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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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合同野外演習 2

合同演習中に突如、魔獣と対峙する事になったボク達6人の班。


他の5人は相手は単なる大きな獣と思っているだろうか…

自信過剰のジンバイトはやる気のようだが、流石に巨漢の獣を前に動けずにいる。


冷静なサモアンは困惑しつつも相手の出方を伺っている。まずは敵の攻撃方法を分析といったところだろうか…


ナイサンスールはボクとイリエの前に立ち、守ろうとしてくれている。

が、顔は青ざめていて、剣を持つ手は震えている。


イリエは少し冷静さを取り戻したようで、杖を構えて分析している。

「あの巨大なトカゲは一体何なの?」

質問に対しボクは「単なる大きな獣では無さそうだね。」と無難な答えを返した。


ナタリアは…ボクに聞いてきた。

「この状況はピンチですよね?」


「あぁ…マズイ状況です。」

ボクが答えるとナタリアは背負っていた大きなカバンから赤い球を取り出した。


「助けを呼びます。」

赤い球を空高く投げるナタリア。

その球は自分自身でもさらに高度を上げ…そして爆発して光を放った。

静寂を保っていた空が赤色に染まる。


「ありがとう!助かるよ。」

ボクとイリエは感謝の気持ちを伝えた。


「ナイサンスールくん、悪いがナタリアを守ってあげてくれ。」震える彼の背中を見たボクは、さらに後方へと下がるように配慮した。


「マイト、相手は魔獣の中でも上位種よ。手加減してたら倒せないわ。」

アルマの助言に対し、ボクはイリエをチラリとみた後、静かに「分かった。」と答えた。


創造している召喚獣もどきは、まだまだ実戦投入出来る段階ではない。イリエ達に見られる事を覚悟で、全力の魔法で攻撃するしかない。


先に攻撃を加えて来たのは魔獣の方だった。

大きな右の前脚を高く上げ、ジンバイトとサモアンに振り下ろす。


魔獣の攻撃を後方に飛んで避けたサモアンは、着地すると同時に地面を蹴り、攻撃を繰り出した魔獣の右前脚へと切り掛かる。

反撃だ…ザンッザンッ!サモアンの素早い攻撃が右前脚にヒットするもダメージを与えた形跡が見当たらない。


ジンバイトは大きく剣を振りかぶり、もう片方の前脚へと切りかかる。

「やぁー!」と声を出して突撃したが、大きく口を開けた魔獣の顔が先にジンバイトへと襲いかかる。

横に飛び、回転しながら必死に避ける。


「火魔法…中級 炎の波!」ボクは手のひらから業火を繰り出す。

「すごい。」イリエは小さく呟いたが、切り替えて自身の攻撃を繰り出す。

「水魔法…水柱!」魔獣の頭上から水の柱が突き刺さる。


「グォぉぉぉ」魔獣が苦しそうに雄叫びをあげる。

が…さほどのダメージは与えられていないようだ。


ボク達の魔法が着弾すると同時に、ジンバイトとサモアンがさらに魔獣の前脚を攻撃する。

ジンバイトの大ぶりな攻撃は効いているようだが、サモアンの剣はダメージを与えられていない。サモアンが弱いというより、彼の速度を生かした攻撃が鱗が硬いこのトカゲ型の魔獣に対して効果が無く、相性が悪いと言える。


「ちっ」サモアンが下がりながら舌を打つ。

ジンバイトも一旦、下がった。


「今よ!」アルマが合図を送る。

「分かった!」剣士科の二人が魔獣から離れた事でボクは構えた。


「水魔法…上級 絶対零度の氷河!」

両手を大きく空へと向け、氷を作り出す。青く耀く氷の塊が魔獣の頭上へと向かい、大きさを増していく。


魔獣は、頭上を見ると長い尻尾を振り回し、氷の塊を攻撃する。


カキンっ!尻尾で攻撃されるも水魔法(氷河)はキズ一つつかない。さらに…大きく、そして輝いていく。


前方で構えるジンバイトとサモアンは口を大きく開けて動けずにいる。

「何これ…凄い」横に居るイリエの顔は見えないが声が聞こえた。


「うぉぉぉ」

ボクは両手を振り下ろし、5メートル程の大きさとなった上級魔法である氷の塊…氷河を魔獣の頭上へと激突させた。


ずどぉーーーん


轟音が辺りに鳴り響くと共に砂煙が舞った。


「マイトくん…すごい、すごいよ!」

興奮気味に叫ぶイリエ。

ネイサンスールとナタリアも凄いと声をかけてくる。


が…「まだよ」とアルマが呟いた。


砂煙が引くと、魔獣の巨体が姿を現す。

そして…ゆっくりと立ち上がった。

頭から血を流しているが、その目がさらに血走っている事が分かる。


「マイトくん!…だったか?どうしたら良い?」

剣士科のサモアンが叫んだ。

ジンバイトは無言だが、チラリとこちらを見てきた。


「一旦、攻撃を再開して、ボクが合図をしたら引いてください!」


2人がふたたび魔獣の前脚へと攻撃を加える。

イリエも魔法で攻撃に参加する。


「アルマ…アイツに弱点があったりしないか?」

「あったらすでに教えているわよ。」


4属性魔法を放ち続けて探るしかないか。

ふぅ…と深呼吸をして呪文を唱える。


「風魔法…上級 神判の雷鳴!」


大気を渦巻く暗黒の雲が空を覆い尽くす。

黒い雲がバチバチと音を立てて唸りを増す。



「引いてください!」前線に叫ぶ。

剣士科の2人が後方ヘと飛び退いた。


瞬間…「行け!」


ずどぉーん。稲妻が光り、魔獣の頭上へと向かい電撃が走った。


全身を稲妻に包まれて衝撃を受ける魔獣だが、倒れない。「ぐぉぉぉぉぉぉぉー」

煙を上げながらも怒りを抱いたように声を上げた。


ジンバイトとサモアンがすぐに攻撃へと移った。

「ボクも行きます。」後ろでナタリアを守っていたナイサンスールが進言して前線へと走り出した。


ボクは魔法の構築に入った。

上級魔法は強力だが、初級魔法に比べて発動までに時間を要する事が難点だ、

イリエも魔法を放ち、時間を稼いでいてくれる。


「火魔法…上級 黒点の炎射!」

両手を魔族へと向け、自然界の秩序に心を委ねる。炎を司る帝よ…ボクに力を。空に浮かぶ黒い影が現れ、そこから黒い炎が荒れ狂う。

「行きます!離れてください!」


荒れ狂う炎が魔獣の身体を包み込んだ。

「ぎゃぁぁぁぁぁ」

これでも魔獣は倒れない。が…その目が霞んでいるのが分かる。


「アルマ…どうだ?」

「だいぶ効いているわ。けど相当タフね。」


「うぐ…」ジンバイトが片びざをついた。

「はぁはぁ…」サモアンも肩で息をしている。


その時、背後から駆け抜ける影が見えた。

速い!

疾風のこどく駆けるのは…ナタリアだ。

「コレを…」

ナタリアは回復薬だと思える薬品の瓶を前線でうずくまったジンバイトとサモアンに渡した。

ナイサンスールが盾を構えて防御している。


「イリエ…援護を」

ボクが伝えると、呆気に取られていたイリエが水弓で援護射撃を行う。

「光魔法…反射鏡!」

アルマも目眩しの呪文を唱えて援護を行い時間を稼ぐ。


このスキに…

「土魔法…上級 山神の英断!」

無数の岩石が空中へと浮遊する。大地の神に祈りを捧げると、岩が大きく変貌する。さらに大きくなり、岩山のように変化した岩石達が魔獣の頭上へと降り注ぐ。


ドドドーン…上級土魔法が地響きを鳴らす。


しーん、と静まり返る森は暗くなり始めていた。

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