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Female Palace  作者: 甘語ゆうび
Chapter 3〜Take a leisurely break〜
40/58

My real sister is probably alive

嘘で全てを欺き、秘密を隠し通す

これまでもこれからも、俺の人生は変わらない


目的の為なら、這ってでもしぶとく生きてやる


俺だって普通に生きられると、証明してやる

「……そうっすか。ありがとうございやす」


シュシュが口にした東偽霞という名前、この人こそが俺の姉だ。この世界に来て以来過去一のとんでもない情報だ。この20年間、ずっとお姉の情報を集めて動いていたのに、何も見つからなかった。それがこんなにあっさり見つかるだなんて。罠を疑いたくもなるが、シュシュに俺を嵌める意図があるとは思えない。それに私情を挟みたくは無いが、彼女との今までの関係にケチは付けたくない。


「知り合いだった系?」

「まぁ、そんなもんっすよ」

「ふーん」


興味があるのか、何かを疑ってるのかよく分からない声色でそう言われる。単純に何も考えてないだけかもしれない。シュシュを帰らせようかとしたところで、バタバタと慌ただしい足音が扉の外から聞こえてきた。そのままバン、と大きな音を立て蹴破られ、ボスがずかすかと入ってきた。


「ラララライくん!!これ!これ!きょ、脅迫状!!」

「騒がしいっすねぇ。脅迫状なんて大げさすぎやしやせんか?」

「大げさなんかじゃないよ!ほら、いいからコレ見て!」


ボスから渡された手紙を見れば、そこには赤字でこのようなことが書かれていた。


『ライ・シークレティアス、今日中にトマリシア邸へと来い。さもなければお前の会員権利を剥奪してやる』


Faltar、文末にはその名前が書かれていた。名前が書かれていなんて、随分親切な脅迫状だ。まぁ、こういうものを書きなれていなさそうだしな、あいつ。別に脅しにもなっていない。ただの子供のイタズラだ。


「はぁ、大丈夫っすよ。俺はもう行きやすね」

「え、どこに?」


立ち上がったところに、意外にもジレミにそう聞かれる。


「富裕層っすよ。お友達に呼び出しをくらっちまったんで」

「お友達?富裕層に……」


暫くジレミがフリーズしたかと思えば、急にミナヒから離れ、俺の手を掴んできた。


「え、なんすかなんすか」

「俺も行く!!」

「はぁ?いいっすけど、これまた何でっすか?」

「秘密〜……」

「女に会えると思ってんだろ」

「いやぁ!?そんなことありませんけど?俺はミナヒさん一筋であって……」

「迷惑だ。おいライ、こいつも連れてけ。ついでに適当な制裁でも浴びさせてこい」

「へいへい。んじゃ行きやしょうか、ジレミ」

「うん!」


犬のように尻尾を振りながら着いてこられると置いていきたくなってしまう。別に女ではないのだが、単純に彼の反応が気になるから連れていこう。ハロンが適当な制裁を与えてくれるだろうし。



それから事務所を出た俺は、ジレミを連れてミネビアの館へと向かった。向かって無事着いたのだが……。


「ファルくん?俺はいつまでこの体制でいたらいいんすかねぇ?」


何故か俺は久しぶりに再開したファルターに正座させられている。それも硬い床の上で。痛いわ痺れるわ散々だ。


「ずっとだ。なんでお前宛の招待状がうちに届くんだ」

「それは、貧民街の住所を使うわけにはいかねぇからっすよ。そんで、他に受け入れてくれそうな住所が思いつかねぇもんで。それに!ミネビア嬢は別に怒っていねぇですもんねぇ?」


傍で見ていたミネビアに助けを求めると、痺れていた足をファルターに蹴られる。


「あいった!」

「おい、ミネビアに喋りかけるな」

「火力高くねぇっすか?せっかく生きての再開なんすから、もっと仲良くしやしょうよ〜」

「嫌に決まってるだろう」

「またまたぁ、そぉんな照れ隠ししなくていいんすよ〜?」

「本心だ」

「ふぁ、ファル〜……?そろそろ、解放してあげても……」


ミネビアが助け舟を出してくれたお陰で、ようやく解放される。


「足がぴりぴり言ってやすよ……。全くもう。ファルくんは友達を大切にし無さすぎっすよ」

「誰が友達だ!」

「え〜、釣れないっすねぇ。あ、招待状は返してくだせぇ。それねぇと俺公式戦行けねぇんすよ」


手を出せば、ぽんと招待状が乗せられるかと思ったが、それはファルターの手に収まったままだ。どうしたかと思えば、手紙をじっと見ていた。


「え?ファルくん?どうしやした?行きたいんすか?女装して一緒に行きやすか?」

「行かない。大体、僕が行ったら一瞬でバレるだろ」

「んじゃどうしたんすか?招待してほしいならしやすよ」

「だから行かないって言ってるだろ。手紙になにか不審なものが無いか見てただけだ」

「手紙に不審?そんなん疑う必要ありやすか?」


彼の手にある手紙を遠目に見るが、何かおかしな点は無いように思える。いくらFemalePalaceといえど、こんなところに変な何かを仕込んだりなんかはしない、はずだ。だが、可能性がゼロかと言われると素直に頷けない。あそこの連中なら何をしだすか分からない。配ってるのがストーンエブリシェ側の人間だとしても、何も知らないだなんてことは無いだろう。だとしたら、ミネビアの腕が吹っ飛ぶなんて惨劇は起こり得ない。FemalePalaceも謎が多いが、ストーンエブリシェも謎が多い。


「……まぁ、兎にも角にも、それは俺のもんっす。なんか起こったら俺が自分でどうにかしやすから」

「それはいいが、お前、戦えるのか?」

「避けて逃げての護身術くらいは流石に身についていやすよ。ま、戦うまではできやせんが」

「なるほど」

「それじゃ、俺は帰りやすね。今日は色々あって疲れたんすよ」


応接室を後回しにしようと入口のドアノブを回す。最近よくこの瞬間になんらかが起こっているからファルターに呼び止められでもするだろうと思っていれば、それは現実になった。俺は新しい能力でも習得したのかもしれない。


「ライ」

「なんすか?」

「気をつけろよ、色々と。お前はいつ死んでもおかしくない」

「ひでぇっすね」


意外だ。彼が俺に忠告だなんて。やっぱり、俺のことをよく見ていらっしゃる。


「おい、なんか気色悪いこと考えてるだろ」

「そんなことねぇっすよ」


つい嬉しさが顔に出てしまった。その嬉の感情を切り替え、いつの間にかどっか行ってしまったあのバカについて尋ねる。


「そういやファルくん。俺と一緒に来た連れ知りやせんか?」

「ん?あぁ、あの馬鹿か」

「よく初めましての人にそんなこと言えやすね。事実っすけど」

「あいつなら、ハロンに殴られてピロナに連行されたぞ」

「そうっすか。そりゃなによりっす。んじゃ、そいつ連れてさっさと帰っていいっすか?」

「勝手にしろ。僕は夕食の支度に向かう」


と言いながら俺の方をちらりと覗いてきた。ほぉ、なるほど。この世界の男は素直じゃないのが多いな。素直にご飯一緒にどうですか、くらい言ってくれればいいものを。


「おい、なににやにやしてるんだ」

「べっつに〜?ファルくん可愛いにぇ〜って思ってただけっすよ」

「今すぐ帰れ」


殺気を漏らしながらそんな事を言われるが、全く怖くない。


「あれ、ミネビア嬢、どっか行っちまいやしたね」


そういえばと思い口を開けば、ファルターが呆れたように口を開いてきた。


「お前がベタベタ引っ付くからだろ」

「要するに仲良しさん認定貰ったんすね」

「お前の頭は随分と花畑みたいだな」

「嬉しい褒め言葉っすね〜」

「褒めてない」


折れることなく笑うばかりの俺に、ファルターは呆れもなにも出てこないとばかりにじっと睨んでくる。そして溜息を1つ吐き、無言で部屋を出ていった。


「え〜、せめてなんか声くらいかけてくれていいじゃねぇっすか〜。まぁいっか」


さて、これからご飯を一緒にしたいところだが、あまり遅くに貧民街を歩きたくない。俺はなんら問題は無いつもりなのだが、ミナヒから絶対出歩くなと言われている。また霊がうんぬんかんぬん言われたが、正直信じるには値しない。確かに、夜道を歩いていたら変な気配は感じるが、危害を加えられたことは無い。ミナヒは少々過保護が過ぎる。だが、この世界での保険はいくらあっても足りない。


「あのチート野郎回収してさっさと撤収するか……」


独り言をぼやき、俺も部屋を出ていった。

リアルが忙しいせいで全く書けていませんでした。めんご

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