表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/116

海の怪物、討伐作戦 2

「よし、今だ!」

キルアスの号令にて船は氷が張る海面ギリギリまで進む。

他の船も同じように前進し、3隻の船で何本もの足を持つ巨大なイカの形をした怪物を取り囲んだ。


「火魔法の使用は禁止だ、それ以外で戦う!」

事前に示し合わせていた火魔法禁止令。これは巨大イカを封じ込めている氷を溶かさない為と、まとわりつかれている第三魔法師団の船に火の手が回ってしまわない為の配慮だ。


「また、わたしの出番は無しかー。」

ヤエノが不満そうな顔をしながら言い、魔法剣を振り回している。

だがこれはヤエノに限った事では無く、火魔法使いが多く集められていた部隊編成だけに、この作戦内容は痛い。


「火魔法に弱い怪物に対して、火魔法を使えないとは皮肉なものだな。」

今回の第四魔法師団の隊長であるキルアスも困惑の表情を浮かべている。

ボクも仲間の船を傷つけるのが怖く、思い切った魔法を使えずにいた。

とりあえず、船が沈没してしまうのを防げたが、このまま戦いが長期化したら危険だ。


「キルアスさん、この船をなんとか第三魔法師団の船に近づけられませんか?」

「船頭の方なら可能だが…どうする気だい?」


「ボクが第三魔法師団の船へと乗り移り、あのイカを引き離します。」

「そんな危険な…」

キルアスはボクの身の安全を気にしてくれたが、この”氷漬け作戦”を立てたボクはなんとか打開したいと心に決めていた。


「わたしも行くわ。」

イリエとヤエノも言ってくれたが、危険だと伝えて断る。


「アルマ…一緒に行ってくれないか?」

「何?私は危険になっても良いっていうの!?」

怒りながら言うアルマをなだめる。

「まぁ、行ってあげても良いわよ。」

うん、長い事一緒に居るが、アルマの心中は相変わらず良く分からない。


「キルアスさん、お願いします。」

しばらく考えていたようだが、頷くと船に進路変更を伝えてくれた。

「ありがとございます!」


ボク達、第四魔法師団の船は傾いている船に近づき、はしごを伸ばした。

アルマと二人で傾く第三魔法師団の船へと移る。

すると…イリエとヤエノも渡ってくる。


「危ないって言ったじゃないか!」

「危ないのはマイトくんも一緒でしょ!」

イリエとヤエノは怒りながら言う。


文句を言い返そうとしたが、イリエの目に涙が浮かんでいるのを見てやめた。

イリエは見た目と違い、とても頑固だ。


「船に絡みついている足を一本づつ、外すよ。」

「うん、分かった!」

協力を依頼すると嬉しそうに二人は微笑んだ。


最初の足を狙う。足は白くて太くツルツルとしているように見える。

「土魔法…中級 石弾撃!」

アルマが巨大イカの足に攻撃を加えるも、破壊するまでには至らない。

すると…足は船から離れ、ボク達に攻撃を加えてきた。


「火魔法…中級 炎の波!」

待ってました!と言わんばかりにヤエノが船から離れた足に向かって火魔法を放つ。

つられるようにしてボクも火魔法を放った。


ドーン!


大きな爆発音が鳴り響き、巨大イカの足の一本は燃えた。


音で気がついたようで、傾いた船に乗っていた第三魔法師団の魔法師がボク達に駆け寄ってきた。

「ボク達で巨大イカの足を外します。皆さんは引き続き本体を攻撃してください!」

「分かった!よろしく頼む!」

出発時に挨拶をしていた第三魔法師団の団長がボクの言葉を受け取る。


「次の足に行くよ!」

ボク達は船の反対側へと移動し、次の足を狙った。

この足は船体へとめり込んでいて、狙いが難しい。


「水魔法…中級 氷の剣!」

イリエが氷で作った剣を足へと突き刺した。

先程と同じように、巨大イカの足は船から離れボク達を攻撃しようと大きく振りかぶった。


「火魔法…中級 炎の剣!」

魔法剣からヤエノが炎の剣を作り出した。


ガタンッ


ヤエノが魔法を放つと同時に、大きな音がして船が揺れ動いた。

「危ないっ」

ボクが叫ぶ!


ヤエノは体制を崩し、発動した炎の剣は虚しく空中を舞い、巨大イカの足はヤエノへと向かった。


「土魔法…土壁!」

ドゴーーーンッ


アルマが展開した、防御魔法にて寸前のところで攻撃を防いだ。


「アルマ、ありがとう!」

突然の船の揺れにボクもイリエも体制を崩し対応できなかった。


「もう、しっかりしてよね!次、来るわよ!」

巨大イカの足は、ふたたび大きく振りかぶると、その足を振り下ろす。


「火魔法…中級 炎の剣!」

ヤエノとボクが同時に詠唱し、炎の剣を作り出す。


ボォーンッ

巨大イカの足は炎に包まれて燃え出した。


遠く船尾の方から巨大イカのものと思われる叫び声が聞こる。


ギシギシと音を立てて、再び船が揺れる。

どうやら、傾いていた船が巨大イカの足が外れる事により、少しづつ水平へと戻りつつあるようだ。


「急ごう!」

ボク達4人は少し前方で船を捕らえている巨大イカの足に向かって走った。


次はボクが足を外すよ。

「土魔法…中級 石弾撃!」


ズドーーーン!


ボクが魔法を放つと…巨大イカの足は粉砕した…

と同時に船が揺れる。

「ちょっと、マイト…船が破損したわよ!」

アルマが叫んだので見ると…確かに船の横側に穴が空いている。


「もう、マイトくんは手加減を知らないんだから。」

イリエが呆れたような声を出す。


どうやら興奮して、少し魔力に力が入ってしまったらしい。

最近はコントロール出来ていたと思っていたのだが、ちょっと気持ちが高ぶってしまったようだ。


大きな音がしたためか、第三魔法師団長が走ってきた。

「大丈夫か!凄い音がしたが。」

「すみません、船の横に穴が…」

ボクは申し訳なさそうに伝えた。


「ちっイカの足にヤラレたか!だが、あの位置なら大丈夫だ。キミたちのおかげでだいぶ船が水平になった、もう少し頑張ってくれ!」

師団長はそう言い残し、船尾の方へと戻っていった。


「もう少しだって、さぁ急ぎましょ。」

アルマがボクの頭を尻尾で叩きながら言う。


「マイトくんは足を引き離す係から外れてね。」

イリエとヤエノは笑いながら言い、次の足へと向かった。


ガタッ

ふたたび揺れると、船は水平となった。どうやら、巨大イカの怪物は自ら足を船から外したようだ。

が、海面が氷で凍っている為、船はその場からは動けずにいる。


ボク達は船尾の方へと走った。


船尾では、第三魔法師団と巨大イカの白熱した戦いが繰り広げられていた。

他の船からも攻撃が降り注いでいる。

が、攻撃魔法は土魔法と風魔法が主体。火魔法を使えずにいるので、決定打が打てないでいた。


と、その時…巨大イカの足、2本が船尾に向かって振り下ろされた。


ドーーーン


ボクとアルマが展開した防御魔法で、その強烈な攻撃を防ぐ。


「氷を溶かして、船を怪物から離すか?」

「そうすると巨大イカも自由にしてしまうわ。」

ボクは防御魔法を展開しながら、アルマと相談する。


すると、ヤエノが提案してきた。

「この船の周辺だけ、火魔法で氷を溶かせないかしら?」

ボクとアルマが目を合わせる。

「ヤエノさん、お願いしますっ。」


ヤエノはニヤリと笑った。

「消火担当に私もいくわ。」

万一、船に引火してしまった時の事を考えたのだろう、イリエが同行すると言う。


「二人とも、頼んだ!」

巨大イカの足の攻撃を防御魔法で防ぎつつ、二人に希望を託した。


船を引き離す事が出来れば、火魔法を思う存分放つことが出来る。

が…海面の氷が溶けてしまい、巨大イカが自由に動けるようになってしまう。そうなると、傷を負っている巨大イカは逃げ出してしまう可能性が高い。


攻撃は他の魔法師団に任せて、ボクとアルマは防御魔法の展開に集中した。

巨大イカは何本もの足を駆使して魔法師団を攻撃してくる。船から足を離したのは攻撃に転じる為だったのだろう。


ん?動いているな…

「ヤエノとイリエは成功したみたいね。」アルマがニコリと笑う。

船が動き始めた事に気がついた第三魔法師団長が声を出す。

「船が動き始めたぞ!火魔法使いは最大火力を放つ準備を!」


合図である煙が上がると、一斉に魔法師から火魔法が放たれた。


ズドドドドーン


巨大イカの怪物は炎に包まれ、苦しそうな声を上げる。

が…まだ生きている。

「まずい…逃げられる。」


「水魔法 上級…絶対零度の氷壁!」

ボクは溶け始めた海面の氷を再び固めて怪物の行動に制限を加える。


「マイト、ヒスイが呼んでいるわ。」

「ん?こんな時に何だ?アルマ…代わりに召喚してくれるか?」


ボクの代わりにアルマがヒスイを召喚すると、出てくると同時に青い色をした蝶を放った。

召喚獣ヒスイのピンク色をした目から放たれた青い蝶が空高く昇っていく。


それは、とても幻想的な状況だった。

~~~~~~~


読んでいただきありがとうございます!

良かったら、ブックマーク、いいね、⭐︎評価お願いします!


誤字・脱字等、ありましたら、是非ご指摘くださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ