。
「どうしてこんな急に帰ってきたの?」
ユガが普通に質問をする。今はファスニード大陸大戦がもうすぐ始まろうとする時期。今の状況で帰って来るのは不思議だった。
――――もしかして教皇軍がオーシャンアイランドに襲撃することを知らない?
ここは最南端の島。それに対して北デューナは最北端の町。ガルナタスのテレビ・ラジオ配線がヴァームたちに破壊されたため、情報が伝わりにくいのが現状だ。
「もうすぐ北デューナでファスニード大陸大戦があるのに……」
「行われるのは北デューナだけじゃないんだ」
「え? それってどういうこと!?」
「オーシャンアイランドは今となれば数少ない教皇の支配下じゃない島。ウィニングウィンゲンツで情報を得たんだ。襲撃されるのは支配下になっていないウィニングウィンゲンツとオーシャンアイランドだって。もちろん戦争の中心は北デューナだけど他の2つも激しい戦いになるに違いない。だから戻ってきたんだ」
「そうだったんですか……」
ユガも納得したようだ。この理由がなければすぐに怒っていたことだろう。そして何かを強く決心したような表情でリラに言った。
「なら、私も戦います。いや、オーシャンアイランド全勢力を挙げて戦いましょう!」
「うん!」
ユガは皆にそれを報告しにいった。
こうしてファスニード大陸大戦まで、オーシャンアイランドは戦いに向けての準備を進めていった……
次話、ついにやってきた北デューナ!
そこで戦いの準備が始まる。