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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第二章

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新しい出会い

砂漠の街ヤンガノ支部での騎士団と魔法師の対立という重苦しい話題から切り替えようとしてくれたのか、コンドルド団長はボク達を部屋から連れ出した。


「まずは宿泊施設だ。君たち魔法師のおかげで浴場もある。とりあえず寮長に荷物を預けて来なさい。」

ボク達3人はこれからお世話になる寮長さんに挨拶をした。

とても優しそうな中年の夫婦で、何かあれば何でも相談するようにと言ってくれた。


「ここは食堂だ。好きなメニューを選べるようになっている。」

「騎士も魔法師も同じ場所ですか?」

ボクの質問に対して、団長は頷いた。

ヤエノは食い入るようにメニューを見ている。

「食事は街で取っても、自分の部屋でも良い。時間さえ守れば自由だ。」


団長自ら支部の施設を案内してくれている。

騎士団長である事に加えて伯爵という身分を思うと、とても考えられない事だ。

学園で"団長の弟"がボク達に迷惑を掛けてしまったから、そのお詫びだろうか。

それとも誰に対しても親切な方なのだろうか。


「これが訓練場になる。右側が騎士団用、左側が魔法師用だ。」

とても広い空間で周りは岩山で囲まれている。この広さなら思いっきり魔法を繰り出せそうだ。

騎士団用と魔法師用とで分かれているのは安全の為だろうか。

現在も訓練をしている人達がいる。


「ちょうど魔法師団長が居るな、紹介しておく。」

「おーい、エタレナ!」

コンドルド騎士団長が叫ぶと、緑色の長い髪をなびかせてキリっとした顔立ちの女性が走って来た。


「今日から配属された新人の3人だ。」

団長の簡単な紹介は、自分達で挨拶をしろと言う事だろう。


「この度、こちらに配属されましたマイトラクスです!」

「イリエティーナです!」

「ヤエノカシスです!」

ビシッと敬礼をする3人…だいぶ様になって来たのではないだろうか。


「第四魔法師団長のエタレナだ。よろしく頼む。」

見た目より少し低めの声が印象的だ。

「早速だが、あなた達の得意魔法は何だね?」


「私は水魔法です。」

「私は火魔法です。」

イリエとヤエノが簡潔に答えた。


「ボクは…全般ですね…」

複数の魔法を使える事は考えられていない魔法師の世界、どう言うべきか迷ったが正直に答えた。


「全般?とは…」

エタレナ師団長が首を傾げる。

うん、やはり不思議に思うよな。


「おかしいな、カッサリル第一魔法師団長からは、召喚術師を送ると連絡を受けているのだが…」

「あ、はい!そうでした。ボクは召喚術師でもあります!」

自分でもどう答えれば良いのか分からず、とりあえず適当に答えてしまった。


「やはり、そうか。では、私の召喚獣をお見せしよう。」

エタレナ師団長は杖で空中に魔法陣を描いた。

描かれた緑色の円の中心から、ゆっくりと青い姿が現れる。

「グォォン」

2本足で立つたくましい体を持つその青い召喚獣は今までに見た事も無い姿をしていた。

「私の召喚獣、グリルデルよ。」

仲良さそうに師団長は召喚獣に顔を近づけた。


「さぁ、次はあなたの召喚獣を見せて。」

これは…困った。

師団長にボクが魔法で作った創造の召喚獣を見せても『何これ?』と言われるだけだろう。

イリエとヤエノを見てもブルブルと顔を横に振って『ダメ』だとサインを出している。


「マイトラクス君、どうしたの?顔が青いわよ。」

もう…腹をくくるしかない。

えーっと、まず魔法陣を描かないとだな。

ボクは杖を空に向けて赤い魔法陣を描いた。


「いでよ!アルマティアス!」


しーん。と辺りは静まり返った。

コンドルド騎士団長も不思議そうな顔をして見ている。

イリエとヤエノは手を合わせて拝んでいる。


おーい、アルマ…居ないのかー?

心の中で叫ぶ。


「い…いでよ!アルマティアス!」

さっきより声を大きくして叫ぶ。


「何よ!うるさいわねぇ!」

ボクが描いた魔法陣とは違う空間が赤く光り、怒りながらアルマが出てきた。


「お、おい、少し場所がズレてるだろ!」

「何、このお絵描きは?」

アルマはボクが描いた魔法陣を足で蹴って消した。


頭を抱えるボク。

イリエとヤエノも同じようなポーズを取る。


「ちょっ…ちょっと…召喚獣が喋っているわ。」

エタレナ魔法師団長が目を丸くさせて驚いている。


うん、やはりこうなるわな…

「ボクの召喚獣…アルマティアスです。」

色々と突っ込みどころが多そうだが、とりあえず紹介した。


アルマは腕を組んで仁王立ちをしている。

以前は魔族だから横柄な態度も仕方ないと考えていたが、魔族じゃないのなら態度を改めて欲しいところだ。


「言葉を話す召喚獣なんて初めて見たわ。」

うん、たぶんアルマは召喚獣じゃないですね。

本当の事を知らないので、何も言えずにボクはただ愛想笑いを浮かべた。


「まぁ、いいわ…とりあえず明日からしばらくは訓練に参加して貰うわ。集合時間は守る事、いいわね。」

「はい!」

エタレナ師団長の言葉に3人で返事をした。


最後に集会場を案内されて、ボク達はコンドルド団長と別れた。


宿舎に行き、それぞれの部屋へと案内された。


「ふぅ〜、アルマさん。もうちょっと態度を改めて貰わないと。」

文句を言いながら荷物を片付ける。

「ちょうど良いところだったのよ!一旦、戻るわ。」

そう言うと、魔法陣からまた何処かに行ってしまった。


一体、何をしているのか…


荷物を片付け終わり、ゆっくりとしているとイリエとヤエノが訪ねて来た。

「やっほー。」「やほほー。」

二人が聞き慣れない挨拶をして入ってくる。


「あれ?アルマちゃん、もう居ないの?」

「うん、なんか忙しいみたい。」


3人でお茶を飲みながら、この施設の事や団長たちの事を話す。

不安な面もあるが、楽しみな事も多そうだ。

特にイリエは初めての一人暮らしという事で緊張しているようだ。

ヤエノが食堂のメニューについて話し出したのには驚いた。

いつの間に記憶力が増したのだろうか。


すると突然、赤い魔法陣が光る。

「お、アルマ…帰って来たんだね。」


赤い魔法陣から、ゆっくりと緑色の足が…


え?緑色??


「イリエさん、ヤエノさん、下がって!」

ボクは警戒して杖を構える。


赤い魔法陣から出て来たのは…


2本足で立つ緑色の体をした獣だった。

目は一つしか無く、薄いピンク色をしている。

「キュイイイン」

と一声鳴く。


「キミは…誰?」

イリエとヤエノもボクの背後で構えている。


「ちょっとー、先に行ったらダメでしょ!」

魔法陣からアルマの声がして出て来た。


「警戒しなくても良いわよ。」

「紹介するわ。この子は"国宝の腕輪"に封印されていた召喚獣よ。」


「え?あの腕輪に封印されていた?」

「そう、正確に言えば腕輪にはめられていた緑色の宝石、翡翠(ひすい)に封じられていた獣。マイトが貰ったのだからキミの召喚獣よ。」


「キュイイイインッ」

挨拶をするかのように召喚獣が声を上げた。


「え!かわいいー!」

イリエとヤエノが叫ぶ。

「ねぇ、アルマちゃん。この子の名前は何て言うの?」


「名前はまだ無いわ…マイトが決めるべきよ。」

「え?ボクが決めるの?」

じっと緑色の召喚獣を見つめる。


召喚獣の方もピンク色の目でボクを見つめている。


「ヒスイ…うん、ヒスイで。」


「ちょっと、そのまんまじゃない。」

アルマに加え、イリエとヤエノからも突っ込みが入った。


「うん…でも、なんとなくヒスイが良いかな…と。」

「まぁ、良いわ。直感は大事にすべきよ。じゃあ、この子を呼び出す時の魔法陣を教えるわね。」

ボクはヒスイを呼ぶ為の魔法陣をアルマから教わった。

それにしても…王様から貰った"国宝、魔力増加の腕輪"の中に召喚獣が入っていたとは驚きだった。

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