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Female Palace  作者: 甘語ゆうび
Chapter 2〜Castle investigation〜
18/58

GOD and TOP4

嘘で全てを欺き、秘密を隠し通す

これまでもこれからも、俺の人生は変わらない


目的の為なら、這ってでもしぶとく生きてやる


俺だって普通に生きられると、証明してやる

人数も集まり、ざわつき始めたパーティー会場。目の前の舞台には、1人の女性がマイクを持って立っていた。

「…って、あれ怨食じゃないですか?」

「パーティーの進行は交代制だからね。招待状に書かれるんだ」

そんなことまでやらなくちゃいけないのか、と同情する。マイクチェックをした後、舞台に立った怨食は話し始めた。

「レディースエーンレディース。本日もお集まり頂き感謝致します。今宵も素敵なパーティーが幕開けます。本日の進行はー、怨食が行いまーす」

カンペをガン見しながらやる気のない棒読みで読み上げる。あれで進行が務まるのかと不安になる程だ。

「それじゃー、始めの挨拶をー、トレディ様お願いしまーす」

舞台に1番近いテーブルに座っていた5人の女性のうち、1人の女性が立ち上がり、登壇していく。その女性は怨食からマイクを受け取り、話し始めた。

「皆様、御機嫌よう。おや?今回は初めましての方もいらっしゃるようですね。では自己紹介を致しましょう。私こそが、トレディ・シャトレーノ。このFemalePalaceの創造主にして、神です」

透き通る程の長い白髪に、黒のインナーカラーがよく映える。その金色の瞳からは、何も感じ取れない。

「さて、それでは初めましてをする前に、我がTOP4の紹介を致しましょう。いらっしゃい」

その言葉に、同じテーブルに座っていた残りの4人も登壇していく。その様は、貴族というほどに品格があり、きな臭い匂いが十分にする濃いメンバーであった。

「では紹介致しましょう。まずはNo.4ヒガン・ミスパーヒラー。闇のトレビアと、暗殺の能力を持った貴族です」

白髪を背中程まで伸ばし、目をとろんと垂れさせた女性にスポットライトが当てられる。眩しそうに目を一瞬細めた。

あれが闇のトレビア使い、油断は出来ない。

「続いてNo.3、ペールト・チャマリルカ。大地のトレビアと、永遠の命の能力を持った貴族です」

茶髪を器用に複雑な2つ結びにしている少女。緑色の目は、楽しそうに笑っていた。その手には、パーツが継ぎ接ぎで、人間の目や口が付けられた気持ち悪い人形を抱いていた。そんな彼女は、スポットライトが当てられたら、会員達に向かって手を大きく手を振った。すると、色んなところから、キャーだのウワーだの、悲鳴に近い歓声が飛んでいる。先程のヒガンの時は何も無かったというのに、急に何が起こったのだ。

「ペールト派閥の人達だよ。この紹介は毎回やっているのだけれど、その度にこんな風に悲鳴を上げているんだ」

隣に座っていたヴィアが小声でそう説明してくれる。彼女はこれをもう悲鳴と思っているのか。

「続いてNo.2セランカ・ドゥビユエーラ。氷のトレビアと洗脳の能力を持った貴族です」

綺麗なブロンドの髪をハーフアップにしている紫色の瞳。口元にほくろが見える。その口は常に笑みを浮かべている。それはもう不気味な程に。

彼女はスポットライトに当てられる前に、マイクをトレディから受け取り、両手でしっかりと握る。そして彼女にスポットライトが当てられる。既に何か息を飲む音が聞こえるが、聞かなかったことにする。

「ご紹介に預かりました、セランカ・ドゥビユエーラです今日も皆様に神の御加護があらんことを」

頭を軽く下げ、にっこりと笑う。その様はまるで聖女だ。そんな彼女に向けて、先程よりも数段うるさい悲鳴で溢れる。

「では最後。TOP4のNo.1、シュレント・ザファビエル。トレビアは炎で能力は怪力です。何か一言下さいな」

トレディがシュレントにマイクを渡す。どうやらTOP4でも、上位2名は余程特別な存在らしい。

「はぁ?言いたいことぉ?毎回やってんだろーが。あー、聞いてるか豚共〜、今日盛り上がれよ〜」

なんて棒読みかつやる気の無い一言を赤い紅をした口告げる。赤の髪は下にかけて黒になっていっている。アクセサリー含め、全体的によくいう典型的な強い女というイメージだろうか。

あいも変わらず客席からは黄色い悲鳴が飛んでくる。こんなもので喜ぶなんてどれだけ愚かなのだろう。

全員の紹介が終わり、再びトレディのターンが回ってきたらしい。

「さて、紹介も一通り終わったところで、初めましてさんと、その招待をした貴族は前に来てくださいな」

トレディの言葉に、隣に居たヴィアが僅かに頷く。立ち上がり、彼女と共に登壇する。

登壇した彼女は、密かに息を1つ吸い込み、目の前の威圧感あるトレディに向き合う。

「トレディ様!本日も大変麗しいです!こちら、私がお連れしました欺瞞で御座います」

ヴィアの変わりざまに驚いたが、これがトレディの前の彼女なのだろう。それさえ分かれば合わせることなんて簡単だ。

「お初にお目にかかります、トレディ様。私、本日より参りました、欺瞞と申します。お会い出来て大変光栄です」

「えぇ、私も嬉しいです。...それでは、儀式をしましょうか」

儀式、代償と報酬、だっただろうか。いや、それは招待した側だったか。

「それではまずは欺瞞。私に、唇と足へのキスをしなさい」

「キス?」

何を言われたのか分からない。いや、単語の意味は分かる。トレディの言ったことが理解出来ない。何故そんなことをしなくてはならないのだろうか。

「...唇へのキスは愛情を意味し、足、特に指先などは、服従を意味します。つまり、愛を持って私に服従を誓う、ということです。出来ますわよね?」

そんなとんでもないことをやっているのかここは。だが、断ったら白い目で見られるだろう。別に不慣れなわけじゃない。大丈夫だ。

「...それでは、失礼致します」

まずはトレディの唇に軽く口付ける。そのあとにかがみ、ドレスを少しめくり、足にキスを落とす。向こうから足を動かしてくれたお陰でやりやすかった。

「...これで、よろしいでしょうか」

立ち上がり、トレディと目線を交わす。威圧感に少し戦いているせいか、冷や汗がたらりと流れていく。

「えぇ、しかと受け取りました。ありがとうございます。では次は真理、貴女の番ね」

「はい!」

あくまでもにっこりと笑い、喜んでいる風にしているが、彼女の手は微かに震えているのが見えた。

「まずは外の者をこのFemalePalaceへ連れてきた代償を。シュレント」

「げっ、俺様かよ」

不機嫌そうな声を上げ、シュレントはずかずかと大股でヴィアの方へと近付いてきた。そして、懐から取り出した小瓶から、1つ錠剤のような物を取り出し、それをヴィアの口に押し込んだ。

「さっさと飲め」

ヴィアは真っ青になりながらも、薬を飲み切る。だが、その次の瞬間には、彼女は倒れていた。

「こ、これは...」

「ただの睡眠薬。おい、さっさと運べ!」

シュレントの指示に従い、奥から出てきた黒服の女達によってヴィアは運ばれていってしまった。

「さて、ではご紹介も終わったところで、貴女はお席に戻って大丈夫ですよ」

「...はい」

色々と疑念が増えたまま、舞台を降り、元の席へと戻っていく。隣に居た彼女は、居なくなってしまった。1人でこの不気味な人間オークションをやっていけるだろうか。

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