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Female Palace  作者: 甘語ゆうび
Chapter4〜Official match〜
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A starter for him

騙すなら最後まで騙しきれ、決して化けの皮を剥がしてはならない


惑わすならば惑わされるな、丸め込まれる馬鹿になってはいけない


自分の心すら殺せ、そんなもの俺の人生に邪魔だ。同情の模造品であり続けろ

少ない観客で囁かにざわめくコロシアム。この地下にどうやってこんなにも立派なコロシアムを作れたんだと言いたいが、それを言い出せば、どうやったらこんな地下にこんなとんでもない城を作れたんだという話になる。そこはファンタジーという魔法の言葉で片付けられてしまうのだろう。


「見つけた。欺瞞、席あっちに用意してあるから、行くよ」


人探しをしていたら、目的の人物に後ろから声をかけられる。


「真理!もう会場に入っていたのですね」

「当たり前だろう?いつもより人数は少ないとはいえ、席の取り合いは起こるからね。どうせなら、特等席で見てあげたいだろう?」

「ふふ、そうですわね」


ヴィアに席へと案内され向かうと、そこには予想外の先客が居た。


「え?ヴェ、ヴェメ……?」

「やっほーですぅ、欺瞞ちゃん。今は紫翠って呼んでくださぁい」

「え、紫翠、何故ここに?」


貴族らしくドレスアップしたヴェメが席に座っていた。色々と言いたいことはあるが、何より、FemalePalace的にこれはアウトではないのだろうか。俺の疑問に仰々しくふっふっふー、と棒読みで鼻を鳴らせてもいない。


「それはですねぇ、黒服の人達はぁ、意外と変装して紛れ込んでもバレないんですよぉ」

「それ、怒られませんか?」

「大丈夫ですぅ。FemalePalaceはぁ、基本的にぃ、ずけずけとデリケートゾーンに踏み入っちゃだめなんですぅ。だからぁ、案外バレてもぉ、皆黙っててくれますぅ」


なんだその法の抜け穴を見事綺麗に抜けられたみたいな達成感は。


「まぁ、紫翠がいいなら、それでいいんでしょうけれども……」

「細かいことは気にしない方がいいさ。ここでは、トレディが決めたことは絶対なのだから」

「……なるほど」


やっぱり相変わらず独裁国家だ。ここは彼女の城とはいえ、臣民は大事にしなければいつか友達を失ってしまう。友達がいないなんていう前提はブラックホールにでも捨ててくればいい。


「お、そろそろ始まるみたいですよぉ」


会場が暗くなったのと同時に、ヴェメがそのことを教えてくれる。それと同時に、設置されている大きなモニターに電源が点き、ヒガンが入場してくる。その後ろに、問題の貴族とガラミユも着いて入ってくる。貴族は足が無いため、ガラミユが車椅子を押している。


「あ、あー。よし大丈夫そうだね。えー、これより、貴族ナーチェと、その奴隷ガラミユの一騎打ちを始めまーす。司会進行は、No.4のヒガンが務めさせていただきまーす」


やる気も覇気も無い声でマイクを口に当てそう言う。当然そんな司会で会場が沸くことなんて無い。


「えーっと、まず選手紹介。左コーナー、ナーチェ・カナグラフ。右コーナー、奴隷ガラミユ」


スポットライトがそれぞれに当たることもなく、一定の進行が続く。ただでさえ少ない観客が、更に少なくなっていってしまう。


「はぁ。あの人、やる気の無さにも程があるだろう」

「まぁ、期限も短かったですしぃ、ヒガン様もずっと面倒くさがってましたからねぇ……」


隣からそんな姉妹の苦情が聞こえてくる。まぁ、金も特に取られていないのだから、そんなきつく物事は言えないが、不満が溜まる気持ちは分かる。


「さて、ルール説明しようか。ルールはサミエラポーカー。まず、2人には参加費を支払ってもらう。あ、ブラインドもちゃんと上がるからね。その後、2枚トランプを配る。当然相手には見せないで。それからベッティングをしてもらう。ベットかフォールドか決めて。宣言が終わったら、コミュニティカード5枚のうち3枚を公開する。そしたら、チップをベッドする。それをコミュニティカードが全部出るまでやって、5枚出揃ったらショーダウン。勝った方がチップを貰う。チップはそれぞれ1万ね」


サミエラポーカーとは、地球でいうところのテキサスポーカーだ。テキサスポーカーがテキサス州で生まれたからテキサスポーカーなら、サミエラポーカーは、サミエラ国で生まれたからサミエラポーカーだ。


「ちなみに暴力は誰であろうと禁止。今回は心理戦も絡んでくるから、外野がガヤを飛ばすのも禁止。あと、2人の手札はこのでかいモニターに表示されるけど、2人はモニターを見れないようになってる。そして、何より大事な報酬。奴隷ガラミユが勝った場合はナーチェの奴隷脱却。ナーチェが勝った場合は、ガラミユの処分。以上、なんか質問は?」


ヒガンはプレイヤー2人に向かってそう聞く。2人が返したのは無言の目配せ。2人はそのことに同意したのだろうが、そんなことが許されてしまっていいはずがない。そう異議申し立てたところで、ここではそれが当たり前だ。男であればそれだけで殺してしまっていい。女でも気に食わなければ刺してしまえばいい。俺とは反対に、2人の承諾を受け取ったヒガンは、ディーラーボタンをガラミユの方に置いた。


「んじゃ主人待遇ってことで、SBガラミユ、BBナーチェ。参加費払って」


ヒガンの声で、2人が少額のチップを台に置く。それを見て、シャッフルが終わったトランプを2枚づつ2人に配っていく。


これは、ガラミユにとっては変わるか死ぬかの人生のターニングポイントだ。ここで勝ちを切り捨てるのならば日の目は浴びられないし、勝とうと思えば、いくらだって道は切り拓けるだろう。


「勝てるといいっすねぇ、ミユちゃん」


俺が代わりに参加して勝ってあげたいところだが、そんなこと出来ない。これは最初から、彼の戦いなのだから

私がカジノに行ったことがないので、実際のカジノのポーカーとは違うかもしれません。そもそもヘッズ自体が難しい。異世界ルールってことでご容赦を……

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