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魔族との契約 3

「チュンチュン♪」

鳥のさえざる声を耳にしながらボクは目を覚ました。

窓からの日の光が眩しく、そして暖かい。

今日は良い天気になりそうだ。


部屋の中を見渡すと誰も居ない。

昨日の白うさぎ…魔族アルマティアスは居ないようだ。

あれ?昨日の出来事は夢だったのかな?

森で死にかけたところに魔族が現れて…助けて貰う代わりに魔力提供の契約を交わした。

うん、なんかの物語のようだ。


そう思っていると、

ベットの上に円形に赤く光る魔法陣が現れ、アルマティアスが足から ゆっくりと降りてきた。

夢では無かったが夢のような登場シーンだ。まさに召喚獣。


「おはようマイトラクスくん。」


長い耳に長いフワフワとした尻尾、青い目に所々にピンク色が入った白い身体。

その白い身体が太陽の光に照らされてキラキラと光る。

やはり、どう見ても魔族には見えない完璧な変身だ。

そもそもボクは魔族を見た事が無いから本来の魔族の姿を知らない。が、聞いた話から想像すると魔族はもっと怖い姿をしているのだと思う。


「おはよう、アルマティアス。」


ゆっくりとした口調でボクは朝の挨拶を返した。


「ねぇ、マイトラクスくん。私の事はアルマと呼んでもらって構わないわ。私もキミの事をマイトと、呼んでも良いかしら?」


「うん、分かった。家族にも友達にもマイトと呼ばれているから それで構わないよ」

こちらとしてもアルマティアスはちょっと長いな。と思っていたので有り難い。にこりと笑顔で返事をした。


「あと、毎日 魔力を提供してもらう契約だけど、貰うだけだと悪いから、キミには魔力の増加方法と魔法を教えてあげるわ。」


田舎暮らしで魔法を教えてくれる人は誰も居なかったので、この申し出はボクにとっても良い話だ。

「それは、こっちからお願いしたいくらいだよ。よろしくお願いします。」


「これで毎日、美味しい魔力をいただけるわ♬」

アルマさん、本音が漏れていますよ…。


本来、召喚獣は使役者が呼んだら来るものらしいが、アルマは自由にこの世界に現れる。

まぁ、元々ボクは召喚術師じゃないし、アルマも魔族であって召喚獣では無いからね。


「はい、お母さん、今日の分。」

水魔法、水球で樽に水を入れるのがボクの朝の日課だ。他にも火、風、土の魔法を使う事が出来る。

「ありがとう、いつも助かるわ。」

お母さんの優しい笑顔が見ると改めて昨日、心配をかけてしまった事を悔やんだ。

朝食は、芋と野菜がたっぷり入ったスープ。ボクの大好物だ!

とろりとした甘味が心を落ち着かせる。

家族揃って朝食を食べた後、ボクは学校へと向かった。


村内にある読み書き計算を教えて貰う小さな学校だ。小さいといっても村の中では大きな建物の部類に入る。

先生は1人、生徒は12人で様々な年代の子が通っている。

ボクの妹、サフィアはまだ小さいので学校へは通っていない。


先生も生徒にもボクのように魔法を使える人は居ない。

ちなみに両親も魔法は使えない。というか、この村で魔法を使えるのはボクだけだ。

学校で魔法を使う事は無く、ごく普通の生徒として勉強をしている。あまり使わない方が良いとお父さんに言われているからだ。

今日は計算の仕方を沢山教えて貰い、楽しかった。


学校の授業はお昼までで終わる。先生は他にも仕事があるからだ。


帰り道、アルマが赤い円状の魔法陣から出てきた。

昨日とは違い、頭からゆっくりと現れる。

どちらからも出られるのだね。


にしても、一体、魔法陣の向こう側はどうなっているのだろうか?

気になったので、尋ねてみると「こことは違う世界が広がっているだけよ」と言うだけで詳しい事は教えてくれなかった。


「さぁマイト、魔法の特訓の開始よ!」

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