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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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44/116

友人たちとデマントの街で

突然、ナタリアから告白されたボクは動揺した。


ナタリアは、うつむいたまま動かないでいる。

彼女の茶色い髪を日光が照らす。


鳥がさえずる声がやけに大きく聞こえる。


何か言わなければならない。


「ナタリアさん、ありがとう。」

「とても嬉しいよ。」


ナタリアが顔を上げて、ボクを見つめる。

頬は真っ赤なままだ。


「では、私とお付き合いしていただけますか?」


その言葉に対し、返答をするのをためらう。


ふと、頭に浮かんだのはイリエだった。

やはり、ボクはイリエの事が好きなのだろうか。

彼女の笑った顔を思い出してしまう。


「ナタリアさん、ごめんなさい。ボクはキミとお付き合いする事は出来ない。」

ナタリアは、また下を向いてしまった。


「イリエさんと…すでにお付き合い…されているのですか?」

うつむいたまま話す彼女の声は震えている。


「いや、付き合っていない。ただ、ボクはイリエさんの事を好きなのかもしれない。」

ナタリアに向かい、ボクは正直な気持ちを打ち明けた。


「好きかもしれない…と言うことは好きじゃないかもしれない。という事ですか?」

急に顔を上げたナタリアの目を見ると、今にも涙が溢れ落ちそうになっている。


「うん…そういう事かな…」


室内だが、心地よい風が吹く。


「あと、ボクはナタリアの事を知らなさすぎるんだ。だから…

「だったら知ってください!」

ボクの言葉を遮り、ナタリアが大きな声を出した。


「私の事を知ってください…」

今度はさっきより小さな声で、同じ言葉を繰り返す。


ボクは、心が温かくなるような…苦しくなるような感覚を感じる。


「ナタリアさん、じゃぁボクと友達になってください。」


ボクは、そっと手を差し出す。

ナタリアも手を差し出し、握手を交わした。


「そうですね、そこからですね。」

ナタリアは笑顔をボクに向けてくれた。


日の光が背中を温めてくれる。


教会からの帰り道、ボクとナタリアは色々と話をした。

学園での勉強内容の事。友達関係の事。

薬師科の事は何も知らないので、ナタリアの話はとても楽しかった。


「そうだ、今度一緒にお買い物に行きませんか?」


買い物というとデマントの街へだろうか。

まるでデートのようになるな。ボクが返事を躊躇(ちゅうちょ)していると、


「皆さんを誘って行きましょうよ。」

ナタリアは明るく言う。

皆さんと言うと、この前 薬師科の発表会に来た面々だろうか。

そうなるとイリエも入るが…


「みんなに聞いてみるよ。」

そう返事をし、ナタリアに手を振りながら魔法科の棟へと続く道へ向かった。


「はぁ…」

夜、宿舎に戻ると思わずため息が溢れた。


部屋に居たアルマが機嫌悪そうに言う。

「何が、ボクと友達になってください。よ。」


「おい、アルマ…見てたのかよ!」

「心配だったから見守っていてあげたのよ。」


ボクは頭を抱えながら言う。

「用事があったのでは??」


「嘘に決まってるでしょ、ナタリアに気を利かせたのよ。」

「ほんと、いつまで経ってもニブイわねぇ。」


アルマは、やはりボク以外の人の心も読めるのかと思った。


「あーぁ、今日は魔力の提供をやめておこうかなー」

「何!?約束を破る気!?私と…魔族と契約を交わしている事をバラすわよ!」


アルマには敵わない…ボクは大人しく今夜も魔力を提供した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


翌日、食堂でみんなが集まっている時に、ナタリアから提案された街に遊びに行く話をした。


「楽しそうだね、行こうよ。」

ヤエノとサビアスが賛成する。


「何?昨日は一人で薬師科に行っていたの?へぇ〜じゃあ、ナタリアさんと二人で遊びに行けば良いじゃない。」

イリエが冷たい口調で話す。


「私も行っていいかしら?」

ナタリアと面識の無いラブラリルも行きたそうだ。


「じゃぁ…イリエだけ止めておく?」

ヤエノがニヤニヤと笑いながら言うと「行くわよ!」と言い出した。


なんだろう?イリエもボクがナタリアに告白された事を知っているかのようだ。

まさか、アルマが伝えていないよな。


少し憂鬱ゆううつになりながらも、次の休みにデマントの街へ行く事をボクはナタリアに伝えた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


デマントの街での買い物…ボクは危機的状況下に居た。


右にはイリエ、左にはナタリアが居る。

何故か3人だけで街を歩く。


最初は、ヤエノとサビリア、ラブラリルも一緒に居たのだが、

まず…サビリアとラブラリルの二人が突然居なくなった。


「あれ?はぐれちゃったね、探しに行かないと。」

と言うボクを何故かイリエとヤエノに引き留められた。


次にヤエノが居なくなった。

途中、カミュアを見かけて駆け寄ると、そのまま馬車に乗って一緒にどこかに行ってしまったのだ。


そして今、ボクは…


「ちょっと、マイトくん。この服を着てみてよ!気に入ったら私が買ってあげるわ♪」

「マイトさんには、こちらの服が似合うと思いますよ♪」


イリエとナタリアのどちらが勧める服を試着すべきか悩んでいた。


服屋の店員さんに目で合図をすると…何故か殺気を感じた。


仕方なく2枚の服を持ち、試着室に入る。

これは…どちらの服を先に着るべきか…


仕方がないので、右袖にイリエが選んだ服を。左袖にナタリアが選んだ服を着て試着室を出る。


「あはははは」


2人は、同時にお腹を抱えて笑っている。


「あのー、どっちの服も気に入っちゃったな。」

ボクは適当な事を言い、苦笑いを浮かべた。


「もう良いわ、笑ったらお腹が空いちゃった。ランチを食べに行きましょうよ。」

イリエが言うと、ボクよりも先にナタリアが返事をした。


「いいですね、最近オープンしたというアイザラス地方の料理を出すお店に行ってみたいと思っていたのですけど…」

「あー、知ってる!私も行ってみたいと思っていたのよ。そこに行きましょうよ♪」

イリエが言うと、ナタリアは嬉しそうに笑った。


ボクは…二人が選んだ服を着たままでいる。

店員さんからは憐れむような視線を受けた。


先程までは、ボクが真ん中に立ち、両隣をイリエとナタリアが挟んで歩いていたが、

今は、イリエとナタリアが並んで歩き、その後をボクが無言で歩いている。


どこどこのお店の〇〇が美味しいだの、食べ物の話をしているのが聞こえてくる。


二人に連れられて来た店は、変わった雰囲気をしていた。

「マイトくん、ここの料理はちょっと辛いらしいの。大丈夫?」

「マイトさんは強いから大丈夫ですよ♪」

イリエとナタリアは初めて来た店なのに、ここの料理の事を知っているようだ。


二人は化粧品の話を始めていた。

「えー、イリエさんってあの商会の娘さんなのですか?私、あの店で取り扱う化粧品が大好きなんです!」

「今度、あの化粧品はリニューアルするのよ!海藻のエキスを加えてさらに滑らかになるの!」


へー、滑らかになるんだ…ボクは心の中でつぶやく。


そんな会話を聞いているうちに料理が運ばれてきた。

とても美味しそうな香りが漂う。


「さぁマイトくん、食べましょ♪」

「マイトさんが注文した料理も美味しそうですね!」


イリエとナタリアに勧められるままに、ボクは運ばれてきた料理に口を付ける。


「ごふっ」


か…辛い…ボクは涙目になりながら、口を押さえた。


「あははあはは」


二人がお腹をかかえて笑っている。

「いや、この料理、辛すぎるって」


「マイトくん、大丈夫ー?」

心配しているような言葉だがイリエは完全に笑っている。

「マイトさん、無理しないでくださいね。」

ナタリアも笑いが止まらないようだ。


二人は、運ばれてきた料理を美味しいと言いながら食べている。

「この辛味が最高ね!」

うなずき合う二人を見て、ボクはあり得ないと見つめる。


もしかして…二人が注文した料理は辛くないのかな?

と思ったが、少し分けて貰うと…やはり辛かった。


「マイトくんは辛いのが苦手なのね。」

「ごめんなさい、知らなかったから。」


二人はボクに謝ったが、楽しそうに笑っている。


「ねぇイリエさん、マイトさんに悪いから次は甘いデザートを食べに行きましょうよ。」

「ナタリアさん、いいわね!私、美味しい甘味屋さんを知っているの。ユキマ屋さんと言ってね…」


「あー、そこ知ってます。黒豆の甘露煮が最高ですよね!」

「そうなの!私、あの店のファンで…行きましょうよ!」


いや、ボクに意見は…とても口には出来ず、アイザラス料理のお店を出た後も、トボトボと二人の後を歩いて行った。

~~~~~~~


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