ペンギン
掲載日:2022/11/23
氷上をぺたぺた一羽のペンギン。
一息ついて遠くを眺め、
あの彼方まで辿り着きたい。
翼に目をやり、
空へ向かって羽ばたいた。
思い切り、思いっ切り羽ばたくも、
コテっとコケてじたばた。
起き上がって、またぺたぺた。
群れの皆は、滑って先へスイスイ。
真似て滑るも、スー………とぺたぺた。
スイスイ進まず、結局ぺたぺた。
滑れないわけでは無いのです。
何だか、しっくりこないのです。
またパタパタ羽ばたき、コテっと転び。
氷を払ってぺたぺたと。
群れの皆はとうに居ません。
遠くの皆を眺めてぺたぺた。
一息ついて、皆の姿も見えません。
追いかけようにも、
分かるのは最初に眺めたあの場所だけ。
はぐれたペンギン、またぺたぺた。
ぺたぺたパタパタじたばたぺたぺた。
時折羽ばたきたくなるのは、何故でしょう。
何度羽ばたいたって、空へは行けない。
ぺたぺたパタパタじたばたぺたぺた。
いつの間にか、
目指した彼方へ着いていた。
皆は居ないし、
飛ぶことも出来ず。
尻を着いて座り込み、
羽を休めてひとときと。
寂しく恋しく、ぺたぺたと。
空を眺めて羽を見て、
ぺたぺたパタパタじたばた、と。




