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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

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長期休暇 2

妹のサフィアの部屋は綺麗に整理整頓されていて、とてもボクが暮らしていた時と同じ間取りの部屋とは思えない程、広く感じた。

全体的に物も少なく、無駄だと思えるような物も無い。

サフィアはいつから、こんなにしっかりとした性格になっていたのだろうか。

ボクが気づかなかっただけで、一緒に生活をしていた頃からこうだったのかも、とも思った。


「ねぇ、お兄ちゃんが魔族を撃退したんだよね。どうして街のみんなは誰も知らないの?」

いきなり核心部分に触れてくるな。

そう思ったが、サフィアに誤魔化しの言葉はバレると感じたので正直に答える。

「あぁ確かに魔族を倒したのはボクだ。街の住人が知らないのは王様に、その話を広げないように頼んだからだよ。」


「ふーん、広げてもらったら、お兄ちゃんでもモテると思うんだけどなー。」

ん?お兄ちゃんでも?”でも”の意味は分からないが…

「次、魔族が攻めて来た時も、同じように倒せる自信が無いんだ。前回もやっとの事で倒したからね。」


「じゃぁ、何?自信があれば話を広めた訳?」

流石はサフィア…何年も兄の事を見ているだけの事はある。


「お前には、かなわないな。そうだよ…ボクはあまり目立ちたくないんだ。」

「やっぱりね…あー、勿体ないな。」


「まぁ…でも。正直、魔族が怖いというのもある。対峙してみて魔族の怖さが分かったんだ。ボクが王都で3人の魔族を倒した事がバレたら、狙われるかもしれない。そう、怖いんだ。」


「そんなに、魔族って強いのね…」

正直に話したボクをサフィアはじっと見つめながら言った。

「いいわ、私がお兄ちゃんを守ってあげる。」


まさか妹に”守ってあげる。”なんて言われるなんて思ってもみなかったので、驚きを隠せない。


「ありがとな…そうだな、頑張って魔法を練習してくれ。」

ボクはサフィアの言葉にお礼を述べつつ頭を撫でたが…内心は、サフィアに危険な事をさせたくないと考えていた。


「サフィアちゃん、久しぶりね。」

空中に赤い魔法陣が光り、アルマが現れた。


「アルマさん、お久しぶりです!」

サフィアは嬉しそうに言う。


二人は随分と仲良さそうに話を始め、魔法の事や学園での様子について語り合っている。

ボクも話に加わり三人で魔法について話をする。


「え?光魔法って何?」

自然な流れで光魔法の事を話したらサフィアが不思議そうに言った。

ベシッ…ボクはアルマに尻尾で頭を叩かれた。


「サフィアちゃんは、光魔法の事は知らないわよ。」

「あぁ、そうだったんだ…すまないアルマ。」


「え?ちょっと…何なの?私に内緒の魔法なんてあるの?」

サフィアはちょっと怒り気味だ。


「ごめんね、サフィアちゃんには教えていない魔法があるの。でも…サフィアちゃんには使えないと思うわ。今はね。」

アルマの言葉を聞いて、しょんぼりとするサフィア。


「現存する火、水、風、土、4つの魔法の他に、失われた魔法、光魔法と闇魔法というのがあるの。」

「え?闇魔法?」

続けて話すアルマにボクも突っ込みを入れた。


「あー、魔族が使っている魔法の事よ…彼らは闇魔法の事を暗黒魔法と呼んでいるわ。」

王都防衛戦時に3体の魔族が”暗黒魔法”を使い、魔法師団が大きなダメージを与えられた事を思い出した。


「王都防衛戦で、その魔族を倒したのがマイトが使った光魔法よ。」

「その話、もっと聞きたい!」

アルマの話に食いつくように近づいてサフィアが叫んだ。


アルマはボクの方を見る…

「アルマ…全部、話してくれていいよ。サフィア、この話は絶対に内緒にしてくれ。」


アルマはサフィアの方を見る…

「分かった…絶対に内緒にする。」


「失われた光魔法は、大昔に大魔法師トルナシアが生み出した魔法よ。」

「そして、闇魔法は、大昔に魔族の王である魔王が生み出した魔法。」

ボクが聞いたこともない闇魔法の話までアルマは伝えだした。


「そんな凄い魔法を、どうしてお兄ちゃんだけが使えるの?」

サフィアが疑問を言葉にする。


「マイトは…大魔法師トルナシアの生まれ変わりだからよ。」

いきなりの核心にサフィアは、ポカンとした顔をする。


「私が森でマイトに近づいたのはマイトがトルナシアの生まれ変わりだと知っていて、ずっと見ていたから。」

森で始めてアルマに会った時…すでにボクがトルナシア様の生まれ変わりだと知っていたのか。


「じゃぁ、お兄ちゃんは魔族を倒す力を持っているじゃない!何も怖がる事なんてないじゃないの!」

興奮気味に嬉しそうに話すサフィアに向かいアルマは話を続けた。


「いえ、残念ながらマイトはトルナシア時代の事を思い出していないわ。なので…マイトが使う光魔法は完全じゃない。全方位光魔法を使う度に魔力切れを起こしていたら勝ち目なんて無いわ。」

「そして、トルナシアの生まれ変わりであるマイトがこの世に出現したという事。魔族の動きが急に活発になった事。この二つの事から想像するに魔王も復活したと思うわ。」


「え?魔王が復活?」

色々と新しい情報が出てきた為、ボクは驚きの表情を浮かべながらアルマの言葉を繰り返した。

そもそも魔王なんていう存在も昔話でしか聞いた事が無く、実感は持てない。


「そんな…魔王なんて復活したら、この世界はどうなってしまうの?」

心配そうな顔をしながらサフィアがアルマに質問をした。


「とにかく戦力を増やすしかないわ。あと…やはりマイトが記憶を取り戻す事ね。」


「いや、前世の記憶を取り戻すなんて無茶な事、出来る訳ないよ。」

そうボクが言うと、アルマはため息をついた。

サフィアもボクの事をじっと見つめてくる。


「ちなみに…私も光魔法を使う事が出来るわ。400年程前にトルアシアに教えて貰ったからね。マイトがトルナシアの記憶を取り戻したら、サフィアちゃんにも光魔法を伝えられるかもしれないわね。なんたってサフィアちゃんもトルナシアの祖先だから。」


「え?私がトルナシア様の祖先?」

「そうよ。」


「お兄ちゃん…お願いっ。」

アルマの返答を聞いたサフィアがボクの手を握りしめ、顔を近づけてきた。

そう言われても、記憶を取り戻す魔法なんて聞いた事もないし、方法が分からない。


返事をする事も出来ずに固まっているとアルマが続けて言う。

「光魔法の事、マイトがトルナシアの生まれ変わりだと言う事も、まだ誰にも言わない方がいいわ。」

「過度な期待をさせても今はガッカリさせるだけだし、騎士団の中にはトルナシアの事を良く思っていない人が多いからね。」


「ボクは、まだ自分がトルナシア様の生まれ変わりだと信じていないよ。」

そう言うとアルマは怒ったような顔をして返す。

「まずは信じる事ね。そうしないと記憶なんて取り戻せるはずがないわ。」


「アルマさん、聞いても良いですか?」

サフィアの問いかけにアルマがうなずく。

「魔王って…魔族って、どこに居るのですか?」

確かに、それは気になる質問だ。


「魔王も魔族も、魔族領に住んでいるわ。そして、魔族領は…簡単に言えば、この世界とは違う空間にあるの。」

「アルマが出てくる魔法陣の向こう側と同じような感じ?」

アルマが言う魔族領…違う空間という事でボクが思いついたのはアルマが住む世界だ。


「そうね、私が居る空間とはまた違う、魔族が住む空間。」

その認識で合っているわ。


「じゃあ、魔族はどうしてボク達、人族が住むこの世界を攻めてくるんだい?」

サフィアも同じ事を考えていたようで、ボクに質問にうなずく。


「うーん、私がトルナシアと一緒に魔族と戦った時より、ずっと前の話だから詳しく知らないけど、魔族領と人族領は元は一つの空間で、それが分かれて今の形になったと聞いているわ。」

「魔族は、魔族領も人族領も、元は魔族の土地だったと主張しているみたいね。」


そんな大昔から因縁があったのか…と考え込む。


「え?アルマさんって…トルナシア様と一緒のパーティだったの?凄い。」

サフィアが驚くのも無理はない。


驚くサフィアを無視してアルマは話をする。

「王都防衛戦で、てっきり魔王にマイトの存在がバレたかと思ったけど、あの時3体の魔族を一瞬で倒した事で情報は伝わっていないみたい。」

「人族側に尋常ではない力を持つ者が現れた。という情報は得ているでしょうから、しばらくは身を潜めておいた方が良いかもね。」

アルマの言葉にボクは背筋が冷ややかになるのを感じた。

サフィアもボクの手を握ってくる。


しばらく沈黙した後、時間も遅いので今日は眠る事にした。


が…今夜のアルマの話を聞いてボクは眠れずにいた。


「お兄ちゃん、一緒に寝ていい?」

「うん…」

サフィアも眠れなかったようで、ボクの布団に潜り込んで来た。

こうして二人で同じ布団で眠るのは…いつ以来だったかな。


安心したようでサフィアは眠りにつき…ボクもいつの間にか眠っていた。

~~~~~~~


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