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色んなIslands  作者: 桜二冬寿
小さな村のマジック編
43/88

第43話 レミーの意思

ロサイルとショウザンは変わらず激しい戦いを繰り広げていた。

だが、まだフォース技が敗れないロサイルの方が、若干不利だった。

ショウザンは、炎のチャージのスピードにもちゃんと付いていっている。

「ロサイル……君も分かってるだろう?君のスピードじゃ、僕には勝てない」

「そんなこと知るか!」

ロサイルは、左手にグッと力を入れた。炎の球をショウザンに向けて投げる。

「こんな遅い球、通用しない」

あっさりとかわしてしまったが、かわした先には、炎のチャージ状態のロサイルがいた。

「しまっ……」

「チャージングキック!」

炎が飛び散るキックは、ショウザンにクリーンヒットした。

ショウザンは、その場で膝を付き、蹴られた腹部を押さえた。

「くそ……君は不意打ちが上手だね……」

「お前は学習能力がないんじゃないの?」

「……ははは。それはこっちの台詞さ」

そう言うと、ショウザンは光に包まれて消えてしまった。フォース技だ。ロサイルも少し戸惑ったが、ニッと笑みを浮かべた。

「いつものパターンでいくと……」

まず、今の俺の方向の後ろに出てくる。その後、振り向いたときの後ろをいつも突かれる。……ということは……

「今向いてる方向に斬ればいいんだ!」

ロサイルは思いっきり剣を振った。……だが……

「残念。今度は早すぎたね」

後ろからズバッとショウザンに斬られた。

かなり深く斬られたようで、立つことが困難になった。

「ははは……またこんな展開か……」

ロサイルがそう言った。そして、剣を両手で握った。

「お前も来いよ……あの時の戦いみたいにさ……」

そういわれたショウザンは、笑みを浮かべて、両手で剣を握った。

「いいだろう。これで終わりにしてやる」

2人は一気にパワーを注入させた。そして、それを解き放つ。

「炎のビーム!」

「光のビーム!」

2つの光線が、一直線に飛び出した……


         *


バレンアとエリスは、急いでリカトル村へと走っていた。大きな爆発があったのは、何かの危険信号のようだった。

そして、頑張って走った結果、早くにリカトル村につくことが出来た。しかし……

「凄いことになってるな……これ」

バレンアたちが見た光景は、灰になったリカトル村だった。

「とりあえず、ここでリラさんの応急処置をしましょう。こんな状態だったら、誰も近寄らないでしょう」

エリスは、リラが持っている救急箱を取り出して、応急処置を始めた。バレンアは、異端審問官に警戒しながらリラを見守っていた。


リラの応急処置が一段落ついた時に、村に誰かが入ってきた。

「誰だ!?」

バレンアは入ってきた人に問いかける。

「おや?その姿は……陰陽の隠れ里の少女と、死に掛けのリラ皇女、そしてマジシャンのバレンア君か?」

正体は、異端審問官のレミーだった。凄く満足そうな表情で、こっちを見ている。

「何しに来たんだ?ここにはもう用はないはずだ」

バレンアが険しい表情で問いかける。

「おっと、そんな怖い顔をしないでくれよ。私はショウザンを迎えに来ただけなんだけど……結構手こずっているようだね……」

「……」

「君達に伝言を頼むよ。レミーは先にデューナに行ったって伝えておいてくれ」

そう言って、レミーは村を出ようとした。

「ちょっと待てよ!」

「どうしたんだい、バレンア君」

バレンアが大きな声でレミーを呼び止めた。

「何で、こんなにも村を破壊していくんだよ……」

「教皇様の命令でね……こういったちっぽけな村を、素晴らしく発展した町に変えるためだよ」

「そんなことのために……温かい村を壊してるって言うのかよ!?」

「そういうことさ」

「テメーは間違ってると思わないのか!?」

「思わないな。むしろ正しいさ」

バレンアは我慢の限界のようだ。一気にレミーに突っ込もうとした。だが、それをエリスが止めた。

レミーはクスッと笑いながら村を出て行った。


「何で止めたんですか!?」

「いま突っ込んでたら、確実に死んでたよ」

その返事が返ってきて、バレンアは歯を食いしばるしかなかった。

「それより……ロサイル君は大丈夫かな……?」

「大丈夫です。あいつは勝ちます」


そして、3人はロサイルの帰りを待った……

次話、ロサイルVSショウザン決着です。

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