表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/116

盗賊団討伐 1

赤竜盗賊団討伐が決まってから一週間、ついにその日を迎えた。


魔法師から40人、騎士団から20人、治療院から5人の薬師という構成で部隊が編成された。


多くて30人程の盗賊団が相手との情報だったので倍以上の人員が準備された計算だ。

本当は騎士団長でも40人を募ったのだが、半分しか集まらなかったらしい。


盗賊団へのアジトへと向かう道中、ヤクトルド騎士団長が申し訳なさそうに言う。

「マイトラクス君、残念だが騎士団は予定の半分しか集める事が出来なかった。」

「一緒に来ていただけただけでも十分です。」

ボクは感謝を込めて返事をした。

実際、騎士団と魔法師団が協力して一つの物事に立ち向かう事など無いらしい。

今回は新人の戯言(たわごと)に仕方なく付き合ってやる、といった騎士団側のスタンスのようだが、この共闘作業は歴史的な事だと先輩魔法師から言われている。


「赤竜に対抗するために魔法師団は水魔法を得意とする人員で構成した。準備は万全だが危険だと感じたらすぐに撤退する…良いな。」

エタレナ魔法師団長は自信満々な表情をしつつ、万一の事も伝えて来た。

ボクは自分が強引に討伐を持ち掛けたので、誰一人欠けることなく作戦を成し遂げたいと思った。


「本当、厄介ごとを産み出すのが好きね、キミは。」

アルマが不機嫌そうに言う。

「いや、アルマ程でもないよ…」

ボクはアルマを横目に見ながら言う。

「どっちがよ。」「どっちがだよ。」と二人して言い争いをしていると後ろから声が聞こえた。


「どっちもどっちよ…」

声の主はイリエとヤエノだったが、ヤエノには言われたくないな。と思う。

これにはアルマも同意見だったようで頷いた。


盗賊団のアジトは山中にあると言うが、はっきりとした場所までは把握出来ていない。

どんな罠があるかも分からないので警戒しながら歩く。


召喚獣ヒスイも一緒に歩いている。

あれから一週間…ヒスイを訓練に出す事もあったが、相変わらず目から蝶を出す事しか能力が分かっていない。ただ、新たに分かった事もある…ピンク色の他にも青色や赤色の蝶を出せるのだ!

が…それだけだった。


砂漠地帯の山だけあって木々は無く、大きな岩がゴロゴロと転がっている。

黙々と歩く討伐隊の一行。盗賊団にこの討伐の件がバレている可能性もあり、そうなると隠れられたり、逃亡される事も懸念される。

が、一行の中には、盗賊団に会わずに済むなら、その方が良いと考えている者も居るのは確かだ。

ヒソヒソと話をしている声から、そのような内容が聞こえてきている。

盗賊団を倒す。という事は街の平和に役立つが、自分達が危険を冒してまで…という思いも分からなくは無い。


その時、先頭を行く騎士団員から合図が届いた。

盗賊団のアジトと思われるる洞窟を見つけたらしい。


ボクも先頭へと行き、示された洞窟の方を見ると確かに4人の見張りが居た。

見張り…なのか?どう見ても遊んでいるように見える。


ヤクトルド騎士団長とエタレナ魔法師団長が話し合いを始めた。

「洞窟の中に入るのは危険だが、一網打尽にするには突っ込むべきか。」

「いや、なるべく危険は回避したい。狭い洞窟の中では人数的優位を発揮しにくい。」

話し合いにボクも加わる。

「恐らくですが…リーダー格を倒せばこの盗賊団は崩壊すると思います。」

「だと…おびき出して洞窟の前で戦う事にするか。」


作戦内容と人員の配置が決まり、一気に行動へと移る。


まずは騎士団員で見張り役と見られる4人を取り囲んで拘束。

次に召喚術師達が召喚獣を洞窟内へと侵入させる。

数分後、ゴホゴホと咳き込みながら盗賊団と思われる集団が洞窟内から飛び出てきた。


召喚獣には薬師が作った煙玉を持たせていて、洞窟の奥で爆発させたのだ。

黒い煙が充満した洞窟内に居る事は出来ず、涙を流しながら次々と盗賊はあふれ出て来た。


「よし、順調だな。」

エタレナ魔法師団長が言う

「怖いのは赤竜だ、リーダー格は誰だ?」

ヤクトルド騎士団長が真剣な表情でじっと状況を分析している。


が、赤竜を使役しているというリーダー格の人物が誰か分からない。


「来たわ!上よ!」

アルマが叫んだ。


真っ赤な体をした竜が翼をはためかせながら頭上から突撃して来るのが目に飛び込んで来た。

赤竜は高速で落下しながら…大きな口を開ける。


「炎のブレス、来るぞ!防御魔法の展開を!」

エタレナ師団長が大きな声で叫ぶと、魔法師達が一斉に空中に向かって防御魔法を展開する。

何枚もの氷の壁や土の壁が展開された。


なんとかブレスを防御魔法で相殺させる。

「なんて、強烈なブレスだ!」

魔法師の中から、驚きの声が聞こえる。


騎士団員は洞窟から出て来た盗賊団を捕まえるので手一杯な様子でアテにする事は出来ない。ヤクトルド騎士団長も戦いの中に加わっている。


赤竜は近くにあった岩の上へと降り立つ。

横には盗賊団と思われる人影があった…その人数は4人。


「水魔法…中級 氷結!」

魔法師団が一斉に赤竜へと向かって攻撃魔法を放つ。

が…赤竜はブレスを放って魔法師の攻撃魔法を相殺させた。


「くっ」

エタレナ魔法師団長が唇を噛み、歯がゆい思いが口から洩れた。


「なかなか強いね、あの竜。」

イリエとヤエノが対峙した感想を言う。

「そろそろ行ったら?」

アルマが声を掛けて来た。


「あの4人を捕まえたいが、ちょっと遠いなぁ。まぁ…行くか。」

「イリエさん、ヤエノさん、アルマ、行くよ。」

「ヒスイは…ちょっと待ってようか。」

ボクはそれぞれに指示を伝えて、魔法師団の先輩方の前へと出た。


「あなた達、無茶してはダメよ。」

エタレナ魔法師団長が声を掛けてきたが、ボクは振り向くと笑顔で答えた。


ボク達と対峙した赤竜は早速、大きな口を開けて構えた。

「ヤエノさん、頼んだ。」


「火魔法 上級…炎帝の双璧!」

魔法剣を振りかぶり、ヤエノは渾身の上級魔法を赤竜の口へ向けて放った。


「バカ、赤竜に炎など効かないだろ!」

後ろからエタレナ師団長が叫ぶ。


赤竜の口から放たれた炎のブレスとヤエノの渾身の上級魔法が中間地点でぶち当たる。

強烈な炎と炎のぶつかり合いで周囲は熱を帯び、岩をも溶け出す。


やがて、どちらの炎もふっと消滅した。


「す…凄い…」

そう呟いた師団長だけでなく、魔法師全体が静かになる。

と…そこに…間髪入れずに高い声が響き渡った。

「水魔法 上級…水虎の氷槍!」

空中に巨大な氷の槍が出現…周りからは、どよめきが巻き起こる。

「氷の槍よ…行け…」

静かに腕を振り下ろすイリエ…彼女の上級魔法も以前より格段に強化されている。


もう一度ブレスを放とうとした赤竜だが、間に合わないと踏んだのか、慌てて翼を動かし空中へと飛び立とうとする。

「風魔法 上級…神風の頂き!」

イリエと同時に魔法を展開させていたボクは、赤竜の頭部に向かい巨大な竜巻を放った。


ドゴーーーーン!


同時に放たれた上級魔法により、空中へと飛来する事も出来ずに直撃を受ける赤竜。

巨大な氷の槍と巨大な竜巻は確実に赤竜を捕らえた。


ぐったりと項垂れる赤竜。


「あなた達、凄いわ!」

エタレナ師団長が叫ぶと共に、魔法師団からも歓声が巻き起こる。


水魔法で赤竜のブレスを防ぐ事が効率が良いのは分かっていたが、それだと攻撃が手薄になる。

あえてヤエノの火魔法を防御に使った事が上手く行った。万一ヤエノの魔法が突破された時に備えてアルマを待機させていた。


勝敗はついたかと思われた。


が…赤竜の近くに居た盗賊団の一人が壺を掲げると、赤竜はふたたび立ち上がった。

「何?回復した?」

よく見ると、壺から不思議な煙がモクモクと出て、赤竜の体を包み込んでいる。


「マイト…あの赤竜、回復した訳じゃないわ。」

アルマは言う。

「バーサク状態よ。あの盗賊団に無理やり動かされているわ!」

~~~~~~~


大晦日となりました。

皆様の2022年はいかがでしたでしょうか?


2023年、世界中に平和で平穏な日々が訪れますように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ