第56話 それぞれの準備
めっちゃ短いです。
早くバトル描写がやりたいvazであった……
ファスニード大陸大戦に向けてそれぞれの行き場所へと向かう4人。ロサイルとバレンアは北デューナ、リラはオーシャンアイランドへ向かっている。エリスはウィニングウィンゲンツで待機だ。
そして雪道を通って北デューナに向かうロサイルとバレンア。そこでバレンアがふとこんなことをつぶやいた。
「本当にここまで来たんだね……」
「……本当だな」
ロサイルたちには実感というものがあまりなかった。ついこの前まではしゃいで遊んでた少年達が、世界を変えるべく北デューナに向かっているのだ。バレンアが旅立ったのも、エグレサッタ村が滅ぼされたのも全てが昨日のことのように感じる。
「もうこれはエグレサッタ村の皆だけの思いじゃないよね?」
「当たり前だろ。滅ぼされたところ……国民の思いを背負ってるんだ」
その答えを聞いてバレンアはニコッと笑った。
そして寒い寒い道を通っていった。
*
ウィニングウィンゲンツから船に乗ってオーシャンアイランドを目指すリラ。その距離はとても遠い。ウィニングウィンゲンツは北のほうにあり、オーシャンアイランドは最南端の島だからだ。
というわけで、長い船旅になるのだが……
「ははははは! 気持ち悪い!」
久しぶりの船にいきなり船酔いしたリラ。だからトイレの近くにいるのさっ!
そんなことはどうでもいいのだが、リラは1つ思うことがあった。
――――今の私の力で勝てるだろうか?
リカトル村の事件以来、ずっとその事が気になっていた。あの時リラは純金鉱石によって絶大なパワーを手に入れたレミーにあっさりと負けてしまった。その事がずっと気になっている。私は弱いんじゃないかと。
またその事を思ってしまったリラは、リュックの中から本を取り出し、酔いながらも解読し始めた。
船はオーシャンアイランドへと向かっていく……
*
ウィニングウィンゲンツに残ったエリスはヒョウルスのところに泊まる事になり、陰陽師について色んなことを学んでいた。
札を出すベストタイミングの話や、獣と身体強化とのコラボ技などだ。
「これが、『狼斬』という技だ」
「斬殺狼と光の帯剣ですか……」
今教わっているのは狼斬という技。使う札は斬殺狼という伏せ札。それと光の帯剣という切り札だ。この2つにより、とてもすごい剣技が出来るのだ。
「でも……どっちも使ったことない札なんですよね」
「樹氷の森で試しに使ってくるといい」
そういわれたエリスはすぐさま樹氷の森を目指し、狼斬を試しにいった。
世界を変えるために……
それぞれが目的を果たそうとしている。
ファスニード大陸大戦まであと2週間と3日。
次話、長い船旅の末、オーシャンアイランドについたリラ。
懐かしい人たちと再会。