第34話 あっけない戦い
遅れてすいません。
「伏せ札!光の盾!」
エリスが現代の札、伏せ札を出すと、光に包まれた盾がヴァームの槍をはじき返した。
そのまま、弓剣を構えてヴァームとピッチに突っ込んでいった。
「食らいなさい!!」
一気に突き刺す勢いで、突っ込んでいくエリス。
そっからまさかの一言が……
「ひぃぃぃ!!ごめんなさい!」
エリスの勢いが消え、しばらく沈黙が続く。
(今こいつ、ごめんなさいって……)
エリスは、弓剣の先端部分をヴァームに向けてみた。
「ひいぃぃぃ……」
弓剣の先端部分に完全にびびっている事が判明。何だか弱いものいじめをしているようだ。
エリスとヴァームは話し合った。
「あの……もしかして先端恐怖症?」
「そんなことないよ!全部が怖いよ!」
先端恐怖症より酷かった。
「ふっ……今ので分かったさ。僕には防御力が足りないのさ」
まだ頑張ってクールキャラを演じようとするヴァーム。横にいる犬のピッチは捨て犬のようになっていた。
「あの……それより聞きたいんですけど……」
「何ですか?」
いきなりの敬語だ。
「何でガルナタスを破壊しようと思ったんですか?」
「それは、他の決着がついてからだ。まっ、ミーモは多分やられてるだろうな。あいつも俺と同じ、強がりだ。だが……リキリョウは強いさ。結構バカだけどな」
(てことは……あとはロサイル君にかかってるんだ……頑張れ、ロサイル君!)
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その頃のロサイルとリキリョウ
スピードは全然ないが、パワーはとても凄かった。ロサイルがいる地面も地割れになっている。あれをくらったらひとたまりもないだろう。防御力も凄まじいリキリョウには、ロサイルの攻撃は全く効かなかった。フラージャで取得したチャージングキックもだ。
「ほら!少年!かわしてばかりじゃ勝てないぜ!」
「くそっ……」
もちろんスピードが速いロサイルは、攻撃をかわせてはいた。
しかし、攻撃も効かないので、勝てる確率はなかった。
「そろそろ死んでもらうぜ」
上にかわそうと思ったロサイルだったが、上にリキリョウがいた。
「しまっ……」
「終わりだ。少年。ダイヤモンドパンチ!」
ダイヤモンドを握ってパンチしてきた。
ロサイルは終わった……そう思った。……しかし。
「ん?」
リキリョウの手から、赤い液体が出ていた。それは血だった。
「いって~~~!!手ぇ切った!」
どうやら、一番硬いダイヤモンドを握りすぎて血が出てきたようだ。
「いって~!いって~!!」
ダイヤモンドがこちらに転がってきた。
何だか面倒くさくなってきたロサイルは、ダイヤモンドを大きく上に投げた。それをめがけてキックした。
「チャージングキック!!」
炎をまとったダイヤモンドがリキリョウに襲い掛かる。クリーンヒットし、リキリョウはその場に倒れた。
「ふぅ……一件落着」
まさかで、2つもあっけない戦いとなった……
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