第48話 教会の資料
ロサイルたちはすぐに教会へ向かった。海の上に聳え立つ教会がライトアップされていて、とても綺麗だった。大きな橋で教会と中央デューナは結ばれていて、長い長い橋をロサイルたちは渡っていた。
その時、橋の真ん中で1人の男性が倒れていたのに気づく。お腹から血を出していて、とても苦しそうだった。一応息はしている。
「もしかして……ショウザンか!?」
ロサイルはすぐに駆け寄った。あの杖にマント。間違いなくショウザンだった。
ロサイルの声を聞いたショウザンは、苦しそうにゆっくりとロサイルたちのほうを見た。
「ああ……ロサイルか」
正面から見ると凄い傷だった。いつもの青いマントが赤色に染まっている。背中からも出血しているようだ。
「どうしたんだよ!? その傷!」
「君の言うとおりにしただけだ。僕の信じたことを行動に移した。そうしたらこうなったんだよ」
「ってことは……教皇にやられたのか」
すぐに推測できた。ショウザンを殺そうとしたのは教皇だ。ショウザンはきっと村を破壊する政策に反対したのだろう。そしたら……このざまか。どこまで頭の逝ってるやつなんだ、教皇は。
「すまないが救急車を呼んでくれないか? ついでにその少女も乗ればいいだろう?」
「ああ、分かったよ。教会の電話借りるぞ」
「ああ」
ロサイルは教会の中に入っていった。綺麗な女神の像が立っている。そこから前の方にあるドアを通ったところに電話があり、それを取って救急車を呼んだ。
橋の上へと戻ってきたロサイルは、ショウザンに救急車を呼んだことを伝えた。
「ありがとなロサイル。その代わりと言ってはあれだが、教会の中は自由に見ていい」
「いいのか?」
救急車がやってきて、ショウザンは運ばれた。
「当たり前だ。俺たちはもう……見方なんだからな……」
ショウザンはそう伝えて病院へ向かった。
その後、ロサイルたちは教会の中に入っていった……
*
ロサイルたちは資料が集まっている場所に行き、今回のことについてしっかりと読んだ。
----村町化政策
村、里、集落などを破壊し、発展した町を作る政策。このことについては、村民等の命は考えずにすぐに破壊してしまう。村民は発展した世界にするための必要な犠牲と考えろ。
上のが今回の政策の内容だ。村民の命を必要な犠牲と書いてある。……悲しいやつらだな。人を犠牲にするなんてな。必要な犠牲といわれた奴に支えられてこの世界があるのにな……
その資料をそっとしまった。
それから教皇たちの居場所も調べた。行った場所は『北デューナ』。名前の通り北にあるデューナだ。そこで……全てが終わるのかもしれない。この腐った世界の終了。それを夢見て……
教会を出たロサイルたちは、教皇たちが向かった北デューナに向かおうとした。すると……
「お前達がエグレサッタの少年率いる集団か……」
1人の近衛騎士がやってきた。
「俺の名はデラス=クラースケン。近衛騎士だ。お前たちは異端審問官を怪我させた。教皇様への反抗という重罪を犯した。俺について来い。お前らは……死刑だ」
「は?」
いきなりの死刑宣告。どうなるロサイルたち……?
次話、ロサイルたちはどうする……?