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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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視点〉アルマティアス 魔法訓練

正直、驚いた。

白い肌に金髪、そして美しい緑色の目をした小柄な男の子、マイトラクス。

基本を教えただけで、すごい集中力を発揮している。今も・・・私が頭の上に乗っているのに全然気づいていないわ。


ペシペシ

尻尾で岩の上に座るマイトの顔を叩くと、かなり驚いている。ふふふ、思わず笑ってしまう。


「なんだよ!ビックリするじゃかいか!」


これも集中力を高める為の訓練だとマイトに伝えるけど、実は暇つぶしの一面もあったりする。

驚く顔が可愛いのよねー


ただ、私は魔族だから優しくはしないわ!

召喚獣としての姿をしているけど、ナメて貰ったら困るからね。


と…思いつつ、

毎日、邪魔をしても同じように驚くマイトの姿を見ると、やはり口元が緩んでしまう。


魔法の練習は、かなりスムーズに上達していく。

四魔法を自在に使えるだけでも普通ではあり得ないけど、これほどまでとはねぇ。


一ヶ月程で、初級魔法の習得を終えて

今は中級レベルから上級レベルの魔法の練習へと移り変わっている。


初級魔法とは違い、イメージの作り方が難しい。

難易度が上がるのと比例して、構築するイメージの精度が高まるのに加え、私も出来ない魔法が多数なのだから、うまく教えられる訳が無いわ。


「ねぇ、アルマ。どうして貴方は自分が使えない魔法まで知っているの?」


普段はボーっとしているのに、なかなか鋭い質問をしてくるわね。


「見たことがあるからよ。」


完結に答えると、マイトはそれ以上の詮索はして来なかった。

何かを察する能力は、子供とは思えないわね。


半年程が経ち、

一度、思いっきり魔法を発動させたい。とマイトが言うので、村から離れた山にまで登ってきた。

ここなら少々大きな音が出ても見つからないわね。


「じゃあ、マイト。あの岩山に向かって魔法を行使してみなさい。」


あれ?

なんか私が見たことも無いような魔法まで使っているんだけど…。


何?

氷の剣舞って…。


岩山を崩して喜ぶマイト。

本人は自覚していないけど、とんでもないスペックだわ。

けど、危険ね。

この子には、もっと肉体的にも精神的にも成長してもらわないと…。

私はマイトの規格外の能力が世に知れ渡らないように、注意を促した。


それを聞いて疲れるマイト。

いえ、マイト以上に私の方が疲れたのじゃないかしら。

と、ため息を漏らした。


その時、突然、森の方で悲鳴が聞こえた。


マイトは「妹の声だ!」と叫んで走り出した。


声がした方には、2体の人族の気配と…3体の獣の気配…いや、この気配は魔獣だわ。

マイトを誘導しながら、何故こんな場所にと思考を巡らす。


怪我を負いながらもマイトの父親が魔獣3体と対峙している。

傍らには妹のサフィアが倒れている。

えーっと、命には別状は無さそうだけど、頭を打っているみたいだから長引くと危険ね。


魔獣の出現と怪我をした家族を見て震えるマイト。

が、すぐに戦闘態勢を整えた。

集中力を高める訓練が、この緊迫した場面で役立っているわね。


マイトからの指示を受け、私は魔獣1体に向けて先制攻撃を放つ。


「光魔法…上級 羽衣!!」


羽衣は光の障壁を身体にまとう事で自身を衝撃から守る光魔法。

他の障壁魔法とは違い、自由に動けるのが特徴。


加速をつけてイノシシ型の魔獣へと突撃。

両足を魔獣の顔をぶつけた!


さらに、畳みかける。


「光魔法…上級 光槍!!」


眩い光を纏った光の槍を魔獣の背中へズドンと突き刺す。

魔獣は断末魔を叫び、ドスンと倒れた。


マイトも上級魔法、中級魔法を駆使し、魔獣2体を倒して妹のサフィアへと駆け寄っている。


悲壮感に溢れ、今にも泣き出しそうになっているマイト。


助けを求めるマイトに対し、私は自分で妹を助けるように促した。


マイトは…きっと光魔法を使う事が出来る。

確証は持たないが、試してみる価値はある。


光魔法は暖かな日の光をイメージが重要になる。

毎朝、朝日を浴びて気持ち良さそうにしているマイトの姿を思い出した。


サフィアに手を差し出し、光魔法を発動しようとするマイトに助言しつつ…。

イメージを掴みやすいように、そっと彼の背中に少量の光魔法・・・回復をかけた。


「流石ね…。」


私は見事、初めて光魔法を発動させたマイトを見つめ続けた。

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