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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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薬師科の発表会 1

ナタリアからの手紙には、

来月、薬師科でイベントがあるから遊びに来て欲しい。

と書かれていた。


招待状には"薬師科の発表会"となっている。


面白そうだな。

ボクは是非、遊びに行きます。と手紙を返した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あの日、ボクとイリエが一緒に街を歩いていたところを水魔法組の誰かが見ていたようで、しばらく噂になっていた。


イリエは「ちょうど良いわ♪」と言い、堂々としている。


大丈夫なのだろうか?とボクは不安になりながらも目立たないように心掛けた。


一ヶ月程後、ボクはイリエ、ヤエノ、サビアスの3人を誘って薬師科の学園棟へと向かった。

入り口には、"薬師科の発表会"と大きな看板が掲げられている。


面白いものが沢山ある。


触ると悪臭を放つ花。

水に入れると癒しの香りがでる草。

叩くと大きな音が鳴る石。

触ると色が変わる紙。

音楽を奏でる箱。


などなど。

見て、触ったりも出来る。

「く、くさい…」

サビアスが"触ると悪質を放つ花"に触ってしまったようだ。

ヤエノがお腹をかかえて笑っている。


展示物を色々と見て回っていると、

「マイトさーん!」

ボクの名前を呼ぶ声が聞こえた。

前からナタリアが駆けてくる。

「はぁ、はぁ。」

「来ていただき…ありがとう…ございます。」

どこから走ってきたのか、息を切らしながら感謝の言葉が伝えられた。


「あ、イリエさんも来てくれたのですね。ありがとうございます。」

ナタリアは笑顔で挨拶をすると、イリエも笑顔を返した。


「こちらは友達のヤエノさんと、サビアスくん。

2人とも魔法科の生徒だよ。」

「お越しいただきありがとうございます。私は薬師科のナタリアと申します。」

合同演習では大人しかったイメージのナタリアだったが、今日は凄く勢いのある挨拶だ。


「ナタリアさん、今日は元気がいいね。」

と伝えると、恥ずかしそうにしながら

「すみません、なんか舞い上がっちゃって。

そうだ、薬師科の友達を紹介させてください。

どうぞ、こちらへ。」


ナタリアについて行くと、突然、笛が鳴った。

"ピーーーッ"

垂直に立てられた3つのハシゴを、それぞれ生徒達が勢いよく登って行く。


真ん中のハシゴを登った生徒が一番最初に頂上に立つと、再び笛の音が鳴り歓声が上がる。


「凄く速いね!」サビアスが驚いている。


ナタリアが手を叩き、拍手を送っていたので

ボク達4人も真似をして拍手した。


「さぁ、こちらですよ。」


次のブロックへと進むと、ナタリアの友達たちが挨拶をしてきた。

「さあ、どうぞ試してちょうだい!」

4色の小ビンが何本も並べられている。


「回復薬の試飲会よ!一番美味しいと思ったビンの色を投票してね。」


回復薬に、味が違う意味があるのか?

ボク達4人は同じ考えだったようで、お互いに顔を見合わせた。


それでも勧められたので、1本づつ飲んでいく。

「えっ?美味しい。」

イリエが声を出して驚いた。


回復薬というのは、どれも苦いイメージだったが4種類共に美味しかった。

「一つを選ぶのは難しいなぁ」

ボク達は、一人一つづつ違う色に投票すると、薬師科の生徒達は「えー」と声を出したが、「君たちは優しいね!」と言われ、お互いに笑い合った。


「こんなイベントは魔法科に無いから、とても楽しい。

薬師科の生徒が羨ましいよ!」

サビアスがナタリア達に伝える。


「剣士科には、剣術発表会があるけど、楽しいとは言えないかな。ここは楽しいとこだな!」

剣士科発表会を見に行った事があるようでヤエノが大きな声で言う。


「薬師科の事を、もっと教えて欲しいな。」

ボクが言うと、ナタリアの友達らが次々と話をしてきた。


一気に話してきたので、聞くのが大変だった。

要約すると薬師科での授業内容は次の通り。


より良い薬品を生み出す為の研究と開発、そして生産。

戦闘を有利に運ぶための道具の開発と製造。

戦場で騎士や魔法師を援護するための体作り。


なるほど、さっきのハシゴを登る競争も意味があるイベントなんだな。


「マイトさん、次はこっちに来てください。」


ナタリアに連れられて入った部屋は何かの機械が並べられていた。

「何これ?凄いな。」

サビアスが最も食いついている。


ここにも薬師科の生徒達が居る。

「君達は魔法科の生徒だね。さぁ、ここを押してみて。」

代表してイリエが機械についている、円形の石を押してみた。


すると、最上部に置かれた筒状の木材から、小さな丸い球が転がり出てきた。

転がっていく先には穴が空いていて、球はポトンとその穴に落ちた。

あれ?消えた?

と、思ったら、違う場所から出てきてまたコロコロと転がっていく。

また見えなくなって…また出てくる。

また見えなくなって…また出てくる。

あれ?なんか大きくなっていってる?

色も銀色だった球がいつの間にか黒くなっている。

小さな球は転がるうちに大きな球へと変化していた。


「何これ!?面白い!」ヤエノが興奮気味に叫ぶ。

「よい反応をありがとう。」薬師科の生徒が笑いながら言う。


「これはね、投擲球とうてきだまを作る機械なの。もう少し手を加える必要があるけど今、出来たのは煙り玉よ。」

ナタリアは説明を続けた。

「ベースとなる球に破裂させる為の薬、煙を出す薬なんかを何重にも付け加えていくの。」


「へぇー、よく考えられているんだね。」

ボクは感心しながら言うと、

イリエとヤエノも、うんうんと頷く。

サビアスに至っては、食い入るように機械を見ている。


「褒めてくれて嬉しいよ。」

機械の隣に居た薬師科の生徒達が微笑んだ。


ボクは、機械の部屋の外に出ると大きく背筋を伸ばした。

イリエ達も体を伸ばして太陽の光を浴びる。


「薬師科の生徒達が、どういった事を学んでいるのかが分かって勉強になるわね。」

イリエが言ったその時、遠くから叫びながら人が走って来るのが見えた。


「おーい、助けてくれー!」


ボク達5人は、声を上げた人に向かって走り寄る。

「どうかしましたか?」

「怪我人が居るんだ。助けてくれ!」

そう言ったこの男性も傷を負っている。


男性についてボク達は、走っていく。

すると、何人もの怪我を負った人達がお互いに肩を支え合って歩いている。


これは…大変だ。


「私、先生に伝えて来ます!」

ナタリアが疾風のごとく薬師科棟へと駆け出した。


残った魔法科のボク達は怪我人に肩を貸し、歩くのを手伝った。


「何があったのですか?」

尋ねると、助けを求めて来た男性が答える。


「大きな獣がジン村に現れたんだ…あんなに大きなイノシシを見たのは初めてだ。」


もしかして…魔獣か?


「で…そのイノシシはどうなりました?」

「デマントの騎士様達が来てくれて、今、戦っているよ。」


デマントの騎士というと、ナムーヤ様達か。


いつの間にか、アルマが魔法陣から出て来ていた。

「魔獣が出たようね…でも騎士隊が行ったなら任せましょう。」


薬師科棟に着くと、怪我人を運ぶ場所へと誘導された。そこは治療室のようで、20台程のベットが並べられている。


薬師科の先生達が怪我人の状態を見て、ベットへと誘導していく。

ナタリアと生徒達は、患部に薬品を塗ったり、薬を飲ませたりと手際よく治療していく。


が…次々と怪我人が運ばれて来て、治療室にあったベットは全て埋まってしまった。


「仕方ない、棟の庭へも運んでくれ。」

薬師科の先生が叫ぶ。


「君達は魔法科の生徒だね、悪いが手伝ってくれないか?」

ボク達は勿論と伝えると、倉庫にあるマットを中庭へと運ぶ係を手伝った。


ダメだ…怪我人が多すぎてマットの数も足りない。

あんな老人や子供まで血を流して…


台車に乗せられた重傷と思われる怪我人も到着する。


ボク達4人は、沢山の人達が苦しむ惨状を見て呆然となった。

~~~~~~~


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