第37話 マジックとリカトル村
新章です!
ガルナタスを後にした3人は、リカトル村へ向かっていた。
「リラ。お前いつチラシなんかとったんだ?」
「ガルナタスでとったんだ。今日明日、サーカスとかマジックとかあるみたいで……」
「サーカスですか……おもしろそうですね!」
どうやら、リカトル村では今日明日にサーカスとマジック大会があるようだ。
「なあリラ!それ見に行こうぜ!」
「いいよ。でも、サーカスは時間的に見れないね」
「じゃあ、マジック大会を見ましょうよ」
田舎者のロサイルとエリスは、どちらかというとサーカスの方が見たかったんだろう。でも、マジックにも興味津々だ。
そのまま、リカトル村へ向かっていった。
~リカトル村~
リカトル村は、サーカスを終え、マジック大会がもうすぐ始まろうとしていた。
「お!いいタイミングじゃん。ほら、ロサイル!エリスさん!」
「「おーー!」」
ロサイルとエリスのテンションは最高潮だ。
すると、司会がステージに上がってきた。
「さぁ!本日の第2イベント!マジック大会を開催します!本日は、話題沸騰中のこの方に来ていただきました!どうぞ!」
司会がそう言った後、後ろのほうから人が出てきた。もちろんそのマジシャンだ。
その時、ロサイルは目をこすった。
あの黒いマント、ステッキ。そこだけでは何の変哲もないが、特徴的な赤色の帽子。懐かしい感じがずっとしていた。その男の名は……
「話題沸騰中のマジシャン。『バレンア=ウルビーノ』さんです!」
「バレンア……」
バレンアとは、ロサイルの幼馴染でエグレサッタ村の出身だ。戦争の1日前に一流のマジシャンになるべく旅立ったのだ。
バレンアが何回かマジックをやっていくが、小さい頃から練習していたものばかりだった。
それが、ロサイルにはちょっと嬉しかった。
大盛況のまま、マジック大会は終了した……
~バレンア・楽屋~
「ふぅ~~……お疲れ!」
「お疲れ様です」
マジック大会を終えたバレンアは楽屋にいた。
すると、1人のスタッフが話しかけてきた。
「ウルビーノ様。お客様がお見えになっておられます」
「え~……帰しておいてよ。本当に知り合いか分からないし……」
「しかし、同じ出身地だと言っておられるのですが……」
「同じ出身地……」
「よ!」
すると、スタッフの後ろから声が聞こえた。
「ロサイル……ロサイルなのか!?」
「そうだけど。バレンア」
久しぶりの再開に、2人とも嬉しそうだ。
「私たちは席を外しましょうか」
「はい……」
スタッフの2人は楽屋を出て行った。
「ロサイル。どうしてここに……」
「エグレサッタから来たんだ。知ってるだろ?異端審問官が村を破壊したこと」
「うん……てっきりロサイルも巻き込まれちゃったと思ってて……」
「バーカ。そんな簡単に死ねるかよ」
その日は、ずっと話をしていた。
エグレサッタの事、マジックの事、教皇の事。とにかくたくさんだ。
「でさ、ロサイル。そっちの2人は?」
バレンアが言っている2人とは、リラとエリスのことだ。
「こいつらは、一緒に旅をしている仲間だ」
「リラと申します」
「エリスです」
「僕はバレンア。ロサイルの幼馴染なんだ」
そこからは、4人で話し合い、楽しい1日を過ごした。
その夜……
「ここがリカトル村ね」
「ああ、明日から破壊する村だ」
次話はあいつらも出てくる……