キラキラ
昼には輝く太陽、夜にはキラキラ照らしてくれる星
僕には一年先の天気予報のように思えた。
ここ最近はずっと雨で陰鬱とした空気が町を、僕に襲っている。そんな時に君が急に「雨の中自転車を漕ごうよ」なんて言い出してきた。何を考えてるのか分からないが、とりあえず付き合ってみる事にした。君は僕よりも先へ先へ行きたがる。
今だってそうだ、君の姿が小さくならないように
懸命についていく。ふと彼女は何かを見つけたように、漕ぐのを止めた。「急に何だよ」と僕は思ったが、彼女が「この水溜まり、一緒に通ってみてよ!」僕は返事に困り、なかなか言葉が出てこなかった。すると僕の返事を待たずに君がペダルを漕ぎながら水溜まりへ突っ込んでいく。仕方なく、僕も負けじと君が辿った通りに水溜まりへ飛び込んでいく。その時、雨水が僕らを覆い、天然のイルミネーションが出現した。僕はふと「綺麗....」と呟いた。
「私たちだけのものだね」と君は微笑みながら言った。その時、2人が見ていた空には確かに陰惨とした雨曇はなかった、降り注ぐ雨は祝福のスコールへと姿を変えた。