表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/116

ヤンガノ防衛戦 1

アルマが暮らす世界…そこはボクが住む世界とは空間が違うとの事。

一体、どういう事なんだろうかと思いつつ、妹のサフィアと共に赤く光る魔法陣をくぐった。


そこは…


「あれ?ボク達の世界と変わらないじゃないか。アルマ…ここは、一体どこなんだ?」


緑に溢れる大地が広がっていた。

サフィアと顔を見合わせる。


「ここは天界。時間が無いわ…行くわよ。」


アルマが言うと目の前の空間がグニャリ歪んだ。

上下左右が渦を巻いた感じになり、天界って何?と言いたかったが平衡感覚が無くなり、それどころでは無い。


うぅ気持ち悪い。


サフィアも苦悶(くもん)の表情を浮かべている。

平衡感覚が戻り、目の前にはまた緑豊かな光景が広がった。


うぅ…うずくまり声を発する事が出来ないボクとサフィア。


「もう…しっかりしてよね。トルナシアの祖先のクセに。」

そう言うと、アルマはボク達に回復魔法をかけた。


「あ、ありがとう。」

頭はスッキリとしたので、改めて聞く。

「ここ…天界って何?」


「説明している暇は無いわ。戦闘準備はいい?」

「あ、アルマさん、この紙袋を預けられる?」

サフィアはボクが買ってあけだ服が入った紙袋をアルマに手渡す。

アルマはその紙袋を空中に作った魔法陣の中へとしまった。


「いいわね、行くわよ!」

そう言うとアルマは、赤い魔法陣を描いた。


アルマに続き、魔法陣の中へ飛び込んだ先には火の手が上がる街が目の前に広がった。


「ここは…ヤンガノの街?」

「そうよ、砂漠の街ヤンガノ。」

ボクの問いにアルマはあっさりと答えたが、馬車ならば1日は必要とする距離を非常にわずかな時間で来た事になる。


サフィアも目を丸くしたまま固まっている。


ドドドーーーン!


突然、大きな音が鳴り響き、とても驚いている場合ではない事が分かった。

「サフィア、大丈夫か!?」

「うん、お兄ちゃん…驚いている場合じゃ無いね。」


緊張した面持ちで、身構えたまま周囲を見渡す。


「右の方向に嫌な雰囲気を感じるわ。」

アルマが言う方向を見るが何も分からない。

割と低い建物が多いヤンガノなので、大きな物体があれば分かると思うのだが…


「向かってみるしかないな。」

ボクが言うとサフィアとアルマは頷いた。


周囲に注意を払いつつ、”嫌な感じがする”という方向に向かい走ると…

そこには、沢山の騎士団と魔法師が倒れていた。


あぁ…みんな。

食堂で一緒だった騎士団や、一緒に訓練した魔法師。

彼らの笑顔を思い出すが、今は苦しそうな表情で倒れている。


サフィアは目を逸らしている様子…戦場が初めての妹にはキツイ光景だ。


「イリエー!ヤエノー!」

とにかく状況を掴もうと、ボクはイリエとヤエノの名前を叫ぶと共に、師団長を探した。


無事でいてくれ…


その時、頭上を巨大な氷の槍が飛来する。

「この槍は…」

ボクとアルマが声を揃えた。

「イリエの上級魔法だ。」


その氷の槍が飛来していく方向を見ると…


ドドドーーーン


砂煙が上がった中から…黒い物体が姿を現す。

「あれは…魔族。」


ボクはサフィアを庇うようにして立った。

赤い目が不気味に光る魔族の陰影から目を離す事が出来ない。


「マイト…とにかくイリエ達と合流を。」

「あぁ、そうだな。」

アルマの声に我を取り戻すと、サフィアの手を取り氷の槍が放たれた方に向かった。


大き目の建物の階段を駆け登り、屋上へと辿り着く。


「…マイトくん。」

ボクの名前を呼ぶイリエの姿は…とても酷いものだった。

足をやられているのか立てないでいる。

側でイリエの体を支えているのはヤエノだ。

ヤエノも頭から血を流し…顔は笑っているが、どう見ても無理をしている。


周りにはキルアスを含め二十人程の魔法師の姿が見えるが、みな座り込んでいた。


前方を見ると、数体の召喚獣が居た…おそらく防御を請け負っているのだろう。後方からビスハイムが彼女の召喚獣に魔力を送っている姿が見えた。

召喚獣達も疲労しているようで肩で息をしているのが分かる。


「マイトラクス…戻ってきてくれたのか。」

「エタレナ師団長!」

師団長は右腕をだらりと垂らしながら歩いてきた。


その姿を見たサフィアが口元を手で覆い、今にも泣き出してしまいそうだ。

魔力は高くても、実践の場に連れてきたのは失敗だったかもしれない。


「マイト…来るわ。」

魔族の方を向いて警戒していたアルマの表情がこわばる。


「土魔法…土壁!」

魔族が放った闇魔法を土魔法にて受け止めるも…持ち堪えられず溶け出す。


「土魔法…土壁!」

ボクが作った土魔法の背後にもう一枚の防御壁が現れた。


「サフィア…」

今にも泣き出しそうな顔をしていた筈のサフィアがキリっとした顔をしてボクの横に立ち、腕を前に出している。サフィアの作った土壁は…とても頑丈な作りをしていた。


ボクが作った防御壁を完全に溶かした魔族の闇魔法は、サフィアの防御壁によりなんとか防ぐ事が出来た。

「サフィア…ありがとう。」

ボクがそう言うとサフィアはニコリと笑いつつ言う。

「感謝の言葉は魔族を倒してから言って。」

そうだった…サフィアは昔からキモが座っているのだった。


魔族の方を見ると、怪訝な顔をしている事が分かる。

「サフィア…悪いが、魔族を警戒していてくれ。」

ボクはそういうとアルマを見た。


「マイト、全方位魔法は危険よ。」

「そうだね…アルマ、手伝ってくれるかい?」


「バレちゃうわね。」

「そうだね…バレちゃうね。」

ボクとアルマは顔を見合わせて、言い合った。


「エタレナ師団長…こちらに。」

キョトンとした顔をする師団長に向かい、ボクは手を広げた。


「光魔法…回復…」

優しい光が師団長の体を包む。


「何これ…あたたかい…」

師団長は驚きつつ、また心地よい表情を浮かべながら呟く。


アルマはイリエとヤエノの方に行き回復魔法をかけた。


「それが光魔法…すごいわ…お兄ちゃん。」


「光魔法?…腕が動く…傷が治っている…なんだこれは?」

サフィアの言葉を聞いたエタレナ師団長がボクの方をじっと見つめてきた。


「師団長、黙っていてスミマセン…王都で魔族を撃退したのはボクです。」

驚いた表情を見せる師団長。

「光魔法の事、ボクの正体は内密にお願いします。」

続けて言うが、師団長は返事を口にせず、ただ頷いた。

その目は、じっとボクを見つめたままだ。


「お兄ちゃん、魔族に動きが!」

サフィアの叫び声に、ボクは前方を向き直す。


見ると、魔族は空中へと浮遊し、不敵な笑みを浮かべている。

何かを言っているようだが、何を言っているかは遠くて聞こえない。


ボクは魔法陣を描き、召喚獣ヒスイを呼び出した。


「キュイイイイ」


赤い魔法陣から現れたヒスイは、一声鳴くと青い蝶たちを空へと旅立たせた。


「お兄ちゃんの召喚獣?」

「ああ、ヒスイって名前だ。」

サフィアの問いにボクはゆっくりと頷く。


「サフィア…みんなを守ってくれるかい?」

ボクの問いかけにサフィアは頷いた。

「お兄ちゃん…任せて。」


「アルマ、他の方の治療を頼む。」

「イリエさん、ヤエノさん、可能な限りでボクの援護を。」


アルマ、イリエ、ヤエノはそれぞれ頷く。


「敵は、あの黒い一体だけだ。たった一体に私は何も出来ず多くの部下が傷ついた。マイトラクス…頼んだ。」

エタレナ師団長は声を震わせながら伝えた。

「師団長、召喚獣たちを後ろに下がらせてアルマの治療を受けさせてあげてください。」

ボクはそう言うと前へと進んだ。


「ぐぉぉぉぉぉぉ~」


空中から赤い巨体が現れる…ヒスイが青い蝶で呼んだ赤竜だ。


ボクは先程まで召喚獣たちが居た場所に立った。

頭上には赤竜が翼を動かしながら浮遊している。


左側、少し後方にはイリエが杖を構える。

右側、少し後方にはヤエノが魔法剣を構える。


背後には妹のサフィアが陣取った。


「魔族…よくも街とみんなを傷つけたな。」

ボクは大魔法師トルナシア様が残した水晶が付いた杖を持ち、構えた。


「さぁ…始めようか…」

~~~~~~~~~~


少し仕事などが忙しく、投稿に間が空いてしまいました。

更新を楽しみにしていてくれる方が、もし居ましたら申し訳なかったです。


良かったら、イイネ、ブックマーク、☆評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ