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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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決戦の日 4〜第一章 最終話

イリエ、ヤエノ、サビアス、カミュア、ラブラリル…

みんな…苦しそうな表情を浮かべて倒れている。


「嫌だ…こんなの嫌だ!」


騎士団、魔法師団、剣士科、魔法科の生徒達、薬師のみんなまで倒れている。


「ははははは。面白い。実に面白い。」

3体の魔族が笑い声をあげている。


「アルマァァァ!」


吹き飛ばされたのか、少し離れた所で倒れていたアルマを抱き起こした。


「マイト…杖を…あの水晶がはめられた杖を。」

「ここにあるよ、でも…まだ上手く使えないんだ。」


「大丈夫…キミは知っている筈よ、その水晶の事を。」

「思い出して………わたしの事も。すべてを。」


「思い出す?何の事を言っているんだい?」


「その水晶はキミが作ったものよ。よく見て…」


いや、これは武器屋で売られていたものだよ…

そう言いながらもボクはじっと水晶を見つめる。


「さぁ、光魔法を展開するのよ。みんなを助ける為に…大魔法師トルナシア。」


大魔法師トルナシア…アルマにそう呼ばれた瞬間…不思議と口から言葉が出た。


「全方位!」


みんなを助ける為に…


「全方位、全回復!!」


手に持った杖の水晶から光が放たれた。

城壁と、その周辺がまばゆい光に包まれる。

暖かい…とても暖かな光だ。


「思い出してくれたのね?トルナシア!」

回復魔法を受けて元気になったアルマが騒ぎ出す。


「いや、口から勝手に呪文が出ただけで何も思い出していないよ。」

「どうしてボクがトルナシア様なんだよ。」


「え?まだ思い出せないの?わたしの事も?」

「キミは伝説の大魔法師トルナシアの生まれ変わりなの!しっかりして!」


「いや…しっかりしてと言われても…」


イリエ達、魔法科の生徒も起き出した。

「あれ?傷が塞がっている…すごく暖かな光を感じたのは分かったけど…何だったの?」

魔法師団、騎士団、薬師のみんなも不思議そうな顔をしながら起き上がる。


「その杖は…何だ!?一体何をしたんだ!?」

3体の魔族が怒ったような口調で言う。


「大昔の杖…みたい。」


「クソッ…もう一度、全滅させてやるだけだ。」


「暗黒魔法…斬首の惨劇」

「暗黒魔法…亡霊の嘆き」

「暗黒魔法…暗黒炎弾」


3体の魔族が攻撃を繰り出す。


ボクは急いで防御魔法を発動する。

「土壁!」

「あれ?…魔法が発動されない!」


「火魔法…火柱!」

「水魔法…氷壁!」

「風魔法…風舞!」

「土魔法…土壁!」

ヤエノ、イリエ、カミュア、サビアス、ラブラリル、そして魔法師団の全員で防御魔法を展開する。


ドドドドーン!


全員の力を合わせて、なんとか魔族の攻撃を防いだ。


なんだろう?おかしい。

魔法を発動する事が出来ない。


「ねぇアルマ、魔法が…魔法を発動する事が出来ないんだ。」

「マイト…それが魔力切れよ。全方位の全回復なんて、とんでもない魔法を使ったのだから当然よ。」


「じゃぁ、魔法回復薬を…」

「マイトの魔力だと、そんなものじゃ微々たる回復しかしないわ。わたしに任せて…」


アルマは…そっとボクの頭を抱き寄せた。

なんだろう、この感じは…とても懐かしい気持ちになる…


「キミの魔力…お返しするわ。」

アルマから徐々に魔力が流れてくる事が分かった。

「ん?この魔力は…」


「そうよ、これはキミの魔力…毎晩、わたしに提供していたキミの魔力。」

「え?どうして…?」


「この日の為に貯めておいたのよ…元々キミの魔力だから遠慮なく受け取りなさい。」

「アルマ…キミは自分の為にボクから魔力を取っていたのじゃなかったんだね。」


「わたし…の為でもあるから、大丈夫よ。」


ボクはゆっくりと魔力を全回復させた。


「さぁ、キミの力は…キミが開発した光魔法の力はそんなものじゃない筈よ。」

「暴れてきなさい。」


ボクはアルマに尻尾でお尻を叩かれると、全体が見渡せる位置に立った。


「全方位!」


「光魔法…筋力強化!体感強化!視力強化!集中力強化!」


両手を大きく挙げて、全方位の魔法を発動すると、杖の先端に取り付けられた水晶が輝く!


「何この力?凄い…」

ユキアノは、両手を自分の方に向けて…握りしめる。


ターンっ


大きく蹴り出し、その体を空中に舞わせた。

シュシュシュシューン


ユキアノの降り抜いた2本の剣が魔族を切り裂く。


「ぐわぁぁ」

魔族の一体が苦しそうな雄たけびを上げた。


「何故だ?何故、こんな小娘がそのような力を!」

「くっ、生意気な!」

魔族の2体が怒りに震えている。


地上で魔獣と戦う騎士団からも歓喜の声が聞こえて来た。


「私たちも…」

「火魔法…上級 炎帝の双璧!」

魔力が復活したヤエノが魔法剣を振りながら上級魔法を放つ。


「水魔法…上級 水虎の氷槍!」

同じくイリエが魔法の杖に祈りを込めて上級魔法を放つ。


「風魔法…上級 艶花の乱舞!」

妖艶なカミュアの上級魔法が魔族の体をむしばむ。


「土魔法…上級 砂人の剛腕!」

サビアスが渾身の一撃を放つ。


「ぐわぁぁぁ」


みんなが放った上級魔法が3体の魔族、それぞれに大きなダメージを与えた。


「なんだ?先程までとは威力が違う。」

苦しそうな顔をしているが魔族がギラリとボクを睨んだ。


ふたたび全方位魔法を連発して放ったボクは魔力切れを起こし、再度アルマから魔力の供給を受けている。


「お前が悪い!お前が悪い!お前が悪い!」

3体の魔族が一斉にボクに向かい襲い掛かってきた。


大きな黒い腕をボクに向けて振り下ろす。


ガキンッ


「ジンハイト!」「サモアン!」

剣士科との決闘で戦った二人がボクの前で盾を構え、魔族の攻撃を防いだ。


「お前だろ?さっきの暖かい魔法、瀕死だったオレは助かった…借りを返さないとな。」

そう言うと、魔族へと切りかかる二人。


ユキアノも参戦し、3対3で戦う。

身体能力が向上している3人は、魔族と互角に渡り合う。


「すっごい調子良いぜ!魔族の次の動きが分かるようだ!」

ジンハイトが叫びながら戦う。


「筋力の増加を感じる。」

サモアンは相変わらずクールだ。


「課題だった破壊力が増しています。」

ユキアノが二刀流を振り回す。


「えええーい、鬱陶しい!…暗黒炎弾!」

爆発音が鳴り響き、ジンハイトとサモアン、ユキアノが倒れた。

近距離で魔法を使ったために、魔族自身もダメージを受けている。


「みんな、少し時間を稼いで!」

ボクが言うと第五魔法師団のみんなが一斉に魔法を放った。


倒れたジンハイト達3人は、ナタリアたち薬師が治療を行うが、大事には至っていないようだ。


ボクは杖にはめられた水晶を見つめながら詠唱を始めた。

いつもより長い詠唱時間…

なんだろう、この感情は…うん、分かったよ水晶。


「みんな、引いて!」


杖を大きく天に掲げて魔法を発動させる。


「光魔法…究極 世界の最果て!!」


一面が光に包まれ…視界は白く…ただ白く…音もなくなり…ただ静寂と白の世界が広がる。

何もない、無の世界だ。

そして…あたたかな感情だけが残った。


やがて、青い空が見え始める…


「ガハッ」


3体の魔族はゆっくりと倒れた。


「何?どうなったの?凄く、心地良い気持ちだったわ…」

イリエが感情を伝えた。


「魔族が倒れている…」

サビアスが驚きの声を上げた。


「勝ったのか?」

ヤエノが不安そうに言う。


「どうやらそのようだな。」

カミュアがヤエノに答えた。


「ワァァァァァァ!」

城壁の上は歓喜の声で埋め尽くされた。

皆、手を取り合って喜びを分かち合っている。


地上に残っていた魔獣達も赤い目が失われ、バダバタと倒れた。

騎士団も抱き合って喜んでいる。



「ねぇ、アルマ…ボクは上手く出来たかな?」

「うーん、ちょっと魔力の消費が激しすぎたかな?トルナシアの時と比べたら、まだまだよ!」


「ボクがトルナシア様の生まれ変わりだって事は本当なのかい?」

「そうよ、そして私はトルナシアと一緒に旅をし、魔王を倒した仲間のアルマティアスよ。」


「え?という事は、アルマって…400歳ぐらいなの?」

「失礼ね!まぁ…色々あってね、あの時の体はとっくに無くなったわ。今のこの体は借りの体よ。」


「よく分からないけど、複雑そうだね。」

「うん、説明するのは難しい事だから、そのうち話すわね。」


「で、どうしてアルマは魔族だなんてウソを言ったの?」

「キミの魔力を隠す為よ。キミの存在が魔王にバレないようにとの指示を受けていたからね。」


「指示?指示って誰から?」

「うーん、それは…まだ言えないわね。とにかく、魔王にキミの存在が知られた事は間違いないから。」


「魔王というのは、さっきの魔族とは違うのかい?」

「さっきの3体は、単なる魔王の部下。魔王の力はあんなものじゃないわ。」


「そっか…」

ボクはアルマと共に、歓喜しているみんなの声と笑顔をただただ眺めた。


〜〜〜〜〜 第一章 完 〜〜〜〜〜

これにて第一章は終了です。


読者様のおかげで、毎日更新を継続する事が出来ました。

ブックマーク、☆評価、イイネ、ありがとうございました。


2章に移りますが、まだ構成が定まっていない為、

しばらく間を置きます。

また読んでいただけると幸いです。

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