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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

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海の怪物、討伐作戦 1

今、ボクとイリエ、ヤエノの3人は湾岸都市シザカンに来ている。


海に怪物が出て困っているとの事で応援に来たのだが、初めて来た街なので見た事も無い建物や品があり、なかなか面白い。


「こんなに魚料理が美味いとは知らなかった!私はまだまだ勉強不足だ。」

「本当、このお酒も美味しいわね!何から出来ているのかしら。」

確かに、イリエが絶賛するフルーティで甘味のあるこのお酒は王都でも飲んだ事が無い味だ。

3人で来た街の酒場にて、見た事もない食事とお酒で大いに楽しんでいる。船乗りが集まるこの酒場は、とても賑やかで楽しい雰囲気だ。


すると軍の先輩であり、友人サビアスの兄でもあるキルアスが声を掛けて来た。

「随分と楽しんでいるね。ここ良いかな?」

今回の作戦では、キルアスが砂漠の街ヤンガノから来た応援部隊の隊長を任されている。

ボク達3人が応援部隊に選ばれたのは、立候補した事もあるが、何よりエタレナ魔法師団長の推薦が大きかった。


「キミ達が赤竜盗賊団の討伐で大活躍だったと聞いたよ。是非、オレにもその時の話を聞かせて欲しいな。」

討伐隊に参加していなかったキルアスが笑顔で問いかけてきた。

「ヤエノが火魔法で赤竜の炎のブレスを相殺させたのは凄かったね!」

「いやいや、イリエの氷の槍が赤竜を攻撃した時の姿は壮観だったよ。」

酔っ払っているヤエノとイリエは上機嫌でお互いを褒め合っている。


「マイトラクスくんは、どんな活躍をしたんだい?」

キルアスが言うとヤエノが口を開く。

「そうそう、マイトの召喚獣も大活躍だったね!あの蝶にまさか睡眠効果があったなんてねー。」

「でも…どうして普段の訓練では効果が出なかったのかしら?」

「あの時、赤竜はだいぶ弱っていたからかなー。」

ボクはイリエが不思議そうに聞く質問に答えた。勿論、睡眠効果が効いた本当の理由は分からないので予測にはなるが。


「どうして、君たちはそんなに魔力量が高いんだい?」

「日頃の鍛錬の成果です!」

「成果です!」

ヤエノとイリエが声を揃えて言う。言うというより叫んでいる。

幸い、酒場はとても騒がしいので、目立ってはいない。


「マイトラクスくんの召喚獣は、どうしてそんなに凄いんだい?」

「え?」

そう言えば、この質問は…どこかで聞いたような…

「もしかして…エタレナ魔法師団長から質問するように頼まれたのですか?」


ボクの問いにキルアスは苦笑いを浮かべる。


「当たったな…」

ボクも苦笑いを浮かべた。


「いやぁ、師団長から君達の秘密を探れと言われてしまってねぇ。弟の友達だから気が引けたのだが…」

あっさりとキルアスは白状した。


「隠す気なかったでしょ。」

ボクが言うと、またまた苦笑いを浮かべるキルアス。


「ところで今回の海の怪物の討伐の件だが…」

話題を変えたかったのだろう。キルアスは突然、今回の討伐作戦の話を切り出した。

「実はエタレナ魔法師団長から指令を受けていてね。同じく王都から応援に来る魔法師団と、ここシザカンの魔法師団には負けるな!」

との事だ。


今回の討伐作戦は、海の怪物が相手とあり騎士団の出番は無い。

集まった各魔法師団同士の連携が大事になると思うのだが…


キルアスは溜め息をついている。

イリエとヤエノは…まったく話を聞いている様子は無く、美味しい酒と料理をパクついていた。


「その…怪物の情報はあるのですか?」

ボクは尋ねると、キルアスは答えた。

「複数本の足を持ち、巨大なイカのような姿をしているそうだ。」


すると…料理を食べていたヤエノとイリエが突然、話に割り込んできた。

「その巨大なイカは何人分になるんだろうな!」

「えー、食べるのはちょっと気持ち悪いでしょ!」

まったく緊張感の無い二人の会話を聞いて、キルアスは笑い出して言った。

「弟のサビアスは良い友達を持ったようだな!」


翌朝、各魔法師団が港の広場に集まり、怪物〜巨大イカ討伐作戦の号令式が行われた。

まず、ここシザカンの街を守護する第三魔法師団長から挨拶があり、その後、作戦の説明が発表された。

各魔法師団毎に船に乗り込み、海に出る。

船は王都から応援の第二魔法師団で1隻、砂漠の街ヤンガノから応援に来ている第四魔法師団で1隻、そして第三魔法師団は2隻の船、合計4隻に分かれて乗船。

各船で怪物イカを探し、見つけ次第、他の船に集合の依頼を掛ける事。と命令を受けた。決して単独で怪物を倒そうとするな。との事だ。

また、巨大イカの弱点は炎だとの情報も伝えられた。


「あら、水魔法使いの出番は無いかしら?」

「今回はわたしの活躍を見ていてくれ!」

ヤエノがイリエに向かい胸を張って伝えた。


「ここは海。水の力を感じやすいから、いつもより強力な水魔法を撃てるかもしれないよ。」

「たとえ相手に水魔法の耐性があったとしても、それを貫く程の威力を出せば良いのね!」

ボクのアドバイスを受けてイリエが微笑んだ。


キルアスを先頭にボク達、第四魔法師団は船に乗り込む。

初めて乗る船に少しワクワクしてしまうが、砂漠地帯で過ごしている第四魔法師団の面々は誰も似たような気分のようで口元が緩んでいる。


が、船での怪物探しは思ったより退屈だった。

海はとても広く、東西南北どこを向いてもただ青い海が広がる。

「何も無いのねー。」

「ごはん、まだかしら?」

イリエとヤエノもかなり退屈している。


偵察に出ていた鳥型の召喚獣が船に戻ってきたが、どこにも怪物は見当たらないようだ。

深い海の底に潜まれていたら見つけようが無いな。

そう考えていた矢先、遠く北の方向から煙が上がったのが見えた。


あれは!怪物が出た事を知らせる合図だ。

「北に進路を!北に向かうんだ!」

キルアスが大きな声を上げて指示を送る。


船の移動には魔法の力を使う事が出来ないので、この街の住人である海の男たち任せだ。

ボク達は、ただ煙が上がった方向を見つめる事しか出来ない。

急いで!と心に念じるも、なかなか煙に近づけずもどかしい。


やっと怪物と船が見えてきた。

「あれは…第三魔法師団の船!危険な状態だ!」


第三魔法師団の船は、巨大な白い物体にまとわりつかれ、傾いているのが分かった。

船からは何発もの魔法が放たれている。


近くには王都からの派遣団、第二魔法師団の船がすでに到着していたが、それ以上近づけないでいる。


「なんて巨大な怪物なんだ…」

キルアスがボソリと呟く。


「これは厄介な状況ね、あの怪物に強烈な魔法を放つと船まで破壊しかねないわ。」

確かに…アルマが言うように、船と密着している怪物だけに大火力の攻撃を加えるのは極めて難しい。


何も出来ずに居ると、もう一隻の第三魔法師団の船も到着した。

ボク達の船同様、一定の距離を取ったまま待機している。


「このままでは、仲間の船は転覆してしまいます。」

ボクは思い切ってキルアスに自分のアイデアを伝えてみた。


「その作戦を実行するには多くの水魔法師の力が必要だ。今回の部隊編成は火魔法使いが多いと聞いている…」

そう話をしている間にも怪物に絡まれている船は、より一層傾いた。


「無理かも知れませんが、無理じゃないかもしれません!」

ボクの真剣な眼差しを見たキルアスは、各船に伝令を出す準備に入った。

伝令には鳥型の召喚獣が使われたので、他の船にはすぐに作戦内容が伝わった。


第四魔法師団でも水魔法使いが集結した。

「イリエ…アルマ…準備はいい?」

「うん、全力を出すわ。」

「私、水魔法は苦手なのよねぇ。」


周りを取り囲んでいた3隻の船はゆっくりと怪物と傾いている船へと近づく。


そして…合図と共に各船から一斉に魔法が放たれた。

「水魔法…氷結!」

放たれた氷形成の水魔法、氷結。海面がみるみるウチに凍っていく。怪物に絡みつかれている船からも氷結魔法が放たれ、怪物の周りも氷つく。

が、怪物は動いて氷で水面が固まるのを阻止し始めた。


「くっ!もう少しだ!水魔法師のみんな…頼む!」

キルアスが叫ぶ。


「水魔法…上級 絶対零度の氷河!」

ボクは全力の水魔法を化物に向かって放った。


「な…なんだ、この威力の魔法は…」

困惑の表情を浮かべるキルアス。


「水魔法…上級 絶対零度の氷河!」

さらに上級魔法を行使する。


怪物の周りと傾いた船の周りは氷で固まり、その動きを止めた。


~~~~~~~


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