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【完結】召喚術師の隠し事〜最強の魔法使いはその能力を隠し通す!  作者: あんそに
第一章

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アルマティアスの本質

登校2日目の午後からは、土魔法の演習場へと来た。

だいたい毎日、午前中は一般教養の科目を受け、午後からは魔法の練習をするパターンで履修登録をしている。


なんだかザワザワしているな。

「あ、マイトくん。」

サビアスが声を掛けてきた。

「どうしたんだい?なんだか騒しい感じがするけど…」

「呑気だな、みんなマイトくんの話をしているんだよ」

「え??ボクの話を??」


「ついさっきナズム先生が来てね、試験の時にわしの岩山を砕いた新入生が召喚術師を目指すなんて言うんだ!」と叫んでいたんだよ。

「マイトくん、召喚術師を目指すって本当なの?」


ボクの方が早く部屋を出たのに、何故!?と思ったが、

そんな事より、この状況をどうするべきだろうか?こんなに騒ぎになるとは思わなかったボクは頭を掻きながら考えた。


そもそも召喚術師になるというのは、アルマと一緒に行動してても違和感が無い。という事とボクの魔力の高さを目立たなくする為だ。


「本当だよ。ボクは一流の召喚術師を目指すんだ。」サビアスの質問に返答しなければと思い、そう答えた。

が、言った本人は一流の召喚術師がどういったものなのかを知らない。


…ついさっき、魔法科4人の先生に召喚術師を目指す事を宣言した時の驚いた顔が頭に浮かぶ。


先生方は納得しない顔を浮かべながらも、「召喚術師を指導する術はこの学園に無いから、とりあえず各魔法の演習を受けなさい。」と言ってくれた。


そこで、ボクは日替わりで各魔法の演習をさせて貰うように頼んだ。

適性のある魔法を伸ばす為に一つの演習に集中する事が効率的だと考える先生方だが、これを許してくれた。

アルマが言うには「まだマイトに自分の演習をメインに受けて欲しいと考えているみたいよ。」との事。


とりあえず様々な魔法を身につけたい。と考えるボクの希望が叶ったので嬉しかった。


「そういえば、父が軍に凄い召喚術師が居るって言ってたな。どんな方なんだろう。」

サビアスが召喚術師に関して話すが、突っ込んだ話をされたら困ることに気づいたのでボクは話を変える事にした。「そういえば、ナズム先生はどこに行ったのかな?」


「あー、なんか会議が長引いちゃったみたいで遅めの昼食を取ってくるって。」

(ボクが原因だったのね。。。)サビアスの言葉に苦笑いの表情を浮かべた。


先生が居ない為か、みんな自由に練習をしている。

演習場の奥にある岩山に向かって思い思いの魔法を放っているようだ。


練習に誘うサビアスに対して、

「ボクは魔力アップの練習から入るよ。」と言って端の方へ行き、アルマと出会ってからずっとしているように足を交差させて座った。

するとサビアスも隣に座る。

「一緒にして良い?」

「サビアスくんも物好きだね、背中を真っ直ぐに伸ばして座ると良いよ。そして目を閉じて岩や砂、ここにある自然物質と向き合うんだ。」


30分ほど経過して目を開ける。

何をしているのだろう?と、数人がこちらを見ていた。サビアスの肩を揺らす。

「あ、終わり?」

初めてなのに結構、集中が出来ていたようだ。


立ち上がって進み、土魔法の生徒達の中にボク達二人も並んで入った。

昨日の試験で粉砕させてしまった岩山に対し、今日は手加減して魔法を放つ。


何本か放っていると、声を掛けてくる生徒が居た。「昨日、岩山を粉砕させたのはマグレだったのか?」 色黒で茶色い髪をしたその男子生徒は睨んでくる。

「あー、マグレだったみたいだ。」なんとなく嫌な雰囲気だったので、関わらない方が良いと思いボクは端的に答えた。


「お前、召喚術師になるらしいな!召喚術ってそんなに凄いのか?その肩に乗せてる、白い獣で何かやってみせろよ。」

魔法科の生徒達は仲が良いとイリエが言っていたが、例外もあるようだ。


「この子は今日、調子が悪いんだ。」

アルマに目立たないようにと念を押されているので、無難に答えた。


「ふっ、召喚獣なんて単なる獣だろ。オレの土魔法の方が絶対強いさ!」

無視するボクに対し、顔を寄せてくる。


と…アルマが急に肩から地面へと降り立った。


地面を蹴り、勢いをつけて空中へと身体を投げ出す。そしてクルリと回転したかと思った次の瞬間…


「土魔法…上級!砂人の剛腕!」アルマの声が演習場内に響き渡る。


地面から現れた極太の砂の腕が、湾曲を描いて岩山へと進み、その拳で殴りつけた…

どどーーーん!

ターゲットにしていた岩山が轟音と共に粉砕した。


静まり返る演習場が、砂煙に包まれる。


「あの…アルマさん…」

アルマは自信満々に詰め寄ってきた男子生徒を睨む。

睨まれた男子生徒は、腰を抜かしている。

そして、口をパクパクさせていたと思ったら、急に起き上がって逃げて行った。


「ふっ、たわいも無い。」

「ふっ、じゃないよ!目立たないように行動すると言ったのはアルマじゃなかったか!」


「んー。少し、腹が立っちゃってねー」

そうだった、アルマが魔族と言う事を忘れそうになっていた。魔族を怒らせると怖い事を痛感した。


流石のサビアスも驚いたようだ。


ちょうどその時、ナズム先生が帰ってきた。

「おい、ワシが作った岩山がまた粉砕されているじゃないか。昨日より強度を高めたハズじゃが…さっきの轟音といい、一体何がどうなっているんじゃ?」


ボクが居る事に気づいた先生と目が合う。


「ちょっと体調が悪いみたいなんで、今日は早退します!」思わず声が高くなってしまったが、振り返って走った。


本当に体調が悪いのか、なんだかめまいがする。ふらふらしながらボクは寮の部屋へと帰った。


「良いことを考えついたわマイト!」

部屋に入ると突然アルマが叫んだので何事かと思う。


「魔法で召喚獣っぽい物体を作るのよ。」

「たとえば、さっき私が使った魔法、"砂人の剛腕"は腕だけだけど、丸ごと一体の砂人をイメージして作りあげるのよ。」

「そして、その砂人を動かして攻撃したら、魔法ではなく召喚獣が攻撃したように見えるわ!」


「そんな事ができるの??」

凄い光景を想像したボクは、ワクワクした気持ちでアルマに尋ねた。

「知らないわ。今、思いついただけだから。」


そろそろアルマの性格が分かってきたつもりで居たが、まだまだだと実感した。


「面白そうだから、頑張ってみるよ…」

学園で何を学びたい。これといった目標は無かったので、ボクはアルマの無茶な提案を受け入れる事にした。

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