第45話 笑顔の世界に……
小さな村のマジック編完結です。
ショウザンとの戦いを終えたロサイルは、リカトル村を目指して歩いた。ボロボロになった服の影響で少し肌寒かった。
歩くこと数分、ロサイルはリカトル村についた。
「これは……」
今のリカトル村を見て、何も言えなかった。来たときはあんなに活気のある村が、今はもう焼け野原だ。村民は誰1人いない。宿屋があった場所に誰かいたのは分かった。格好を見て、すぐにバレンアだと理解する。
「あ! ロサイル!」
ロサイルに気づいたバレンアがこっちにやってきた。エリスもこっちを見た。だが、とても不安げな表情だった。
「あの異端審問官とは……?」
「俺が勝った。色んな情報を聞き出せたな。……それより……」
ロサイルの目に入るのは、やはり今のリラの状態だ。ショウザンのいう事が当たっていた。すぐにやられたかは分からないが、かなりの怪我を負っている。しばらく目を覚ませないだろう。
「それとロサイル君……言わなきゃいけない大切なことがあるんだ……」
エリスが強張った表情で言った。
「大切なこと?」
「うん。この先に、キソーリャ、エブナーファがあるでしょ? そこ……レミーに破壊されてしまったの」
ロサイルは驚いた表情を浮かべた。その表情は次第に怒りと化した。
ロサイルは何も言わず、リラを背負い、2人に言った。
「だったら、デューナに行くまでだ。あそこなら、リラの治療もちゃんとしてくれる」
「そうね。行きましょ!」
「……僕も行っていいかな?」
バレンアがしぶしぶ言った。
「僕、皆を楽しませるためにマジシャンになったでしょ? こんな世界じゃ……誰も楽しめないと思うんだ。だから……一緒に行かせてくれ!」
バレンアは、その場で頭を下げた。
ロサイルとエリスは、目を合わせてうなずく。
「当たり前だろ! こっちこそよろしくな!」
「一緒に世界変えよ!」
「よし! そうと決まれば、デューナへ行くぞ!」
『おーー!!』
かくして、4人はデューナへと向かっていった……
*
ショウザンは、デューナにたどり着いた。
「あら? 結構遅かったのねショウザン」
レミーが笑顔で出迎える。
「……まぁな」
「純金鉱石って最高ね。だって、あんなにも簡単に色んなもの破壊できるんだもん」
「……」
ショウザンは黙って聞くしかなかった。
「ご苦労だったな2人とも」
ある人が2人に声をかけた。
すると、2人はすぐに礼をする。
「特にレミー。なかなかの活躍だった」
「ありがとうございます」
「まさか……エグレサッタの少年がここまでしぶとくやりますとはね……正直驚きです。次はおそらくここに来るでしょう。そこで……確実に息の根を止めなさい」
「……」
「かしこまりました……」
『教皇様』
次回は設定です。