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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

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王城での待ち時間 3

ジンハイトが兄ガルハルトの肩を支え、立ち上がらせる。

「医務室に行く。」

ジンハイトは一言、そう伝えるとガルハルトを連れて立ち去った。


ボクとヤエノはお互いに全力で拒否し合った事で険悪な雰囲気となっていた。

その様子を見てサビアスが苦笑いをしている。

いや…多分、内心では大笑いをしていそうだ。

サビアスは幼馴染のヤエノを苦手としているので、とても大笑いするなど出来ない。


ヤエノの両親は、仕事が残っているとの事で早々に立ち去っていた。


しばらくした後、会議が終わったようで各騎士団長、各魔法師団長が待機部屋へと入った来た。

ボク達の方へと歩いて来たヤクトルド騎士団長、キルアス魔法師団長代理は共に疲れきった表情を浮かべている。


「あれ?何かあったのか?」

ヤクトルド騎士団長が、ボクとヤエノの怪訝(けげん)な雰囲気を察したのと、ガルハルトが居ない事を不思議に思い尋ねてきた。


「ちょっと…訓練をしてまして。」

ボクは簡潔に答えたが、余計に混乱させてしまったようだ。


誤魔化したかったので逆に質問を投げかけた。

「それより…会議の方はどうでしたか?」

「あぁ、具体策は何も決まらなかった。」

何となく回答は分かってはいたが、やはり実際に聞くと残念な気持ちで溢れる。


「やぁ、マイトラクス君。久しぶりだね。」

声を掛けて来てくれたのは、デマント防衛の騎士団長ナムーヤ様だった。

「ナムーヤ騎士団長、お久しぶりです。」

初めてデマントの街で出会った場面を思い出す…ナムーヤ様がボクの目の前で泥棒を捕まえたシーン。

どうして、あの場面を思い出したのだろうか。


「色々と話したい事があるのだが、とりあえず一緒に来てくれ。国王様がお呼びだ。」

「え?国王様が?」

ボクはナムーヤ騎士団長に連れられて会議が行われていたという部屋に向かった。


急ぎ足で歩く団長の後に続く。

なんだろう?もう会議は終わったというのに…色々と考えを巡らすが呼ばれた理由が思いつかない。


会議室は意外と待機していた場所から近く、すぐに辿り着いた。

この部屋も初めて来た部屋で、恐る恐るナムーヤ騎士団長と共に入る。


会議室には国王様とカッサリル魔法師団長が居た。

「よく来てくれた。」

カッサリル師団長がボクに声を掛ける。


「ヤンガノの街の防衛でも活躍してくれたそうだな…感謝するぞ。」

王様が最初に声を出した言葉がボクへの感謝の意だった。

「今回も報酬をと考えたが、良い品が無くてな。コレで我慢してくれ。」

そう王様が言うと、隣に居たカッサリル師団長が近づいてきて白いローブをボクに手渡した。

「魔法防御効果が向上するローブだ。実戦で役に立つ事があるだろう。」


「王様…ありがとうございます!」

実戦で役に立つアイテムは単純に嬉しい。しかも魔法耐性が上がるなんて凄い事だ。

嬉しそうにするボクに向かい王様は言う。


「早速、着てみるが良い。ナムーヤ騎士団長、手伝ってあげなさい。」

ボクはナムーヤ騎士団長にローブを着せて貰った。

丈夫そうな生地の割に、とても軽く肌触りも良い。


「気に入ってくれたかな?」

「はい!凄く!」

ボクが喜ぶ姿を見て、王様も嬉しそうに笑った。


にしても、この白いローブ…どこかで見た事がある気がする。気のせいかな?


あと…このローブを着て先程の部屋に戻ると、そのローブはどうしたんだ?となるな。

そう思い、カッサリル師団長に相談すると、ちょうど良い大きさの鞄をいただいた。

なんか催促したみたいで申し訳なく思う。


ナムーヤ団長と話をしながら待機部屋へと歩いた。

デマントの街を守っていた騎士団に加え、新しくサビアス達、魔法師団が加わった事について話をしたが、騎士団と魔法師団は上手く融和しているとの事だ。

「あの魔族襲撃事件の後、騎士団員の人数を減らされてしまってね、雑用や巡回が大変になったんだ。そんな時に街に新しく魔法師団が編成されると聞いて…みんな喜んだんだよ。」

なるほど、タイミングが良かったのか…サビアスが問題なく働けている事にボクは安堵した。


待機部屋に着くと、すでに多くの人達は姿を消していた。

ヤクトルド騎士団長達も先に宿に戻ったそうで、待ってくれていたキルアスとサビアス、そしてヤエノと共に王城を後にした。

「その鞄はどうしたのさ?」

ヤエノが聞いてきた。さっきまで持っていなかった鞄だから当然か。

「王様から、いただいたんだよ。」

この3人に告げるのは、まぁ良いかと思い答えた。

「何が入っているんだい?」

サビアスの問いに、ボクはローブを貰った事を伝えた。

「へぇ、魔法防御効果が高まるローブか。それは良いな。」

キルアスが羨ましがっている。


ナムーヤ団長とサビアスの二人とは宿屋が違うので、途中で分かれた。

「あたしは明日から休暇を申請して実家に行く事にするよ。」

ヤエノがそう言うとキルアスが了承した。

「我々は早速、明後日には王都を去ろうと思う。」

「早いのですね。」

「あぁ、ヤンガノの街が心配だからな。」

確かに、ナタリア師団長やイリエが心配だったので、キルアスの提案にボクも賛同した。


夜、宿屋でアルマに王様から貰ったローブを着て自慢して見せた。

「いいじゃない、トルナシアみたいよ。」

そうか…どこかで見たと思ったらトルナシア様の姿か。

でも、どこで見たかは思い出せない。

もしかして、過去の記憶からだろうか…


「付与されている魔法防御能力も高いわね、そのローブ。」

アルマがローブを触りながら言う。

「今の時代に、こんなローブを作れる人が居るなんて…一体、作成者は誰なのかしら。」

「そうか、誰かが作ったって事だよな。しまったな、王様に聞けば良かった。」

ボクはローブを貰い、舞い上がっていた自分を後悔した。


「明日も王都でしょ、ちょっと王城に行って聞いてきてよ。」

「いやいや、無理でしょ…それ。」

アルマの無茶ぶりに真面目に返す。


「そうだ、アルマ…ヤンガノの様子はどうか知ってる?」

「今日も昼間はあっちで訓練を手伝っていたわよ。まったく普通ね。」

ボクもアルマのように天界を利用して、空間移動で動き回りたいが、あの”ぐにゃ~”っという感覚が無理だ。

とにかく、ヤンガノの街で問題が発生していない事を知り安堵する。

魔力をアルマに預け、今日のところは眠る事にした。


が…今夜は、なんだか寝苦しく思う。

日中、いろんな事があったからだろうか…


目を閉じて…

そうか…あのローブの事が頭から離れないんだ。


あの白いローブ。

トルナシア様が着ていたような白いローブ。


「はっ…」

思い出した…あの白いローブを着たトルナシア様の姿を見たのは…あの廃墟となった教会だ。


ナタリアと共に行った…廃墟となった教会。

ボクは、あの教会の壁画でトルナシア様が白いローブを着る姿を見たんだ。


「行かなくちゃ…」


ボクはベットから起き上がったが、周りは暗闇に包まれている。

アルマも、すでに天界へと帰っているようだ。


「明日の朝…出発しよう。」

~~~~~~~


次話が、第2章の最終話となります。

明日、更新で出来ると思いますが、遅れたらスミマセン。

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