第22話 破壊された里
陰陽の隠れ里編終了です。
リラの時と違って、悲しく終わりました。
ど~~~ぞ
~エリスVS村長~
もがけばもがくほど溢れ出てくる血・・・エリスの肩からは大量の血が止まりそうになかった。
「いいかエリス。わしは、この里を滅ぼす。そしてわしの手で、世界を変える。」
「絶対・・・させ・・な・・・・い・・・」
エリスの体は思うように動かなかった。
自分の体なのに、操れない。
「じゃあな、エリス。お前はそこで一生見ているがいい。世界が変わる瞬間を・・・」
そう言って村長は姿を消した。
エリスは貧血症状、いや、死に至る程の出血だ。
エリスは静かに目を閉じた・・・
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~陰陽の隠れ里~
「傷つけずにって・・・案外できない!!」
リラは苦戦していた。
里の人に言われた、傷つけずにということにだ。
「お困りのようだね。」
「えっ!?」
そう言ってやって来たのは、異端審問官のショウザンだった。
「どうしてあんたがここに・・・ロサイルは!?」
「彼となら決着がついたよ。引き分けだ。」
「そう・・・で、何の用?」
「狼を消してあげるよ。」
「は?どういう風の吹き回し?」
「勝者には賞品をあげるものだろ?引き分け自体情けないことなんだ。」
「・・・」
「だから、村長以外は敗北ってわけさ。」
「え!?ちょっと待って!!!じゃあエリスさんは・・・」
質問を聞く前にショウザンは狼を札に吸引した。
「じゃあな、用はそれだけだ。」
「ちょっと待って!!!エリスさんは!?!?」
「さぁ?知らん。洞窟に行ってみたらどうだ?」
「・・・っ・・・」
「村長にやられてんだ。多分、血まみれだろうね。」
「・・・次もし戦ったら・・・絶対あんたを許さないからね・・・・」
「ふん、勘違いするな。俺が戦うのはロサイルだ。君じゃない。」
リラはまだ、怒りを抑えきれない様子だった。
「じゃあな、今度会うときはレミーも強くなってるよ。」
「ロサイルもね・・・」
そう言って、ショウザンは里から出て行った。
リラも急いで洞窟へと向かった・・・
「はぁ・・・はぁ・・・」
リラは洞窟へ向かっていた。
その道中・・・
「おっ!リラじゃん。」
「ロサイル!!!!!」
「どうしたんだ?そんなに急いで。」
「ロサイル、洞窟に一緒に来て!!」
「へ?何で?」
「エリスさんが危ないかも知れない。」
「・・・分かった。」
2人は急いで洞窟へ向かった。
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2人は洞窟につき、中に入った。
その中で見た光景は・・・
「エリスさん!!!!!!!」
血まみれになったエリスが倒れていた。
「大丈夫!?エリスさん!!」
「リ・・・・・・ラ・・・・・ちゃ・・・・・・・・ん・・・・・・・・」
「あまり喋らさない方がいい。」
「うん。」
「ひとまず陰陽の隠れ里に連れて行こう。」
「分かった!!!!」
ロサイルがエリスを背負って陰陽の隠れ里に向かった。
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「ん・・・・・・・」
「「目が覚めた!!!!!!!」」
「リラちゃん。ロサイル君。」
「は~~~~~良かった~~~・・・・」
「ああ、本当に。」
3人はかろうじて形が残っていた宿屋にいた。
ロサイルとリラは、そこにあった救急箱を使って応急手当をしたのだ。
そのおかげで、起き上がったエリスが2人に問いかけた。
「ここは・・・・どこ・・・?」
「・・・陰陽の隠れ里だよ・・・」
それを聞いた途端にエリスの顔が蒼白になった。
「もしかして・・・これ村長が・・・?」
「うん・・・その通りだよ。」
「・・・さっき戦った時、村長に言われたんです。『俺は世界を変える。お前は一生そこで見ていろ。世界が変わる瞬間を』って。」
「・・・」
「私は、今の村長が作る世界なんて見たくありません。」
「私もそんなの見たくないよ。」
「俺もだ。ま、今もどうかと思うけどな。」
「ところで・・・2人はこれからどうするつもりなのですか?」
「一応、フラージャの町に行こうと思ってるよ。」
「あの~・・・私を一緒に連れて行ってもらえませんか?」
「「え?」」
「目的が違うかもですが・・・阻止したいんです。世界が変わる瞬間を・・・」
「どうするリラ?ちなみに俺は、一緒だぜ。目的。」
「私も気が変わった。阻止したいよ、この世界。」
「決まりだな・・・」
「「一緒に行こう!!!」」
「お願いします・・・」
エリスは、2人に手を引っ張ってもらって立ち上がった・・・
次話は、フラージャの町へ!!!