第52話 大戦へ
大激戦の首都デューナ・大戦争へのカウントダウン編終了です。
ロサイルたちは樹氷の森を進んでいき、とうとうウィニングウィンゲンツに到着した。真っ白な雪で覆われた村は、太陽の光で雪がキラキラして、村も輝いているようだ。
「ここがウィニングウィンゲンツか……」
何だかエグレサッタ村に似ているように感じたロサイル。もちろん北にあるので寒いのだが、何か違う温かさを感じる。
「あ! お客さんだ!」
「へ?」
村の少年が大きな声でロサイルたちを見て言った。
「お前ら、どこから来たんだ?」
「俺とこのマジシャンはエグレサッタ村、こっちの女の子が陰陽の隠れ里だ」
「エグレサッタ村? ……てことは、ヒョウルス=クロウズと知り合いか?」
「はい!」
「そっかそっか。俺について来い。案内してやるよ。そういや自己紹介がまだだったな。俺はファルダン=ウォーストだ。さ! 着いて来い!」
ロサイルたちはファルダンに案内されて、ヒョウルスの下へ向かった。
*
「だいぶ進んできたかな」
リラはすでに樹氷の森に入っていて、今は大きな広場にいた。真ん中にある噴水の水が凍りついていて、太陽の光で反射してとても綺麗だ。
リラは地図を広げ、現在地と目的地との位置関係を確認した。
「おー! もうすぐじゃん、ウィニングウィンゲンツ!」
やっとロサイルたちと合流できる。合流して話したいことがたくさんある。リカトル村から今まで何があったか。そして、ファスニード大陸大戦のことも……
リラは目的地であるウィニングウィンゲンツを目指して走り出した。
*
「教皇様。いよいよ3週間後に大戦が行われます」
「ははは。ついにこの世界が私のものになるんだな」
ここは北デューナの教会。教皇がいる部屋には、異端審問官のレミーがいる。ファスニード大陸大戦まで残り3週間。その時にファスニード大陸が教皇のものになる。
「本当に大きな戦争になりますよね。大陸全てを敵に回すのですから」
「他にもオーシャンアイランドやウィニングウィンゲンツにも使節を送るからな」
ファスニード大陸大戦は主に北デューナで大きい戦いがあるが、協会側はまだ占領できていないオーシャンアイランドとウィニングウィンゲンツにも使節を送り、各地で戦争を起こすそうだ。
「さぁ、準備を始めようか。ファスニード大陸大戦の……」
こうしてファスニード大陸大戦への準備が始まった。
開戦まであと3週間……
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