第20話 それでも恩人だった・・・
20話です!ついに!
そして、遅れてすいませんでした。
~ロサイルVS異端審問官~
「終わりだ・・・エグレサッタの少年・・・」
異端審問官の魔法陣から、一筋の光線が飛び出た。
「くそっ・・・」
ロサイルは、かわす予知が無かった。
大きな爆発音が、森中に響く。
ロサイルは、その場に倒れた。
「哀れだな、エグレサッタの少年。炎の手は、あまり意味が無かったな。」
豪雨は、次第に止んでいった。
「じゃあな、エグレサッタの少年。」
「じゃあな、じゃねぇよ・・・」
「!?」
ロサイルの手には、赤い炎があった。
「何故、炎の手が・・・!?」
「ここで、死ぬわけにはいかねぇんだ。」
「そうか、怪我人だからといって、手加減はしないぞ。」
「当たり前だ!!」
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一方、陰陽の隠れ里は・・・
たくさんの動物が、札から出ていた。
狼を殺すために・・・
「はぁ・・・はぁ・・・!何?あの狼?」
リラが、陰陽の隠れ里に着いた。
「とりあえず・・・助けなきゃ!!」
リラは、里に入っていった。
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「とりあえず、聞こう。何故、炎の手が発生した?ライトビームは、光線ではあるが熱はないぞ。」
「感覚がくるった。」
「は?」
「例えばさ、ずっと雪を握った後離すと、時間がたつにつれて、温かくなってくるからな。」
「なっ・・・」
「つまり・・・お前の氷が役に立った訳さ。」
ロサイルは剣を炎の剣にし、構えた。
「ははは・・・なるほど。対策としてだした氷が、チャンスになったんだな・・・」
そう言って、異端審問官は魔法陣を描いた。
「スコーーー・・・・」
「ル」を言う前に、ロサイルは、異端審問官の後ろをとった。
「速・・・」
ロサイルは、左手で異端審問官を殴った。
異端審問官は吹っ飛ばされた。
「ぐ・・・くそ・・・」
「そんな小細工・・・もう通用しないぞ。」
「その様だな・・・小細工はやめよう。」
すると、異端審問官は杖の先を引き抜いた。
「へぇ・・・それ剣になってるんだ・・・」
「これが、小細工はやめようを意味する・・・」
「なるほど・・・」
「行くぞ・・・エグレサッタの少年!!!!!!!」
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一方、エリスはというと・・・
「村長・・・何故私を襲わないのですか?あの狼は・・・」
「狼は、お前を襲う気などないよ。ただ・・・違うものは襲うけどね・・・」
「何を襲うんですか、あの狼は。」
「さぁね・・・一つヒントをあげるよ。お前にとって大事な物・・・だが、今のわしにはいらん物だよ。」
エリスの顔色がだんだん悪くなっていった。
「まさか・・・!?」
「そう・・・陰陽の隠れ里だよ。」
エリスの目つきが厳しくなった。
「村長ーー!!!!!!!」
エリスは、村長に向かって突っ込んでいった。
弓剣を構えて・・・しかし。
「むやみに突っ込みすぎだ・・・エリス。お前の悪いところだ。」
気づけばエリスの肩から、大量の血が出ていた。
その場に膝をつくエリス・・・
動こうとすればするほど、苦しくなってくる。
「エリス・・・あんな里・・・何故必要だ?滅んだって世界にとっちゃ、そんな重要なことじゃないだろ?」
抵抗したかった・・・しかし体が思うように動いてくれない。
確かに、あんな小さい里が滅んだところで、世界には全然重要じゃない。でも、自分に一つしかない大切な故郷なんだ!皆笑って暮らしてたんだ・・・だから・・・必要なんだ!!!
エリスは、心の中でいっぱい反発した。
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そのころ、陰陽の隠れ里・・・
「ウィンドトルネード!!!!!!!」
リラの手に渡った魔法陣から、爆風が吹き荒れる。
もちろん、狼に向かって・・・
狼は、里の人間に気をとられていたせいか、避けなかった。
「皆!早くこの里から逃げて!!この狼は私が殺す!!」
「・・・殺さないでくれ。」
「へ?」
里に住んでいる、40歳くらいの男性が言った。
「頼むから・・・殺さないでくれ。その狼。」
「何でですか?」
「あの狼・・・村長が札から出した狼なんです。」
「村長の!?」
「見せてくれたんです。僕がまだ20歳くらいの時。とっても大事にしていたんです、その狼を村長だと思うと・・・だから殺さないでください。」
「でも、現に今は里の裏切り者じゃないですか!!」
「分かってる・・・それくらい。でも・・・これまでにしてくれた事が多すぎるんだ。」
「・・・」
「おそらく、エリスが一番な。捨てられた自分を救ってくれたんだからな。」
「・・・分かった、殺さない。ただし、少し傷つくかもしれないけど・・・いいですか?」
「ああ・・・恩にきる。」
その男は、深々と頭を下げて、里から出て行った。
この戦い・・・
ロサイルやリラにとっては、ただの裏切り者の村長・・・
しかし、里の人たちからしたら、一人の大切な恩人である。
だから、複雑な気持ちでいるのだ。里の人たちは・・・
そんな村長にエリスは勝てるか?
ロサイルは異端審問官に勝てるか?
リラは里を守れるか?
それぞれの戦いが激しさを増す中、
ロサイルと異端審問官の戦いに終止符が打たれようとしていた。
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